仮面ライダービルド~約束という名の誓い~完結   作:レイハントン

7 / 8
こんにちは。

物語最後のお話です。主人公は沙綾を救い出すことが出来るのか………


Last Episode 果たすべき約束

「全く! 死んだかと思ったぜ」

 

 徹と合流してすぐに俺の肩を猛烈に叩きながら嬉しそうに言ってきた。痛いんだよなー。

 

「悪かった。情けない所見せちまったな……」

 

 プロトビルドを見て思わず取り乱し上に負けた。正直情けなくてもう一度変身するなんて出来ない。けど…そうも言ってられないんだ。今は沙綾を助けるために頑張らないと。

 

「良いって。あいつが姫川を……気にするなって言いたいけど。そうもいかないよな」

 

「ああ。優衣の為にも……俺は戦う。優衣だけじゃない。この街も守る為に」

 

 新たな思いを胸に朝日に誓う。もう2度と強い力に溺れぬように。

 

「日の出か……。もう別荘に行っても間に合わないな。ってことでチャンスは1回だ」

 

「1回か。なかなか厳しいな」

 

「それでもやるしかねぇんじゃねぇの?」

 

「だな」

 

 俺達の視線の先には、財前が今日結婚式を挙げるであろうビル状のホテル。そのホテルが見えるビルの上に2人で居るわけだが、問題点はどうやって中に侵入するかだ。さすが金持ちと言いたいところだが、それが今裏目に出ている。

 

 今日1日ホテルは貸切にされていて中に侵入する手だてはあまりないということ。1つ言っておくがあまりだ。

 

「でどうするよ。貸切状態ってなかなか厳しいと思うんだが」

 

 双眼鏡で大きなホテルを見ながら言う徹の横でおもむろにビルドドライバーを取り出して腰に付けた。

 

「ん? どした?」

 

「入る方法ならある。これを使えばな」

 

 ラビットフルボトルとコミックフルボトルを取り出してシャカシャカ振り、蓋を開けてベルトに装填した。

 

〈ラビット! コミック!〉

 

「うさぎと本?」

 

 ベルトを抑えながらハンドルを高速で回す。

 

〈Are you ready!〉

 

「変身!」

 

 半分赤、半分黄色のビルドへと姿を変えた。とりあえず、ホテルの最上階へと向かう為に徹を抱えてビルから手前のビルへとジャンプ。

 

「下見るなよ?」

 

「はへ───」

 

 人間見るなよと言われるとどうしても見てしまう。それは童話の時点で決まっている。鶴の恩返しとか有名だよな。そんな人間の心理を利用して徹にも下を見るなと言ったのだ。

 

「ちょ!?! お前ー!!」

 

 あー聞こえない聞こえない。気にしたら負けだ。

 

 ぴょんぴょんとあっという間にホテルの屋上へと着いた。徹を降ろすと四つん這いでぜぇぜぇと息を荒くしていた。

 

 なにかあったの? みたいな視線を送っていると、「あったわ!!」と何も言ってないのに叫んできた。心外だなー。

 

「さてと。ちょうど目の前には鍵がかけられた扉が1つ」

 

 開かないか確認しながら喋る。ガタガタと扉を前後に動かしても開くことはない。当たり前だな。じゃあやることは1つだ。

 

 ラビットフルボトルから忍者フルボトルへと交換した。

 

〈忍者! ベストマッチ!〉

 

 ハンドルを回転させると、前に紫色のプラモデルの様なフレーム。後ろに黄色のフレームが現れた。

 

〈Are you ready!〉

 

「ビルドアップ!」

 

 フレームにサンドされ紫色と黄色の二色へと変わった。

 

〈忍びのエンターテイナー!! ニンニンコミック!! イェーイ!〉

 

「へぇー。忍者と本……なんでそれでベストマッチ?」

 

「それは俺もわからん」

 

 フルボトル作ってるのは俺ではなくて、博士だからなんでこの組み合わせでベストマッチかは謎だ。博士の趣味かな?

 

「それに変わったのは良いけど……どうするの?」

 

「4コマ忍法刀を使って扉を上書きする」

 

「いやいや。それでどうやって上書きするんだよ」

 

 信じてないなこいつ……なんか腹立つわ。こうなったらニンニンコミックの力見せてやろう。 

 

 4コマ忍法刀を右手で逆手に持ち替え、左手で扉に引き戸の扉を上書きしていく。左腕を覆うリアライズペインターにより書いたものを実体化する。煙と共に現れた扉を左にスライドさせると簡単に開いた。

 

「えー?! なんじゃそりゃ!」

 

「うるさいよ。黙って見てないさよ」

 

 騒ぐ徹を注意し、監視カメラが無いか確認する。

 

「たぶん監視カメラがあるだろうから無力化してくる。そしたら来てくれ」

 

「そこ見つからずに行けるか?」

 

「お前は自分の心配をしろ」

 

 監視室まで行くのは簡単だ。右方に装備されてるオンミツスカーフで周囲の景色と同化する光学迷彩スカーフがあるからな。

 

 アルネブの力を借りて、景色と同化しながら監視室を目指すこと数分。扉の前に左足を保護するバトルシューズ、カクレイダーシューズから踏むと感電・気絶するスタンマキビシをばら撒いた。

 

「さて……侵入者だ!!」

 

 扉から少し離れて叫ぶ。すると……中の警備員が出てくる。スタンマキビシを踏んで1人目が倒れ、なにかあったのかと2人目が来て引っかかる。

 

「もう少し警戒しようぜ」

 

 リアライズペインターで縄を作り出し警備員2人を縛り付けて、おまけに口にガムテープを貼り付けた。ニンニンコミック便利~。

 

「こっちは片付いたぞ」

 

「マジかよ……。今行く」

 

 よし……後は徹がくれば取り敢えずは終わりだな。

 

 

 

「やはり来たか。仮面ライダー」

 

 

 

 後ろから聞こえた聞き覚えのある声。間違いない。あの時、俺と渡り合ったおっさんの声だ。

 

 ゆっくり振り返ると予想通り。脳裏に浮かぶのは会社に潜入した時のこと。今、再び対峙する。

 

「今度は手加減出来ない……。俺にもやるべきことがある」

 

「それはこちらも同じ。ワタシにも果たすべき大儀がある……が」

 

 一触即発の状態で言葉の最後が不自然に聞こえた。この状況で“が”付く……いったいなにを考えてる? 

 

 問いかける前におっさんは拳銃を下ろし真剣な眼差しで俺に告げた。

 

「君に協力しよう。早くしないと手遅れになる」

 

「手遅れ? ……とりあえず話を聞かせてくれ」

 

 この人はたぶん敵ではない。信じるのは早すぎるかもしれないけど、今はそんなことを言ってられる状況でもない。嘘だった時のために気を抜かないようにしよう。

 

 ビルドドライバーからフルボトルを取り出し変身を解除した。

 

「若いな……。君があの仮面ライダーとは」

 

「感想はいい。話があるんだろ?」

 

「ああ。その前に君は1人で潜入したのか?」

 

「いや。もう1人居る」

 

 言い終わると同時に足音が聞こえてきた。ちょうど良いタイミングで現れたのは、警備員ではなく徹。俺とおっさんの姿を確認すると同時に歩みを止めた。普通なら良い判断だ。

 

「この人は敵じゃない。話があるんだと」

 

「そ、そうか? 敵にしか見えないけど………」

 

「そう思われても仕方ない。………話を始めよう」

 

 

 

 

 

 

 どうやら敵の方が一枚上手だったらしい。俺と徹が来ることは最初から知っていたと言わんばかりに罠を仕掛けられていた。話が本当ならここに奴が………けど、今は沙綾の方が先決だ。かまっている暇はない。

 

「どうする恵。このままじゃ山吹を助けられないぞ」

 

「わかってる。…………普通に考えたら俺が残るべきなんだろうけど」

 

「どっちかを選ぶしかない」

 

 ジリ貧だ。このままじゃ──

 

 

 

「よぉー。遅かったな恵」

 

 この声は………

 

 声のした方に顔を向けると奴がその場でフルボトルを上に投げてはキャッチを繰り返していた。

 

「悪いけどお前と遊んでる暇はない」

 

「ケチくさいこと言うなって」

 

 奴はそう言うと、ベルトを装着してフルボトルを2本差し込んだ。

 

〈ラビット! タンク!〉

 

 俺と同じようにハンドルを回転させる。

 

〈Are you ready!〉

 

「変身」

 

 灰色と黒色の仮面ライダープロトビルドへと姿を変える。俺も戦うしかないと思い、ビルドドライバーを取り出す。

 

「あ? またてめぇか」

 

 ビルドドライバーを装着する寸前に足音が聞こえ、後ろに振り返る。現れたのは俺を助けてくれたあのライダーだった。

 

 黄色いライダーは真っ直ぐプロトビルドへと駆けていく。跳び蹴りを放つが、ガードされる。着地すると即座に足払いを繰り出した。さすがに躱しきれなかったプロトビルドはそのまま背中から地面に倒れる。

 

 一旦後ろに下がると窓ガラスの方を指指してきた。

 

「行けってことか?」

 

 ライダーは無言で頷く。

 

「わかった」

 

 ビルドドライバーを腰に巻きつけ、タカフルボトルとガトリングフルボトルをベルトにセットした。

 

〈タカ! ガトリング! ベストマッチ!〉

 

 力強くハンドル握りしめ回転させる。

 

〈Are you ready!〉

 

「変身!」

 

〈天空の暴れん坊ー! ホークガトリング! イェーイ!〉

 

 白煙の中、俺の姿は仮面ライダービルドへと変わる。ホークガトリングフォーム──右側がオレンジ色、左側がガンメタリック色の射撃戦を得意としたフォーム。この姿だと空を自由に飛び回れる。

 

 屋上に登ってる暇はない。窓ガラスを突き抜けて空へ舞う。旋回して、沙綾が居る結婚式場へと向かった。

 

 

 

 

 

 おっさんから聞いた場所に向かうと、結婚式が始まってしまったのか人影は見えない。一旦空中で静止して中の状況確認の為にアルネブを呼び出した。

 

「アルネブ、中の状況わかるか?」

 

「真下で結婚式が行われているようです」

 

「真下か…。なら」

 

 ビルドドライバーのハンドルを握り締め、高速で回転させる。

 

〈ready go! ボルテックフィニッシュ!〉

 

 空中でバック転して結婚式場に急降下キックを放った。

 

 ガンバトルシューズは、シューズ表面を特殊火薬で覆い、爆発を伴うキックを放てる。

 

 コンクリートの建物を次々破壊していき、結婚式場の内部へと侵入した。俺がたどり着いた場所は、ちょうど結婚式をやってる真っ最中の式場内。いきなりの出来事に参列していた人は一斉に逃げ出した。

 

 俺の視線の先には、綺麗な真っ白のウエディングドレスを着た沙綾の姿とその隣で来ることはわかっていたと言わんばかりの表情で俺のことを見据える財前。

 

 数分も経たないうちに式場からは俺と財前、沙綾だけになった。

 

「来たか…。ずいぶん遅かったじゃないか」

 

「余計な手間を取らせたのはお前だろ?」

 

「あいつはどうした? 倒して来たのか?」

 

 財前の言うあいつはプロトビルドのことだろうけど………。生憎謎のライダーに足止めされてるよ。

 

 話にいつまでも付き合ってられない。警察が来るまでには終わらせる。

 

「さぁな。それよりも…沙綾を返してもらおうか」

 

「返せと言われて返す奴がどこに居る?」

 

 人を小馬鹿にするような表情でパチンと指を鳴らすと、周りを取り囲むように護衛ロボットが現れ、マシンガンを構える。

 

 ホークガトリンガーを正面に居る財前へと向けるが、引き金を引くとは出来なかった。

 

 

 

 

 沙綾が財前の前に立ったからだ。

 

 

 

 

「もういい………。もう…いいんです…」

 

 今にも涙が出そうな表情で俺のことを見る沙綾。

 

「あたしは幸せですから…。帰ってください」

 

 なんで──

 

「お願いですから」

 

 幸せ? 笑わせんなよ。

 

「もういいですから………」

 

 ホークガトリンガーを下ろして、ドライバーからフルボトルを取り出して変身を解除した。

 

「けい…ちゃん?」

 

 危険なのは十分わかってる。だけど、ビルドとして思いを伝えるんじゃダメだ。俺として──神山恵として伝えないと。

 

「なにがいいんだ? ………いいわけねぇだろ!! ずっとみんな待ってるんだ! 有咲も香澄もりみもおたえも…みんな待ってるんだ。なのにそれでいいのか?!」

 

 沙綾が流してるのは嬉し涙なんかじゃない。心から笑えてないんだよ沙綾………。ずっと1人で抱えこんでたんだろ? 家族にも友達にも相談出来なくて。 

 

「お前の気持ちを聞かせてくれ…沙綾」

 

「帰りたいよ………」

 

「あははは! 面白いなー…愚民の会話は」

 

「そうやっていつも人を見下して!! 結婚しなかったら店潰ってのは脅迫じゃねぇのか? 姑息な手段で成り上がった地位になんの意味がある?!」

 

「気付かない方がバカなんだよ! ビジネスは頭を使わないとな」

 

 そう言うと数十体だって護衛ロボットが一気に沸いてきた。数はさっきと段違いだ。百体くらいは居るんじゃないかと目を疑う程。

 

「この数………君は倒せるか?」

 

「ああ…やってやるよ!」

 

〈タカ! ガトリング! ベストマッチ! Are you ready!〉

 

「変身!!」

 

〈天空の暴れん坊ー! ホークガトリング! イェーイ!〉

 

 オレンジ色の翼を広げて空中に飛翔すると同時に弾幕が張られてる。お構いなしに空中で回避しつつホークガトリンガーのリボルマガジンを回転。

 

〈ten!〉

 

「まだ足りない──」

 

 さらにリボルマガジンを回転し続ける。

 

〈twenty! thirty! forty! fifty! sixth! seventh! eighty! ninety! one handled! フルバレット!!〉

 

 ホークガトリンガーのサードアイホークによって百体にロックオンすると同時に球体のフィールドが展開された。

 

 引き金を引くと百発の弾丸の一発一発が護衛ロボットに襲いかかり破壊していく。

 

 あっという間に護衛ロボットは壊滅。これがホークガトリングフォームの力だ。なぜ鷹とガトリングでベストマッチなのかはわからない。

 

「ありえない………ありえない!! 百体を一瞬で?!」

 

「博士の発明を舐めすぎたな」

 

 地面に降り、タカフルボトルとガトリングフルボトルを忍者フルボトルとコミックフルボトルに交換してハンドルを回転させた。

 

〈忍者! コミック! ベストマッチ! Are you ready!〉

 

「ビルドアップ!」

 

 ホークガトリングフォームからニンニンコミックフォームへと姿を変える。

 

〈忍びのエンターテイナー! ニンニンコミック! イェーイ!〉

 

 4コマ忍法刀のボルテックトリガーを四回押す。

 

〈隠れ身の術! ドロン〉

 

 俺の姿は白煙に紛れると同時に消え、一瞬で沙綾の後ろへと姿を現す。

 

「きゃっ?!」

 

 沙綾をお姫様抱っこしてその場から離れようとするも、そうは問屋が降ろさないらしい。新たに現れた護衛ロボットが俺達を囲う。

 

「ここまできて逃がすか! 捉えろ!」

 

 そうはいかない──

 

 4コマ忍法刀のボルテックトリガーを一回押した。

 

〈分身の術!〉

 

 一瞬にして分身が四体現れて護衛ロボットと交戦を開始する。

 

「逃がさない!」

 

 沙綾に伸ばしてくる汚い手を振り払うように、財前を蹴り飛ばす。

 

「うわっ?!」

 

 バランスを崩して地面に尻餅をついた。その隙にボルテックトリガーを四回押す。

 

〈隠れ身の術! ドロン〉

 

 再びその場から姿を消して入り口近くに姿を現す。

 

「すごい………忍者みたい」

 

「忍者の力だからな」

 

 ゆっくり沙綾を降ろす。改めて見ると、すごく大人っぽくてキレイだった。ウエディングドレスは所々汚れてはいるけど、どこからどう見てもお嫁さんにしか見えない。

 

「沙綾! 良いのか?! お前の家がどうなっても!!」

 

「人を脅すことでしか物事を成し遂げられないのか?! 少しは頭を使え!」

 

 ボルテックトリガーを三回押す。

 

〈風遁の術! 竜巻斬り!〉

 

 竜巻を纏った4コマ忍法刀で正面から迫る護衛ロボットに向かって放つ。巨大な竜巻は数体の護衛ロボットを巻き込み会場の真ん中で静止する。

 

 さらにボルテックトリガーを二回押した。

 

〈火遁の術! 火炎斬り!〉

 

 今度は炎を纏わせ竜巻に向かって炎を放つ。酸素を得た炎は次第に業火となり、炎の竜巻に包まれた護衛ロボットは全て爆発した。

 

 黒煙が晴れると煤だらけの財前がなんとか壁に手を付いて立っていた。

 

「もう終わりだ。自首しろ」

 

「自首? バカを言え…そんなこと出来るわけだろ!」

 

「これ以上はなんの意味がある?! いい加減にしろ! 今なら数年で出てこれる………終わりだ」

 

 ようやく言葉が届いたのか、その場に座り込んだ。

 

 本当に終わったんだ──そう思って振り返った瞬間。

 

「なら──一緒に死のうぜ」

 

 財前が喋ったと同時に爆弾が爆発したような轟音を上げた。地響きが会場を揺らすと、天井が崩れてくる。

 

「ちっ! 爆弾かなんかか?!」

 

「早く逃げないと!」

 

 沙綾の言うとおりだ。早くしないと数分も経たないうちにここは崩壊する。だけど………。

 

「沙綾! 先に行け!」

 

「でもけいちゃんが!!」

 

「俺は大丈夫だ! いいから出口に向かって走れ!! あいつも連れて行くから!」

 

「どうして? 犯罪者だよ?」

 

 犯罪者? 確かに最低なことをした奴だ。ここで死んでも文句は言えないだろう。でも、それが理由で置いていくなんて俺には出来ない。たとえ偽善だと言われても──

 

「それでも命だ。この世から簡単に消えて良い命なんてない!」

 

 そう言って財前の元に向かって走りだした。沙綾が必死に呼ぶ声を背に中央で立ち止まり、新たにゴリラフルボトルとダイヤモンドフルボトルを差し込んだ。

 

〈ゴリラ! ダイヤモンド! ベストマッチ! Are you ready!〉

 

「ビルドアップ!」

 

〈輝きのデストロイヤー! ゴリラモンド! イェーイ!〉

 

 右手に装備された大きな腕、サドンデストロイヤーが特徴のゴリラとダイヤモンドの硬さを誇るダイヤモンド。この2つがあればどうにか出来る!

 

 さらにハンドルを回転させた。

 

〈ready go! ボルテックフィニッシュ!〉

 

 地面に向かって左手でおもっきりパンチすると、キレイな水色のダイヤモンドが会場を浸食し始めた。崩れるのが先か──ダイヤモンドになるのが先か──上等だ。やってやる!

 

 さらに左手に力を込めた。

 

「間に合えー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────建物が崩れることはなかった。ギリギリでダイヤモンドに変わった結婚式場はキラキラ輝いて、収束のついた戦いを祝福しているようだ。

 

 財前は警察に捕まり数年は出てこれないだろう。何度も警察に仮面ライダービルドの正体を話したみたいだけど、犯罪者の意見なんて聞いてもらえるはずもない。しばらく刑務所で反省してろよな。

 

 沙綾はやっと元の日常が戻った。俺のことは誰にも話さないと言ってくれてるから大丈夫だろう。今度お礼にたくさんパンを焼いてくれるって。楽しみだ。

 

 あの日から大規模な犯罪は起こってない。仮面の戦士が現れるとなりゃそんなことをする勇気なんて持てないか。………奴は謎の仮面ライダーに撃退され警察に捕まったらしい。

 

 鍋川始…いったい奴は何者なんだ? 

 

「恵さん? もうそろそろ時間ですけど…」

 

「え? あっ本当だ」

 

 ニュースを見ながら考え事をしていたらいつの間にか、出かける時間になっていた。五十鈴さんに教えてもらわなかったらヤバかったよ。

 

「ちゃんと楽しんできてくださいね? こっちは私と永瀬さんに任せてください」

 

 紗夜先輩はすっかりうちの頼れるバイトさんになった。小さい女の子とか女性の人の依頼を親身になって聞いてくれるから居てくれて助かってる。近所でも評判は好い。

 

 ちなみに永瀬さんはスキンヘッドのおっさんだ。なんやかんやで良い人だったから、うちで働いている。柔道とかの経験者だから、うちの仕事と道場を開いて生計を立てている。マジですごすぎ。

 

「わかってます。じゃあ行ってきますね」

 

「いってらっしゃい」

 

 五十鈴さんの優しい笑顔で見送られ、マシンビルダーに乗って向かった先は有咲との待ち合わせ場所。今日はデートなんだ。

 

 ………優衣。約束果たせそうだよ。これからも俺はこの街の…優衣のヒーローとして戦っていこうと思う。だから──見守ってくれ。お前の愛したこの街を守ってみせるから。

 

 新たな思いを胸に、加速していく。

 

 

 

 

───────☆

 

 これでひとまずは終わりかな。まさか名人がね~。ライダーだとは。まっ………これで安心して離れられるかな。

 

「これからも頑張れよ。仮面ライダー…ビルド」

 




謎のライダーの正体はわかりましたか? ここはあえて答えを言わないでおきます。

さてさて、ifストーリーの主人公はどうでしたか? こっちはすでにやりたいことを見つけていたりと本当のストーリーの主人公よりは大人な感じにしてみました。

最後のFAINL EPISODEは現在執筆中です。後日談のようなものです。ifと普通の2つありますぞ~。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。