【完結】僕のヒーローアカデミア・アナザー 空我   作:たあたん

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EPISODE 45. ビートル・クライシス 3/3

 科警研での実験は、いよいよ正念場を迎えていた。

 

「よしっ……これでやってみましょう!」

 

 火薬の再調整を完了させた発目が、高らかに声をあげる。今度こそは成功させられるという自信が、彼女にはあった。そもそも雄英高校のサポート科に入学してから今日まで、彼女の人生は無数の失敗とわずかな成功の繰り返しだった。だから彼女は、あきらめというものを知らない。ともにこの"戦場"を生きる仲間たちもまた、同じ。

 

――そしていよいよ、想いを込めた二重の爆発が起こる。一発、二発……その間隔は目視では絶妙なものだったが、果たして。

 

「………」

 

 ごくりと唾を呑んだ発目の背後で……計測器を見つめていた研究員が、やおら、口を開く。

 

「――0.28秒……」

「!!」

 

 目標は0.3秒、誤差の許容範囲は±0.02秒。つまり――

 

「成功だ……」

 

 研究員のひとりが、惚けたようにつぶやく。室内が静寂に包まれたのは一瞬のことで……刹那のうちには、歓声があふれ出していた。

 喜ぶ者たち。当然その輪に入っていった発目も、一番の功労者としてもみくちゃにされることとなる。

 

 ともあれ、ようやく完成したのだ。いかなるグロンギをも殺すための武器、"神経断裂弾"――

 

 

 

 

 

「――ガドルの居場所なら、知っているぞ」

 

 そう言って爆豪勝己たちの前に姿を現したゴ・ガリマ・バ。勝己の射殺さんばかりの視線を、彼女は真正面から受け止めていた。

 

「テメェ……」

「……爆豪くん、知り合いか?この方は一体……」

 

 未だその正体に勘づけない飯田に対し、彼よりずっと早くあの戦場にいた心操は目を見開いて、「そいつ、まさか」と声をあげていた。

 

「……32号だ」ぼそりと、勝己。

「なに?」

「テメェがG2着て渋谷でやり合った、あのカマキリの未確認だよ」

「……!?」

 

 暫く呆然としていた飯田の表情が、みるみるうちに殺意すらこもった険しいものと化していく。

 

「第32号……!?貴様ッ、よくも――!!」

「!、待て飯田」

 

 憤怒に我を忘れかける飯田を押しとどめたのは、他でもない心操だった。

 彼は見ていたのだ。目の前のグロンギが、ラ・ドルド・グから勝己を救けたのを。

 

 一方で救けられた張本人である勝己もまた、飯田に負けじと鬼のような表情でガリマと対峙していたのだが。

 

「――おい、カマキリ女」

「ガリマだと言っただろう」

「うるせぇ。……今度こそ聞かせろ、なんで俺を救けるような真似をした?」

「それを聞いてどうする?」

「テキトーこきやがったらまずテメェからブッ殺してやる」

 

 グロンギ顔負けの野蛮な言動に顔をしかめるガリマ。勝己の言う"適当"がどういう答を指すのかわからなかったが……だからこそ、彼女はありのままを告げることを決めた。

 

「……貴様が死ねば、あの音色を聴くことができなくなるかもしれない。それを思うと……身体が勝手に動いていた」

「!」

 

 あの音色――勝己にはそれが、何を指しているのかすぐにわかった。彼女と邂逅を果たしたのはあの、夏目実加の出場していたコンクールなのだから。

 

「私はもう一度、彼女の奏でる音を聴きたいのだ。ベミウと同じくらい……いやそれ以上に美しい、あの、――ッ」

 

 突然ガリマが、痛みをこらえるような表情を見せた。ガドルの攻撃で受けたダメージが、まだ残っているのだろうか?グロンギにしては回復が遅いようだが――

 

 ともあれ彼女の主張は、飯田天哉にとっては到底受け入れられるものではなかった。

 

「ッ、ふざけるな!!貴様らは結局、なんでも自分のためか!?大体、あれだけ大勢の人々を殺めた貴様が、よくもぬけぬけと――!」

「……リントを殺すことがなぜ悪いのか、私にはわからない」

「!!」

 

 わずかな戸惑いとともに放たれたガリマのことばは、マグマのように滞留していた飯田の憎悪を爆発させるに十分なものだった。ふくらはぎのエンジンが、いまにも吶喊せんと唸る。

 しかし――

 

「そーかよ。……話は聞いてやる」

「な……!?」

 

 攻撃を一旦止めた飯田は、一応エンジンは停止させたうえで勝己に詰め寄った。

 

「いまの話でなぜそう言えるんだきみは!?こいつは……この未確認生命体は、改心も懺悔もしていないと自ら表明したんだぞ!?」

「るせーな、だからだよ」

「なんだと!?」

 

 小さなため息をついてから、勝己は飯田をじっと見据えた。普段は怒りっぱなしの紅い瞳が凪いでいるのを目の当たりにすれば、自ずと飯田も落ち着きを取り戻さざるをえない。

 

「こいつらは俺らが虫殺すのと同じ感覚で人間殺してんだよ。価値観が全然違ぇ、どんなきっかけがあろうがそれが急激に変わるわけねえんだ」

 

 こいつらが簡単に殺人を悔い、改心するなんてことは夢物語、綺麗事にすぎない。――だから、自分の欲求を満たすための行動だったと明言したことが、かえって信用に足る材料となった。

 

「それは……そうかもしれないが……」

 

 理屈は呑んだ飯田だったが、それで納得までできるわけではない。ただ隣の心操が敵愾心のない瞳で、あくまで冷徹にガリマの様子を観察しているのに気づいて、いったんは口をつぐむことにした。勝己の言うとおり、何か行動を起こすのは話を聞いてからでも遅くはあるまい。

 

「……で、カマキリ女」

「………」もはや何も言うまい、という表情。

「テメェ、連中の居どころを知ってるっつったな。連中はアジトに戻ってんのか?」

 

 少し考え込んだあと、

 

「無論知ってはいるし、戻った可能性もなくはない。ただ、今回に限ってはその確率は低いだろう。貴様が、ドルドのバグンダダを破壊してしまったからな」

 

 あの算盤のことかと、勝己は瞬時に理解した。大層な名前つけやがって、とも思ったが……これについては完全な誤解である。

 

「正確には、"匂い"がわかるというべきだろうな。特に、バルバの薔薇の香りは強烈だ」

「よし、じゃあ案内しろや」

「!、ば、爆豪くん!」

 

 飯田が慌てて割って入った。流石に話を急ぎすぎていると思ったのだ。

 

「未確認生命体の話に乗るつもりか!?罠の可能性だってあるんだぞ!?」

「そら可能性ならなんだってあるわ。けど、コイツがそれをやってなんの得がある?」

「それは……第46号と共謀しているとか……」

「アホか、こいつらがンなことやるタマかよ」

 

 少なくとも、いまゲームを行っているのは第46号――ゴ・ガドル・バだ。こいつらグロンギにとって、殺人ゲームはひとりで行うもの。

 

「こんな奴に命預けるつもりはねえ、でもいまの話は信用する。そんだけだ」

「ッ、ならせめて、本部の許可を……」

 

 飯田なりの最大限の譲歩だったが、勝己はそれすら一蹴した。

 

「めんどい」

「め、めんどい!!?」

「テメェで話通しとけ。好きだろそーいうの」

 

 「行くぞ」とガリマを促して、去っていく。もはや飯田は二の句も継げず、ただその背中を見送るほかなかった……。

 

「………」

「……飯田、」

 

 心操もまた、そんな飯田にどう声をかけていいかわからなかった。勝己の言い分もわからないではないが、独りで突っ走りすぎなのもまた事実。どうも彼は高校生の頃からそういう性分のようで、それは仲間たちとの絆だけでは御しきれないほど根深いものなのだろう。――まるで自分で自分にかけた呪いのようだと、心操は思った。

 

 暫しの沈黙のあと、

 

「……心操くん、警視庁へ戻ろう」

「爆豪の件、話すのか?」

「それはもちろん。……だが、Gトレーラーもいまはあそこにあるだろう」

「!」

 

 危険を冒してでも前に進もうとする戦友。彼を守るために、飯田もまた邪道に足を踏み入れることを選んだ。無論彼とは違って、最低限の筋は通す形で。

 

 

 

 

 

 世田谷区内にある、セントラル=アリーナ。スポーツや祭典などに利用されている競技場である。かつてはそうした催しもので規模にふさわしい賑わいを見せていたが、"個性"がそれらを旧時代の遺物と化してしまった昨今、ほとんどをがらんどうの空間として過ごす、巨大なオブジェクトでしかないのが現状だった。

 

 そのような寂しい空間に、このときは少数ながら人影があった。男ふたりが対峙し、傍らで女が見守る。これから何か競技が始まりそうなものだが……競技場本体をぐるりと囲む、1000人規模を収容しうる観客席には、やはり人ひとりの姿もない。

――当然だ。これから始まるであろうものは、正当な競技などではないのだから。

 

 

「バグンダダが、破壊された」

 

 淡々とした口調で、重大な事実を告げる仮面の男――ラ・ドルド・グ。対峙するゴ・ガドル・バはその瞬間を目撃していたので、これはゲゲルの進行役であるバラのタトゥの女――ラ・バルバ・デへの正式な報告となる。そしてそれは自分の運命を決定づけるものであると、ドルド自身悟っていた。

 

「バルバ、」黙していたガドルが声をあげる。「俺のゲゲルは、どうなる?」

「やり直しだ」即答だった。

「……いいだろう」

 

 既に前例はある。念のため確認しただけだ。ガドルはごねることもなく承知した、この程度のことが死命を制するようではあまりに情けない。

 ただ、これはドルドの失敗でもある。失敗した者には、グロンギにふさわしい贖いを――

 

「ゲゲルを台無しにした責めを負い、貴様には死んでもらう」

「応じよう」

 

 まったく躊躇もなく、うなずくドルド。漂う空気が急速に張り詰めていくのを認めて、バルバはおもむろに下がっていく。同族同士の戦いにおいても、彼女はあくまで観測者に徹するつもりだった。

 

 残されたふたりの間に、もはやことばはない。やがてじっと睨みあう男たちの姿が、揃って異形へと変貌する。――コンドル種怪人と、カブトムシ種怪人。

 

 先んじて動いたのは、後者だった。素早く身を躍らせて、拳を突き出す――!

 

「フン――」

 

 しかしドルドは、その俊敏な一撃を容易く飛翔してかわした。そして広げた黒翼から、一斉に大量の羽根を分離……標的めがけて、差し向ける。

 それはいわば小手調べのようなものでありながら、アギトをはじめ多くの敵を翻弄してきた武器だった。仕込まれた神経毒により、相手を戦闘不能へと追い込む――

 

 しかしドルドの常套手段たる攻撃であるから、当然ガドルにも折り込み済みのことであった。羽根に包囲されて逃げ場を失うより早く飛び退き、その猛攻をかわしていく。ただ格闘体のスピードではやや荷が重いと踏んで、即座に俊敏体へと"超変身"――瞳の色が変わるだけだが――を遂げる。

 その名に違わず機敏に動きつつ、一瞬の隙を逃さず装飾品をハルバードに変形させる。向かってくる羽根を、打ち落とす。

 

「このような玩具、俺に通用するとでも?」

「……フム」

 

 なるほどそれはもっともだと、ドルドも思った。ゴの頂に在り続ける相手と、いま、命の奪い合いを行っているのだ。久方ぶりに、血が滾るというもの。

 

 そして彼は、ガドルよろしく胸の装飾をふたつ毟りとった。両手に握られたそれはたちまち肥大化・変形し、見るからに硬質なトンファーへと姿を変える。

 

「私はおまえたちが誰ひとりとして成功させられなかったゲリザギバス・ゲゲルを成し遂げ、"ラ"となったのだ。……リブヂスバ」

「……ボゾルド、ボソザ」

 

 責めを負うからと、無抵抗で殺されてやるつもりなど毛頭ない。むしろ、返り討ちにしてやる。

 そんなドルドに、ガドルもまた全身全霊で襲いかかる。仮に闘技であったならこれほど盛り上がる試合もないだろうと、見守るバルバは思った。

 

 

 

 

 

 戻って、関東医大病院。ニュースで46号事件の経過を知った沢渡桜子は、緑谷出久がここにいるという確信をもって駆けつけていた。それもきっと、彼の望まない形で。

 

 集中治療室のある棟まで彼女がやって来たとき、不意に小柄な老人から声をかけられた。

 

「もし。あんたひょっとして、城南大学の沢渡桜子さんか?」

「?、はい、そうですけど……」

 

 見たところかなり高齢のようであるから、一瞬入院患者なのかと思った。が、それにしては肌つやがいいし、身のこなしなどその辺の若者より余程いい。

 そのとき、轟焦凍と同居しているという老人の名前――本名ではない――がはたと思い浮かんだ。

 

「もしかして、グラントリノ……さん?」

「おぉ、よく知ってんな。べっぴんさんに覚えてもらえとるとあっちゃ俺もまだまだ捨てたもんじゃねえな、がっはっは!」

 

 声をあげて笑うグラントリノであったが……桜子が明らかに当惑していることに気づいて、慌ててゴホゴホと咳払いで誤魔化した。いまは平時ではないのだ。

 

「……こりゃ失敬。緑谷の見舞いに来たんだろう?」

「……はい。グラントリノさんは、轟さんのお見舞いに?」

「おう……今回は流石にやべえらしいからな。緑谷は……ま、見たほうが早ぇだろ」

 

 「ついて来な」と、促すグラントリノ。彼のあとに続きながら、桜子はきゅっと鞄の肩紐を握りしめた。出久なら大丈夫――そう信じてはいるけれど、拭いきれない不安はある。

 

(出久くん……轟さんも……)

 

 そのうちに、たどり着いた一室。そこには椿医師の姿があった。

 

「よう椿、緑谷のガールフレンド連れてきてやったぞ」

「が……!?」

 

 そのことばに、なぜか桜子以上に椿が動揺したのだが……渋面をつくりつつ、彼はふたりを迎え入れた。彼の手がカーテンを開ければ、部屋の中央に鎮座するベッドと、そこに横たわる青年の姿が露になる。

 

「出久くん……」

 

 桜子は一瞬目を見開き……次いで、ほっと胸を撫で下ろした。眠る出久の表情は穏やかで、目立った外傷も見当たらない……正確には、もう治っているというべきか。

 

「傷はもうほとんど治っている……第40号のとき以上の、常軌を逸した回復力です」

「………」

「ただ、どうしてか目を覚まさない……」

 

 それはなぜか――桜子には、明確な心当たりがあった。

 

「多分……出久くんが、自分自身の意志でそうしてるんだと思います」

「……どういうことです?」

 

 その質問に直接は答えず、

 

「椿さん、お願いがあります。私のっていうより、出久くんのですけど」

「……?」

 

 

 

 

 

 グロンギの女を助手席に乗せて、勝己は覆面パトを走らせていた。

 

「………」

 

 時折ガリマが方角を指示するくらいで――仮に運転手が方向音痴だったらば、非常に心許ないナビである――、車内に会話らしい会話はない。ただ少なくとも、警戒はほとんどしていない勝己だった。腹立たしいことではあるが、自分を守ろうとするこの女の意志は本物と見てとれたから。

 

 と、思いきや。

 

「――爆心地」

 

 いきなりナビゲーションとは異なる雰囲気で話しかけてくる。「ア゛ァ?」と凄むように応じてしまうのは、もはや癖というほかなかった。

 

「貴様は……あの少女の演奏に、何を思った?」

「ンだ藪から棒に」

「知りたいのだ。技術でいえば、ベミウのピアノには遠く及ばない。それなのになぜ、こうも私の心をかきたてるのか……」

 

 それこそ、グロンギにあるまじき行動に走らせるほどに。

 

「ンなもん……何を感じるかなんてそいつによるだろ。俺が何を思ったかなんて知ったとこで、テメェの求める答が見つかるとは限んねえぞ」

「それは……そうかもしれないが」

 

 暫し、沈黙。――そのあと、

 

「ただ、……あいつが、優しい奴なんだってことはわかった」

「……優しい?」

「自分の感じた痛みが、他人にもあるもんなんだってわかってる奴っつーこと」

 

 自分が父を喪って悲しみに暮れたように、世界には多くの悲しみがあふれている。実加はまだ幼いけれど、それをちゃんと知っている。

 

「だから、あいつの吹いた音は心のどっかに残る」

「……意外だな。貴様のようなリントらしくない男が、優しさなどというものを肯定するとは」

 

 勝己はフッと唇を歪めた。どうせ相手はグロンギだ。何をしゃべろうが構わないだろうと半ば自棄な気持ちで、洗いざらい吐き出すことを選んだ。

 

「……俺みてぇな人間は、俺ひとりで十分なんだわ」

 

 

 

 

 

 桜子を介して出久の望みを聞き届けた椿は、苦虫を噛み潰したような表情で黙り込んでいた。

 

「出久くん、大切な人の笑顔を守るために、できるだけの無理をするんだって言ってました。自分を蔑ろにするようなことは絶対にしないって……」

「……緑谷、」

 

 その張本人はいま、相変わらずすやすやと眠っている。寝顔を見ると、やはりまだまだ子供のようだと思うのに――

 

「やってやるしかないんじゃねえか?」

 

 決断できない椿にそう発破をかけたのは、居合わせたグラントリノ老人だった。

 

「この小僧、気弱なフリしてありえんくらい意気地を立てるだろう。現にいまも、ほとんど治っとるくせに目ェ覚ましやせん」

「それは……」

 

 椿にしても、そういう出久の性格はよく存じている。以前は断固として拒否していたら、爆豪勝己によって代案が示されたためにこの男も引いたが、今回はそうもいくまい。

 

「あんま放っとくと、気短起こして自分で心臓止めちまったりしてな。がははは――」

 

 洒落にならないことを言って、グラントリノが笑ったときだった。

 

――心電図が、異常を知らせるけたたましい警報を鳴らしたのは。

 

「!?」

 

 椿が慌ててベッドに駆け寄ろうというときには……警報は、平坦な甲高い音に変わってしまっていた。規則正しく続いていた、呼吸が失せる。

 

「ウソだろ、緑谷……!?」

「……マジでやりよったんか、小僧」

 

 傷はほとんど癒え、あとは完全復活を待つのみとなっていたのだ……遅効性の毒でも仕込まれていない限り、こんなことになるはずがない。きっとグラントリノの言ったとおり、出久が自分の意志で心停止を引き起こしたのだろう。正確には、出久の意志を受けた霊石アマダムの意志で。

 

 それがわかれば、戦くことはない。……ただ椿はもう、覚悟を決めるほかないのだと思い知らされた。

 

「わかったよ……望みどおりやってやるよ、緑谷」

 

――ただし、

 

「強くなったおまえの笑顔、見せてもらうからな」

 

 それはきっと、この場にいる……否、出久と交わるすべての人間の望みであった。

 

 

つづく

 

 







EPISODE 46. 散華



ガリマ「……振り向くな!」






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