SAO 〜無型の剣聖〜   作:mogami

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やはり、一人称の方が書きやすい……。
たぶん、偶に三人称の話も書きますが基本的に一人称で行くと思いますので、よろしくお願いします。


34話 決戦

ギギィィと重い音を響かせながら扉が開く。

 

「あら、予想よりも随分早かったのね」

 

扉の向こう側に薄い紫色の髪をなびかせながら全裸の女が振り返る。………聞いた通りだ。

薄い紫色の髪。

女神……と言っても過言では無さそうな美貌。

公理教会最高司祭……この世界の神を名乗る管理者。

本来の名前はクィネラ。

 

「あれが……アドミニストレータ」

 

そう、俺たちの打倒すべき相手だ。

整合騎士を生み出し、記憶を抜き取り、公理教会を作り出し、アルスを"完成された整合騎士"と言う形で洗脳したヒューマンユニット……。

 

「アルスは失敗したのね」

 

「あなたが最高司祭……アドミニストレータか?」

 

俺の声は掠れていたが、相手には届いていたらしい。

余裕に満ちた顔に微笑を浮かべながら頷いた。

 

「ええそうよ、私が最高司祭アドミニストレータ……まあ、貴方達は挨拶しに来たって表情では無いけれど」

 

「最高司祭様……一つご報告があります」

 

優雅な仕草のアドミニストレータにアリスが一歩前に出て宣言する。

 

「我ら誉れ高き整合騎士団は本日を以って崩壊しました。たった3人の反逆者達の剣によって……そして、私も貴女に刃を向けます。私はこの世界の歪んだ秩序を正す。この幼馴染達と共に………っ!」

 

アリスが《金木犀の剣》を引き抜き、アドミニストレータへと向ける。そんなアリスをアドミニストレータは一瞥すると、愉快そうに笑った。

 

「あはははっ!そう、そういう事なのね!サーティちゃん、貴女……分かっちゃったのね」

 

ひとしきり笑った後、笑みを浮かべながら冷やりとする声で言った。

 

「まあいいわ、掛かって来なさい。私のお人形といずれお人形になる子達だもの、これくらいの戯れは許すわ」

 

愉悦と余裕の入り混じった表情のアドミニストレータがまるで誘蛾灯の様に見える。

 

「ユージオ、カーディナルから貰った短剣はまだ持ってるな?」

 

「うん、しっかり持ってるよ」

 

「じゃあ、ユージオは隙を見つけたらそれを使ってくれ。そんでアリスは俺と一緒にユージオが突き入る隙をつくるぞ!」

 

「「うん(了解)!!」」

 

俺とアリスが駆け出し、少し遅れるようにユージオが駆ける。俺の右手の《黒い奴》にライトエフェクトが発生する。

 

「喰らえ!」

 

片手剣ソードスキル《ソニックリープ》。

跳躍突進による刺突がアドミニストレータに襲い掛かるが、それはどこからか取り出した銀のレイピアで方向を逸らされる。

 

「りゃあぁぁぁぁ!!」

 

だが、逸らされた俺の攻撃により生じたほんの僅かな隙を縫うように追い打ちを掛けるようにアリスが斬りかかる。

 

「即席の連携にしてはなかなか器用ね。でも、それだけじゃ私には通じないわ」

 

永劫不朽の名を持つアリスの《金木犀の剣》が呆気なく弾かれる。内心で冷やりとしつつ、剣を弾かれほんの少し無防備になった彼女にアドミニストレータはレイピアを用いて突きを放つ。

 

「させるかっ!」

 

俺はそれを防ぐために、左手で引き抜いた《勝利の白剣》の力を発動させ、不可視の斬撃で弾く。

 

「あら、アルスの剣を使えるのね、あなたも特別……いや、違うわね。アルスの剣だからこそ使えるのかしら?」

 

ガッ!と言う音が響き、アドミニストレータが首だけをこちらに向けて言う。

その瞬間、彼女の動きが一瞬だけ止まった。

 

「咲け、青薔薇!!」

 

その隙にユージオが武装完全支配術を発動させる。

氷の蔓がアドミニストレータの動きを完全に封じる為に襲い掛かる。

 

蔓がその四肢に巻きついた瞬間、《勝利の白剣》を鞘に戻し、《黒い奴》を両手で握り、高速で詠唱を始める。

 

「こんな物で私を拘束できると思うだなんて、可愛いのね」

 

未だに余裕の表情で氷の蔓を粉砕するが、その頃には俺の詠唱は終わっていた。

 

「「エンハンス・アーマメント!!」」

 

俺が武装完全支配術を発動させると同時に俺とは逆方向に立っていたアリスも完全武装支配術を使っていた。

 

アドミニストレータは黒と金の力の奔流に挟まれるが、何かを高速で唱え、シールドのようなものを左右に張る。

………この瞬間を待っていた。

 

「今だ!ユージオ!!」

 

「おおぉぉぉぉーーっ!!!」

 

ユージオが短剣を持ち、無防備になったアドミニストレータの胸元に突き立てる。

それで全ての決着が付く………筈だった。

 

「なにっ!?」

 

確かにユージオの短剣はアドミニストレータに当たっている。それでもアドミニストレータは多少驚いた様な表情を浮かべるだけだった。

 

「この短剣は……そう、あなた達……あのちびっ子と会ったのね。ついこの前、メタリック属性に対する耐性をつけたのだけど正解だったわね」

 

メタリック属性に対する耐性……今の状況からその言葉の真意を汲み取るに、アドミニストレータには金属で構成された物ではダメージを与えられない。

 

「それより……いいの?離れないとーーーー死ぬわよ?」

 

アドミニストレータの持つレイピアが硬直しているユージオに迫る。俺もアリスも反応が遅れてしまっている。

 

「ユージオォォォォ!!!」

 

そんな叫びを上げる事くらいしかできず、その凶刃に貫かれる瞬間を眺めるしか無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………そう、思った矢先。

何も無い空間(・・・・・・)から見知った黒い藍色の少年が現れ、ユージオに迫る凶刃を防ぐ。

 

「よう、待たせたな」

 

鋼色の大剣と黒い藍色の剣と同色のコートを身に纏った剣士……アルスがアドミニストレータに刃を向けていた。

 




後書き

今回は遂にアドミニストレータとの戦いが始まった回でした。《時穿剣》を大剣と表現したのは、原作で両手剣と書かれていたからです。

因みになんですが……《ダークリパルサー》と《青薔薇の剣》は何と表現すればいいでしょうか?
原作だと純白と表現されることが多いですが、ゲームだと明らかに薄い空色……白に青がほんの少しだけ混じった様な色なんですよね……。

それから、アルスが何も無い空間から現れた理由については次の話で語ろうと思います。

それから最後になりますが、本作品は主にオリ主(アルス)視点が多いので、キリト達が体験してきた描写をカットする事があります。なので、原作知識があれば快適にお楽しみ頂けると思いますが、質問していただければある程度ネタバレにならない程度に説明………させて頂きます(超震声)

それでは閲覧ありがとうございました。
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