SAO 〜無型の剣聖〜   作:mogami

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5話 卒業

去年の3月、長旅の果てに北セントリアに到着したキリト、ユージオ、俺は、ガリッタ老人に言われたとおりに七区のサードレ金細工店を訪れた。キリトが差し出したギガスシダーの最上部の枝を見たサードレはたっぷり3分間絶句し、じっくり5分間検分してから言った。

 

—一年くれ。一年かければ、この枝はとんでもない剣になる。整合騎士の帯びる神器すら超える程のな—

 

あれから、きっかり一年経った。

その1年間で3年使えるという《黒煉岩の砥石》を6個も全損したとかでキリトは珍しく誠心誠意謝っていた。

 

「そ、それで……剣はできたんですか?」

 

恐る恐る聞くキリトに、サードレはカウンターの奥から

両手を使って細長い布包みを気合を込めて持ち上げる。

ゴトン!っといかにも重そうな音を立てて机の上に包みが置かれる。

 

「若いの。まだ研ぎ代の話しをしとらんかったな」

 

その言葉を聞くとキリトはビクッ!と肩を震わせた。

……まあ、安息日のたびに外出しては買い食いをしてたからな………ザッカリア衛兵隊で稼いだ金は減っていく一方だ。

 

「大丈夫だよ、キリト。僕も持ってるお金を全額持ってきたから」

 

「……3人分の全財産で足りるかね……?」

 

これで全額合わせて足りなかったら……禁忌目録違反?整合騎士が飛んで来て即刻逮捕投獄!?

 

「—————タダにしといてやらんでもない」

 

たっぷりと間を取ってからサードレがそう言ったので、俺達は盛大に安堵のため息をつこうとした。だが、その寸前、「ただし」と続く。

 

「ただし、お前さんが、この化け物を振れるなら、じゃ。素材の段階でとんでもなく重かったこいつを、北の果てからセントリアまで運んできたんじゃから見込はあろうが……しかし、言っておくぞ。こいつ、剣として完成した途端、またひときわ重くなりよった。鍛治師や細工師は、テラリア神の加護で、どんなに上等な剣でも運ぶことだけはできるはずなんじゃが……儂とても、1メル持ち上げるのが精一杯じゃ」

 

「……化け物、ですか」

 

確かに結構な重さだったな。キリトが何度、「こいつ、もうその辺に埋めて行こうぜ……」と言ったことか……。

俺が持ってきたからギガスシダーの枝数本の総重量より重かったぞ。

 

旅の道中はユージオの腰に青薔薇の剣。キリトの背中にギガスシダーの最上部の枝。俺がいつしかのゴブリンたちから奪い取った剣を2本担いで歩くのが俺たちのスタイルだった。まあ、ギガスシダーの最上部の枝は俺とキリトが交代交代でもっていたのだが、剣士3人に対してまともに使える剣が1本という状況から剣が2本に増えるので実際。俺もキリトもワクワクしている。

 

「むっ…」

 

「わぁ……!」

 

サードレとユージオは感激したような驚いたような声を上げる。今、キリトが持つ剣に似た剣を何度も見てきた。

柄には黒い皮。刀身も透明感のある漆黒ならその鞘も漆黒。……その剣はまるでSAO時代にキリトが振るっていたエリュシデータを彷彿とさせる。

 

「……そいつを振れるかね」

 

サードレが低く声を発した。

キリトは答える代わりに人の居ないスペースへと歩き、剣を構える。

 

「シッ……!!」

 

キリトが振り下ろした剣は黒い光となって風を切り裂いた。床の数センチ上で剣を止めているが、剣が起こした風圧で床が悲鳴をあげる。

 

「ふん。……学院のひよっこ錬士がそいつを振りよったか」

 

「いい剣です」

 

それだけ言うとキリトは剣を鞘に収め

 

「本当にありがとうございました!」

 

頭を下げた。俺もユージオも続いて頭を下げる。

サードレは微笑を浮かべながら言った。

 

「銘はお前さんがつけるのだぞ?」

 

「うっ……」

 

……キリトは目を泳がせる。

まあ、リーファ……直葉にといつめられて霧ヶ峰 藤五郎とかそれに近い名前を咄嗟に思い付くんだから大丈夫……いや、昨日、バルバロッサ帝王とから言ってたから大丈夫ばないな。

 

そして俺達が店を立ち去ろうとした時、後ろで何かが割れるような音がした。俺達の後ろを見てサードレが驚いている。その視線の先をみると、そこには真っ二つに割れたバックラーが落ちていた。

 

——

 

バックラーに関してはサードレが許してくれたので禁忌目録違反にはならなかった。

 

「……ただの試し振りなんだから、べつに奥義を使う必要ないだろ!店の中でそんなことしたら、売り物に傷がついちゃうことくらい想像できるじゃないか!」

 

「う、うーん……ソードス……じゃない、奥義なんか使ったつもりないんどけどなあ……」

 

「いや、僕は見たよ。剣が一瞬ひかってたもの。僕のまだ知らないアインクラッド流の奥義としか思えないよ!」

 

「いやぁ…アインクラッド流にそんな技はなかったと思うけどな……」

 

ユージオはまだアインクラッド流に先があると思っているので少し不機嫌だ。

 

「そ、そんなことより!そろそろアルスの剣をどうにかしないとな!」

 

「そ、そうだな!……ぶっちゃけ、ゴブリンの剣より練習用の木剣の方が優先度が高いし」

 

ちなみに俺にも剣がないわけではないんだが、いかんせんあのゴブリンの錆びた剣な訳で……なんか嫌だ。

 

「いっそのこと、持ってきた枝をサードレさんに加工してもらったら?」

 

「いや、あれは剣にはできないよ。サイズ……寸法的に」

 

でもそろそろ剣が欲しいよな……

そんなこんなで話しながら歩いていると、やる事を思い出した。

 

「悪い、やる事あるからまた後でな!」

 

「ん?……ああ。また後でな」

 

「気を付けてね?」

 

——

 

ちなみに用事とは買い物である。

しかも、食事系の。まあ、先輩方の卒業おめでとうてきなパーティーの為だ。

 

「なあなあ、遊んで行こうぜ?」

 

「やめて下さい!」

 

……ナンパか?どこの世界でもしょうもない事をするんだな。

 

「おい、あんたら止めたらどうだ?」

 

見ると身なりの良い男が3人。焦げ茶色の髪の子と赤い髪の子……女の子が二人。

 

「なんだい、君は?」

 

「べつに、ただの通行人だが?」

 

「はっ!だだの通行人なら邪魔しないでくれないだろうか?」

 

「君、修剣学院の初等錬士だね?」

 

うわー……学院出された〜。面倒な事になりそう。

 

「私は修剣学院の元上級修剣士なのだが」

 

「所詮は"元"でしょ?相手にすらなりません。とっとと消えろ」

 

こう言っとけば………

 

「あまり調子に乗るなよ!!」

 

殴りかかってくる。

 

「………遅い。キリトやユージオとの修練の方が楽しいな」

 

面倒なので、体術スキル エンブレイザーで腹を殴ってみた。

 

「ベブラッ!?」

 

……予想外に吹っ飛んだ。

まるでキリト達が現実でやっていたボーリングみたいに3人が吹っ飛んだ。意外と面白い。

 

ちなみに天命は減ってないようで、禁忌目録には違反してない。

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 

声をかけられたので見ると、女の子2人がまだいたようだ。

 

「「助けていただいてありがとうございました!」」

 

「いや、俺はたいしたことはしてないよ。それより早くここから離れな?……あいつらが騒いだら面倒な事になりそうだし」

 

………なんだろう。

 

「〜〜〜〜〜!!」

 

焦げ茶色の髪の子の顔が赤い。……もしかして怒らせた?

 

「じゃあ、俺はここで」

 

怒らせてしまったなら長居は無用か……

 

「あ、あの!名前を……」

 

「ん?俺の名前……?俺は………あっ!時間ないや!ご、ごめん!」

名前を聞かれたようなので答えようと思ったが、時間がない事を思い出して走り出した。

 

——

 

「あ、行っちゃった………」

 

「どうしたの?ロニエ。急に名前を聞くなんて」

 

「えっ!?」

 

アルスが走り去った後、その場には2人の少女と殴られ、巻き込まれた気絶した3人の男が取り残されていた。

 

「あ!ロニエってば顔が赤いわよ?」

 

「えっ!?そ、そんなこと……」

 

……かの青年は知らない。

自分が女性を落としまくっている相棒と同じ道を歩み始めたことを……………

 

——

 

買い物を終えて学院に戻ると、なんか凄いことになっていた。なんでも、キリトが主席上級修剣士と一対一の決闘をして引き分けたとか、キリトの畑があのいけ好かない貴族3人組に荒らされたとかなんとか……

 

「あ、これからリーナ先輩の部屋でパーティーな」

 

と、事の張本人が言っていた。

もう少し大人しくしていてくれても罰は当たらないと思うのだが………

 

——

 

そして無事に卒業トーナメントを終えた。

キリトの指導生であるリーナ先輩は北セントリア修剣学院を第1位の成績で卒業した。

 

キリトがゼフィリアの鉢植えを持っている時のライオス達の顔を見るに何やらこっ酷くやったらしいな。

 

まあ、そんなこんなで俺もキリトもユージオも無事に上級修剣士の仲間入りをした。そしていよいよ新しい初等錬士達が入ってくるという時、俺達に1通の手紙が届いた。

 

 




……ハーレムものでもいいよね!?
だってラノベやらゲームだもの!
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