突如、俺達に届いた手紙。その内容は、2年前の約束を憶えているのなら△月◯日に修剣学院の門の前に来るようにという内容だった。
「……まさかなあ」
「本当にまさかなあ」
「……認めたくないものだな」
俺達、上級修剣士に与えられた専用寮で
手紙の内容を見た俺、キリト、ユージオは暫くの間、絶句していた。
「……アルス。お前行けよ」
「そ、そうだね!その方がいいよ、うん………」
「おい!?親友を売るのか!?」
……結果、売られました。
友情とはなんだったのか………
——
「キリトもユージオも酷いな……」
ちなみに手紙の指定日が今日でした。
やれやれ……そういえば上級修剣士になったから後一週間後には傍付き錬士を指名しないといけないんだよなあ。
なんて考えているうちに学院の門の前に着いた。それにしても人が多いな。
お?……うん。あの明るい茶髪は……
「おーい!セルカ〜」
「あ!アルス!」
うん。やっぱりセルカだった。
……2年前の約束という時点で気付いてはいたけど……まさか本当に来るなんてな。
セルカが門の前で手を振りながら飛び跳ねている。……セルカの隣に焦げた茶髪の子と赤い髪の子がいる………あれ?茶髪の子の顔が赤い……?
「あら?アルスの制服……なんで色が違うの?」
「ああ……キリトやユージオと一緒に上級修剣士になったからな」
ちなみにキリトが4位、俺が5位、ユージオが6位だ。
——
「どうしましょう……ティーゼ」
修剣学院の門の前。私たちは今年、この学院の初等錬士になるのだが……どこに行けばいいのか分からない。
「どうしましょうって言われても……どうしよう」
彼女なら何か案があるかと思ったので親友に声をかけてみたが、彼女もお手上げなようだ。
「「はぁ……」」
これから大丈夫だろうか……
と頭を抱えかけた時、
「あの、もしかしてあなた方も新入生ですか?」
「はい?」
声をかけられたので、声のする方を見ると、明るい茶髪の少女が立っていた。
「あ、あの?」
「は、はい!私達は新入生です!」
話しかけられていたのをすっかり忘れていたので慌てて返事をした。
「よかった!実は私も新入生なんですが……他に新入生が居ないか不安で……もうすぐ知り合いが来てくれるので、私と居てくれませんか?私の名前はセルカ・ツーベルクです」
「私はロニエ・アラベルです」
「私はティーゼ・シュトリーネンです」
これからよろしくお願いしますね。と挨拶した後、私は数週間前の事を思い出していた………私達を助けてくれた人。確か彼は修剣学院の初等錬士と言われていた。という事は今は二年生だろうか?
そんな時、
「おーい!セルカ〜」
声が聞こえた。
「あ!アルス!」
セルカが飛び跳ねながら手を振る。
その先には……彼がいた。
少し幼さが残る顔、黒に限りなく近い藍色の髪、髪と同じ色の瞳と制服。なにより、着ている制服の色が私達や周りの錬士達と違うのが印象的だった。………顔が熱くなるのを感じる。
「あら?アルスの制服……なんで色が違うの?」
制服の色が違う。それは確か………
「ああ……キリトやユージオと一緒に上級修剣士になったからな」
その言葉を聞いて私達はギョッとする。
上級修剣士……そういえば周りの錬士との視線が彼に向いている。
「上級修剣士!?………え、えーとアルス上級修剣士殿?」
「……セルカにその呼ばれ方は少し気持ち悪いな。今まで通りでいいよ、てか、拒否したら懲罰権で強制的に呼ばせるからな?」
……懲罰権ってそんなに軽いものなのかな?
「わ、わかったわよ。それで?キリト達とあなたは何位なの?」
「キリトが4位で俺が5位、ユージオが6位だ」
「へぇ〜12人中その順位って凄いの?」
セルカ……一学年に200人近くいる中で12位内に入っているだけでも凄いことですよ?
「まあ、半分以上は狙った結果だし?おかげでキリト達と同室だぞ」
「わぁ!それは凄いわね!」
そういえばこの2人は知り合いなのかな?
「ていうか、お前はどうやってここまで来たんだよ?」
「どうやってて……神聖術とかの勉強という名目で入学しました」
「………成る程、まあ。お前も俺とキリトの弟子だし、なんとかなるだろ!」
そう言って破顔するアルス上級修剣士殿は顔の幼さもあいまってか、可愛らしく見えた。
「で、これから入学式だろ?」
「ええ。でもどうしたらいいか分からなくて、こちらの2人も私と同じ状態で……」
そこで彼は私達を見た。
「あれ?……君達……どこかで見たような」
「は、はい!こ、この前はありがとうごじゃりました!」
あっ!か、噛んじゃった……
「ああ!あの時の!えーと。俺の名前はアルスだ。一応君達の先輩にあたるから分からないことがあったら遠慮なく聞いてくれ……そろそろ案内するか、式場はこっちだ」
そして彼は私達を案内する為に歩き出した。
……道中、ティーゼがこちらを見てやたらニヤニヤしていた。
「っとここで順位の確認して中の席に座ってまってれば式が始まるから、じゃあな!」
式場前の入学順位が張り出されている場所まで案内してくれた彼はそそくさと去ってしまった。
………あ!私ったら……名前を名乗るのを忘れてた!!
そんなことを考えつつ順位を見たら、セルカが10位、ティーゼが11位、私が12位……3人揃って傍付き錬士確定だった。
(これならアルス上級修剣士殿と話す機会も増えるかも!)
なんて考えていた。
——
「アルス!遅かったな?」
「アルス、やっぱり手紙の主は……」
「ああ。セルカだった」
自室に戻るとキリトとユージオが出迎えた。
ちなみに、去年まで一部屋2人制だったらしいが、ことしから3人制になったらしく、キリトとユージオと同室だ。
「そう言えば傍付き錬士の話は……どうする?」
「ああ。その話なんだが……この表を見てくれ」
キリトはそう言って紙を取り出した。
……それはさっきはまともに見なかった新入生の順位表だった。
「……ええ!?」
セ、セルカが傍付き錬士確定だと……?
「俺はセルカを傍付きに指名する!」
「ず、ずるいぞ!」
「そーだそーだ!!」
キリトのセルカを傍付きに指名する発言に俺とユージオで抗議する……が、
「ふっ。僕は4位なのだよ……勝ったな」
まあ、順位的にこの中ではキリトが指名の優先権を持っているし、仕方ないか……
ちなみに俺とユージオは誰でもいいや的な感じで指名を一番背後にしてもらい、ユージオがティーゼ・シュトリーネンという子を、俺がロニエ・アラベルという新入生を指名した。
ロニエ、主人公の傍付き化。
それにともなってセルカをキリトの傍付きにしました。結構前にセルカが青薔薇の剣を振れた的な文を書いたり、央都に行く発言はこの為です。
閲覧ありがとうございました!