「以上がこの装備の運用についてだ。何か質問や不備がある部分はあるか?」
「いえ、黎斗さんの説明は分かりやすいですし体も違和感がありませんし大丈夫です!」
笑顔で答えるアーシアに黎斗も釣られて笑顔になる。するとある事に気がついた
「そういえば、君の変身後の名前をまだ付けていなかったな」
「名前ですか…それなら大丈夫です。実は前からポッピーと一緒に考えていたものがあるんです」
「ほう、それで何て名前だ?」
黎斗の問いにアーシアは間を一つ置いて口を開いた
「名前は…仮面ライダーポッピーです!」
ついに修学旅行初日となった今日。東京駅のホームではリアスが見送りに来ておりイッセーと祐斗それにイリナに京都内の寺院を自由に出入りできるフリーパスを受け渡し注意事項を聞いていた
アーシアとゼノヴィア、永斗は事前に話していたのでそれぞれ別行動をしていた。アーシアとゼノヴィアはクラスメイトの桐生藍華とともに雑談に花を咲かせていた。他の生徒も同様であった。だがここで1人例外がいた。
「やっぱり…誰も僕とは一緒に行動しないか…」
そう永斗であった。彼は兄のせいで周囲から白い目で見られており、そのせいでクラスで孤立していた。それを見かねた担任が単独行動取ってくれるように手回しをしてくれたが、それでもこの孤立感はかなり来る物があった
しばらくして目的地である京都行きの新幹線が到着し、永斗は教員たちがいる車両で1人指定された座席に座る。すると横に飛彩が、前の席には貴利矢と黎斗が座った。
「え、みんなどうして?」
「どうしてって?そりゃ自分達の席が
「え、すみません先生方」
パニック状態の永斗が周囲を見渡すとアザゼルがこちらを見て微笑んでおりピースサインをしていた。それで永斗はこの席の配置はアザゼルなりの配慮と人の身でありながらも自分達異能の世界の事件に巻き込んでしまってることへの詫びなのだろう。そう思った永斗は笑顔で会釈をした
ちなみに大我はロスヴァイセと相席だった
「日本の神殿には以前から興味があったんです!それに私、旅行は初めてでワクワクしています!」
「そ、そうか…そりゃあ良かった」
「あ、すみません。勝手に舞い上がって、引きましたよね?」
テンション上がりまくりなロスヴァイセに軽く引きながら話を聞く大我であったが、それに気づいた彼女は申し訳なさそうにうつむき、大我も気まずくなり黙ってしまった。大我は助けを求めるように他の座席にいる教員達を見るが、一部は2人を羨むような目で見ておりそれ以外…特に既婚者達は大我に『なんか話しかけろ!』と言わんばかりにジェスチャーをしていた
ロスヴァイセが大我に対し明白な好意を抱いていることは既に職員全員と一部の生徒に知られていた。ロスヴァイセは美人で優秀なのだが少し抜けているところがあるので男女共に人気があり、生徒からちゃん付けで呼ばれている。大我は外見が少し近寄りがたい部分があるが、根は優しく生徒一人一人にちゃんと向き合い放課後には希望者がいれば
そんな人気者同士の仲を少しでもより良いものにしようと教員達はあれこれ
逃げ場がないと悟った大我は意を決してロスヴァイセに話しかけた
「その、
「い、いえそんなことはないです。ただ……私は昔から勉強勉強ばっかりで全く遊びもしなかったんです。同期の子達がファッションや恋愛にうつつを抜かしてる間も少しでも前に前にっと勉強して…結果的に私は学校を首席で卒業したんですけど今思えばもう少し遊んどけばと思っています」
話に一区切りつくと彼女は周囲で聞き耳を立てる教師に聞こえないように小声で話を続けた
「それに、私は本家の長子が受け継ぐ魔術の紋様を受け継げなかったんです。私って代々先祖が得意としてきた魔法と相性が良くない異端児なんです。それで…「先に謝っとくが痛かったらすまん」え、大我さん?って痛!」
話して行く中表情が暗くなったロスヴァイセを大我はデコピンして話を止めた。ロスヴァイセは額を抑えながら抗議の眼差しを向けた
「何するんですか大我。ちょっと痛かったじゃないですか!」
「悪い、ちょっとばかし暗い空気に耐えれなくなってな。それで、先祖がなんだ?異端児がなんだって?そんな物にお前が縛られる必要なんてないんだよ。お前はお前なりのやり方、言わば自分流でいけばいいんだよ」
「自分流ですか?でも…」、
「あーもう、ウジウジすんな!俺達を見ろ、みんな
照れ隠しをするように他所を向く大我にロスヴァイセは心のシコリが少し取れた気がした
「大我さん。その…何度も相談に乗ってくれてありがとうございます」
「気にすんな。俺が思ったことを言っただけだし、一応お前よりから年上だからな。また悩みがあれば何でも聞いてやるよ」
「そうですか。じゃあ早速一つお聞きしたいことが…」
「ああん?別にいいが」
笑顔で話しかけるロスヴァイセに対し大我はすぐに後悔した
「大我さんって何か人には言えないコンプレックスとかありますか?」
「何でも聞いてやる」と言った手前いきなり答えにくい質問に思わずフリーズする大我であったが先程変人と言われた黎斗が近づき
「大我はお化け苦手でね…昔からその手のゲームや映画にはめっぽう弱いんだ」
「おい黎斗!テメェ…」
「おっと花家先生、ここは新幹線。言わば公共の場だ。あまり大声で騒ぎ立てるのは非常識ですぞ」
人を小馬鹿にするように、それでいて愉悦を堪能してるかのような表情をしてる黎斗を殴りたいと思ったがじっと堪えた大我であった
一方ロスヴァイセはこの後、年配の女性教師から何があっても大我をお化け屋敷に連れて行くよう念を押された
一方、学生達が乗車している車両の中でゼノヴィアは1人永斗のことを考えていた
(永斗は一人で自由行動か。他のメンバーに合わせなくて済むという面では気が楽かもしれんが、このような集団で旅行している中で一人だけ腫れ物扱いされるなんて相当精神的にくる物があるはずだ。それにその原因が自分ではなく双子の兄のせいとなると怒りも湧いてくるはずだ)
彼女は友人である松田、元浜と猥談に花を咲かしてるイッセーを見て…いや、今の彼女を客観的に見たら睨んでいるとも言えるだろう。それ程までに彼女の眼光は鋭かった
(最近ふと思う。どうしてかイッセーの存在が時折気味が悪いと感じる。まるで万物が自分を中心に回っているかのような態度を取っている。しかもまだ卑猥な行動をとり続けてるにも関わらず最近では一部の女子からは何故か評価が上がっている。まるで
イッセーに対する怒りが心の中で高まり出してるのに気づいたゼノヴィアは頭を振って今考えていたことを忘れるようにした
〜おまけ〜
新幹線が京都に到着した頃ちょうど飛彩の携帯に小猫から電話がかかってきた
「小猫どうしたんだ?」
「すみません飛…鏡先生。実は姉様と連絡が取れないのですが……ひょっとしてそちらに着いて行ってたりします?」
「そんなことはあり得ないはず…いやちょっと待て」
飛彩は小猫に少し待って貰い、自分の旅行用に持ってきた大きめなカバンのチャックを開けるとそこには
「ニャー♡」
とまさに猫なで声(撫でてはいないが)で飛彩に向かって鳴いている黒猫が1匹入り込んでいた
「小猫、黒歌を見つけた。俺のバッグの中に猫の化けて入っていた。どうする?」
「すみませんがそっちで預かっててもらえませんか?あとで姉様には私からしっかり言っておきますので」
「分かった。たの…「あらー飛彩ったら抱いてくれたのにつれない態度。私泣いちゃうな〜」…く、黒歌!ちょっと…」
猫の姿のまま飛彩の方に乗っかり携帯電話にしっかり声が聞こえるように話す黒歌に焦る飛彩。だが時すでに遅し、小猫の耳には聞こえていた
「え…ええ!飛彩さん、さっきの話どう言うことですか!姉様の実妹として聞きたいことが…」
「すまんが、これからホテルに行かないといけないんだ。また後でな!」
追求する小猫をなんとか凌いだ飛彩だが今後の展開を考えると頭が痛くなり、自分のズボンに顔を擦り付けてる黒歌をジト目で睨みつけていた
その晩
「おいさっきリアス経由で小猫から連絡があったんだが…飛彩、お前さん黒歌を抱いたって本当か?」
「アザゼル、その話に関してはNo commentだ」
飛彩は恥ずかしそうに頬をかいていた
大我(29歳)とロスヴァイセ(18歳)が歳離れすぎだって?エグゼイド本編のニコに対しても同じこと言えるの?
ちなみに大我達は肉体年齢も精神年齢と同じぐらいです。理由はパラドの秘密が明らかになった時に明かします
次回は…妖怪とのファーストタッチか、それをすっ飛ばしてホテルでの一悶着にしようかな?