【完結】僕のヒーローアカデミア・アナザー 空我   作:たあたん

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前回はネタを優先したので書けませんでしたが、UAが10万を突破しました!皆さんありがとうございます!!
1クールが終了しここから話も動いていきますよーお楽しみに!!


EPISODE 14. TRY&GO-ROUND! 1/4

 未確認生命体第18号――メ・ギャリド・ギを追跡するクウガ。そこに未確認飛行体――装甲機ゴウラムが飛来した。

 トライチェイサーにゴウラムが融合したスーパーマシン"トライゴウラム"を駆り、いよいよギャリドに追いつかんとするが――

 

「……ッ」

 

 バックで迫る大型トラックを前に――クウガは、回避を選んだ。

 咄嗟に車体を右に傾け、すれすれのところで激突を避けて距離をとる。そこまではよかったのだが、

 

「――!?」

 

 ブレーキをかけたわけでもないのに、トライゴウラムがいきなり停車してしまった。正面のライトが消えうせる。エンジンそのものが働かなくなったようだった。

 

「どうしたんだよ、一体……!?」

 

 必死に再起動を試みるが、マシンはまったく応えてくれない。四苦八苦しているうちに、再び無機質な『バックします』が迫ってくる。

 

「くそッ、動けッ、動けよ!!」

 

 焦りは募るが、状況は何も変わらない――

 

 と、そこに黒塗りの覆面パトカーがサイレンとともに駆けつけてきた。運転席から下りてきたのは車両と同じ漆黒のコスチュームを纏った白皙のヒーローで。

 

「デク……!?」

 

 爆心地――爆豪勝己。クウガの搭乗するマシンの変貌に困惑しないはずがなかったが、それ以上に状況が状況だった。原因は不明だが、マシンが動かず追い詰められているのは明白。だが、自分が援護するにはもう遅い。

 勝己もまた焦ったが――くぐり抜けた修羅場の多さゆえに、命を守るための判断は迅速だった。

 

「デクッ、青だ!跳べ!!」

「!」

 

 はっと顔を上げるクウガ。相手がマシンであっても、見捨てることに抵抗感をもつ――そのことまで勝己は織り込み済みだった。

 

「このっ、ボケ!!死にてぇのか!?」

「……ッ」

 

 死――ことばにしてはっきりそれを突きつけられたことで、彼は決断するほかなかった。トラックがセンチメートル単位にまで接近したその瞬間、クウガの姿が赤から青へと変わった。同時に高く跳躍、その場からの離脱にぎりぎりのところで成功した。

 残されたトライゴウラムはトラックの後進に巻き込まれ、押しやられていく。あらゆる工事機材を薙ぎ倒しながらそれでも進み続け……飛び散る火花を浴びると同時に、ようやく停車した。クウガ・ドラゴンフォームが目の前に着地したことで、ギャリドは自身の目論見が外れたことを理解したのだった。

 

「イギギギギギィ……ッ!」

 

 奇怪な唸り声をあげながら、ギャリドは激しくハンドルの中央を叩いた。クラクションが鳴り響くが、それを狙ったわけではない。ただ癇癪を起こしているだけだ。

 そのわずかな無駄が彼の命取りになった。はっと我に返ったとき、トラックの側面から火炎を伴った爆心地が迫っていたのだ。

 

「炙り――」

 

 

「――出したらァッ!!」

 

 放たれた爆裂が助手席側のドアを吹っ飛ばし、それには飽き足らず運転席側のドアをも吹っ飛ばす。当然、そこに座っていたギャリドともども。

 

「ウギャアッ!!?」

 

 地面に叩きつけられ、ごろごろと転がる小男。その身体が一気に肥大化し、胴にチェーンを巻いた怪人に変貌する。その姿はヤドカリに似ていた。

 

「ギギギィ……!」唸りながら立ち上がり、「ゴセパガブランゲババゾロヅゴドボ、メ・ギャリド・ギザ~!!」

「日本語しゃべれやッ、――榴弾砲・着弾(ハウザー・インパクト)ッ!!」

 

 爆風を利用して飛翔――から、自由落下とともに最大威力の爆破を浴びせかける。腕から生えた鋏状の突起で防ごうとはしたようだが、なすすべなく表皮を灼かれて弾き飛ばされた。

 

「ウ……ウググググ……ッ」

 

 グロンギの回復力からすれば、それは致命的なダメージではない。……しかしながら、何かに身を潜めていないと気の休まらない性質であるギャリドにとり、生身でこの悪鬼羅刹のようなリントと戦うことは元々気が進まない。まして皮膚を焦がされたとなれば、完全に戦意を喪失してしまうのも無理からぬことだった。

 

「ウググ……ビゲス、グ、バヂザ!」

 

 ギャリドは躊躇なく勝己に背中を向け、走り出した。

 

「………」

 

 第3号――ズ・ゴオマ・グのように空を飛べるわけでもなく、トラックも失い、自力で走って逃げるしかないのである。それでも常人よりは速いが、勝己の爆速ターボの前に逃げられるわけもない――

 

――が、あえて勝己は手出しをせず。ここにいた()()()()()に対して怒声を飛ばした。

 

「何突っ立ってんだクソナードっ!あとはテメェの仕事だろうが!」

「!?、あぁ、う、うん!」

 

 はっと我に返ったらしいクウガが、ようやく動いた。すぐそばに架けられていたコーンバーを蹴り上げ、己が手に掴みとる。

 コーンバーにモーフィングパワーが作用し、忽ち鮮やかな青に彩られた"ドラゴンロッド"へと変わった。

 

 それを携え、青のクウガは跳ぶ。その高い跳躍力で、容易くギャリドの頭上を飛び越す。いきなり目の前に宿敵が現れ、走り込んできたギャリドはぎょっとするばかりで対処もできない。そこを突いた。

 

「お、りゃあッ!!」

「グギャァッ!?」

 

 脛にロッドの一撃を喰らい、減速できていなかったギャリドは大きくバランスを崩した。その図体が宙に投げ出され、勢いよく一斗缶の山に突撃していく。

 

 その衝撃で一斗缶に内蔵されたオイルがあふれ出し、

 

 次の瞬間、耳を劈くような轟音とともに大爆発が起きた。その熱風を浴び、クウガはたまらず「……ッ」と声を漏らす。

 しかしそこには、間違いなく安堵のいろも含まれていて。

 

 

 

 

 

「――こちら爆心地。新港の港ガス工業で未確認生命体第4号が第18号を撃破した。現場検証のため応援願う、以上」

 

 ぶっきらぼうな無線連絡を追えると、勝己は未だ白煙漂う工事機材の山に目をやった。そこには、マシンを懸命に引っ張り出そうとする幼なじみの姿があって。

 

「……どうだ?」

「よいしょ、っと!……すごい、無傷みたいだ」

「………」

 

 幼なじみの目は木偶ではないようだった。勝己の目から見ても、大型トラックに引きずり倒されたはずのトライゴウラムはまったく傷ひとつついていない。

 が、それよりも、

 

「このくっついてんのが、例の甲虫だっつーのか?」

 

 珍しく困惑を表して、勝己はそうごちた。資料で見たそれとは形状が大きく変わっているし、何よりトライチェイサーと融合して別のマシンになってしまうなんて。

 それに対し、

 

「うん。沢渡さんの解読によれば……"馬の鎧"らしいんだ」

「馬の鎧ィ?」

「この甲虫は……えーと、かっちゃんの同級生で"ツクヨミ"ってヒーローがいるでしょ?彼の個性の"黒影(ダークシャドウ)"みたいなものらしいんだ、クウガにとって」

「……常闇か」

 

 ツクヨミこと常闇踏陰と黒影、クウガとゴウラム。主従の外見の類似性という意味では、似ていなくもないが。

 

「にしたって、TRCSが馬かよ」

「まあ、古代にバイクはないからね……」

「わーっとるわカス。つーか迂闊に触んなや、危険がないって決まったわけでもねえだろうが」

「いや、でも……」カウルを指差し、「ここにクウガのマークも入ってるし……」

「そういうことじゃねえ。……テメェはンとに、ところどころで吞気だな」

 

 呆れたように溜息を吐き出すと、勝己はスマートフォンを手にとった。誰かに電話をかけている。

 

「爆豪だ、急で悪いがそっちで調べてほしいもんがある。……ああ、例の未確認飛行体だ、聞いてはいんだろ。デクんとこに飛んできてTRCSにくっついてる。本部通すと面倒だから、そっちで内々に話通しとけ。……ア゛?だからデク貸してやってんだろうが、そんくらい協力しろやクソカス!」

 

 「いいからやっとけよ」と一方的に言い捨てて、勝己は電話を切った。もう相手に届かないとはいえ、さらに舌打ちまでするガラの悪さである。

 

「え、えっと……誰に電話したの?」

「あ゛?発目だよ。なんにせよ調べる必要はあんだろ、それ」

 

 それは出久としても望むところだが、仮にも手間をかけさせるのだからあの言い方はないだろうと思った。もっとも発目明という女性は良くも悪くも超のつくマイペースで人の都合を鑑みないところがあるから、案外これくらいでちょうどいいのかもしれないが。

 ともあれ、自分から小言めいたことを言っても勝己の機嫌を激しく損ねるだけなので、出久はそのことについては意思表示をしなかった。だが、別の気がかりもあって。

 

「でも、大丈夫なの?現場から勝手に持ち出したりして……」

「テメェにTRCS(アレ)使わせてる時点で今さらだろ」

「そうだけど……」

 

 警視庁未確認生命体関連事件合同捜査本部の所属とはなっているが、勝己はあくまでヒーローであって警察官ではないから、捜査官としての権限には当然違いがある。少なくとも、重要な証拠品を勝手に持ち去るのは――その先が科警研とはいえ――越権行為になるのではないか。法学部生らしく出久はそんな懸念を表明したのだが、「ウゼェ」のひと言でかわされてしまった。

 

「余計な心配してねえで、テメェは全部俺に任せときゃいいんだよ」

「!、かっちゃん……」

 

 いまのひと言は、なんだか昔の面倒見がよくてカッコよかった幼なじみの面影が色濃く出ていたような気がする。当の勝己に自覚はないらしく、次の瞬間には「んだその顔キメェ」と罵倒が飛んできたのだった。

 




キャラクター紹介・リント編 バギン

森塚 駿/Shun Moritsuka
個性:駿速(レーザーターボ)
年齢:26歳
誕生日:9月3日
身長:156cm
血液型:B型
好きなもの:銭形警部・オタクカルチャー全般(特にカードゲーム)
個性詳細:
自身の肉体をバイクに変形させることができるぞ!それもそんじょそこらのとは違うスーパーバイク、最高時速278kmで道路も荒野もスイスイだ!ボディも頑丈だしその他パーツも超高性能、バイカーには垂涎の的……なようだが当人の性格・風貌を反映してか見た目がオモチャっぽいのが玉に瑕!いい大人が乗るにはちょっと恥ずかしいデザインかもしれない!?(カウルにはSDのような目玉がついてるぞ!)
自走もできるが本気を出すにはライダーの存在が重要になってくる、腕に覚えのあるヤツは大歓迎!でもオッサンはお断り、ハンドル操作をロックしちゃうぞ!これぞ哀しき男の性である。

備考:
警視庁未確認生命体関連事件合同捜査本部所属の刑事・巡査。背が低く(長身のインゲニウムと並ぶとヤバイ!差が!)童顔で振る舞いもおちゃらけているが、実は若くして本庁捜査一課に配属されていたエリートだったりする。一時期は個性を活かしてトライチェイサーの開発にも力を貸していたようだ。
実は「ルパン三世」に登場する銭形警部の大ファンであり、刑事になったのもそれが理由だったりする!それに限らずオタクであり、休日はカードショップに出没して子ども相手に大人げなく鬼畜戦法をかます姿が目撃されている!どーしようもないにじゅうろくさいだ!

作者所感:
志倉千代丸先生の知る人ぞ知る超常科学NVL「Occultic;Nine」からもってきたキャラクター(そちらでは武蔵野警察署所属でした)。こういうトリックスター的なキャラが好きで入れたんですが、拙作では恐らく裏の顔は特にないと思います……たぶん、きっと。
個性はもう言うまでもないと思いますが、モロに仮面ライダーレーザーLv.2です。アニメ放送とエグゼイド1クールがかぶってたんですが、内心色々抱えながら嘘の多いおちゃらけた言動で永夢を翻弄していた、その頃の貴利矢さんとなんとなく重なってて、名前が"駿"なので思い切りました。名字との関係がないのが痛いところ。
鷹野さんとの刑事コンビを当初想定してたんですが、実際には飯田くんとの凸凹コンビが確立しつつある……なかなか構想どおりには進まぬものです。
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