SAO 〜無型の剣聖〜   作:mogami

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主人公……彼は何処へ向かっているのでしょうか。
詳しくは本編をご覧下さい!……まあ、文自体はやはり残念なままですがね(苦笑)



1/7 追記。
本編のセリフでの誤字を教えて頂いたので修正します。
これからも誤字などがあればご指摘ください。
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ご指摘してくださり、ありがとうございました!


20話 忘れ去りし過去

長い長い階段を下り、キリトとユージオと合流することを考えながら重厚な扉を開ける。

 

「……疲れて幻覚でもみてんのかな」

 

扉を開けて目の前に広がった景色を見てそんなことを呟いてしまう。

 

甘い匂い、水のせせらぎ、足下に広がる芝生、咲き誇る色とりどりの聖花、綺麗な小川………一瞬だけこの場所が室内だということを忘れてしまった。

 

「あれは…………」

 

そして顔を上げると一本の樹が目に入ってきた。

それほど大きい樹ではない。寧ろ華奢な印象を覚えるが、遥か高い天井付近に設けられている窓から差し込む太陽……ソルスの光がちょうどその樹を照らし出し、舞い散る橙色の花びらが黄金の光を放ちながら踊っているように見える。

 

——そんな中、俺は彼女を見つけた。

金髪の髪、金髪の鎧……樹と共にソルスの光を受け、神々しい程に輝く一人の少女を。

 

 

—「ねぇ、アルス。今度一緒に森へ遊びに行きましょう!」

 

「良いね!そんじゃ、キリトとユージオにも声をかけないとな!」

 

「………二人きりで行くのよ‼︎」

 

「………ふぁ!?まじで言ってるのか、アリス」

 

「全く……察しなさいよバカ

 

「ん?何か言ったか?」

 

「なんでもなーい……ほら、早くギガスシダーに行きましょ。二人がお腹を空かせてるわ」—

 

何故だろう……彼女を見たら頭の中に映像が流れた。黒い藍色の髪をした子供と金髪の女の子が楽しげに会話のしている映像。

 

(そう言えば最果ての洞窟でゴブリンと戦った時も似たような事があったな……)

 

あの時は翌日になるとその映像を忘れてしまったんだが……あの時は一体、何を見たのだろうか。

 

まあ、今となっては思い出す術が無いので考えるだけ無駄だな、と考えながら俺は歩を進める。

 

「……」

 

小さな橋を渡り、丘のてっぺんを見上げる。

彼女は目を瞑り、俯いている。

 

(………寝ているのだろうか?)

 

それならここを素通りしてキリト達との合流を急ぐだけだと考えた矢先に目を開けた彼女と目があった。

 

「もう少しだけ待ってください。せっかくの良い天気だから、この子にたっぷりと陽を浴びさせてあげたいのです」

 

何故だろう……さっきの流れて来た映像の彼女に重なる。やはり、同じ"アリス"だからだろうか。

 

セルカの姉である、アリス・ツーベルク。

俺たちの前に現れた整合騎士アリス・シンセシス・サーティ………妹である、セルカが間違いなく姉だと言ったので間違いない。目の前の騎士がユージオの旅の目的、アリス・ツーベルクだろう。

 

「さて、何故お前がここにいるのです。お前は小父様が最高司祭様に引き渡した筈ですが?」

 

「いや、ベルクーリのおっさんが言うには俺の力を試せという命令だったらしくてな……後は言わずとも分かるだろ?」

 

目の前まで歩いて来たアリスの問いに答える。

 

「何を馬鹿なことを……と言いたい所ですが。お前がここにいるということはそう言うことなのでしょう……残念です。小父様から一本取るのは私の目標でしたので」

 

そう言って残念そうに、悲しげな表情を浮かべて顔を伏せる。

 

……何故だろう。目の前にいる彼女は少なくとも敵である筈なのに、そんな表情をして欲しく無いと思った。

 

「安心しろ、殺してない。あのおっさんから一本取る機会はまだ失われてないぜ」

 

そう思ったら自然と口からそんな言葉が出ていた。……心のどこかで彼女が"あの頃(・・・)"のように笑いかけてくれる事を期待して。

 

「ッ⁉︎何故です……?」

 

「いや、何故って聞かれても……なんとなくだが、あのおっさんは嫌いじゃないし、俺の目的は整合騎士の殲滅ではなく、キリト達との合流だからな」

 

「ならばどうして、あの2人は騎士達を傷付けるのです?」

 

ベルクーリが生きている。という事を伝えたあたりからアリスの顔に理解出来ないというような表情を浮かべている。……失礼だと思うが意外だ。てっきりいきなり斬りかかってくると思っていた。

 

「まあ、あの2人は降りかかる火の粉を払っているに過ぎないさ。後で被害を確認してみると良い、絶対に死者は出ていない筈だ。そもそも整合騎士になろうと修剣学院に入ったんだ。それでなぜに好きこのんで自分から彼らに攻撃せにゃならんのだ」

 

「……待ちなさい。整合騎士になると言うのはなんです」

 

……まただ。ベルクーリのおっさんも似たような事を言っていた。たしかあのおっさんは最高司祭に召喚されたとか言ってたな。

 

「四帝国統一神前大会で勝ち上がれば整合騎士になる栄誉を与えられる。どんなに田舎出身でも知っていることだぞ?」

 

現に最果てと言われる程に北にあるルーリッドの村の出身であるユージオも知っていた。そんな事を当の本人である整合騎士が知らない筈が無いだろう………たしかエルドリエだったか?彼も整合騎士になった筈だ。

 

「……どうやらこれ以上の会話は無駄の様ですね」

 

「………信じてないならはっきりとそう言えよ」

 

でもまあたしかに、これ以上目の前の整合騎士と話すのは無駄……なのか?いや、絶対に連れ帰ると約束したっけ……。

 

「約束は守らないとな」

 

ユージオの旅の目的。

セルカとの約束。

……さっきの映像も他人とは思えないし、何故だろう。彼女を見ているとまた、別の映像が流れてくる。

 

"君は昔の事を、覚えていないのか?"

そんな言葉を呑み込み、空気を吸いながら宣言する。

 

「咎人アルス。誉れ高き整合騎士アリス殿に剣士として尋常なる剣での立会いを所望する!」

 

背中の"勝利の白剣"を引き抜き、構える。

 

「——ふっ……そうですね。わたしも小父様を破ったその剣技に興味があります。その立会いを受けましょう。さあ、始めましょうか」

 

俺の申し込みを受けると言った彼女は丘の上に登り、樹を触る。

 

すると、樹のてっぺんがどんどん消えていき、最後に残ったのは何から何までが金で彩られた剣だった。

 

あの剣はもうすでに支配状態なのか?

そんな思考を留めておきつつ、丘の上で剣をこちらに向けているアリス目掛けて剣を上段に構えながら踏み込み、距離を詰める。

 

ギィィィンと思い音を響かせながら2振りの剣が互いにぶつかりながら火花を散らす。

 

そして再び俺の脳裏に記憶がながれこんできた

 

 

 

 




さて、後書きです。
アルスくんは何処へ向かっているのでしょうか?
ロニエを落とし、ロリで幼いアリス……略してロリスを落とし………ああ。どうなってしまうのだろう。
それは今後の気分次第です!閲覧ありがとうございました‼︎

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