SAO 〜無型の剣聖〜   作:mogami

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11話 上級修剣士生活 その6

……昔々。この世界に人が現れ始めた頃。

4頭の馬が降りてきた。4頭のうち、一頭は白く、一頭は赤く、一頭は黒く、もう一頭は青かった。

 

白い馬は"勝利"を司る。

赤い馬は"戦争"を司る。

黒い馬は"飢饉"を司る。

青い馬は"死"を司る。

 

だが、4頭を恐れた当時の術者や戦士達は馬達を封印する事にした。

 

白い馬と青い馬は一騎の騎士になり、赤い馬と黒い馬は戦車になった。

 

騎士と戦車はまさに鬼神の如き強さだった。

騎士が一度剣を振ると術者も戦士も千人が薙ぎ倒された。

戦車が駆けると地は割れ、空気は吹き飛んだ。

 

……だが、やがて現れた騎士により、白い馬と青い馬は封印された。赤い馬と黒い馬はダークテリトリーへと逃れた。

 

—なんだか、とても虚しい……満たされない虚無感だけが残された—

 

——

 

「……夢か」

 

なんだか、虚しい夢だった。

 

「あ、おはよう。アルス」

 

「おう、おはよう。ユージオ」

 

自室から出ると同じく寝起きのユージオがいた。軽く挨拶をすると、俺の目は自然と黒藍の死剣と部屋から持って来た、白い宝玉に向いていた。

 

(もしかして……お前達の記憶……なのか?)

 

当然、返事が返ってくる事は無かった。

 

(お前にも形をやらないとな……)

 

白い宝玉を見て思った。

 

——

 

授業が終わって専用寮に向かっているとき、俺はここ最近の俺の傍付き錬士、ロニエとのやり取りを思い出していた。

 

「先輩!ここはどうすればいいんですか?」

 

「先輩!今度の安息日はお暇ですか?よろしければ跳ね鹿亭に行きませんか?」

 

「先輩!」「先輩!」「先輩!」っと最近、ロニエがよく声を掛けて来る。まあ、可愛い後輩からのお誘いなので断らないけどな?

 

「アルス?どうしたんだよ。なんか表情がコロコロ変わってるけど」

 

「いや、最近な?ロニエが妙に積極的と言うか……」

 

「!?へ、へー…」

 

……こいつが元凶か。

まあ、いいか。

 

「おい、二人とも。そろそろ彼女達が来るよ」

 

「ああ。そうだな」

 

「急いで戻るか」

 

そして俺たちは懐かしの早歩きで寮へ戻り出した。

……んで、戻って来たのはいいが。

 

「あ、あれ?鍵が……」

 

キリトが鍵を無くした。

俺達は鍵をキリトに預けてるので、鍵を持っているわけがない。

 

「「ジトー……」」

 

ユージオと揃ってキリトをジト目で見つめる。

 

「だ、大丈夫だって!お前達の鍵は部屋にあるから!」

 

……それはそれで問題じゃないか?

結局、鍵が無い事には変わらないし。

 

「あら?キリトにユージオ……アルスもどうしたの?部屋の前で立ち往生なんて……」

 

「せ、先輩!?」

 

「………もしかして、鍵を無くしたんですか?」

 

「「「(ビクっ!?)」」」

 

ティーゼの鋭い指摘に揃って肩をビクつかせてしまう。

 

「そそそそ、そんな事ないぜ?」

 

「キリト……どうするのよ!?だれも鍵もってないんでしょ?」

 

「………どうしましょう?」

 

そして俺達6人の間に気不味い沈黙が流れる。

 

(ここにいるメンバーになら見せてもいいかな?)

 

そう思ったので、扉の前に出てノブを握る。

 

「先輩?」

 

「お、おいアルス。扉を壊すとか言わないよな?」

 

「まあ見てろって」

 

握ったノブに意識を集中する。

それと同時にカチャッと音がしてノブが回る。

 

「「「「「え?」」」」」

 

そして再び訪れる無音タイム。

 

「お、おいアルス!?何をしたんだ!?」

 

「……心意技を使いました」

 

そして無音タイムを破ったキリトが慌て気味に聞いてくるので、一応返事をした。

 

「心意技?……しっかり説明してくれるんだよね?」

 

「……学院の授業が終わったばっかりだけど?」

 

「せ、先輩……私も気になります」

 

「……授業ぽくなるけどそれでも聞きたい人〜」

 

ユージオの問に対して脅しをかけることで引いてくれることを願ったのだが、ロニエに上目遣いで頼まれたので……その………男なら察してくれ。

 

「「「「「はーい!」」」」」

 

「満場一致ですか……」

 

まさかの満場一致により、授業をする事になったので、俺達の部屋の談話室で熱弁を振るう事にした。こうなったらやけだ。

 

「……心意技は、言わば高度な自己暗示。それも出来るかも知れないというあやふやな物ではなく、確信で無くてはならない………まあ、初めて使った時は確信なんて無かった。………詰まる話、心意技とは、理屈やら理的な物を覆す程のイメージが形になった物だ」

 

「はい!」

 

元気よく手を挙げたティーゼ。

 

「はい、なんですか?」

 

「この前の戦いで木剣が宙に浮いたり、何もないところで何が弾かれるような音がしてたのも心意技?なんですか?」

 

「ああ。実は心意技を初めて使ったのはあの時だ。……そうだな、ヒントになったのはキリトだ」

 

俺の発言と同時にこの場の全員の目がキリトに向く。

当の本人はというと……

 

「え?………俺?」

 

自分を指差しながら首を傾げていた。

 

「キリトは以前、この学院でゼフィリアを育てた事があったろ?そんで——」

 

この場にいる全員に分かるように説明する。

……実際は俺も完全に理解しているわけでもないからしっかり説明出来ているかは疑問だが。

 

………余談だが、その日はひたすら質問されて答えるの繰り返しだった。




序盤の4頭の馬達の話は某説明サイトをみて私が自己解釈したものです。心意技についても似た様な感じですので……深い考えはしないで下さい……朧豆腐メンタルなんです。

閲覧ありがとうございました!
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