SAO 〜無型の剣聖〜   作:mogami

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今回は前回の説明会的な物をイメージしましたが、少々……というか、かなりわかり辛いです。

ですのでヒントを残すならドラゴンボールの"ピッコロと神様"の関係みたいな物をアルスとカーディナルに当てはめて頂けると辛うじて理解が出来るかもしれません。

5月13日、10時00分。
話の内容を修正。


43話 神殺し

アドミニストレータが残っている左肩をワナワナと震わせて、アルスを充血した眼で睨む。

 

「データの上書き統合…?ハッ!そんなことが出来るわけがないわ、この私ですら人形(整合騎士)を作ることが限界だったのに、あのカビ臭い図書館にこもっていたリセリスにそんな術式が組めるはずないわ!」

 

そんなアドミニストレータに対して少し、肩を竦めて数秒前の出来事を思い返す様に目を細めた。

 

「そうだな、俺が"ただのヒューマンユニットだったなら"な」

 

———

〜アルス視点〜

 

俺が管理者となった理由は半ば勢いだが、それでも、カーディナルの託してくれた物を必ず守ろう。

 

「アルス……管理者になる気はないか?」

 

俺は最初、瀕死のカーディナルの言葉に耳を疑った。

最初はうわ言の様なものかと思ったが、彼女の眼は死の寸前にあるにも関わらず強く、凛としていた。

 

「……どういう事だ?」

 

だから、カーディナルの言葉を一言一句間違えない様に神経を尖らせ、続きを促した。

すると、彼女は「ふっ…」と何処か安心した様な微笑を浮かべて説明を始めた。

 

「よいか、お主とキリトは同じIDを"2人同時に"使用しておる。つまり、データ上は本来なら1人だけのはずのプレイヤーが2人存在している事になる」

 

「同じプレイヤーが2人……」

 

「そう、本来ならあり得ない事じゃろう。しかし、そこが今からやる事のキーポイントとなる。よいか———」

 

そこからの説明は衝撃的だが、納得が出来る内容だった。

何かと掘り下げて話をするなら、VRMMOはアミュスフィアでプレイヤーの脳を読み込み、意識をデータ化してゲームをプレイするものだ。それはSTL(ソール・トランスレーター)も例外ではない。そこで問題となるのがキリト……いや、桐ヶ谷和人の中にはキリト本人と俺、2つの意識がある。故に一台のSTLで2つの意識を読み込んでしまい、1つのIDを2人のプレイヤーが使用しているという状況になっているのだ。

 

そして、重要なのはコレから。

 

1つ目、俺の意識データは《MHCP−00》のプログラムとまるっきり同じだろうと言うのがカーディナルの考えだ。

 

2つ目、《MHCP–00》はSAOのβテストから存在していた。《ザ・シード》はβ時のカーディナルシステムを改良したもの、ならばそれを利用したこの世界(アンダーワールド)にも《MHCP–00》はIDだけでも存在している。そして、そのIDに俺のデータを移行する事が可能。

 

以上がこれから俺を管理者にする為の前提条件だ。

カーディナルはこれらをものの数秒で考えついたのだから叶う気がしない。

 

「これからする事はクィネラの行った整合騎士の製法を応用したものだ」

 

そう言って彼女はまず、俺を《MHCP–00》のIDに移行する事で俺とキリトを"分けた"。その上でカーディナルシステム上ではサブアカウントだった俺にその権限、能力の全てを譲渡、上書き、統合することで、サブアカウントをマスターアカウント(・・・・・・・・・・・・・・・・・)に変換した。

 

結論から言うと、カーディナルシステムによって生み出されたリセリス(カーディナル)アルス(MHCP-00)のプログラムを俺をベースに上書き、統合されたことで俺のアカウントをアップデートしたと言うことだ。

 

カーディナルはその全てを俺に託し、ゆっくりと光へと還り、その光が俺の中に入ってきた。

暖かかった。自分の中に異物が入ってきたと言う感触ではなく、元々1つだったものが再び1つに戻った様な感覚。

 

—アルス……この世界を頼んだぞ……—

 

「——ああ。任せろ」

 

こうして俺とカーディナルは1つになった。

 

 

———

 

アルスはそこまで語ると細めていた眼をアドミニストレータに向け直す。

 

「彼女は消滅した訳じゃない。アルスとカーディナルは統合され、1つになった。アルスをベースに統合されたから俺の人格が主人格になったが、今の俺はカーディナルでもあり、アルスでもある」

 

そう言い切ったアルスはその言葉を裏付けるように今までとは少しだけ雰囲気が違って見える。

 

「リセリスッ……!お前は何処まで私の邪魔をするのかしら!?いつもいつも懲りずに何度も何度も!!」

 

アドミニストレータが忌々しげに、怨念の籠った声で叫び、アルスを殺意まじりの視線で睨みつけ、先ほどユージオに斬り飛ばされた自分の腕を拾い上げてそれを物質変換の術式で細剣へと組み替えて、それをアルスへ向ける。

 

「ふっ…。お前が存在するならば何度だって邪魔してやるさ。それが今の俺の責務だ」

 

アルスはアドミニストレータの行動や視線を受け止めて、その上で動じずに、長杖を背中にしまい、代わりに《黒藍の死剣》を握り、それをアドミニストレータへ向ける。

すると、今度はいつの間にかアルスの隣に並び立っていたキリトが同じように《夜空の剣》をアドミニストレータに向けて言う。

 

「そうだな、そしてこの世界にアドミニストレータ(あいつ)の様な存在を作り出してしまったのは俺たちリアルワールド人の責任だ」

 

アルスとキリトに剣を向けられたアドミニストレータは今までの余裕そうな態度、優雅な表紙が嘘だったかの様に醜く顔を歪めて唾を飛ばしながら喚き散らす。

 

「ふざっけるな!たかだか生まれて十数年の若僧どもがこの世界の神に向けて……決めた。お前達は1人残らずこの場で殺す。この世界に管理者は1人で十分よ!!」

 

その叫びを聞いたアルスとキリトは冗談まじりに言う。

 

「おい、あいつ自分の事を神だとか言ってるぜ、キリト」

 

「ははっ!そうだな。少なくとも俺たちはその世界の神様とやらを2人は倒したんだからな。何とかなるだろ。何せ、俺とお前が揃ってるんだぜ?」

 

かつて自分達が倒してきたヒースクリフやオベイロン(その世界の神)を思い出した。まあ、オベイロンは神と言うにはかなりの小物だったが。

 

アルスとキリトは戦いの前とは思えない笑顔を浮かべ、少し笑った後、声を揃えて叫び、走り出した。

 

「行くぜ、相棒(アルス/キリト)!!」

 

 

 

 

神殺しと神の殺し合いがはじまる

 

 




後書き

はい、分かりづらくてゴメンナサイ。

アルスとカーディナルは本話で書いた通りに1つになりました。自分の中で考えた「上書き統合」について伝える努力をしてみたのですが、分かりずらい内容になってしまったので、前書きで言ったとうりにドラゴンボールの"ピッコロと神様"と言う表現が一番正しいというか、一番言いたかった事が伝わりやすそうです。
……わかって貰えましたか?

すみません、以降気をつけますm(__)m
閲覧ありがとうございました!
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