SAO 〜無型の剣聖〜   作:mogami

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68話 人界軍にて その4

ロニエと新たな約束を交わして時は進み、翌日の明け方。俺は、何となく早く目が覚めて、天幕の外……野営地をウロウロしていた。

 

「ん、アルスじゃねぇか。随分と早起きなんだな」

 

「ああ、おはよう。ベルクーリ」

 

おはようさん、と片手を軽く持ち上げて挨拶を返して来たベルクーリの方は歩く。

会話は自然と始まったが、話題は勿論今後の事だ。

そりゃそうだ。この場にあるものは皆、戦争に備えてここにいるのだから会話の話題は自然と目の前に迫った戦争についてのものになるだろう。

 

「おっさん、この戦争。勝てると思うか?」

 

「……正直言って厳しいだろうな」

 

腕組みをして少し言い澱むように沈黙してからそう言った。

どうやら最古参の整合騎士であってもそう言わざるを得ない状況のようだ。

 

「この戦争……恐らく最前線になるであろうこの地に就ける整合騎士は十余名。神器持ちもあまりいねぇからな」

 

「……?整合騎士ってのはみんな神器を持ってるんじゃねぇのか?」

 

「いや、実を言うとそうじゃねぇ。整合騎士にも上位と下位があってな。俺やアリスの嬢ちゃん、エルドリエやらファナティオを始めとした上位騎士と呼ばれる者しか神器は持ってねぇんだ」

 

なんでも、権限は持っていても彼ら彼女らに合う神器がなかったり、逆に適合しても権限が追いつかなかったり。プラス、これまで神器はアドミニストレータ……最高司祭が作っていたものだからもう生産方法が無いとの事で、おいそれと神器を渡すことも難しい状況にあるらしい。

 

「そう言った点では、今回お前さんらがここに来てくれたことは本当に心強い。アリスの嬢ちゃん、ユージオ少年、キリトの坊主、それからお前がいるしな」

 

「……だが、俺の神器は……」

 

「分かってる、けどよぉ。お前は取り戻す為にここに来たんだろ?」

 

「ああ……」

 

ベルクーリにも話している。

俺が今回の戦争に参加した理由を。

 

「その心意気が重要なんだ。知ってんだろ?心意ってのは心の力。想いの力だ。心無い者は力を振るえない。思い無き者に心は抱けない」

 

「なんだ、それ?」

 

「俺の中の心情の1つさ、今の状態でも心意は感じ取れるんだろ?なら分かる筈だ、強い想いほど心意は力を増す。お前からは伝わってくんのさ。その心意ってやつがな」

 

「・・・まだ、よく分からない」

 

目の前に立つ最古の騎士が言う言葉があまりピンと来ないので正直に思ったことを言う。ひょっとしたら失望されたからな、と思ったが、聞こえてきたのは失望の溜息ではなく、暖かな笑い声だった。

 

「ガハハハッ!そりゃそうだ!アルスよぉ、こう言う感覚はな、身につけようと思って身につくもんじゃねぇ。歳をとるににつれて自然と経験から身につくもんなのさ」

 

「うわっ!?」

 

ベルクーリはひとしきり笑うと、そのゴツゴツとした太い筋肉質な腕で俺の頭をガシガシと撫でてまた、笑った。

 

「アルス、お前はまだ若い。そう焦んなよ、何回もやって失敗して経験して、そして最後に上手くいけばいい。その機会を守るのが今回の戦争で……俺達の役目だ。お前は見極めろ、先人達の背中を見て、感じて、自分達は何を成していけばいいのかをな」

 

彼はそう言って『またな』と手を上げて去って行く。

 

……結局のところ、ベルクーリが何を言いたかったのか俺には分からなかった。

 

———だけど……。

 

 

 

「まったく、もっと分かりやすい言い回しで言ってくれよ」

 

俺は俺のやるべき事をする。

それが今の役割なのだと言うことは分かった。




後書き

はい、後書きでごぜーやす。
久しぶりで少し書き方を忘れてました……すみません。
クオリティキープとは一体なんだったのか。

今回はベルクーリに人界軍の戦力やらを心配したアルスをベルクーリが大人の視点から窘めようとする話……を書く予定でした。
結局、ごちゃごちゃになりましたが………。

ほんと、あのよく分からん内容を簡単に言うなら。

「お前は自分のやりたい事をやりながら、失敗を繰り返しても成長していけば良いんだぜ」

的な事をベルクーリに言わせたかったのです。

そろそろ戦争が本格的に始まります。
……ああ……あとどれくらいで完結なのだろうか。
文才が欲しい……!

閲覧ありがとうございました!
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