SAO 〜無型の剣聖〜   作:mogami

82 / 103
76話 疑念

 

(あれ……頭がぼーっとする。俺、何をしてたんだっけ)

 

黒騎士との斬り合いからの記憶……。正確には、斬り合いの途中からの記憶があやふやだ。とても大切な何かを思い出して、そして忘れた。

 

俺は考えが一つに纏まらずにバラついた状態で辛うじて自分の状況を確認する。

 

恐らくはあの戦闘の後に倒れた俺を誰かが拾ってくれたのだろう。身体が柔らかいベットの上に寝かされている事が背中から伝わり、額から伝わる冷たい感触から、氷か何かで頭を冷やされている。

 

「ん……」

 

そして目を開ける。

視界に飛び込む真ん中が凹んだ円形の天井、何処かに掛けられているであろうランタンから反射する光で仄かに照らされた壁。きっと人界軍の天幕の中か。

 

「先輩、お目覚めですかっ!?」

 

「ロニエ……か」

 

そして次の瞬間に視界いっぱいに広がる幼さの残った少女の顔。彼女の名前を呼ぶと同時に自分の手を包み込む温もりに気付く。

 

「手、握っててくれてたんだな。ありがと」

 

「ありがと、じゃないですっ!!なんで先輩は何かと戦う度に大怪我をしたり、気絶しちゃうんですかっ!!」

 

「・・・相手が…強かったから?」

 

「それだけじゃなくて、直ぐに無茶をするからでしょう!!?」

 

本気で心配しているのだろう。涙がその大きな瞳に浮かび、声は震え、全体的に必死な様子が伝わってくる。

やれやれ……俺はこの様子だと、記憶を失くす以前もこうやって彼女を心配させていたのだろう。

 

「ごめんごめん。次から出来るだけ無茶しないように善処するから」

 

「善処じゃなくて、約束して下さいよっ!!」

 

「はは、おっしゃる通り……」

 

ひとまずはしゃくりを上げ始めたロニエの頭を胸にそっと抱き寄せて、頭を撫でながら一息つく。

 

だんだんと思い出してきた。

俺はレクスと戦って、なんらかの手段で引き分けに持ち込んだ。そして次に戦う時は"勝った相手の言うことをなんでも聞く"と言う約束をして、戦争勝敗に関わらず、俺が敗北した場合は人界の一部をダークテリトリーに譲渡すると宣言したんだった。

 

「あの、お二人さん?私もいることを忘れないで欲しいのだけど?」

 

「・ ・ ・モチロンダヨ」

 

「なんで片言なのよ!」

 

「それはそうと、セルカ。ベルクーリのおっさんはどこに?」

 

「ツッコミを流された!?……まあ、騎士長殿ならティーゼが呼びに行ったわよ。もうじき来るわ」

 

ロニエの後ろにちょこんと立っていたセルカに気が付き、いたことに本気で気づいてなかったことを誤魔化しつつ、ベルクーリの所在を確かめる。要件はもちろん、レクスとの約束についてだ。

 

セルカと軽いコントをかましてから、漸く落ち着いたのか、ロニエがスッと体を起こし、真剣な表情になり、こちらを見つめてきた。

 

「先輩、ご報告があります」

 

「……分かった、聞こう」

 

「はい。先の戦いに置いて、整合騎士エルドリエ・シンセシス・サーティーワン様が討ち死にされました」

 

・・・エルドリエが死んだ。その短い報告が若干寝ぼけていた頭をハンマーで叩きつけるかのような衝撃とともに脳内に走る。

 

「そう、か……」

 

貴重な戦力が減ったと嘆くよりも、少し前にルーリッドにやってきた時の彼の様子を何となく、思い出す事の方が早かった。

恐らく、俺と彼はソリが合わなかったのだろうが……、あの時の彼の発言から、人界の民を憂いていたのは確かだろう。

 

「報告、たしかに受け取った」

 

ロニエに頷きかけてから、今度は溜息を吐く。

ルーリッドであいつは俺に向かって『信念』という奴を説いた。きっとその彼が戦いで命を落としたのなら、それは信念に基づいた結末なのだろう。

 

今の俺に出来るのは奴が残した信念を無駄にしない事と、あいつが師と崇め、慕っていたアリスを死なせない事だ。

 

「おーい、入るぜ」

 

天幕の外から聞こえたベルクーリの声に反応して、一旦思考を切り替え、ベットの上で体を起こす。うん、大丈夫。体はしっかり動くみたいだ。

 

「お、意外と意識がはっきりしてるみてぇだな」

 

「まあ、今しがたな。知らない所で……と言うより、気付かないうちにと言うべきか。いろんな事があったらしい」

 

「……だな。そんで、お前さんにお客さんだぜ。積もる話もあるだろうし、ゆっくり話な。こちとら事情を把握せにゃぁならんので事情聴取はさせて貰うが、居ないものとして扱ってくれ」

 

おっさんの言葉に頷くと、彼はおーい、入って来な。と声を天幕の外へかける。それを合図に見慣れた面子……、アリス、ユージオ、キリトが入ってくる。

 

「・・・ん?」

 

そんな中で一人、見覚えのない人物が最後尾で入ってきたファナティオの前に立っていた。

 

「ベルクーリ、ファナティオはあんたと同じく事情聴取だと思うが、そこの栗毛の女の子はどちら様だ?」

 

「さっき言ったろ、お客さんだぜ。お前とキリトの坊主のな」

 

「客………?」

 

彼の言葉を聞いて首を傾げ、爪先から脳天にかけて観察する。一見すると値踏みでもしているような視線になってしまうのは勘弁して欲しい。流石に面識のない人物が客として目の前に現れたのだ。見たところ……と言うより、感じたところ悪意や敵意はない事が判るが、それでも警戒してしまう。

 

「アルス、くんだよね?」

 

「はい、そうですが……すみません。どちら様ですか?」

 

観察した感じだと、どこかのお嬢様だろうか。

純白のドレスにも似た神々しい印象すら覚える服装と、明らかに一般人……いや、整合騎士ですら所持できるか怪しいレベルで権限の要求値が高い細剣を見て聞いた事はないが、公理教会のスポンサー的なところのお嬢様だったらやばいな、と思いつつ、失礼の無いように質問する。

 

・・・いや、たしかに値踏みするように足下から観察はしたが、仕方ないだろ。

 

ほんと、見れば見るほどに絵本や神話、伝記で伝わっているステイシア神の養子そのまんまだ。

 

「キリトくん、これは一体……?」

 

お嬢がキリトの方に顔を向け、本気で困惑したような表情を見せて次に俺の方に向き直った。

 

「キリト、知り合いなのか?」

 

「……ああ。俺の………嫁だ」

 

「ぶっふーーっ!!!!??」

 

思わず吹き出す。

キリト、お前今なんて言ったよ?

嫁だ………。ぷっ……!

 

「・・・えっ、それは聞いてないよ!?」

 

「キリト、あなた……結婚なんてしてたのね」

 

ほら見なさいよ、ユージオもアリスもお前の隣で半ば仰け反り気味に驚いてるし、後輩組なんて口をパクパクさせてるし、ベルクーリとファナティオに至ってはなんか神妙そうに頷いてるじゃんか!

 

「わかった、わかっ……ぷっ……!」

 

どうにかして話を戻そうとするが、思い出し笑いが止まらない。これはツボに入ったな、だって、なんかシリアスな顔したかと思ったらまさかの嫁宣言……。俺の親友、ここまで冗談好きな奴だっけ?

 

「あ、あれぇ……、なんか滅茶苦茶笑われてる………」

 

「キリトくんの紹介の仕方が悪いんでしょっ!?」

 

キリトの粗雑な紹介にお嬢は割と痛烈に俺の親友の脇腹を抉る。

 

「・・・へ?」

 

明らかにダメージを受けて蹲ってるキリトを見て結構良いのが入ったなぁーと感心すると同時に一つの疑念が沸く。

 

「キリト、お前。さっきの戦いの後に天命は全回復したのか?」

 

「ん、ああ。してるぜ?」

 

それを聞いてから、俺はベットから立ち上がり、キリトににじり寄ってから奴の頬を二回タップする。

 

「んごっ!?」

 

「……天命が減ってる」

 

奇妙な声を上げるキリトを放置して彼の天命を確認するが、最大数値よりも200程、天命が減っていた。恐らく、減ったのは今の脇腹に対するツッコミ。

 

「えっと、キリトのお嫁さん……だったな?」

 

「もう、アルスくんまで………」

 

「話し、詳しく聞かせて貰おうか」

 

さっきの嫁発言が未だに思考の片隅で燻り、俺を笑わせようとするのを必死で堪えて、今の事象に対する確認をする。

 

可笑しいのだ。

 

今の彼女の辛辣で痛烈なツッコミでキリトの天命は確かに減少した。なぜ、それに対して禁忌目録による防御コードが発動しないんだ?

 

【故意に他人の天命を減少させてはならない】

 

今のツッコミを故意と捉えるかどうかで結果は変わるが、他人の天命を減らす。この行為を夫婦漫才で流れるように行った。

 

整合騎士以外の人間にはプロテクトの様なものがある。無論、整合騎士にもあるらしいが、それは整合騎士の任務上の問題でだいぶ緩和されている。しかし、普通、一般人ならば、行動に移す前にプロテクトが働いて、一旦停止するのだ。他人の天命を減らすという行為に関しては。

 

思考をもう一度切り替えてから、今度こそ目の前のお嬢様を値踏みするように観察する。

 

人間には、禁忌目録に関する事で一定の目に見えない抑止力が働く。それがさっき言ったプロテクトなのだが、それを無視できる個体が稀に現れるらしい。

 

そう、例を挙げるのなら、ルーリッドの村で出会ったバルボッサ・ナイグルが良い例だろう。あの辺境の地で珍しい姓がある人物で、金持ちなのかどうなのかは知らんが、自分が正しい。自分が正義だと思い込んでいるタイプ……。要するに、自尊心などが強い者だ。

 

そういった個体は禁忌目録に働くプロテクトを自尊心で無効化する事があるそうだが……。自尊心も心意の一つってか、心意の神秘だな、おい。

 

おっと、話が逸れた。

話を戻すが、目の前のお嬢様からはそう言った自尊心はあまり感じない。いや、人間なのだから少しくらいらあるだろうが、とにかく、自分が絶対だ。みたいな思考を感じないのだ。

 

そうなると、残った可能性は、俺の知らない整合騎士の一人である可能性と、俺やキリト、アリス、ユージオと同じタイプだと言う可能性だ。

 

前者の場合は大した問題じゃないが、後者の場合はどう対処すべきか……。

 

アリスやユージオの話を聞いたことがある。

 

ユージオは俺やキリトと彼が公理教会に連行されるきっかけとなった事件でウンベールと言う修剣士を斬ろうとした時、右眼が弾け飛んだらしい。

 

アリスは公理教会でアドミニストレータに叛逆すると決意した時に同じく右眼が弾け飛んだらしい。

 

このことから、禁忌目録に関するプロテクトは右目に施されていると考えることができるが……。

 

一方、俺やキリトの場合、ユージオと同時期に禁忌を犯している筈なのだが、ユージオは俺たちの目が弾けた瞬間を目撃してはいないらしい。そもそも、彼が目を離すといつも禁忌すれすれな行動を取っていたとか。

 

ここで考えられるのは俺やキリトは半年前には既に右眼のプロテクトを破っていた可能性があるという事。そもそも俺とキリトは6年前……今年で俺たちが19歳だから、13歳になる年にアリスが整合騎士に連れて行かれてから行方不明になっている。そして、ユージオと再会したのが2年前だから、俺とキリトには4年間の空白期間がある。

 

俺の中には、以下のようなフローチャートがある。

 

6年前、アリスが整合騎士に連行され、俺やキリトが行方不明になる。

4年間の間にアインクラッドと言う場所でアインクラッド流剣術を習得し、なんらかの方法で右眼のプロテクトを打ち破る。

2年前、ユージオとルーリッドで再会し、剣術を教える。

 

自分の中だとだいぶ完成度の高い推理だと思うが、このフローチャートというか、推理の欠点は、この世界にアインクラッドなんて土地がない事と、俺たちが右眼の封印を破った確証がない事だ。

 

右眼のプロテクトを破った2人はいずれも禁忌目録を犯しているし、教会に剣を向けている。つまり、プロテクトを破る事に繋がる行為はそのまま公理教会に不都合な場合が多いので、プロテクトを破るか破ろうとする行為は必然的に公理教会に連行されるという結末に直結するのだ。

 

となると、俺やキリトが2年前にユージオと再会できたことから考えるに右眼の封印を破っていない可能性の方が高いのだ。それでも俺たちにプロテクトが働かなかったということはつまり……元々、俺とキリトには右眼のプロテクトが存在しなかった可能性が僅かながら存在する。

 

結果的に故意に他人の天命を減らすことができるのは4通りの人間だけ。

 

自尊心が強く、自分が絶対だと考えるタイプ。

 

整合騎士の一員で、相応の権利がある役職。

 

自力で右眼のプロテクトを破ったタイプ。

 

そして、元々プロテクトが存在しなかった者。

 

一つ目は恐らく違うだろう。明らかにそういうタイプではなさそうだ。

 

二つ目も恐らく違う。それならアリスからなんらかの情報を聞いてるだろうし、キリトが嫁だなんて言うはずがない。あの二人の夫婦漫才を見るに、かなり親密な関係であることは察しが付く。

 

三つ目……これも可能性は低い。理由は俺とキリトと同じで、プロテクトを破る事に繋がる行為は禁忌目録を破り、公理教会に連れてかれる可能性が高い。

そして4つ目……。俺やキリトにも言えることだが、最初からプロテクトが存在しないという者。この可能性を推すくらいなら、俺は1つ目の自尊心が実は強いタイプだったという考えを推すな。

 

「えっと、アルスくん?」

 

「………あれ、そういえば……」

 

そういえばこの人、さっきから俺の名前を呼んでる。

 

「あの、もしかして面識があったりしますかね?俺と」

 

「どうしたのよ、アルスくん。なんかさっきから様子が……」

 

「アスナ、落ち着いて聞いて欲しいんだ。実はな、今のアルスには記憶が無いんだよ」

 

「っ……うそ、だよね?」

 

キリトにアスナと呼ばれたお嬢様が目を見開く。

俺の名前を知っていた事と、この反応からして、俺の知り合いだったことは確定的だ。

 

……もう少し、情報が欲しい。

 

「アリスとユージオは彼女と面識は?」

 

「無いわね、さっきが初対面よ」

 

「上に同じく」

 

……上?と首を傾げるが、欲しい情報は手に入った。

アリスとユーちゃんは俺とキリトの幼馴染。アリスが連行され、俺とキリトが行方不明になる以前の事は知っているだろう。その彼女と彼が初対面と言った。

 

付け加えるなら、ユージオとは再会してから殆どずっと一緒にいたらしいので、再会してからの2年間で知り合った可能性を探ったのだが、結局は無し。

 

つまり、俺とキリトの共通の知り合いという事になる。

逆に言うと俺とこいつの共通点はなんだ?

俺とキリトの共通点。それは……アインクラッドと4年間の空白期間。

 

もしかしたら、空白の4年間の間に出会ったのが彼女なのかもしれない。

 

たが、そうなると更に謎は増えるばかりだ。

そもそも、アインクラッドを知る人物があまりにも少な過ぎる。アリス達はキリトから伝え聞いた程度の知識しかないし、俺もアインクラッドについては覚えていない。

 

………いや、待てよ?

確か、もう一人、いる。

そういえば、あの時。断片的でも記憶を取り戻すために俺は旅に出て、そこで出会った筈だ。アインクラッドを知る人物、連続剣の使い手……。アーティザン、通称アートと。

 

彼は出会った時に聞いてきた。

"無型の剣聖"という単語をしっているか?と。

去り際にそれが俺自身であることを告げて、彼は去った。

 

そして、ここでもう一つ。思い出す。

あの時は慌ててた上に、剣を握れたことで感動し、流してきたが、アートの去り方はたしかに異常だった。光に包まれて消えるとか、今思うと物理的に消失しているようにしか思えないだろ。

 

まあ、その辺は今考えても仕方ない。

今重要なのはアスナと呼ばれた少女と、俺やキリトの接点、そして、アインクラッドとはなんなのかと言う核心的な疑念。

 

事態をはっきりとさせる上で効果的な質問が2つ程ある。

 

「アスナ……さんだったよな?」

 

「呼び捨てで良いよ、なんか少し変な感じするから」

 

「・・・分かった。んじゃ、質問いいかな?」

 

「ええ、私に答えられる事なら」

 

「それじゃ……——無型の剣聖って俺のことであってるのかな?」

 

核心的な質問その1。

無型の剣聖。かつての俺を示す呼び名であり、アートとの会話から察するにアインクラッドでの通り名だったのだろう。

 

「……うん、あってる。君のことよ」

 

その答えに何故か、ユージオが息を呑んだ。

 

それを横目で見ながら考える。

アインクラッドでの俺の呼び名を知っていて、尚且つ俺とキリトの知り合い。つまり、彼女は間違い無く、アインクラッドを知っている。

 

「んじゃ、次……」

 

「ごめん、その前に良いかな?」

 

俺が次の質問を問いかける前にユージオが挙手して、俺の方まで回ってきて、キリトとアスナを正面から見据える。いつに無く真剣な眼差しを二人に向けて、こう、言葉を紡いだ。

 

「僕はさっき、アルスの知り合いを名乗った人物と戦ったんだ。とても強くて……アルスと同じように剣の種別を無視する力があったよ」

 

「・・・俺と同じ?」

 

ちょっと待て、俺、そんなことできたのか?

剣の種別を無視って、明らかに頭おかしいだろ……。

 

「アルスと同じ……?ユージオ、そいつの名前聞いてないか?」

 

キリトも同じ思考に至ったのかどうかは知らんが、なにやら怪訝そうにユージオに質問する。

だが、その怪訝そうな表情は次のユージオの一言で凍りついた。

 

「たしか……"ぷー"って言ってた」

 

・・・なんだろう、凍りついてるキリトとアスナには申し訳ないが、ぷーってひらがなで書くとかなり間抜けな……。

 

「ぷー……。poHの事だよな、絶対……」

 

「……でも、poHは《無型》を持っていない筈でしょ?アレはアルスくんの物だし……」

 

「いや、アスナ。君のそれはマスターアカウントだろ?あの時の斬撃はそれの恩恵だってのは分かってるし、オーシャンタートルに攻め込んできた連中がマスターアカウントを使ってくる可能性は高い。まさかpoH本人だという可能性はあまり高くないと思いたいが……」

 

キリトとアスナが顎に手を当てて考え出す。やがて、情報が少ないと思ったのか、キリトが口を開く。

 

「ユージオ、そいつになんか特徴はなかったか?口調とか、呼び方とか、なんでも良い」

 

「うーん……僕からしたら何もかもが特徴的だったから……。あ、でも、アルスの事を無型ヤローって呼んでたし、キリトを黒の剣士サマって呼んでたよ。あとは……ああ!神聖語も話してた」

 

「無型ヤローに黒の剣士サマ……か。これは半ば確定したようなもんだけど、一応聞いておくか」

 

「そうね、ユージオくん。その男はなんて言っての?」

 

二人の息を呑む音が聞こえる。

どうやら結論は出てるらしいが、それでも一応確認したいのだろう。アスナが尋ねると、ユージオはまたもや真顔で言った。

 

「"いっつ、しょーたいむ"って」

 

……だから、ひらがな止めろ。

いまいち緊張感がなくなるだろが。

 

「「間違い無くpoHだな(ね)」」

 

「彼もアインクラッド流を使ってたよ」

 

・・・そして、またアインクラッドか。

やれやれ…。このままじゃ埒があかない。

そろそろ、聞くとしよう。ルーリッドで目が覚めた時からずっと聞きたかった質問を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、キリト。俺とお前、そしてアスナは何者で………——アインクラッドってのは一体、何なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




後書き

うい、後書きっす。
最近、自動車学校で路上に出たのですが……運転楽しいというよりも、怖い気持ちの方が強いです……!予約も全然取れないしね!

んで、今回はアルスが今まで深く考えて来なかった自分の正体やキリトやアインクラッドの関係をひたすら考えて考察を作る話でした。さりげなくアートくん(57話参照)の名前が再登場しましたが、大丈夫、許可は貰ってます!

アルスは何と無く、事実に気付きかけてますが、正確には見抜けてませんし、半信半疑です。詳しい話は次回に!

余談ですが、想像してみてください。
真剣で真顔なユージオがシリアスな空気の中で口を開いたと思ったら。

「ぷー」

これは萌えますわぁ!
恐らく今回の話でキリトとアスナがpoHについて議論してた時、彼には"poH"の部分が"ぷー"に聞こえていた事でしょう。

まあ、そんなこんなで閲覧ありがとうございました!



















poH「ぷー」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。