仮面ライダービルド~約束という名の誓い~完結 作:レイハントン
こちらも完結に近づいてますね~。あと数話を予定しております。最後は盛大に終わりにしようかな。
それではどうぞ
「次のニュースです。街を救ってきた仮面ライダーが指名手配になりました」
朝起きてから事務所に行き、ソファーに座ってテレビを点けると、放送されているニュースはどこもかしこも仮面ライダーが指名手配されたこと。まぁ、指名手配された本人がこうしてニュースを見ているわけなんだけども、異議あり! としか言えない内容で放送されてるんだよ。
確かに不法侵入はした。だけど屋上のドアは空いてたんだぞ? 少なくとも会社側にも責任はあると思う。なのにこっちにばっかり責任押し付けやがってよ。迷惑過ぎるっつうの。
すると気を利かせてくれたのか、五十鈴さんがテレビを消してくれた。俺の正体を知っている人の1人でもある五十鈴さん。この人は本当にいろいろ気が回せる人だ。
「あまりお気になさらないでください。あの東都という会社の悪行の数々を記録したデータをとって来たんですから」
「わかってます。でもそれをどうやって表に出すかなんですよね。もう時間はないし………」
結婚式は明日。俺に出来る事は正直限られている。今は手に入れたデータの事をどうやって世間に知らせるかを考えなくてはいけない。
テーブルに置かれたお茶が入ったカップを持って、ぐいっと飲み干し再びテーブルに置くと事務所のドアが勢いよく開いた。視線を向けると肩で息をしている紗夜先輩。どうやら走ってきたようだ。
「指名手配ってどういう事ですか?!」
「いや……その言葉通りの意味ですよ。運悪く見つかってしまって」
「そんな呑気に構えてる場合ではないと思いますよ?」
「そうですね。とりあえず一旦落ち着いて考えましょう。焦ったら負けです」
テレビの影響とは大きいもので、恐らく俺はもう表舞台には立てないだろう。かと言ってあの時に捕まっていれば、東都という会社の悪行はわからないままだ。どっちかと言えば今回の作戦は成功だと思っている。侵入した目的は情報収集の為だ。その情報を手に入れた今、失敗ではないってこと。
「いろいろ問題はありますが、どんな情報を手に入れたんですか?」
「とりあえずこんなもんです」
片手に収まるくらいの小さなリモコンのボタンを押すと、部屋が暗くなり俺から見て右側の天上に設置されたプロジェクターが起動して、空中に映像が現れる。
全て自動で降りてくるのを見て紗夜先輩は驚いていた。普通の人なら、最初はそうなるだろうな。決して紗夜先輩の反応は間違ってはいない。最近そういう感覚が麻痺してきた気がする。だって変身ベルトとかスマホになるバイクを見たら、もうおーとはならない。
「いつの間にこんなのが………」
「これの方が普通の依頼にも使えるかな~と。では、入手した情報を共有したいと思います」
ソファーから立ち上がり、空中に映る映像を指差ししながら説明を始めた。
「まず1つ目は海外からの武器を違法輸入。2つ目はたーくさんの女性との付き合い………。3つ目は~・・・・・汚い方法での資金獲得。などなどです」
「ゴミ以下ですね」
「それはゴミに失礼だと思いますよ?」
ダメだ。女性陣からの冷たい言葉が止まらない。確かにヤバいとは思うけど、今はそれどころじゃない。
「まぁゴミなのはわかりますけど。一番問題なのは沙綾の事です。どれだけ調べても居場所だけは掴めませんでした。以上です」
「私も事前に調べたんですけど、東都は世間的にもかなり好印象で悪い話がある感じはしませんでした」
「そうなんですよね。表では全くそういった悪い印象がないので、世間では言っても信じてもらえるかどうか」
状況は思ったよりも最悪だ。このままじゃ沙綾を救えないどころか、東都の悪行を世に知らしめる事も出来ない。だったらやれる事は今のうちにやっておくに限る。
「そこで。しばらく事務所を留守にしようと思います」
「留守にする?」
文字通り事務所からはしばらく離れて1人で行動する。
「はい。どうにかして沙綾に会ってみようと思います。そこで助けられれば助けますし、ダメならせめて東都の悪行を世の中にわからせます」
「なら私も」
「それはダメです」
一般人を危険な事には巻き込めない。今から俺のやることは危険極まりないことだ。下手をすれば命だって失う事になる。そんな危険ことに紗夜先輩を巻き込めない。
真面目で俺と同じくらい心配性な人なのはわかってる。だからあることを頼んだ。
「紗夜先輩には、俺が居ない間この事務所任せても良いですか?」
「私に? でも出来るでしょうか………」
「出来ますよ。何かあれば五十鈴さんも居ますし」
俺がそう言うと笑顔で五十鈴さんは答えてくれた。
「もちろんですよ。出来る事はなんでも致します」
俯く紗夜先輩を見守りながら腕時計で時間を確認する。とある人と会う約束をしているから、そろそろ行かないとな。
「どうですか?」
「やります。神山君が居ない間は私に任せてください。だから、絶対に帰ってきてくださいね。約束……ですよ?」
立ち上がって俺の元に来ると小指を差し出してきた。子供の頃によくやったやつだな。
「もちろん。こんな所でまだ死ねませんし」
迷うことなく俺は小指を差し出して絡める。
そうだ……俺には帰ってくる場所がある。待っててくれる人いる。
紗夜先輩の手から離して笑顔で告げた。
「じゃあ、行ってきますね」
そう言って一歩、ドアに踏み出した瞬間。
「恵様。博士がお呼びしてます」
「ねぇ……今じゃないよね? なんなのこのタイミング?」
全く。調子狂うな。
行くとゆう決心をしたのに、変なタイミングで博士に呼び出された俺はラボに来ている。前にハリネズミフルボトルとガトリングフルボトルを貰ったから、そうなると今回も少し期待。
「ほれ。調整しておいたぞ」
そう言うとフルボトルを2本投げてきた。キャッチして見てみると、本が描かれた黄色のフルボトルと手裏剣が描かれた紫色のフルボトルの2本。
「………これは2度と使わないって言っただろ」
「一応じゃ。いつまでも過去を引きずってないで前に進めバカたれ」
なにもそんな言い方しなくても………。
「お前の本気。いつになったら見れるんじゃ?」
博士の質問に答えることはなかった。俺が持ってるフルボトル中で一番相性が良い忍者フルボトルとコミックフルボトル。もちろんベストマッチの1つで主に4コマ忍法刀を使ったトリッキーな戦い方が主。………一番強かったはずなのに、それで失敗して優衣を助けられなかった。力を過信し過ぎたってところだ。それ以来ニンニンコミックは使わないと心に決めた。2度とその力に溺れないように。
「しばらく留守にするなら、これを持っていけ」
博士がそう言うと俺の手前の床が開いてテーブルが上がってくる。そこには時計、サングラス、黒い服、ホルスター、説明書とかかれた本が置かれていた。ホント暇だよな~博士。でもそれで助かってるんだよな。
「ビルドウォッチ、ビルドゴーグル、ホークガトリンガー用のホルスター。その黒い服は潜入するときにでも使え」
「ありがとな博士。今度こそ行ってくる」
「行くのは勝手じゃが。“奴”が動いてるかもしれんぞ」
「………わかった。気をつけるよ」
俺と博士にとっては因縁としか言いようがない。奴と呼ばれる──黒い仮面ライダービルド。初めて出会った時、奴はこう言った。
『お前が神山恵か……あいつの言うとおり案外普通の奴なんだな』
いったい誰が俺について話たのかはわからないが、奴は一度博士のラボに侵入してプロトビルドドライバーとプロトラビットフルボトル、プロトタンクフルボトルを盗み出している。アルネブさえも気付かない程、スムーズな犯行。手慣れてる証拠だ。
プロトタイプとはいえ、その強さはビルドに引けをとらない。つまり悪いことに使われたらどうなるか………考えただけでも恐ろしいな。
事務所を出た俺は今、マシンビルダーに乗ってある場所に向かっている。
しばらく留守にするとは言ったものの、やることが全て決まってるわけではない。最終的な目標は沙綾の奪還だが、情報が少なすぎる。というわけで街で一番情報を持っているという人にこれから会いに行く。待ち合わせ場所は意外にもライブハウスCircleのカフェ。なぜそこなのかは皆目見当はつかない。今は目の前の事を1つ1つ解決していくないみたいだ。
マシンビルダーを走らせ着いたライブハウスCircle。ヘルメットを外してサングラスをかける。一見して普通のサングラスに見えると思うがなんとなんと、サーモセンサーが内蔵されている。あまり必要性を感じないな………。他にもいろんなセンサーが付いてるらしい。
見た感じ、いかにも情報持ってますよ感の人は見当たらない。まずそういうのを悟らせちゃいけないか。ん~確か、1人で待ってるらしいけど……。
俺の視界にふと入った俺と同様にサングラスをかけている1人の男──その瞬間悟った。あいつだ、と。
一歩一歩着実に近づいていく。向こうも気付いたのか俺に顔を向けてくる。そして───
「君が依頼主のKか?」
「そうだ。あんたがこの街、1の情報屋で良いんだな?」
「ああ」
そしてお互い右手を差し出して握手をする。
「ふっ…。久しぶりだな。徹」
「それはこっちのセリフだ恵。お帰り」
「おう。ただいま」
お互いサングラスを外して顔を確認。やっぱりどっからどう見ても俺の親友──宇崎徹の姿だ。相変わらずのアホ面の割にしっかりと成長している。突然イケメンになったか? 世の中わからないもんだなー。
「再会を喜ぶのもいいけど。お前が情報屋のオレに話って事は、やっぱあの事か?」
「その様子だと検討はついてるみたいだな。とりあえず話をしたいんだけど」
「移動するのもあれだし。ここでいいや」
そんなんで本当に大丈夫かよ………。
不安を抱きつつもテーブルを挟んで座った。サングラスを外してテーブルの上に置くと、徹はタブレットを出して、なにやらいじり始める。少しすると店員さんが注文を聞きにやってきた。
「ご注文はお決まりですか?」
「コーヒー2つ」
「かしこまりました」
店員さんが去って行くのを横目で追っていると、徹がタブレットを俺の前に差し出してきた。そこには防犯のために設置された商店街の防犯カメラの映像が4つ。
「山吹の事なんだけどここ最近は目撃者はゼロ。つうか、どこまで知ってるのか教えてくれるか?」
「わかった」
徹に今持っている全ての情報を共有した。ビルドの事はかなり迷ったが今は伏せて置くことにし、話てはない。別に徹を疑っているわけじゃないぞ。出来るだけビルドの事は広めたくないだけだ。危険に巻き込んでしまうから。
「もうすぐ結婚式だから探すのは苦労したぜ」
「そうか。って事は居場所を知ってるってことだよな?」
「まぁなー。教えてもいいけど………」
なぜかここまできて渋る徹。すると空を見上げて数秒。タブレットの画面に視線を向けてポチポチと操作し始めた。そして、画面を俺へと向けてくる。そこには仮面ライダービルドの姿が映っていた。
「なにか知ってる事があったら教えてほしいな~と思ってさ」
「………悪いけど、そいつについては情報なしだ」
コイツは知ってるのか? ・・・さすがに考え過ぎだよな。
がっかりする徹を悪いと思いながら見ていると遠くの方から爆発音が聞こえてきた。
これがこの戦いの始まりの合図だと言うことは今はわからずに居た。
徹登場。これでオリキャラ全部かな。……誰か忘れてるような笑
次回は別の仮面ライダーが登場します。個人的に好きなので>_<