仮面ライダービルド~約束という名の誓い~完結   作:レイハントン

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こんにちは。

紗夜編ラストでございます。なんと今回は戦闘があったりなかったり。どっちだよと聞こえてきそうですが、その真実はその目で確かめてください!

それではどうぞ


Episode3 助ける理由

 バイクを走らせて花咲川大学に向かう途中、道路を走る車両ならではのものにはまっていた。そう・・・・渋滞である。

 

「全然進まねー」

 

 棒読み言いながら空を見上げる。かれこれ30分経ってるんだよ………。紗夜先輩、たぶん怒だぞ。さっきから俺の携帯がブーブー震えてるもん。コワイカラデレナインデスヨネー。アーコワイコワイ。棒読みしてる場合じゃないよな~。

 

 恐る恐るスマホを開と通知がとんでもないことになっていた。なに? 通知100件って。ほとんどスタンプじゃん! スタ爆されてるだけじゃん! ………紗夜先輩ってスタ爆とかしてくるんだ。意外だわ。

 

 渋滞にはまってます。と簡単に返事を返してポケットにしまうと、俺の後ろを走っている車の運転手の人が声をかけてきた。

 

「この先で強盗事件だとよ! バイクなら横通った方が早いぞー」

 

「あ、ホントですか。じゃあそうします」

 

 バイクから降りて、ヘルメットが出てくる場所に置くと吸い込まれるように消える。

 

「おー! なんだそのバイク!」

 

「ちょっといろいろありまして」

 

 そう言いながらバイクをビルドフォンへと変形させて手に取り歩道を歩き始める。さっき強盗事件を教えてくれた人の話が気になり、スマホで調べているとニュースにもなっていて4時間くらい経過していた。

 

 今時強盗か……。こっちはアメリカと違って結構大規模じゃないんだな。アメリカはすごかったぞー。酷い時は戦車なんかも出てきたりとか、変なアーマー? って言うのかな。そんなんばっかりだ。でもすごいのが、戦車とかアーマーとかドリルクラッシャーで斬れるんだから。………少し仕事をしますかね。

 

「アルネブ。強盗事件の詳細を教えてくれ」

 

「了解」

 

「さっさと終わらせるぞ」

 

 

 

 

 

 

 あんまり時間は取りたくない。これ以上待たせるとスマホがどうにかなりそうだからな。強盗現場近くまではジャンプした方が早いか。人質は数人だから対して問題はなさそうだけど………怪我をさせるわけにはいかない。

 

 路地裏に移動してビルドドライバーを腰に当てると自動で腰に巻きつく。ポケットからフルボトルを2本取り出した。左手にラビットフルボトル。右手にタンクフルボトル。2つのフルボトルを軽く振り、蓋を回転させる。それをビルドドライバーにラビットフルボトル、タンクフルボトルの順番で差した。

 

〈ラビット! タンク! ベストマッチ!!〉

 

 左手でビルドドライバーを支えながら、ハンドルを回転させた。

 

〈Are you ready?〉

 

 ビルドドライバーから透明のパイプが伸びて俺の周りを囲うと、前方に赤い装甲。後ろに青い装甲が精製されたのを確認し、ファイティングポーズをとってあの言葉を叫んだ。

 

「変身!!」

 

 赤い装甲と青い装甲が重なり俺の姿は2色の仮面の戦士へと変わった。

 

「勝利の法則は決まった」

 

 

 

 

 

 

 

 強盗事件現場の近くへとジャンプしてやってきた。ちなみに左側はうさぎの力でジャンプ力か大幅に強化されている。右側は戦車の力だ。まぁ、能力の説明は置いといて。

 

 現場では、外に警察の人がかなりの人数で対策を立てていた。一方、犯人が立てこもっている銀行内では逃走手段を要求していて、従わなければ人質を殺していくと言っている。人質の人数は、調べたところ数十人は居る。まずは人質の人数を減らすところからだ。

 

 早速、ジャンプして銀行の前に立った。すると周りが一気にざわつき始め、銀行の窓から見ていた犯人達も驚いてる様子で、「なんだお前?!」と叫んでくる。

 

「えー、なんだお前と言われましても答える義理はないので答えません」

 

「いや答えろよ! さもないと人質を殺すぞ!」

 

 名前を聞き出すのに人質を使うか。案外ビビりなのかもな。むしろその方が助かる。

 

 そうとわかればやることは1つだ。まずは相手を大きくビビらせることから始めよう。ビビらせる方法ならいくらでもあるしな。

 

「実験開始といこう」

 

 水色のフルボトル──ダイヤモンドフルボトルを取り出して2、3回振る。タンクフルボトルを外して、変わりにダイヤモンドフルボトルに差し替えてハンドルを回す。

 

〈Are you ready?〉

 

 「ビルドアップ」のかけ声と共に青い装甲からダイヤモンドが描かれた水色の装甲に変わった。これはダイヤモンドを元にして博士が作ったフルボトル。固い装甲を生かした防御が可能になる。

 

「撃ってみろよ。人に向けて撃てる根性があれば……だけどな」

 

「なんだとこら!!」

 

 俺の挑発に乗ってきた。迷うことなく手に持ってるマシンガンを俺に向けて撃ってきたが、全て弾かれる。数分もかからないうちに全弾打ち切ったのか、カチカチと引き金を何度も引いていた。

 

 もちろん俺に傷1つなんてない。ダイヤモンドだもん。

 

「全然きかねぇ………」

 

「わかったろ? おとなしく投降するんだな」

 

「うるせー! だったら人質全員殺し───」

 

 

 

 

 

「させるかよ」

 

 

 

 

 左足に力を込めて前にジャンプして銀行内に居る、犯人に急速に近づき一発腹にパンチを入れる。ちょうどみぞに入ったのか崩れ落ちた。ここでマシンガンを乱射されたら全てが終わる。それを回避するためにビルドドライバーから、ドリルクラッシャー(銃モード)を召喚し、左右に居る。犯人の持つマシンガンに向けて撃った。

 

 見事にマシンガンを弾き飛ばした。次に足のバネを生かして、人質の前に居る犯人に向かって飛び蹴り飛ばす。吹っ飛ばされた犯人は床に転がり、動きを止めた。

 

 加減はしたから死んではいないはずだ。

 

 次の標的に視線を向けると、3人目の犯人は手に手榴弾を持っていた。

 

「動くな! 動けばこの爆──」

 

 

 

 

「投げるんだろ?」

 

 

 

 

 言葉を遮るように1人目の犯人同様腹にパンチを放った。犯人はズルズルと崩れてゆく。手に持ってる手榴弾を奪いとり外に出た。

 

「犯人の確保よろしくお願いします」

 

「「「「おぉー!」」」」

 

 大歓声が上がる中、続々と銀行内に警察の人が入っていった。奪い取った手榴弾は爆弾処理班の人に渡したからもう安心だ。ピンを取ってないから爆発はしないと思うけど。

 

 すると数人、警察の人が寄ってきた。

 

「ご協力感謝します」

 

「いえいえ。これも仕事なので」

 

「そうですか」

 

「それじゃあ予定があるので」

 

 このままだと俺のスマホがどうにかなってしまう。つうかもう、どうにかなっているのでは? そう思いながら立ち去ろうとすると声をかけられた。まだ何かあるのか?

 

「これからもお互い、街を守っていきましょう!」

 

「もちろん」

 

 敬礼をしながらそう告げてくる警察の人に、見よう見まねの敬礼を返しこの場を立ち去った。変身を解除して、スマホの通知欄がすごいことになっていて、連絡用のアプリが起動しなかったのは、また別の話。トーク一気に消しとくか……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ようやく花咲川大学に着いた俺は、中に入るわけにもいかず外で待っていた。紗夜先輩が来るまでスマホで、さっきの強盗事件の事を調べると案の定ビルドの姿の俺が普通に映っていた。謎の仮面の戦士だとか、アメリカからの使者とか紹介されていたのだ。確かにアメリカで戦ってたから、日本に情報が回ってきてもおかしくはないわけで、むしろ話題にならない方がすごいと思う。

 

 変身を解除しない限り、ビルドが俺ってバレる可能性はない。あとはよっぽどの物好きが現れないかぎりは。まだ安心して事件を解決出来るな。

 

 スマホの画面を閉じてポケットにしまうと、ようやく紗夜先輩が小犬を連れて出てきた。しかし、1人ではなく隣にすげぇギャルみたいな人が………居るんだけど。

 

「お待たせしました」

 

「いやいや、待たせのは俺ですし。隣の方は?」

 

「アタシ?」

 

「アタシって、あなたしか居ないでしょ………」

 

 なんなんだこの人は。いきなり会った人にボケをかましてくるなんて。なんか見た目通りの人だな~って感じるのは俺だけだろうか。すげぇお姉さん感を感じるんだが。

 

「アタシは今井リサ。紗夜とはバンド仲間なんだー。あなたの噂はポピパから聞いてるよ~。恵ちゃん」

 

「あいつらどこまで喋ったんだよ…………」

 

 ホント呆れるしか言うことないわ。今度会ったらただじゃ済まさねぇぞ。とりあえず香澄とおたえが悪いんやな。俺は知ってるぞ。

 

「とりあえず、アタシも手伝うよ。人は多いい方がいいでしょ?」

 

「ですね。どっかで情報の共有でもしますか」

 

「だね。じゃ、移動開始~」

 

 場所は特に気にしないし、とりあえず俺は2人に着いて行くことにした。

 

 今はどこまで俺の話が広まって居るんだ? えっと……紗夜先輩が言ってた5組でやったライブが怪しいな。その時に広めやがったなーあいつら。となると、かなりの人数になるな………あれ? もう終わったパターンじゃね?

 

 すでに終わりを迎えていた俺の隣にしれーっといつの間にか今井さんが居た。

 

「そう言えばさー。神山君と有咲はどういう関係なの?」

 

「い、いきなりなんですか」

 

「いや~。アタシ達のバンド、Roseliaって言うんだけど。結構ポピパと絡むこと多くてねー。恋い話とかよくするからさ」

 

「なるほど。・・・・とはなりませんよ?」

 

 恋い話をするからってその質問に答える必要はない。これ以上めんどくさい状況に持ち込まない為にも、ここは心を鬼にして耐えるのみ。

 

「それで有咲から聞いたんだ~」

 

「本人から?!」

 

 責められないやつじゃん……。有咲以外の人が喋ったなら責め立てることは出来る。香澄とかおたえとか、もしかしたら沙綾が喋ったかもしれない。しかし、本人が言ったなら仕方ない。許そう。

 

 すると後ろに振り向いた紗夜先輩が言った。

 

「今井さん。さっき、神山くんにしたスタ爆の事、謝ったんですか?」

 

「え? スタ爆したのって紗夜先輩じゃないんですか?!」

 

「違いますよ。勝手に今井さんがやったんです」

 

 勘違いしてたー。よく考えたら紗夜先輩がそういう事をするような人だろうか。ここまでの感じだと、真面目な人だな~って思うくらいだ。それにしても、今井さんはよくわからん。もしかすると一番苦手なタイプかも。

 

「あははは。ごめーん。悪気はなかったんだよ」

 

「悪気がない人の謝り方じゃありませんよね?」

 

 ホント苦手かも…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 優衣。あの時話してくれた5組のバンドでしたライブの事は本当だったんだな。疑ってたわけじゃないけど、紗夜先輩達から聞いて本当にあったんだな~って……思えた。時々、俺が日本から離れなければ優衣は死ななかったのかなって思うんだよ。そう思うとどこかやるせない気持ちになるし、自分をぶん殴りたくなる。

 

 それでも今の自分があるのは、優衣の言葉があったからだ。この先も心が折れそうになることがあると思うけど、絶対に乗り越える。そっちに行くのは………まだ先になりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから数日。Roseliaの人達にも手伝ってもらい仕事ははかどった。ポスターを貼って、チラシを配りに配った結果、飼い主がようやく見つかったのだ。今日、引き取りに来る。今は紗夜先輩と事務所で来るのを待っているわけだが、どうにも気まずい空間が支配している。家では世話が出来ないと言って、事務所で小犬の世話をしていたわけだけど、毎日紗夜先輩が来ていたから別れるのが辛いんだろう。さっきからじっとぶつぶつ言いながら小犬に話しかけている。

 

 俺はその様子をソファーに座って、五十鈴さんと見守っている。

 

「氷川さん、大丈夫でしょうか?」

 

「俺にはなんとも言えません」

 

 テーブルに置かれたお茶の入ったコップを口まで運び一口飲むと、事務所のインターホンが鳴った。たぶん飼い主が来たんだと思う。

 

 急いでコップをテーブルの上に置いてドアの方に向かい、開けると小学生くらいの女の子とそのお母さんがぺこりと挨拶をしてきた。

 

「わんちゃんの飼い主さんですか?」

 

「はい。本当にありがとうございます」

 

「いえいえ。お礼ならそちらの方に言ってください。拾ったのは俺ではないので」

 

 そう言うと女の子が事務所内に入っていく。すると、紗夜先輩の元から離れなかった小犬がまっすぐ女の子に向かって走っていったのだ。ふふっと微笑むと先輩は小犬に抱きつく女の子の前に立った。

 

「良かったですね。飼い主さんに会えて」

 

「お姉さん! ありがとう!」

 

「もう手放しちゃダメですからね?」

 

 笑顔で答えると女の子な頭にそっと手を置いて撫でた。その瞬間、俺は見逃さなかった。先輩が一瞬だけ悲しそうな表情を浮かべたのを。

 

 紗夜先輩…………仕方ねぇな。そんな顔見せられたら、見つけたこっちが罪悪感で押しつぶされそうだよ。・・・・・数日も一生も変わらないか。事務所のマスコットにでもするかね。

 

 

 

 

 

 

 小犬を連れて親子が帰ったあと、なんとも言えない空気感の中。俺はある決心をして、ソファーに座って窓の外を眺める紗夜先輩に声をかけた。

 

「今からペットショップ行きましょう」

 

 軽い気持ちでデートにでも行きましょうって言う時の感覚でそう言うと、きょとんとしながら俺のことを見たあと、「なぜ?」と一言だけ言ってきた。

 

「要らないんですか? 犬」

 

「私は飼わないんですけど」

 

「それは、ずっと一緒に当てあげられないからですよね? でもここなら俺も居るし、五十鈴さんも居ます」

 

 せっかく飼ったのに、ずっと一緒に居てあげられないからペットを飼うのは嫌。飼い主を探して居るときになぜペットを飼わないなか? と話した時に、そう話してくれた。居なくなってなんか物足りないな~って思ってたところだし、ちょうどいい機会だ。ちなみに五十鈴さんの許可はすでにとってある。

 

「どうしてそこまで。正直自分に利益があるとは思えない。それなのに………」

 

 確かによく自分に利益なんてない。もしかしたら、デメリットだらけで、自分を苦しめているだけなのかも………。それでも俺が人にお節介をかけるように変わったのは誰でもない。優衣の言葉があったからだ。騙されて付き合っていた頃に言われた事だから、本心かはわからないけど、それでも───。

 

「なんとなくですかね。人を助けるのに理由は要らない。某ファンタジーゲームの主人公が言ってた言葉です。俺は困ってる人を助けたい。だからこの仕事を引き受けたんです」

 

 ホント最初は殺してやろうかと思ったけどな。あのクソ博士。

 

「そう……。聞いていた通りの人ですね。あなたは」

 

「4年でなんか人はそう簡単に変われませんよ。……行きましょう紗夜先輩」

 

「ありがとう」

 

 その時に見せてくれた笑顔はここ数日で見せた笑顔の中で一番輝いて見えた。

 

 

 

 偽善者と言われても俺は困ってる人が居たら手を差し伸べていこうと思う。

 

 

 

 ペットを飼ったことにより、紗夜先輩が毎日うちの事務所に来るようになったのはまた別の話。

 




ここでなんとなくバンドリの推しを。

Poppin'party 有咲 おたえ
Roselia 紗夜
pastel*palettes 千聖
aftergurou ひまり
ハローハッピーワールド 美咲

魅力的なキャラがたくさん居て良いですね~。

次回は小説を書き始めた頃からやりたかったお話を書こうと思います。メインキャラは誰か……ヒントは主人公と結構絡みがある人物です。それとあの男も!

それではまた次回


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