鉄道これくしょん -鉄これ-   作:十六夜翔矢

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(。・ω・)ノドモ、十六夜翔矢です。
今回は初の純粋な海外艦が着任します。
それでは本編どうぞ!


Act7.初の海外艦

鎮守府に着任してから、早三ヶ月が経った。

改二改装をする艦娘も出始めた。

名古屋鎮守府で開設されてから1ヶ月半、初の改二は榛名であった。

そして、初の改二が出てから続々と改二改装が出来る様になって来た。

その中に響ことВерный(ヴェールヌイ)がいる。彼女は終戦まで生き抜き、戦後は旧ソ連に渡った。そして、ロシア語で信頼できる、という意味の名前であるВерныйに改名された。

さて、本題だ。今日はВерныйと一緒に大型建造をしようと工廠にいる。

 

「さて、大型建造するぞ〜」

 

「司令官、何を狙うつもりだい?」

 

「出来たら大和型戦艦かな〜まぁとりあえず資源っと…」

 

「建造開始だね。」

 

「ん?三時間半?」

 

「三時間半なんて無かった気がするよ。司令官。」

 

「そうだな…よし、高速建造だ。」

 

 

 

 

 

 

「さて、誰が来るかな。」

 

「新戦力が加わった様だね。」

 

「貴様が提督というヤツか。ふん。私がГангут(ガングート)だ。いい面構えだ。いいだろう。」

 

Гангут(ガングート)…ソ連時代に聞いたことがある。確かバルト艦隊の所属だったよね。」

 

「いかにも。そういう貴様は誰だ。」

 

「ひび…Верный(ヴェールヌイ)だ。太平洋艦隊の所属だったさ。」

 

「Верныйか…私も聞いたことがあるな。太平洋艦隊に日本からの新入りが入ったとな。あの時はОктябрьская революция(オクチャブリスカヤ・レヴォリューツィヤ)だったがな。」

 

「お取り込み中悪いが、早速出撃に行ってもらっても良いか?場所は四日市付近の製油所地帯沿岸、旗艦はГангут、お前に頼む。」

 

「ああ。任せてくれ。それで、編成は?」

 

「順番にГангут、Верный、榛名、望月、加賀、土佐だ。」

 

「さぁ、行ってみようか。艦隊旗艦Гангут抜錨する!」

 

「了解、Верный、出撃する。」

 

 

二時間後…

 

「艦隊、帰投した。皆無事だな、よし。」

 

「お疲れ様。それで、初めての出撃はどうだった?」

 

「どうだと言われてもな…まぁ、私の出る幕が殆ど無かった事が唯一気がかりだったな。」

 

「それは仕方ない。榛名やВерный、望月に加賀、土佐の練度が高いからな。何、気にするなГангут。お前も練度が上がればいずれは榛名達みたいになるさ。さぁ、報告は後で良いから入渠してこい。」

 

「ああ。そうさせてもらうよ。」

 

移動中…

 

「ふぅ…疲れたね。同志Гангут。」

 

「ふっ、私はまだまだ行けるぞ。だが、無理は禁物だな。よし、ちっこいの。」

 

「何だい?」

 

「早く行こうではないか!」

 

 

執務室…

 

「榛名、望月。Гангутはどうだった?」

 

「ええっと…響ちゃんと仲良くしてましたよ。」

 

「私的には戦艦でありながら魚雷を撃てるのが凄いと思ったなぁ〜」

 

「後は…火力と装甲が弱い感じがしましたね。」

 

「火力と装甲が弱い点に関しては、弩級戦艦故の弱点だな…魚雷が撃てるのはこれまた弩級戦艦だからだろう。」

 

 

風呂場…

 

「ねぇ、同志Гангут。」

 

「何だ、ちっこいの。」

 

「同志のいたバルト海ってどんな所だったんだい?」

 

「そうだな…ヨーロッパの北にスカンディナビア半島という半島があってな、ヨーロッパ大陸とスカンディナビア半島に囲まれていて、結氷が早い所だった。それに、入り組んだ所もあって、動きにくい場所だったな。それに、外海に出るのが難しかったな。エーレスンド海峡、カテガット海峡、スカゲラック海峡を抜けて初めて外海である北海に出れる感じだ。最も、私はフィンランド湾から出た事がないから聞いた話だが。」

 

「へぇ…何となく寒いのは分かったよ。昔はどうだったんだい?気になるな。」

 

「ふっ、私の昔話か。良いだろう。私を語るにはそうだな…1905年の5月まで遡るかな。当時のロシア帝国海軍はЦусимское сражение(対馬沖海戦)、ちっこいのには日本海海戦と言った方が良いな。その時に何を思ったのか、バルト艦隊が本来の担当であるバルト海から太平洋に半年以上の航海を続けて5月14日、海戦に突入した。そこで、ロシア帝国海軍は21隻が沈没、被拿捕が6隻、中立国への抑留が6隻と、ロンドン条約の影響で黒海から出れなかった黒海艦隊を除いて壊滅的になった。」

 

「ん?同志、日本海海戦は5月27日じゃないかい?」

 

「む、そうだった。当時のロシア帝国はユリウス暦だったな。ちっこいのはグレゴリオ暦で考えてくれ。」

 

「うん。」

 

「そして、日本との戦争で壊滅的になった海軍の再建を目指した1908年計画で私が他の姉妹と共に建造が計画され、1909年6月に起工、1911年9月に進水、そして1914年10月8日、ガングート級戦艦のネームシップとして就役した。その翌年、リガ湾に妹のペトロパブロフスクと共に、ドイツ帝国軍の迎撃に行ったが、実際は私とペトロパブロフスクは何もしていないがな。その後、ロシア革命におけるいざこざでしばらく放置された。」

 

「同志、ロシア革命って何だい?」

 

「ロシア革命か…私も思い出したくないのだが…仕方ない。1905年1月、日本との戦争で苦戦している最中、首都であるサンクトペテルブルクで労働者によるデモに対し、軍隊が発砲した事件があった。」

 

「血の日曜日事件だね。」

 

「良く知ってたな。それで、その事件を機に後のソヴィエトの原型となるシドロフスキー委員会が形成された。」

 

「ソヴィエトの原型って事は後々絡んでくるって事だよね。」

 

「ああ。話を続ける前に言っておくが、1860年代からロシアではストライキが発生していた事を言っておくぞ。話を戻すが、私がドイツ帝国軍の迎撃に行った1915年、ロシア経済は混乱と低迷の負の連鎖で食糧不足が蔓延、ストライキが多発した。そしてこの食糧不足がロシア革命における第1の革命、二月革命の原因になるんだ。そして二月革命で当時、皇帝だったニコライ二世が退位、ブルジョワ臨時政府が成立した。その後、7月に陸軍の第一機関銃連隊が起こした武装デモが発生した。この7月の武装デモがロシア革命における第2の革命、十月革命の間接的な原因になり、その後、十月革命が起こり、ブルジョワ臨時政府は打倒され、ポリシェヴィキ政権が成立、ロシア帝国はソビエト連邦社会主義共和国へと名前を変えた。これがロシア革命だ。ちなみにだが、十月革命の名前は覚えておけ。後に出るぞ。」

 

「何となくは分かった。壮絶な革命運動だったんだね。」

 

「私の昔話に戻るが、1925年7月14日、Октябрьская революция(オクチャブリスカヤ・レヴォリューツィヤ)即ち十月革命へと名前を変え、翌年に再就役した。」

 

「さっき覚えておけってこの事だったんだね。」

 

「そうだ。そして、31年から34年に掛けて、私は近代化改装を受け、1939年からの冬戦争、1941年からのドイツ第三帝国軍との戦争に参戦した。私はドイツ第三帝国軍との戦争でクロンシュタットに引いていたが、レニングラード包囲戦が進むと、あの忌々しい複葉機(Ju87 スツーカ)の爆撃を受けたんだが、投下された爆弾が全て不発でな。命拾いしたんだ。その後も、空襲を受けたが、何とか切り抜け、レニングラード包囲の解除作戦、ヴィボルグ-ペトロザヴォーツク攻勢に参加、7月9日に赤旗勲章を与えられた。その後、1954年まで練習艦に使われ、二年後には除籍、また更に二年後から三年後に解体され、今に至るという訳だ。」

 

「へぇ…私が1953年に除籍になって大体18年放置されてから標的艦として海没処分されたって考えると、同志は良い結末だったんだね。」

 

「ああ。さて、そろそろ上がるか。ほれ、ちっこいの。上がるぞ。」

 

「うん。」




どうでしたか?
実際、ガングートは大型建造で出て来ないですが、まぁ良いんじゃないですかね←
ちなみに、余談ですがガングートはルーデル閣下の爆撃を受けましたが無傷でした。

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