【完結】僕のヒーローアカデミア・アナザー 空我   作:たあたん

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警視総監……
一体誰岡弘、なんだ……?


EPISODE 4. TRY&CHASE! 1/4

 両手の指では数えきれないほどの赤いランプの群れが、道路のある一ヶ所を円形状に取り囲んでいる。

 その中心に、シルエットだけは人型の、しかし明らかに人間とは違う異形の姿があった。二体。どちらも未確認生命体と呼ばれ、それぞれ4号・5号とナンバリングされている。しかし前者がまぎれもなく人間であることを、銃口を向ける警官たちは知ることはなかった。

 

(なん、で?)

 

 緑谷出久は困惑していた。銃口は目の前の怪物ばかりでなく、自分にまで向けられている。そこでふと、勝己のことばを思い出した。

 

――テメェが未確認生命体第2号か、

 

(未確認生命体……!じゃあ、僕も……)

 

 答えにたどり着くのは容易かった。しかし動揺も、この切迫した状況も消えてなくなるわけではない。

 

 一方でメビオは、向けられた銃口ではなく、その主たちである警官に興味を示したらしかった。標的として。

 

「ジャデデジャス……――ボソグ!!」

「――!」

 

 まったく怯むことなく警官隊に襲いかかろうとするメビオ。我に返ったクウガは、咄嗟に彼女の背後から飛びかかり、その大柄な身体を羽交い締めにした。

 

「クウガ……!ジャラゾ、グスバ!!」

「く……っ、に、逃げ――」

 

 警官の武装では、この人外の怪には太刀打ちできない。ヒーローたちですらそうだったのだから。それを知っているクウガが大声で訴えかけようとするが、メビオの殺気に恐れをなした警官隊が一歩先んじた。

 

「撃てッ!!」

 

 号令とともに、一斉に引き金が引かれ、無数の銃弾がクウガとメビオ両方に喰らいつく。肩や腕、終いには眉間すら直撃を受け、命の危機を感じたクウガだったが、堅牢な皮膚と鎧の前にはわずかな痒みがはしる程度であった。精神的なショックを受けたことに変わりはないが。

 一方で、メビオも胴体などに受けた銃弾に対しては平然としていた。硬質の漆黒の皮膚はいとも容易く銃弾を弾き返す。しかし、銃弾の一発が左目に着弾した瞬間、彼女の余裕は消え失せた。

 

「グアァァァァァァッ!!?」

 

 複眼がガラスに似た透明な装甲で保護されているクウガと異なり、メビオの赤い瞳はさほど人間と変わらぬつくりをしていた。それゆえ、銃弾の直撃には耐えられなかったらしい。絶叫とともに鮮血が飛び散る。信じられない力でクウガを払いのけると、メビオはその場に片膝をついた。

 

「!、第5号、負傷した模様!」

「効いてる……。――射撃を継続!私たち警察の力を見せつけるんだ!」

 

 警察は意気が上がっている様子。それは当然クウガにも差し向けられる。銃弾に傷つくような弱点はないから大丈夫、と胸を張れるほど変身者の出久はクウガの肉体への信頼をまだもてておらず、自分も同じ目に遭わされるのではないかという恐怖が襲ってきた。

 

(このままじゃ……でも、逃げるわけには……)

 

 逆上したメビオが警官隊に牙を剥くかもしれない状態で、逃げることなどできない。それはヒーローのすることではない。なんとか、この場からメビオを引き離さなければ。

 しかし、彼の想像以上にメビオの受けたダメージは甚大だったようだ。左目を押さえたままよろよろと立ち上がった彼女は、悔しげな唸り声をあげながらその場から跳躍。警官隊の一翼を跳び越えて逃走を開始した。重傷を負っているにもかかわらず、メビオの足の速さは尋常なものではない。そのスピードに、警官たちは圧倒されている様子だった。

 

「ッ、待て!!」

 

 その隙を突いて、クウガもまた警官隊を突破、メビオを追いすがって走る。背後から「逃がすな、撃て!」という女性の叫び声とともに、銃弾が飛んでくる。背中に鉛玉が弾ける感触を受けながら、彼はこれが逃走であることを否定できないと自覚した。マイティフォームの脚力では、万全でないメビオの半分の速度も出せないのだから。

 

 

 

 

 

――警視庁 警視総監室

 

「♪~」

 

 初老の体格の良い男性が、手動のグラインダーでコーヒー豆を挽いている。軽快なポップスを口ずさみ、どこか踊るような手つきで。その所作とは裏腹に、制服の左胸に標された階級章は、彼がまぎれもなくこの部屋の主であることを示している。

 挽き潰しきった豆をサーバーに投入した警視庁トップは、ゆっくり、もどかしくなるほどに少しずつ熱湯を投入しながら、「おいしくなあれ……おいしくなあれ……ありがとう……ありがとう……」とできあがっていくコーヒーに声をかける。傍から見ると異様な光景であるが、本人は至って真剣な様子。

 

 暫しそんなことを続け、やがてコーヒーが完成しようとした瞬間、警視総監室の扉がノックされる。アポイントメントの時刻きっかり。計算どおりだと笑みを浮かべながら、男は「どうぞ」と扉に向かって声をかけた。

 「失礼します」と応じて、ふたりの男が入室してくる。揃って背広姿だが、容貌に関しては両極端と言ってよい。一方は、三十代そこそこのとりたてて特徴のない、強いて言うなら警官らしいがっちりした体格の男性。もう一方は……体格は似たようなものだが、首から上が犬の男性。犬っぽい顔であるとか、そういう比喩ではない。犬そのものである。その質感はあまりに生々しく、とても被りものとは思えない。

 

 実際、被りものなどではなく、それはれっきとした彼の本物の頭だった。個性は、何も爆豪勝己の爆破や切島鋭児郎の硬化などのように瞬間的に発動されるものばかりではない。生まれつき肉体の一部が人間本来の形から変質し、超パワーを扱えるようになっている場合もある。そういったタイプはそのものズバリ"異形型"と呼ばれる。イカロスのような翼が背中から生えていたり肌がピンクだの緑だのという容貌の人間がそこかしこにいるこの"個性"社会において、頭が犬そっくりであるくらいどうということはないのだ。伸びたマズルが時折食事の邪魔になるくらいで。

 閑話休題。

 

「待っていたよ、おふたりさん。ソファにでも掛けて、コーヒーを飲んでいきたまえ。きみたちが来る時間を見越して淹れていたんだ、ハッハッハッハ」

 

 「またか」と辟易しつつも、宮仕えの身のふたりに断る途はなかった。まあ、実際彼の淹れるコーヒーは舌が踊るくらいに美味い。彼らは言われたとおりにコーヒーを押しいただくことにした。

 

「こだわってますね、相変わらず」

「……少々熱いワン」

「ハッハッハッハ、猫舌ならぬ犬舌というやつかね。まあ、熱さの問題は時間が解決してくれるとして、そろそろ本題に入ろうか――面構警視長、塚内警視」

 

 警視総監のことばに、両名は揃って居住まいを正す。そして、上位者である犬顔の面構がすっぱりと切り出した。

 

「お時間をいただいたのは他でもありません、未確認生命体関連事件合同捜査本部の人選のことでお訊きしたいことがありますワン」

「人選?」総監がやや大袈裟に首を傾げる。「きみたちに一任したはずだが?」

「それは()()()()捜査員の話でしょう」

 

 塚内警視の発言には、相手が鶴のひと声で自分を更迭できるだけの身の上であるという畏怖はなかった。

 

「招聘するヒーローについては、総監、あなたが自らお決めになられたと聞いています」

「そうだよ。時間がない中で一生懸命考えて、良いメンバーを選んだつもりなんだけどね。まとめ役のエンデヴァーに、若手で実力・人柄ともに申し分ない2代目インゲニウム、そのインゲニウム以上の実績と未確認生命体との数度の交戦経験をもつ爆心地、それから――」

「その爆心地ですワン」再び面構が口を開く。「人格や協調性に難があるとはいえ、実力や未確認生命体とのかかわりを総監が重視されたことは理解しております。ただ、"TRCS"まで彼に与えるというのは解せないワン」

「TRCSは技術の粋を集めて造りあげたワンオフ機です。マスコミに騒がれるなんて陳腐なことは言いたくありませんが、ひとりのヒーローに委ねてしまうのは尋常ではない。まして、爆心地では性能を引き出しきれないでしょう。ハイスピードに慣れたインゲニウムならまだしも」再び、塚内。

 

 瞑目して部下たちの意見を聞いていた総監は、目を開けると不意に立ち上がった。そのまま彼らに背を向け、窓辺に寄る。首都のビル群の灯りが、ぽつぽつと宵闇の中に光る。その中には一般市民も(ヴィラン)も、そしていまや未確認生命体も息をひそめている。突飛な行動をとりながらも、彼はその首都の治安維持を使命とする警視庁トップとしての責務を自覚していた。

 

「確かに、爆心地があれの性能を100パーセント引き出すのは難しいだろうね。彼の才能と努力を鑑みれば、時間さえ与えれば別かもしれないが」

「現状、その時間がないことは総監ご自身、一番よくご存じのはずです」

 

 実際、未確認生命体の出現からたった三日で捜査本部の設置を指示したのは、警視総監その人なのだから。流石に本部長就任まではあきらめたようだが。

 

 いずれにせよ、彼の意向はもう固まっていた。

 

「面構くん、塚内くん。僕はね、彼には別のことを期待しているんだ」

「別のこと、とは?」

「そのうちわかるさ、これから爆心地の上司となるきみたちになら。――そうだろう、面構捜査本部長、塚内管理官?」

 

 人好きする笑みとともに煙に巻かれて、ふたりの警察官は嘆息するほかなかった。

 

 

「……本郷警視総監、あなたという方は」

 

 

 

 

 

 メビオを追跡する、という名目で逃走し、警官隊を巻いたクウガ。しかし何事もなかったかのように出久の姿に戻り街に溶け込むためには、駆けつけた増援の警官、さらにはヒーローたち、その誰ひとりにも気づかれずにこのエリアを離脱する必要がある。自分にそれができるとは、とても思えない出久だった。

 

(なんで、こんなことに……)

 

 自分はただ、人を守ろうとして戦っただけなのに。別に、表立って称賛を得たいわけではない。ヒーローの資格をもっていない自分がああして戦うことは認められていないし、そうした見地からの非難であれば受ける覚悟はできていた。

 

 だが、殺人狂の怪物たちと、姿が似通っているというだけで同一視され、銃を向けられる。まだ大人というには未熟ないち大学生にとって、それが理不尽に思えるのは致し方のないことであった。

 幸いなのは、真のヒーローは理不尽に負けることなく正義を貫くものだと、彼が知っていたことか。

 

「ッ、そんなこと、考えてるときじゃない……。あいつを、見つけ出さないと!」

 

 負傷していても、いままでの未確認生命体の回復力を鑑みれば恐らく時を置かずして復活し、行動を再開するだろう。そうなればきっと、また多くの命が奪われる。それで誰かが傷つくことに比べれば、銃弾に抉られる心の痛みがなんだというのだ。

 

「よし――」

 

 意気込んで、くるりと踵を返したときだった。そこには人の姿があった。筋肉質な上半身を晒したコスチュームに、逆立った赤い頭髪。ややぽかんとした表情で、こちらを凝視している。

 

「………」

「あ……レ――」

 

 

「烈怒、頼雄斗……!?」

 

 烈怒頼雄斗――切島鋭児郎。出久は絶望的な気持ちにとらわれた。勝己の相棒、つまりは彼に隣に立つことを認められた実力派ヒーローに、見つかってしまうなんて。

 

「に、逃げ……いやだめだ、他にもたくさんヒーローや警察が周りを警戒してる、ヒーローに囲まれたりしたら最悪だ、変身を解かない限りきっと攻撃されまくる……でも変身を解いたりしたら身元が割れる……!」

 

 ヒーローを前に思考の海に沈んでしまう未確認生命体第4号。「お、おい」と切島が声をかけるが、彼の暴走はそうそう止まらないのだった。

 

「じゃあ、烈怒頼雄斗をどうにかするしかないのか!?いやいやいくら自分の身を守るためとはいえ敵でもない人、しかもヒーローを攻撃するなんてありえない!そんなことしたら名実ともにあの怪物たちと同じになっちまうじゃないか!つまり、退かず、戦わず、戦わせずの三原則……よし、そうと決まれば――!」

 

 

 次の瞬間、彼の意志によってアークルの中心から光が失せた。クウガの鎧や皮膚が音をたてて萎縮し、もとの青年――緑谷出久の肉体と、纏っていた衣服とを還す。クウガのそれとは対照的なゆで卵型の翠の瞳が、切島を見据えた。

 

「あっ、アンタ、あのときの……!」

 

 昨日の朝、勝己がわざわざ訪ねていって恫喝していた学生風の青年だ。相棒の行動がいくらなんでも特異だったために、切島はその顔をよく覚えていた。まさか彼が、4号だったとは。

 その4号ことクウガに変身していた出久は、ずい、と切島に向かって一歩を踏み出した。いくら自分より背が低く、ひょろく見える相手でも脅威は感じる。切島は思わず身構えたのだが、

 

 出久はいきなり、その場に膝をつき、さらには深々と背中を折った。

 

「お願いしますッ、見逃してください!!」

「は、え、ええっ!?」

 

 まさかの土下座。ある意味、全力の攻撃を受けるよりも切島には衝撃的だった。

 

「ぼ、僕っ、未確認生命体ってことになっちゃってるみたいですけどっ、もとはただの大学生なんです!人に危害を加える気はありません!むしろ、僕は人を……みんなの笑顔を守りたいんだ!!だから、ここで捕まったり、まして殺されるわけにはいかない!!僕は――」

 

 出久は必死に、自分の気持ちをまっすぐに訴えた。暴力で解決するわけにいかないなら、ことばで理解してもらうほかないと思ったのだ。同じ人間同士、まして勝己と友でいられる切島なら、きっとわかりあえる――

 

 そんな期待は、いちおう叶えられたらしい。

 

「わ、わかった、わかったから、とりあえず立てって!ほら!」

 

 切島は慌てつつ、出久をそのように宥めたのである。少なくとも害獣とみなした相手への対応ではなかった。

 

 請うたとおりに出久が立ち上がったので、ふうと溜息をつきつつ、切島は周囲に気を配った。ヒーローや警察たちが躍起になって未確認生命体を捜索していることが音だけでわかる。もしもこんなところを見つかったら、自分はともかく出久が疑いをかけられることは想像に難くない。

 

「ここを離れねえか?近くに車を駐めてる、アンタの面は割れてねえから車に乗っちまえば見つかりようもないはずだ。――あ、まあ、俺のことが信用できれば、だけど……」

「……!」

 

 信用してもらう立場の自分が、ヒーローである彼を信用するもしないもない。出久はぶんぶんと頷いていた。

 

 

 

――数分後

 

 乗用車の助手席にて、出久は身を強張らせていた。

 

(まさか、ヒーローの運転する車に乗せてもらえるなんて……)

 

 ヒーローといえど車の運転に特別なことなど何もなく、事実上は単に同い年の青年がハンドルを握っているというだけなのだが。それでも、ヒーローと密室でふたりきり、という状況にあるわけで。

 

 ちらちらとその横顔を窺っていると、不意に切島が、前を向いたまま声をかけてきた。

 

「なあ」

「ひゃっ、ハイ!?」

 

 声が上擦ってしまう。失笑されないかと危惧した出久だったが、切島は特に表情を変えることはなかった。

 

「アンタ、名前なんていうんだ?4号、って呼ぶのは流石にあれだし……」

 

 情報をとりたい、という意図もないではないのだろうが、後半は間違いなく本音のようだった。嘘や建前は不得手なところが勝己と共通していて、それでいて実直さと愛想が勝己と対照的な人当たりの良さを構成している。同質性と、異質性。その両方を兼ね備えているからこそ、勝己とうまくやれているのかもしれない。出久は漠然とそう推考しつつ、質問に応じた。

 

「えっと……緑谷、出久です」

「緑谷さん、か」

「呼び捨てでいいですよ。――切島さん、僕と同い年でしょう」

「へっ、同い年?アンタもう成人してんの!?」

「今年の七月で21になります」

「そ、そうだったのか……悪い、見た目が、その、若いから……」

 

 若いというか、この場合幼いというのが正確だろう。やはり、嘘は下手なようである。

 

「えっと……そんなら、緑谷って呼ばせてもらうわ。他にいくつか質問させてもらってもいいか?」

「あ、はい、どうぞ」

 

 やや固くなりながら応諾すると、切島はフッと笑って「おまえもタメ口でいいのに」と言ってくれた。頑なに断るほうが非礼に思えて、うなずく。

 

「緑谷は、爆豪とどういう関係なんだ?」

「へっ?」

「アパートの前で胸ぐら掴まれてたろ。それ以外にも、あいつの2号と4号へのこだわりとか……気になるところは色々あって」

 

 肉体派のヒーローではあっても、雄英を卒業しているだけあって洞察力は鋭いらしい。

 

「かっちゃん……勝己くんとは、幼なじみで……中学校まで一緒だったんだ」

「!、そう、だったのか……。中学までの話、あいつ全然しねえからなあ……――卒業したあともやりとりしてたのか?」

 

 かぶりを振る。

 

「いや、全然。幼なじみって言っても、かっちゃん、むしろ僕のこと嫌ってたし……。――あの蜘蛛みたいなやつが現れた日、偶然再会したんだ。それで………」

 

 出久はクウガに変身し、勝己はそのことに勘づいた。それがアパートでの抜き差しならない状況に繋がったのだと知って、ようやく切島は腑に落ちたと思えた。

 

 

 




キャラクター紹介・クウガ編 パパン

マイティフォーム
身長:約2m
体重:99kg
パンチ力:3t
キック力:10t
ジャンプ力:ひと跳び15m
走力:100mを5.2秒
必殺技:マイティキック
能力詳細:
パワーとスピードのバランスがとれたクウガの基本形態。武器をもたない代わりにパンチやキックといった格闘戦を得意とする。とにかく汎用性が高く、その名のとおりオールマイティに戦えるぞ!フォーム選びに迷ったらとりあえずコレだ!(器用貧乏とか言ってはいけない!)
格闘型・名前がマイティなのがオールマイトを連想させる一方、炎のごとき赤はエンデヴァーを思わせる、出久にとっては夢のようなフォームだったりもするぞ!


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