【完結】僕のヒーローアカデミア・アナザー 空我   作:たあたん

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展開の都合上、デク達のいる場所を警視庁から科警研に修正してますのでご承知おきくださいませ。


EPISODE 34. イノセンス 2/3

――(ヴィラン)連合。

 

 実態のみを示すだけの簡素な名称とは裏腹に、彼らは社会をこれ以上はないほどに動揺させた。

 

 ヴィラン史に鮮明に刻み付けられた彼らと、オールマイトの教え子である雄英の生徒たちは幾度となくぶつかってきた。とりわけ直接の弟子となった焦凍は、ヴィランの王とでも呼ぶべき存在――"オール・フォー・ワン"に魅入られ、後継者として君臨した青年と対峙することとなった。

 

――それが、死柄木弔だった。

 

 彼は己の個性――"崩壊"――に人格まで侵されたかのように、何もかもを壊し尽くそうとした。

 そして、"平和の象徴"たるオールマイトを、このうえなく憎悪して憚らない。敵だから……違う、因果関係が逆なのだ。

 

 

 彼は、ヒーローが救いこぼしてしまった子供なのだ。愛する者も、彼を愛してくれる者も失い、独りぼっちで闇に堕ちたかわいそうな子供。

 

 そんな弔の正体がオールマイト――八木俊典の師であり、前代のワン・フォー・オール保有者であった志村菜奈の孫"志村転孤"だというのは、どうしようもなく皮肉な話だ。

 

 

 いずれにせよ、彼はもう何ものでもなくなってしまった。いま目の前に在る人間は、死柄木弔でも志村転孤でもない、善でも悪でもない純真無垢(イノセント)な子供。――事実そうだったし、焦凍は自らそう思い込もうとせざるをえなかった。でなければ己がもつ個性を最大限に発揮し、目の前の男を燃やし、凍らせ、拳で打ち砕きたいという衝動を抑制できそうになかった。

 

 それでも抑えきれない殺気に気づかないのか、弔はうれしそうに何度も轟の名を呼ぶ。

 

「ねえとどろき、いっしょにつみきしようよ!」

「いや、俺は……」

「や?つみききらいなの?」

「……大人だからな、一応」

 

 いくら仇敵が相手でも、「殺したいくらい嫌いなのはテメェだ」とは言えなかった。こんな純粋な目を向けられては。

 

 弔はしばし考え込むようなしぐさを見せたあと、ぱあっと笑顔を浮かべて手を叩いた。

 

「じゃあ、いっしょに()()みようよ!」

「あれ?」

 

 焦凍の疑問に直接は答えず、「せんせい、あれみせて!」と入口で見守っていた医師に呼び掛ける弔。もう幾度も繰り返していることなのか、具体的に「何を」と言われずとも彼は動き、テレビを操作しはじめた。

 

 やがて映し出されたのは、ある意味衝撃的な映像で。

 

『――私が、来たァ!!』

「……!?」

 

 そこに映し出されたのはまぎれもない、かつての"平和の象徴"の全盛の姿。

 

「おーるまいと!!」

 

 蛇蝎のごとく忌み嫌っていたはずのその姿を、弔は興奮を抑えられぬ様子で見つめる。爆豪勝己のそれよりさらに禍々しい紅の瞳が、爛々と煌めいていて。

 

「――言ったでしょう。彼はもう、以前の死柄木弔ではないと」

「………」

 

 焦凍はもはやことばを失っていた。目の前の子供が何か、おぞましい異物に見えた。胸のうちを占めるざわめきがより膨れあがっていくけれども、目を背けるよりほかにそれを消すどころか誤魔化す手段のひとつも見つからない。ここで全力で襲いかかり、超人(アギト)の力をもって塵ひとつ残さず消滅させる――それができたならどんなにかいいだろうと、それまでの憎悪とはまったく別の理由から焦凍は思った。

 

 

 

 

 

 ゴ・バダー・バは暇をもてあましていた。

 

「ここも随分寂しくなっちまったよなぁ……」

 

 バイク雑誌をぱらぱらとめくりつつ、ぼやく。自分の番が回ってくるまでは基本的に勝手な殺人以外なんの禁忌もない彼らである。バダーは基本的にツーリングを楽しんでいることが多かったが、たまにはこの屋敷でガメゴなどと遊興をともにすることもあったし、ベミウのピアノを聴くことも嫌いではなかった。彼らも死に、"ゴ"も着実にすり減りつつある。惜しむ気持ちなど微塵もなかったが、退屈な時間が増えていることもまた事実だった。

 

「ガリマはどっか行ったまま戻ってこねえし……お前らはこんなだし」

 

 ちらりと睨みすえた先では、着流しを着たガドルが静かに座禅を組んでいた。そのずっと向こう、階段の手すりに背中を預けて座る学生服姿の少年――ジャラジ。彼などは距離があるにも関わらずヘッドホンからシャカシャカとうるさい音を流している。あんなものを密閉して聞いていたらグロンギといえど耐え難い苦痛だと思うのだが、彼にはそうでないらしい。

 目を瞑ったまま、ガドルが口だけを動かした。

 

「笑止、静寂にこそ意味がある。馬鹿騒ぎをするのなら、"ズ"や"ベ"の連中でもできるわ」

「"ズ"と"ベ"の連中ねぇ……」

 

 バダーが反応したのはその部分だった。雑誌をぱたんと閉じ、一転冷たい表情を浮かべる。

 

「もうゲリザギバス・ゲゲルも半ばなのに、なんで"整理"が始まらない?」

「……"奴"がそれを拒んでいる」

「そんな腑抜けが俺たちの王様かよ」

 

 ガドルがはじめて目を開けた。視線で人を殺せるとしたら彼をおいて他にはいないだろう、バダーはそう思った。恐怖までは感じなかったが。

 

「だから今一度、バルバが動いている」

「……また例のアレか。それでズのコウモリくんもいないのな」

 

 ゲームマスターの不在。"彼女"のゲゲルが始まったばかりであるから、監視役をドルドに任せて離れてもさほど問題はないだろうが。

 

「ヒヒッ、ヒヒヒッ」

「!?」

 

 いきなり下卑た笑い声が響いて、バダーはぎょっとした。気づけばジャラジがヘッドホンを外して、こちらを見て笑っていた。前髪に隠れた双眸が鈍い光を放っている。気持ち悪い奴、と、改めてバダーは思った。

 

「ぼ、ボク、聞いちゃった。バルバとドルドが、話してるの……」

「なに?」

「きっと、また、面白くなる。ゲゲルより、ずっと……」

 

 そのことばにバダーは呆れたし、ガドルも不快感を隠さなかった。それでもジャラジはくつくつと笑い続けている。

 

「……マジでおまえ、ゲゲルはどうでもいいのな」

 

 行方をくらましたガリマもベミウが死んでから様子がおかしかったし、皆、現代社会にあてられてしまっている。その点変わらない連中もいるわけだが、果たして数多いる敵をかいくぐってゲリザギバス・ゲゲルをクリアできるかどうか。

 

 

「ま、ザザルに期待するしかねえか……」

 

 

 

 

 

 行きかう人々の群れでごった返す、神保町の駅前。

 

――"彼女"はそこにいた。

 

「………」

 

 紫の上着に黒い革のミニスカート、大胆に開けて谷間まで露出させた胸元では、サソリを模したであろうタトゥーがその存在を主張している。蠱惑的を通り越してまともな感性をもった異性からは下品とすら映る姿。が、最も派手なのはその両手の爪だった。マニキュアで装飾が施されている……それだけなら女性のファッションとしてはふつうなのだが、そのカラーリングは十人十色ならぬ十本十色。オレンジや銀など一色のものはまだいい、べったり白く塗った上から青のラインを引いているなど、センスを疑いたくなるようなものまである。

 

 ただの美的感覚の欠如。それだけなら、あるいは微笑ましくも映ったかもしれない。しかし彼女にはそれとは別の、明確な意図があった。爪と同じ白地に青ラインのタクシーが通りかかった途端、その瞳が鋭い光を帯びる。

 

 彼女はそのタクシーを捉え、扇子であおぎながら後部座席に乗り込んだ。――この瞬間こそ彼女、ゴ・ザザル・バのゲゲルのスタートであり、犠牲者は何も知らずハンドルを握っているドライバーの男であると、既に決定づけられていたのだ。

 

 

 

 

 

 あらゆることが動き出し、不穏な暗雲が帝都を覆いつつある。

 

 科警研にこもっていたためにそのことに気づかなかった四人衆は、四者四様の表情で地下駐車場を歩いていた。苦笑いぎみの緑谷出久、ぷりぷり怒っている飯田天哉、いつもどおり涼しい表情の心操人使――そして、給料を引かれたにもかかわらずなぜか勝ち誇った表情の爆豪勝己。

 問題は前半ふたりが、痛々しい治療痕にまみれていることか。

 

「ちょっと油断するとすぐにこれだ!」飯田が怒声を発する。「大体きみという奴は、入学して最初のヒーロー基礎学のときからそうやって――」

「っるっせえなクソメガネ!!いちいち昔のこと覚えてンじゃねえ海馬綺麗に吹っ飛ばしてやろうか!?」

 

 わざわざ海馬だけをか。みみっちい――横で心操はそう思ったが、内心にとどめた。口に出して余計火に油を注ぐ焦凍とはそこが違うところだった。肉体ばかりでなく話術も鍛えているから、当然といえば当然か。

 ふたりの言い争いを黙って見ているのもそれはそれで楽しかっただろうが、気づけば横で出久が独りブツブツと模擬戦の総括を始めていたので、そちらをいったん中断させることにした。

 

「緑谷」

「へぁッ、あ、う、ごめん……何?」

 

 この飾らない素直さがまた、この男らしい。考え事をしているときに突然話しかけられて驚くことは心操にもあるが、いつも咄嗟に取り繕ってなんでもないふうを装ってしまう。自分は特別そういうのが得意だから、よほど表情の変化を注意深く観察しないと驚いているとは気づけまい。

 

「いや、怪我は平気かと思ってさ」

「あぁ……大丈夫だよ、元々ちょっとした火傷だし。ほら、左目だって三時間かそこらで治ったじゃない?」

「……悪かったな、あのときは」

「えっ!?い、いやそういうつもりじゃなくて……ていうか、あのときは僕も悪かったし……」

 

 ぶんぶんと頭を振ると、出久はぱっと表情を切り替えた。卵形の瞳が、やわらかく細められる。

 

「色々あったけど……きみと一緒に戦えることになって、本当によかった。頼りにしてるよ、心操くん」

「!、……そういうの、調子狂う」

「え、ご、ごめん……」

「いや……いいんだけどさ。嫌だったらおまえと友だちやってないし」

 

 そう、おべっかでもなんでもなく、心の底から思ったままのことばだから、らしくもなく舞い上がってしまいそうになるのだ。とことん罪作りな奴だと思う。

 

 ちら、と目を移せば、勝己はまだ飯田と口論を続けている。この男もある意味では被害者なんだろうな、といまでは思う。自我の形成をなす幼児期からこんなふうにすごいすごいと接してこられたら、増長して自尊心が膨らみ放題になってしまうのも無理はない。それにしたって、そんなふうに褒めてくれる相手をいじめるかふつう、とも思うが……そのあたりは当人らにしかわからない事情もあるのだろう。そうした歪な関係だった時期ならともかく、いまどうこう口出ししても薮蛇にしかなるまい。

 

 と、敏くも視線に気づいたのか、勝己が突然こちらにメンチを切ってきた。

 

「……テメェ、さっきから何ジロジロ見てやがる?」

「何って……そりゃすぐ横で口論してたら見るだろ。まあまったく赤の他人なら見ないようにするって選択肢もあるけど」

「御託並べてんじゃねえ、ンな軽い感じじゃなかったろうが!なんか余計なこと考えてやがったな」

(……なんでわかるんだ、こいつ)

 

 粗暴なくせに、やたら繊細で神経質だから性質が悪い。それに限らず、やたら矛盾した行動をとる奴だと高校のときから思っていた。"勝つ"ことばかりに執着して他人を平気で傷つけるような言動をとっているかと思えば、何かに取りつかれたように仲間の危機に飛び込んでいったり、その苦悩に真摯に向き合おうとしたり。別に直接の親交があったわけでもなかったが、相澤先生に師事していたおかげで彼の話はずいぶん聞かされた。当時はヘンな奴と思うと同時に妙な対抗意識を燃やしたものだが、いまとなっては微笑ましくも感じる。

 

 ともあれ勝己をいったん無視して、心操は話題を切り替えることにした。

 

「それより、あんたらはこれからどうするんだ?俺はもう少しここ借りて訓練してくつもりだけど」

「僕は……お店かな。手伝えるときはなるべく手伝わないと、おやっさんにも麗日さんにも悪いし」

「俺と爆豪くんはパトロールに出る予定だ。それにしても心操くん、熱心なのは素晴らしいが無理は禁物だぞ!しっかり休養をとることもまた実戦への備えだ!」

「わかってるよそんなの。大学もぼちぼち後期始まるし、休みのうちに少し頑張っとこうと思ってるんだ」

 

 そんなやりとりを続けているうち、駐車場へたどり着いた。三人はそれぞれの次なる行動のため、それぞれの手段でここを離れていく。事件が起きようと起きまいと頻繁に会うことが決定づけられている相手だから、名残惜しさはない。それでも一応はここまで来て別れを告げたのは、このチームに対する情が自分なりに湧きつつあるからか。

 

「……ふっ」

 

 思わず頬を弛めかけて――引き締め直した。彼らとの間に醸成された信頼はすべて、グロンギによって命を奪われた大勢の人々の屍の上に築かれたものだ。自分がなすべきはむしろ、彼らの顔を見ずに済む日が一日でも早く来るよう努力すること。元は大学の友人である緑谷は別にしても。

 

(俺のせいで余計に失われてしまった命もある。できる償いは、いまはそれだけだ)

 

 決然たる思いで施設に戻った心操は、みなぎる戦意がへなへなと抜け落ちてしまうような片言に襲われた。

 

「アレ、もしかしテ心操クン?」

「!」

 

 こんなところで聞くとは思ってもみなかった声に振り向けば、そこには予想どおりの白人の姿があって。

 

「ジャン先生……」

「Hi!」

 

 城南大学で教鞭をとるフランス人学者、ジャン・ミッシェル・ソレル。とはいえ心操は直接彼の教えを乞うたことはない。法学部の心操に対し、ジャンは考古学者だから、本来は出会うことすらなくとも不思議ではないのだ。それがこのように親しげに声をかけられるまでになったのは、やはり緑谷出久との交友の賜物か。

 

「……どうも。こんなところになんの御用ですか?考古学とは一番ほど遠い場所な気もしますけど」

「ノンノン、それがそうでもないんだヨ。ココには"ゴウラム"があるからネ!」

「……ああ、なるほど」

 

 超古代のオーバーテクノロジー。矛盾しているようで矛盾していないそれは、考古学と現代科学を結びつけるのにひと役買ったのだろう。

 ということは調査に来たんだろうと思いきや……心操はここで、彼の隣にまだ年若い少女の姿があることに気づいた。

 

「あの……そっちの娘は?」

 

 受け持ちの学生ではなかろう。どう見ても自分と同年代には見えない――まあ年頃の少女はえてして大人びて見えるから、自信満々に断言はできなかったが。

 

 目を向けられた少女は、はにかむような微笑みを浮かべて一礼した。

 

「――夏目実加です、はじめまして!」

「夏目……――!、もしかして、夏目教授の?」

「そうデス!」ジャンがうなずく。「ゴウラムには教授のカタミ、使われてルからネ!実加ちゃんにも見せてあげたかったんダヨ」

 

 なるほど、と納得するそぶりを見せつつ、心操は実加を観察した。未確認生命体第0号によって、突如として父を奪われた娘。たった五ヶ月前のできごとだろうに、彼女の表情に暗い情念は浮かんでいない。

 

「……未確認生命体対策班の心操です。まあ、城南大学の学生でもあるんだけど」

「あっ、それでジャンさんとお知り合いなんですね。もしかして、緑谷さんとも?」

「そうだけど……緑谷と会ったことあるんだ?」

「はい!緑谷さんと……あと爆豪さんにも、色々お世話になって……」

「ふーん……じゃあ惜しかったね。もう五分早ければあいつらにも会えてたのに」

「そうなんですか?」

「うん。さっきまで一緒に訓練してたから」

 

 そう告げると、実加は少しだけ残念な表情を浮かべた。出久はわかるが、勝己にもなついている様子。――彼女がどのようにして彼らと親交を結ぶに至ったのか、敏い心操にはなんとなくだが察しがついてしまった。

 

「ところできみ、緑谷のことどこまで知ってんの?」こそっと耳打ちする。

「え?どこまで、って……心操さんは?」

「言ったろ、俺は未確認生命体対策班にいるんだぜ」

「!、そっか……ふふ。実は私、目の前で見ちゃったんです。緑谷さんが変身するところ」

「へぇ……」

 

 心操がしきりにうなずいていると、

 

「ナ~ニ?何コソコソ話してるノ?」

「あぁ、いや……」

「緑谷クンがクウガだって話デショ?ボクも混ぜてヨ」

「は!?」

「え?」

 

 この男もその事実を知っていたのか?まさかそうとは思わず、心操は取り繕えない声を発してしまった。

 

「……知ってたんですか?」

「ピースが揃っちゃったからネ。心操クンもそうデショ?」

「まあ……はい」

 

 考えてみればジャンはただ出久の友人だっただけの自分よりもよほどクウガやグロンギに近いところにいるわけで、直接打ち明けられなくとも事情を察することは可能かもしれない。

 

「キミも緑谷クンもすごいよネ。元々フツーの学生サンなのに、ヒーローにも負けないくらい活躍してるんだモンネ」

「いえ、そんな……。俺なんかまだまだです、緑谷はともかく」

「フフ……ソレ、緑谷クンも同じコト言いそうだネ。――それじゃ、ボクらはそろそろ」

 

 「au revoir!」と、フランス人らしい別れの詞とともに颯爽と去っていくジャン。実加は礼儀正しく一礼したあと、彼のあとを追いかけていく。実態はともかく、なんだか押しかけ弟子のようで微笑ましい……と心操は思った。

 

「さてと……俺ももうひと頑張りするか」

 

 独り言だからこそのことばをつぶやいて、踵を返す心操。仕方のないことだが、G3はどうしても能力的にはクウガやアギトに劣るし、勝己や飯田のような派手な戦い方ができるわけでもない。だからこそ、自分自身の地道な努力が必要なのだ。

 

――それにしても、

 

(ゴウラム、か)

 

 クウガの支援機として超古代に生み出されたというかの甲虫。クウガと手を繋いで飛ぶことや、なんとトライチェイサーと合体――通称"トライゴウラム"と呼ばれる形態になることもできるのだという。

 しかしながら、心操が生で後者を見たことはない。合体、分離の際にマシンのボディを大きく変形させ、金属疲労を起こし、結果トライチェイサーは見た目にはわからないところで大きく傷ついてしまっているのが現実だ。出久がこまめにメンテナンスに持ち込んでいるおかげでまだ動いてはいるが、次に何か無茶をしたらどうなるかわからない……そう言われているらしい。マシンに愛着をもっている出久には辛いところだろう。

 

(トライチェイサーに代わるマシンも開発してるらしいけど……どうなんだろうな。塚内管理官に訊いてみるか)

 

 

 

 

 

 ちょうどその頃、当の塚内は玉川とともにいた。

 

「ハァ……とんだ目に遭ったニャ……。恐るべし爆心地……」

「ハハ、彼はあれが素だからな。俊典……オールマイトも手を焼いたと言っていた」

「……なんだか信じられませんね。それが4号にTRCSを譲渡するだなんて、追放どころでは済まなかったかもしれないのに」

「それが彼の一筋縄じゃいかないところだな。なすべきことのためなら己の高いプライドにも打ち勝つ。名は体を表すというが、まさしくだな」

「"これ"も、彼が?」

「ああ、緑谷くんにとって必要なものだと訴えてきた。――彼らの心意気に報いるものを渡さないとな」

 

 固く閉ざされたシャッターが開き、彼らの目の前に現れたマシン。逆光に隠されたそれは、少なくともトライチェイサーによく似た形をしているようだった。

 

 

 




キャラクター紹介・クウガ編 バギン

ライジングマイティフォーム

身長:2m
体重:104kg
パンチ力:7.5t
キック力:30t(右)/15t(左)
走力:100mを3秒
ジャンプ力:ひと跳び25m
必殺技:ライジングマイティキック
能力:
いよいよ満を持して登場した、マイティフォームのライジング形態。元々武器を持たないぶん全身の筋力が大幅に強化されており、発揮される破壊力はライジングフォームの中でも随一!ライジングマイティキックはなんと50t、アギトの必殺キックと同等の威力に及んでいるぞ!
ただし、武器がなく肉体に強化が集中するぶん、その負担は大きい……。とりわけ右足はキック後に痛みや痺れが残ることもあり、この形態への変身には爆豪&轟&心操&飯田のうち半数以上の賛成が必要になったとかなっていないとか……これぞ民主主義?
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