【完結】僕のヒーローアカデミア・アナザー 空我 作:たあたん
ってか逆に今まで出番なかったんか……とちょっとビックリもしてたり。この作品で出久の一番の友人として出しちゃってるだけに。まあ普通科だしヒロアカはどうしても日常の学校生活の描写ってないからしょうがないか……原作の彼がどのように成長し出久たちとどのような関係を築いていくのか楽しみです。
そして満を持してのあるある海水浴ネタ。今作ではギリギリ夏の時期に出せてよかったです。前に書いてた作品では季節が逆転してしまい、真冬に海水浴ネタ、真夏(ちょうど去年の今頃)にクリスマス&大晦日ネタをやる羽目になってました。
それは久しく記憶の底に沈めていた、高校時代の夢だった。
夢だから朧気だけれども、雄英の制服を纏った自分は狭い部屋で椅子に腰掛けていた。どうやら面談室か何かのようだ。
自分と相対するように、黒一色の地味な服装を纏った長髪の男が座っている。そうは見えないが、彼はプロヒーローで、この栄えある雄英ヒーロー科の教師だ。普通科所属である以上本来交わる機会のない人であったはずだけれども、現実に彼は、ヒーローを目指す自分にとって恩師だった。
だがこの日は、その恩師に終わりを告げるつもりでここにいた。
『俺……もう、無理です』
『………』
『ごめんなさい、先生……』
こんな自分に目をかけ、背中を押してくれた人。
――自分は彼を、裏切ったのだ。
「………」
目を覚ました心操人使は、自分がいま就職活動を控えた大学生であることを思い出して深くため息をついた。
どうして高校時代の、それも挫折の決定的瞬間など夢に見てしまったのか――答えは簡単だ。
終わらせたはずの夢を、もう一度掬いとろうとしているから。ただ、かつての自分には、予想だにできないであろう形でだけれど。
自嘲ぎみに口許をゆがめ、心操はのそりとベッドから起き上がる。寝間着のシャツを脱ぎ捨てれば、細身ながらくまなく筋肉のついた肉体が露わになる。夢を棄てたあとも別の目標に向かってみっちりと鍛え続けた、その成果を見せるときは、いよいよ明日にまで迫っている――
*
鮮烈なブルーに、純白のコントラストがまぶしい。
燦々と降りそそぐ太陽の光に照らされ、黄金に輝く砂浜。静かな紺碧との継ぎ目がはっきりと分かたれ、同じ自然のものでありながら相容れぬ世界をつくり出している。
そのような風光明媚の中で、活発に動き回る複数の若者の姿があった。
「行くよ~ッ、そーれっ!!」
ビキニ姿の麗日お茶子が軽やかに跳躍し、ボールをネットの向こう側へと叩きつけんとする。
「おっと!」
それを受け止めるは、やはり水着姿の森塚駿。未確認生命体関連事件合同捜査本部所属の刑事であり、緑谷出久、飯田天哉の二名を除いてはこの若者たちと接点のない男なのだが――なぜ当たり前のように輪に入っているかは、この際後述としたい。
ともあれ、彼が浮上させたボールは、今度は出久に引き継がれることとなった。結んだ両手首を構え、力をこめる。さらに天高く、青空に向かって叩きつけるのだ。
しかし攻め上っていくそれも、やがては重力に従って落下してくる。――これがビーチバレーという競技である以上、そこを狙って、敵陣目がけて打つのが唯一の選択肢。
そしてそれができるのも、いまは唯一ただひとりだ。
「おやっさんっ!」
「まかせんしゃ~い!!」
どこぞで聞いたことのある応答とともに、締まりのない中年の肉体を空に躍らせるおやっさん。掲げられた腕がボール目がけて振り下ろされる。その掌が、球の表面を捉え――
――すかっ、
なかった。
「「あ」」
おやっさんが逃したボールは、虚しく砂の中に墜落した。わずかに舞い上がった砂塵を運悪く吸い込んでしまい、森塚がむせる。
審判を仰せつかった飯田が、確認するように両陣を見回し、
「――勝者、女子チーム!!」
体格に似つかわしい威勢のいい声をこのプライベートビーチに響き渡らせたのだった。
「三連敗……ですかぁ」
投げやりにつぶやく森塚がじとりと横目で睨めつけるのは――当然のように、喫茶店経営の四十代男性である。出久も表情こそ苦笑いぎみであるが、同様にしている。
それも致し方ないこと。ここまでの三試合すべて、敗北の戦犯はおやっさんなのである。もっとも、性差はあるとはいえ、ヒーローふたりに大学院生ひとりという組み合わせの女子チームと大学生・刑事・中年の喫茶店経営者という凸凹の男子チームでは最初からバランスを欠いていると言わざるをえないのだが。
「は~、楽しかったぁ!」
「これでわたくしたちの勝利が決まりましたわね。お夕食の段取りはお任せしますわ」
八百万百の言うように、一行は夕食の準備をこの勝負に賭けていた。飯田はやはり「そういう賭け事のようなことはよくない!」と難色を示したのだが、なんだかんだと言いくるめられてしまっている。お茶子に森塚におやっさんと、口がうまい面子が揃っているのである、恐ろしいかな。
そのおやっさんはというと、手を合わせて懇願している。
「お願いっ、もっかいだけ!もっかいだけやらせて、ワンモアプリーズ!」
「えー……」
女性陣の反応は総じて素っ気ない。理由は簡単、二度目だからである。
「さっきもそう言って三戦目やったやん……」
「これ以上はさすがに……時間の制約もございますし……」
「そう言わずにさあー……――桜子ちゃん、桜子ちゃんならわかってくれるよね、いたいけなおじさんのこの気持ち!」
標的とされた桜子はというと、目を丸くしてチームメイトたちとアイコンタクトをとったあと、にこり。
「わかりません」
頼みの桜子にすら突き放され、おやっさんはへなへなとその場に崩れ落ちた。
「泣きたくなるようなmoonlight……」
「べ、別にいいじゃないですかおやっさん。僕ら調理は慣れてるし……あといま昼間です」
「緑谷くん、いまのは懐かしの国民的美少女アニメのワンフレーズだよ」要らぬ森塚の解説。
「いや料理はいいんだけどさあ、俺のせいで負け越しってのはこう、やはり、年長者としては立つ瀬がないと言いますか」
「お気持ちはわかりますけどー」
結局おやっさんの主張は通らず、ビーチバレーはこれにて試合終了となった。出久と飯田と森塚はこのあと水泳で競争する約束をしていたし、女性陣は積もる話もあった。
女性陣といえば、もうひとつ。落ち着かない様子の桜子が口を開いた。
「あの……」
「ん、どうしたん?」
「自意識過剰だって思われちゃうかもしれないんだけど……さっきから、視線が気になるというか……」
ちらりと目をやった先――設営された大きなパラソルの陰に、小柄な人影が体育座りをしている。こちらをじっと見つめるその風貌は、彼を知らない者があれば幼児と誤認するかもしれない。
葡萄のような頭が特徴的な少年……いや青年の名は、峰田実。出久たちと同年であり……しかも雄英高校OBのプロヒーロー"GRAPE JUICE"でもある。
立派な経歴……実際にそうなのだが、残念ながら立派なのは良い面ばかりではないのだった。
「まったく自意識過剰ではありませんわ……」八百万がぼやく。
「ちょっともうッ、峰田くん!」お茶子が憤然とにじり寄り、「約束したよね!?どうしても来たいなら絶ッ対にセクハラしないって!!」
そう、峰田は誘われて同行したわけではない。どこで聞きつけたのか海水浴の情報を知ったらしく、八百万に対し連れていってくれるよう執拗に乞うたのだ。彼女が懇願されれば断れない性格であることを知っていての策略である。
ちなみに森塚もまた自分から志願しての参加であるが、彼は当然無害――二次元専門――なので特に揉めてはいない。互いに社交的なこともあってすっかり溶け込んでいる。
ともあれ、お茶子に睨まれた峰田は菩薩のような穏やかな笑みを浮かべて応じる。
「やだなぁ、セクハラなんてしてないっスよ……。オイラはただ、みんな大人になったんだなぁ……って感慨深い気持ちになってただけっス」
マスコットキャラクターのような風貌と相俟って、やはり彼の人となりを知らなければ納得させられてしまうかもしれない返答。だがお茶子たちは知っている――「みんな大人になった」が、主に下世話な意味であると。というか視線が胸元に注がれているから一目瞭然である。
「峰田くんッ、いい加減にしたまえ!沢渡さんに失礼だぞ!!」
「そうだそうだ!桜子ちゃんはポレポレの看板娘なんだぞ、菊池桃子ばりの清純派なんだぞ!」
「え、そこは私ちゃうの……?」
「――いや~、やっぱりいいねぇこういうの。学生時代を思い出すよ」
わいわい騒がしい一同を遠目に眺めつつ、にこやかにつぶやく森塚。いつもの背広姿でない彼は峰田ほどでないにせよ幼く見えるのだが……自分も他人のことは言えないと傍らの出久は苦笑を浮かべた。
「でもちょっと意外でした。森塚さんもいらっしゃるとは思ってなくて」
「カタいな~緑谷くん、もっとフランクでいいよ。――まあアラサーに片足突っ込んでるとはいえ僕も一応は若者ですし?たまにはねえ、おシゴト離れてぱーっと遊びたいわけですよ」
「引きこもってアニメ消化するのもヴァンガでガキどもハメまくるのもいいけどね!」と続ける森塚。やっぱり面白い人だ、と出久は思った。飯田にせよ峰田にせよ、個性豊かな友人が増えていくのは楽しい。それだけでもこの海水浴には価値があったと思える。
ただ、
(みんな揃って来られたら、もっとよかったなぁ……)
勝己に焦凍、切島や蛙吹はじめ、誕生日会をきっかけに親しくなったA組の面々。
――そして、心操人使。
出久が抱える秘密に気づきつつありながら、問い詰めることなく見守ってくれている親友。どんなに多くの仲間や友人を得ることができたとて、彼がその中心を占める存在であることに変わりはない。
今ごろはインターンシップに取り組んでいるのだろうか。警察官の夢をいよいよ形にしようとしているだろうか。落ち着いたら連絡してみるのもいいかもしれない。
そんなことを考えていたら、峰田への説教を終えた飯田がやってきた。
「緑谷くん、森塚刑事!そろそろ泳ぎに行きましょう!」
「うん!」
「おー、腕が鳴るぜぃ!」
熱のこもった表情で海に向かう三人。「みんながんばれー!」と声をかけるお茶子はじめ女性陣が温かく見守る一方で、峰田は心底どうでもよさそうに鼻をほじっていたのだった。
*
灼熱の大気を掻き分けて、心操人使は走っていた。
「はっ……はっ……!」
太陽の光にじわじわと肌が焼かれるような錯覚とともに、滝のような汗が全身から噴き出してくる。脚が鉛のように重い。それでも彼は止まらない。止まるということを忘れるほど、無我夢中でいた。
それでも肉体的な限界は訪れる。やがて木陰に入ったところで、ようやく足を止めた。汗がさらに噴き出す。このままだと脱水症状を起こしかねないと思い、ホルダーに入れたペットボトルに口をつけた。嚥下したスポーツドリンクが喉を通し、身体に染み込んでいくような錯覚。――美味い。
冷たい水分のおかげで少しばかり頭も冷えた心操は、そのまま近くのベンチに座り込んだ。思わず自嘲を浮かべる。
(今日はしっかり休むつもりだったのにな……)
明日のことを考えれば、身体を万全な状態に整えておくことが最も合理的――きっと恩師もそう言うだろう。
だが現実として、自分は非合理の極みであろうオーバーワークに及ぶ真っ最中にいる。明日のことを考えれば考えるほど、動かずにはいられないのだ。
それにしても、木々の下にいるせいか蝉の声がいやに頭に響く。夏の音、それはここ数年の心操に、ある人物を想起させるのだった。
――彼と出会ったのは、大学に入ってすぐの頃だった。
第一印象は、とにかく地味で気弱なヒーローオタク。お洒落とは言い難いでかいリュックにぶら下げていたオールマイトのストラップに気づいて「オールマイト、好きなのか?」と尋ねてみたら、いきなり熱弁を振るわれて呆気にとられてしまった。初めてのまともな会話がそれだった。
しかし彼のようにあからさまでなくとも、心操だってヒーローは好きなのだ。ましてオールマイトはヒーローの中のヒーロー――自分の個性では無理だと早々にあきらめたが、憧れは決して失せてしまったわけではない。
いつの間にか心操は、彼とよく話すようになった。一緒に講義を受けたり、昼食を食べたり。そうして行動をともにしているうちに、彼の人となりがわかってきた。純粋で、何事にも一生懸命で、何よりお節介なくらい親切で優しくて――
何より心操が彼への信頼を確固たるものにしたのは、自分の個性を知ったときの反応だった。
"洗脳"――その個性に対する反応は昔から、総じて芳しくないものだった。「悪いことしまくれそう」「ヴィラン向き」と面と向かって言われたこともある。
だが彼は違った。目を輝かせながら「すごい個性だね!」と褒めたたえた。具体的にどこがすごいのか、どういう仕事に向いていそうか、仮にプロヒーローとして活動するならどのように活かせて、逆に何がウィークポイントになってくるのか……そんなことを延々、聞いてもいないのに熱弁してくれた。おもねっているとすらまったく思えない語りぶりに、思わず目頭が熱くなったことを覚えている。流石にこらえたはしたが。
彼への絶対的な信頼を得てしまった以上――彼が"無個性"だと判明しても、それが友情を揺らがせることは欠片もなかった。ただそのせいでヒーローの夢を彼もあきらめたのだと知って、「もったいないな」とだけ思った。この男はきっと、素晴らしいヒーローになれただろうに。
あれから二年。――自分の想像どおりなら彼は、一度棄てた夢を取り戻した。経緯はわからないが、異形の戦士たる力を得て。
だから自分も、それに続く。この好機をモノにして、再び夢を掴んでみせる。
(おまえには負けない、――緑谷)
静かに拳を握りしめ、心操は立ち上がった。その疾走が再開されようとしている――吹きゆく風に揺れる木の葉たちも、そのことを予感しているかのようだった。
キャラクター紹介・クウガ編 ゲヅン
ライジングタイタンフォーム
身長:2m
体重:122kg
パンチ力:10t
キック力:12t
走力:100mを7.2秒
ジャンプ力:ひと跳び10m
武器:ライジングタイタンソード
必殺技:ライジングカラミティタイタン
能力:
タイタンフォームが雷の力"ライジングパワー"で強化された姿だ!鎧の色合いがよりハデになり、さらに硬く逞しくなっているぞ!
さらに強化されたパワーでゴリ押しにゴリ押し、敵の攻撃をものともせず懐に突っ込み、鋭い刃のついたライジングタイタンソードをブッ刺す!シンプル イズ ベスト!!