【完結】僕のヒーローアカデミア・アナザー 空我   作:たあたん

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アニメ4期の番宣?も兼ねてあの子を出してみました。


EPISODE 50. 空我 2/3

 

 ビートチェイサーが、走り続ける。

 

 騎手たる緑谷出久の次なる目的地は、既に定まっていた。大切な友人が……クウガになった一番最初から支えてくれた人が、そこにはいる。

 

 その道中、やはりすれ違う者はない。だが、それも今日までに──

 

──いや、視界の先、出久は人間の姿を認めた。まだ、子供というほかない幼い姿をした少女。それが独りぼっちで彷徨っているのだから、放っておけるわけもない。

 

 出久は慌ててマシンを停め、白髪の少女のもとに駆け寄った。

 

「きみ、こんなところでどうしたの!?」

「………」

「お母さん、お父さんは?」

 

 少女は声を発することなく、ただ首を横に振った。元々いないのか……あるいは、死柄木に──

 密かに拳を握りつつ、出久は笑顔をつくった。

 

「……こんなところにいたら、風邪、引いちゃうよ」

「………」

 

「送っていってあげるから、帰ろう」──そう続けようとしたそのとき、固く閉ざされていた少女の口が、わずかに動いた。

 

「……雨、」

「え?」

「ずっと、止まないのかな……」

 

「このまま、みんな死んじゃうのかな……?」

「……!」

 

 このとき、ようやく出久は気づいた。俯いたままの少女の瞳が、昏く濁っていることに。

 彼女に対して、自分が何をしてやれるのか。握った拳を振るうことは、この場ではなんの意味ももたない。

 

 だから出久はただ、己の思うままを口にした。

 

「大丈夫だよ」

 

 微笑みながらそう告げると、少女は顔を上げた。

 

「雨は必ず止むよ。そうしたら、青空になる」

「……ほんと?」

「うん!──雲に隠れて見えないかもしれないけど……その向こう側には、いつだって青空が広がってるんだ」

 

 少女は暫し、出久をじっと見つめていた。──やがてその両手が、出久の右手に包み込むように触れる。子供といえど十代に差し掛かっているであろう少女、流石に照れくさいものがあったけれども、出久はそれを受け入れた。こうしていると、ぬくもりを通じて互いの心を通わせ合っているような気がしてくる。

 

 そう感じたのは少女も同じだったのだろう。口許に、かすかな笑みが浮かんだ。

 

「手……優しいね」

「え……」

「お兄さん、名前は?」

 

 不思議なことを言う少女だと思いながらも、「緑谷出久……です」と答えた。微妙に敬語になってしまったのは、やはりこそばゆさあってか。

 

「私はね、"壊理(エリ)"っていうの」

「壊理ちゃん、」

 

 手を添えたまま、少女──壊理は語りはじめた。

 

「私ね……小さい頃、すごくこわいところにいたの。痛いこともいっぱいされた。……私はずっと、ここにいるしかないんだって思ってた」

 

「でも、ヒーローが来てくれた」

「!、……そっか」

「今度も、来てくれるよね?」

 

「もちろんだよ」と、出久は即答した。それが"究極の闇"をもたらすかもしれない存在だと知っていても、躊躇はなかった。

 

「ヒーローは絶対に来る、そして最後には必ず勝って、みんなを救けるんだ。だから、あとちょっとの辛抱だよ」

「……わかった。信じて、待ってる」

 

 信じて──そう、信じてくれている。大勢の人々が。今度こそ"第4号"が、究極の闇を止めてくれると。

 

 

 その後、壊理の保護者に連絡をとって迎えに来てもらうことにした出久だったが、その身元を知ってそれはもう飛び上がらんばかりに驚愕した。

 

 壊理の保護者は、雄英在学中"ビッグ3"と称された実力者のひとり、

 

──ヒーロー"ルミリオン"だったのだ。

 

 

 *

 

 

 

 警視庁では、X号探知システムの最終調整が行われていた。急ピッチで進められていく作業を、面構本部長と塚内管理官、そしてパトロールから一旦戻ってきた鷹野・森塚のふたりが見守っている。

 

 そこに、無線が入った。

 

『こちらインゲニウム!本部、聞こえますか?』

「!、──こちら本部、塚内だ」

 

 

 逢魔ヶ時を迎えつつある港湾から、飯田天哉は通信を行っていた。

 

「爆豪く……爆心地がB1号を撃破しました。場所は江東区辰巳5丁目の埠頭です」

『そうか……!』

「はい。海中に落下したため死体は確認できていませんが、ほぼ間違いないかと」

『了解した、すぐ捜査員をそちらに向かわせる。──ところで、爆心地はどうしてる?』

 

 尋ねられた飯田は、あらぬ方向を見遣った。爆豪勝己の姿は、既にここにはない。

 

「先にそちらへ戻りました。警視庁で緑谷くんと合流するつもりだそうです」

『そうか……区切りがついたらきみも戻ってくれていい。──よくやってくれた、本当に』

 

 塚内からの労いのことばを最後に、通信を終える。飯田は深々と息を吐き出し、さらに薄暗くなっていく曇天を見上げた。──夜が、近づきつつある。

 

 

 一方で本部の4人も、ひとまずほっと胸を撫でおろしていた。

 

「B1号撃破とは、最後の最後で大金星ですねぇ彼」

「そうね……。けど──」

「……ウム、神経断裂弾を使ったんだろう。この環境下では、彼の個性は本領を発揮できないワン」

 

 無論、あらかじめ許可を出して携行させていた以上、それは称賛こそすれ非難するようなことではない。ただ、意外ではあった。己の個性に並々ならぬプライドをもっているあの爆心地が、自ら引き金を引いたのだ。その決断に至った彼の胸中を、一同は思った。

 

──ともあれ。残る"未確認生命体"は、これであと1体となった。

 

「あとは、このシステム……」

「僕らの命運、託すしかないっスね」

 

 部下たちが探知システムに望みをかけている一方で、塚内は上司に歩み寄った。

 

「本部長。少し席を外してもよろしいですか?」

「……爆豪くんか?」

「ええ。おそらく"あれ"を使いたがるでしょうから、準備をしておかないと」

「わかった。行ってくるといいワン」

 

 了解を得た塚内は、一礼して去っていく。間もなく火蓋が切られる決戦──その用意が着々と整えられていく。そのために皆が努力しているのだけれど、矢面に立つのがいち学生であることを思うと面構は手放しでは喜べなかった。無論、そんなことはおくびにも出さないが。

 

 

 *

 

 

 

 夕暮れを経ることなく、空はいよいよ漆黒に染まった。

 未だ降りやまぬ雨に覆われた外界を、沢渡桜子はじっと見つめていた──まるで、誰かが来るのを待ち続けているかのように。

 

「………」

 

 それが比喩でなく事実であることを、同室で研究作業に没頭していたジャン・ミッシェル・ソレルも知っていた。桜子と待ち人、そのいずれともそれなりに親しくしているが、彼女ら同士の関係のこととなると入り込めない部分もある。いまはあくまで第三者として、彼女の背姿を見守っているほかないのだった。

 

 やがて、どれくらいの時間が過ぎたか。ため息をついた桜子が踵を返そうとしたそのとき、いずこからか二輪の駆動音が近づいてきた。

 

「!!」

 

 半ば身を乗り出すようにして、地上を見遣る。暗闇の中に煌めくヘッドライト。それを認めた瞬間、桜子は取るものも取らず研究室を飛び出した。

 

 彼女が外に出たときには、マシンは棟の目の前に停車していた。騎手が、ゆっくりと地上に降り立つ。

 彼の姿を認めて──桜子は、満面の笑みを浮かべた。

 

「──やあ、」

 

 ヘルメットを脱いだ青年も、それにつられるように微笑む。

 

「……出久、くん」

 

 土砂降りの雨に覆われた世界で、ふたりの視線が確かに交錯した。

 

 

──雨を避けて、軒下に移った出久と桜子。彼らの間には奇妙な沈黙が横たわった。お互い伝えたいことは数えきれないほどあるのに、うまくことばが出てこない。刻一刻と時間だけが過ぎていく。

 

 ややあって……互いの名を呼んだのが、ほぼ同時だった。

 

「……ふふっ」

「はは……」

 

 考えていることはまったく同じなのだ、自ずから笑みがこぼれる。今回は出久が、桜子に先を譲った。

 

「なるんだよね。凄まじき……戦士に」

「……うん。多分、最後の変身になると思う」

「そっか……」

「終わったあとどうするかとか、全然考えてないんだけどね。とりあえず、かっちゃんと山に登るくらいで」

「いいんじゃないかな……いまは、それだけでも」

 

 勝己と山登りに行くのも、他のことをするのも。すべてはこの先の戦いを乗り切った未来のこと。──ただ、勝てばいいというものではない。

 

「聖なる泉を、枯れ果てさせちゃ駄目だよ」

「……うん」

「それから……太陽を、闇に葬ったりしないこと」

「うん、」

「それから──」

 

 桜子がもうひとつ何かを言おうとしたとき……ビートチェイサーの無線が、呼出音を鳴らした。

 

「………」

 

 口をつぐむ桜子。それを無言の促しと捉えた出久は、黙ってマシンのもとへ駆け出した。

 

「──緑谷です!」

『俺だ』

「かっちゃん……!」

 

 雨音の中で、幼なじみの険しい声が響く。

 

『死柄木が群馬の藤岡市に現れた』

「!、レーダー、できたの?」

『いや……奴に先を越された。だがレーダーももうすぐ完成する。俺もすぐに行く』

「わかった!」

 

 たった10秒ほどの会話。それが決戦の火蓋となった。

 通信を終えた出久は……えも言われぬような表情で、桜子のほうを見遣った。桜子もまた、彼と同じ気持ちだった。このまま沈黙の時を続けたい、そんな感情を押さえつけて……精一杯の、笑みを浮かべる。

 

「行くんだね?」

「……うん!」

 

「いってらっしゃい」「いってきます」──万感の想いを裏側に込めた、シンプルなやりとり。ふたりには、それだけで十分だった。

 

「頑張ってくるよ!──じゃあ!」

 

 ビートチェイサーを反転させ、出久は再び走り出した。唸りをあげるエンジン音が、あっという間に遠ざかっていく。

 たまらず、傘を差すのも忘れて桜子は駆け出した。追いつけるとは思っていない。仮に追いつけたとして、引き留めたいわけでもない。

 ただ、

 

「絶対、絶対ッ……頑張ってね──!!」

 

 既に遠く離れている出久からは、どんなに叫んでもこたえが返ってくることはない。それでもいい、この声が降りしきる雨音にかき消されようとも構わなかった。

 

「マグカップ……置いておくから……」

 

 出久がいつまた、遊びに来てもいいように。

 

──たとえ何年、何十年の時が経ったとしても。

 

 

「………」

 

 雨粒と宵闇に覆われた街を、今度こそ戦場へ向かって出久は走る。その表情はもう、戦士のそれに染まっていた。

 

 守る、必ず。──そして、救ける。

 

『頼んだぞ、緑谷少年』

 

 オールマイトの声が、脳裏に響いた。

 

 

 *

 

 

 

──藤岡市内

 

 市街に現れた第X号──死柄木弔は、目についた生きとし生けるものすべてを無条件に殺戮していた。関東圏とはいえいままで未確認生命体の被害がほとんどなかったこの地域では、人々はなんの対策もなく日常生活を送っていた。

 ゆえにもとの人口が都内より少なくとも……彼の立つ場所から、見るに堪えない惨状が広がっていく。

 

「………」

 

 自らつくり出した炎と溶け崩れた死体の山に囲まれて、弔は声も出さずににたりと笑っていた。不気味な、痩身の青年──ヒトの姿そのままの彼は、ただそれだけでしかない。ただそれだけの存在が、既に3万を超える人命を奪った……。

 

 視界に入る何もかもを焼き尽くした弔は、再び歩きはじめた。いくら殺しても足りない。

 

 この渇きを癒すには……おそらく世界そのものを終わらせるほかないのだと、彼は既に悟っていた。

 

 

 死柄木を追って、出久は北上を続けていた。どこまで行っても土砂降りの雨が降り続いており、視界も非常に不明瞭。それでも出久は、疲労を感じることすらなく突き進んでいく。

 そこに、通信が入った。

 

『本部から全車!レーダーシステムがたったいま作動を開始した。X号は藤岡市から南下を続け、現在深谷市付近を移動中だ』

「……!」

 

 出久は思わず息を呑んだ。──近い。

 

『デク!』

 

 今度は勝己の声が響く。

 

『いまどのあたりにいる?』

「関越の花園ICを過ぎたところ……!」

 

 すれ違いになってしまった。ほとんど独占状態とはいえ高速道路上で逆走するわけにもいかない。もう何キロメートルか群馬方面に向かってから一般道に降り、南に踵を返すほかないのだが、それは驚異的な速度で移動を続ける弔に対しては痛いロスだった。

 しかし口惜しげな声で応じた出久に対して、勝己は意外にも落ち着き払っていた。

 

『奴の動きはわかってンだ、先回りして追いつめりゃいい。テメェの現在位置からして、うまくやりゃ東松山か川越のあたりで捕まえられるはずだ』

 

 無論、それは弔が途上で進路を変えなければの話。そんなわかりきったことをわざわざ言うつもりはなかったし……変えないという、ひとつの確信があった。弔の進んだ先に、在る場所をみれば──

 

「かっちゃんは、いまどこ?」

『東京を出たとこだ。どっかで合流すんぞ』

「わかった……!」

 

 うなずき、引き続きマシンを走らせる。いまこの瞬間にできることは変わりないが、それでも勝己の指示があるだけで身体がすっと軽くなるような気がする。この9ヶ月、ずっとそうだった。

 

 

 *

 

 

 

──数時間後 川越市内

 

 現れた死柄木弔──ン・ダグバ・ゼバによる殺戮が、ここでも始まっていた。

 レーダーシステム完成による進路予測から事前に避難命令が出されていたため、これまでに比べて被害は抑制されたが……それでも逃げ遅れた者、逃げなかった者は相当数存在する。特に避難誘導にあたっていた警察官、ヒーローの多くが彼の手にかかり、燃えさかる骸となっていた。

 

「………」

 

 割れた唇を真一文字に引き結び、たたずむ弔。己の動きが捕捉されつつあることを、彼は悟っていた。

 それならそれで構わない。己の中の"ダグバ"が渇望する宿敵が、来るというなら。

 

──そして、来た。

 

 エンジンのいななきとともに、跳躍するビートチェイサー。その前輪が容赦なく突き立てられる──そう思われた瞬間、

 

 弔の姿が、一瞬にしてかき消えた。

 

「……!」

 

 虚しく接地したあと、出久は呆然と辺りを見回した。確かに捉えたはずなのだ。にもかかわらず、周囲にあるのは雨によって消火され、無惨な姿を晒した遺体ばかり。

 

 刹那、どこからともなく声が響いた。

 

「やっぱり来たんだ。……ちょうどいい、オレの中にいる奴がうるさかったんだ」

「……!」

 

 気づけば弔は、数十メートルも離れた場所に立ち尽くしていた。暗闇と雨に覆われた世界の中で、彼の姿だけがぼうっと浮かびあがっている。

 

「この感じ……そうか、今度はおまえが"それ"を持ってるんだな」

「!」

 

 出久に受け継がれた"ワン・フォー・オール"の存在に、弔は気づいていた。その口許が緩んでゆき……やがて、これまでにないほど嬉しそうな笑みが浮かぶ。出久は思わず身震いしそうになったが、グリップを握りしめてそれを抑えた。

 

「本っ当にムカつくなァ、ヒーロー……でもいいや、今度こそ消し去ってやる。だから来いよ──"はじまりの場所"に、さ……」

 

 はじまりの場所──それがどこを指すのかを明示することなく、弔の周囲を光が包み込む。その眩さに思わず顔を背ける出久。

 

 再び顔を上げたときには、弔の姿は完全にかき消えていた。気配すら残さずに。

 

「………」

 

 出久が呆然としていると、背後からもうひとつのエンジン音が接近してきた。

 

「デク!!」

「!」

 

 我に返った出久が振り返ると、そこには爆豪勝己の姿があった。いつものように覆面パトカーではなく、修理を終えて保管されていたトライチェイサーに乗っている。もとは彼に与えられたマシンだったことを、出久は思い出した。

 

「死柄木は!?」

「ッ、ここにはもう……。──多分、九郎ヶ岳だ!」

「チッ……やっぱりか」

 

 弔の進行方向の先、東京との境付近に九郎ヶ岳が位置している。彼もまた、決戦を予期していたのだ。

 

 勝己がトライチェイサーを前に進めた。出久のビートチェイサーと、自ずと並ぶ形になる。

 

「デク、」

「うん」

 

「──行くぞ!」

「……うん!」

 

 車輪を並べ、ふたりは走り出す。はじまりの地──九郎ヶ岳へ向かって。

 

 

 




キャラクター紹介・グロンギ編 バギングドググドゲギド

オオカミ種怪人 ン・ガミオ・ゼダ/未確認生命体第0号

「ボセログン、レギバ(これも、運命か)」

身長:測定不能
体重:測定不能
能力:人間をグロンギへと変える黒煙を発する

行動記録:
種族の支配者たる"ン"の名を冠するグロンギ。九郎ヶ岳遺跡の発掘作業の影響で一番最初に覚醒し、本能のままに発掘隊を惨殺、直後に他のグロンギを甦らせた。
グロンギのいわば"王"でありながら戦闘や殺戮に対しては極めて消極的であり、上述の行動を悔やんでか役目である"整理"(ゲゲル参加権のない下級グロンギたちの殺害)をも拒んでいた。しかし古くからの友人であったヌ・ザジオ・レからも掟に従うこと(=己の殺害)を要求され、半ば絶望とともに使命の断行を決断する。その後は勝手な行動をとるゴ・ジャラジ・ダやダグバ=死柄木弔を牽制しつつ、最後のプレイヤーであるゴ・ガドル・バの死を見届けてから"究極の闇"を開始。身体から発する黒煙によって人々を殺害し、その遺体をグロンギへと変えて暴れさせた。このグロンギたちは魔石ゲブロンをもたず、ただ本能のままに暴れまわるゾンビのような存在である。
その他、衝撃波や黒い雷をほぼノーモーションで放つことができるほか、格闘や防御力についても隔絶しており、ガドルを倒したクウガ・アメイジングマイティフォームとアギトを圧倒した。しかし老いたその身は衰えており、長時間の戦闘には耐えられなくなりつつある。
最後は再びクウガ・アギトと衝突、黒煙を吸い込みながらも生還した爆豪勝己の参戦により奮起した彼らの猛攻を受ける。自ら生み出したグロンギたちを吸収することでパワーアップを果たすも、爆豪の爆炎に勢いを増したWライダーキックに競り負け、致命傷を負い撤退。彼らに感化されて究極の闇を中止、永遠に封印しようとするも、背後からダグバの不意打ちを受け斃れた。彼のもつ"王の証"はダグバに引き継がれることとなった。
超古代において、異形の力を得る以前のグロンギの族長であった。力ばかりを尊ぶグロンギの民族性に違和感を抱きつつも、当初は若き指導者として信頼を集めていた。しかし息子である"ダグバ"(≠死柄木)がある日落下してきた隕石から魔石を取り込み怪人化したのを皮切りに、あとに続いたグロンギたちは異なる種族である"リント"を標的とした殺人ゲームを行うようになる。それを止めることもできずダグバを後継として一度族長の座を降りるが、リントの戦士クウガとの死闘の果てにダグバが命を落としたことで復帰し、グロンギの王となったという経緯があった。しかしながら既に老いていた彼は積極的に戦おうとしなかったため、若く血気盛んなゲゲルのプレイヤーたちには腰抜けと映っていたらしく、若かりし頃のようなリーダーシップは発揮できなかった。

作者所感:
とむらくんをダグバにするにあたって自動生成されました。ディケイドボイスだとマダオさんなので、言うほど老人ではないですね。
「俺は二度と目覚めぬはずだった」「お互いこの世界にいてはならない者のようだな」と、グロンギらしからぬ台詞が印象的です。拙作ではそのイメージから発展したキャラクターにしました。グロンギにほとんど若者しかいない理由付けにもなるかなと。
劇場版クウガがあったらどんなキャラクターになってたんだろうか……。

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