博麗兄妹   作:草賀魔裟斗

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「もしも霊夢に兄弟がいたら」っていう題材は結構取り上げましたがどれもメインとは呼べない状態でした
ですので今回はその博麗の兄弟にスポットを当てたニヤニヤ小説です


とある家族の…

現世と結界で隔てられた楽園、幻想郷

妖怪や鬼と言った魑魅魍魎の類いと人間が壊れそうなバランスで共存している世界…

そんな楽園と現世を隔てる結界を管理する13代続く神社があった

その名も…博麗神社

これはそこを管理する博麗の巫女とその兄弟の物語である

 

「ふぁぁ…」

朝日を顔に浴びて目が覚める

「…朝」

私はゆっくりと重い体を持ち上げた

最近、吸血鬼を退治した時の疲れがまだ取れていない

できればもう少し寝ていたい…

その考えから私はまたゆっくりと体を倒す

「霊夢!」

襖の開く音に驚く

(お兄ちゃんか…)

襖を開けたのは長男の龍夢…

潔癖症にして完璧主義者…

ただ、兄妹には優しい

いつも5:30ぴったりに起きる

「もう10:00だぞ?」

「まだ10時なのー」

「ほら早く起きろよ、朝ごはん出来てるぞ」

お兄ちゃんの朝ごはんか…

起きよっかな…

「…起きるー…朝ごはんなに?」

「あぁ…トーストとコーヒーだよ、ジャムとバターどっちもあるよ」

「…」

私はゆっくりと体を起こした

「今日は洋食なんだね」

「あぁ…幽玄も好きだろ、これで少しでも良くなってくれたらと思ってね」

龍にぃが軽く肩をすくめた

「あのダメニキも?」

食卓の上にはきっちりとトーストとコーヒーが置かれていた

私はコーヒーを一口飲む、苦い

でもそれがいい、目が覚める

「で、そのダメニキは何してんの?」

「あぁ…アリスさんを口説こうとしてアリスさんの恋人の鉄拳でKOされて今、カウント365くらいかな」

「あぁ…知ってる、アリスを口説こうとしたんでしょ?とことん命知らずね。ダメニキ…」

私はトーストとコーヒーを完食して立ち上がった

「今日はどこに行くんだい?」

「お空んとこに行って、紅魔館の経過観察…まぁ何もないとは思うけど…魔が差しちゃったらダメだし…」

監視と言ってもお茶をご馳走になって終わりだけど…

「お空ちゃんは元気かい?…最近、顔見てないけど」

「…元気なのは元気なんだけどね…ちょっと…」

「…霊夢、お空ちゃんの事で夜に話があるんだ…」

「今じゃなくて?」

「夜に落ち着いたらゆっくりと話したい…良いかな?」

龍にぃの言うことはいつも正しい

ここは龍にぃに従った方がいいかも

「解ったわ…夜ね」

私は立ち上がって神社を出ていった

 

※龍夢目線

確かに霊夢の事は心配ではある

あの子は異変解決とか自分の使命とか

決められた事は完璧にこなす

掃除とかも頼んだら初めは渋るけど、なんやかんや完璧に仕上げる

だけど自分の事になると奥手になりやすい

お空ちゃんがいい例だ、

お空ちゃんとは地霊異変だから約2年前くらいに知り合って、霊夢は一目惚れだったらしいんだが…

その後、2年間、友達とも恋人とも言えない関係を続けている

見るからにお空ちゃんもおそらく霊夢の事が好きだろう…このままじゃ二人が不憫だ…

絶対にくっつけるぞ!お兄ちゃん決めたからな

「おはよー兄さん」

「あ、幽玄か、遅かったね」

「本当だよ…まだ全身が痛いよ…まさか、恋人持ちとは…しかも魔理沙…あの顔みた?般若の方がよっぽど可愛いよ」

朝から冗談を良いながら苦笑しているのは幽玄、俺の弟だ

女ったらしだけど

今まで彼女という彼女は持った事がない

何故なら不運というか自業自得というか口説く女性、口説く女性全員、付き合ってる人がいたり

男の娘だったり、人里のお偉いさんの許嫁だったり…

とことん女性に運がない

本人は至って真面目に女ったらしをしているのできつく言えないのが現状…

「しかし、よりによって霊夢の幼なじみの彼女に手を出すのは不味かったね…霊夢あれからずっと幽玄の事、ダメニキって呼んでるよ」

「だって知らなかったし…それにあんな美人さん見たら口説かない方が失礼ってもんだろ」

「世の中、知らなかったじゃ済まないこともあるんだよ、良い経験になっただろ…いい加減、ナンパとかは止めて別の場所に出会いを求めて見たらどう?」

「貴重なご意見ありがと、独身、彼女を持ったことすらない、シスコン三十路兄貴」

「シスコンは余計だ…」

ただ、心に刺さるものはあるな

確かに僕は今まで彼女という彼女を持ったことがない…

というか霊夢達さえ居ればいいと思っていた節がある…

紫さんにも最近、

「いい加減あんたもかわいいお嫁さんでも貰って身を固めてみたら?イケメンなんだからもったいないわよ」

との旨の話を良く聞く…

イケメンかどうかは知らないけど

確かに三十路…それも後半になっても女性と一度も交際をしたことないのは異常かもしれない…

周りが10代の内に恋人作ってるから尚更そう思う

「兄さんは逆に女に無欲過ぎるんだ…折角、良い顔で生まれてきてんだ、好きな人の1つや2つくらい作らないと人生楽しくないよ…母さんの事を思うのも良いけどさ、忘れて前を見ることも大切なんだよ?」

「人生は楽しいさ、お前達もいるからね…姉貴の宝物だったお前達がいればそれだけで僕は幸せだ」

「そりゃありがたいこった」

幽玄も立ち上がった

「どこ行くんだ?」

「紅魔館、新たな出会いを探しに行ってくる…あのメイドさんは良いぞ、美人さんだ」

幽玄は手をプラプラと降りながら神社から出ていった

「人里のお偉いさんの許嫁…妹の幼なじみの恋人…今度は吸血鬼のメイドか…」

幽玄の女ったらしは死んでも治らない気がしてきた

「…出会い…ねぇ…」

そして最後の兄妹が起きる音がした

「おにいたんおはよ」

「おはようぉ愛夢ぅー」

末っ子の愛夢、3歳

僕の姉である博麗霊奈…旧名は柳霊奈…彼女はこの子を産んでからすぐに亡くなった

僕は姉の遺言から幽玄、霊夢、愛夢…

特に愛夢の世話をしている

家事全般は幽玄はおろか霊夢もできないし…あのままにしていたらと思うと未だに鳥肌が立つ

…愛夢は姉の最後の宝物と言っていた

姉だったらどれだけ大切に育てただろうか…男手ひとつで育ててこの子の将来は大丈夫なんだろうか…

友人に話すと杞憂だよとバカにされたが僕の一番の気がかりだ…

幽玄と霊夢はとっくに母の死から立ち直っているというのに僕とこの子の時はまだ、三年前のあの時で止まっている…

「幽玄も霊夢も出掛けたよ、愛夢は今日は何するの?」

「あのね!チルノちゃんと遊んでくるの!」

「そっか…夕方には帰ってきてね」

「うん!」

愛夢が走って神社から出ていった

 

※霊夢目線

龍にぃには感謝してるし

本当の兄貴だと思ってる

でも…いやだからかな

私達にあまり構って欲しくない

龍にぃは龍にぃで幸せになって欲しい…

龍にぃは私達がいるからきっと自由に暮らせないんだ

そう思うようになってきた

「やぁ霊夢ちゃんじゃないか」

前から男の人の声がした

「孝輔さん…」

彼は霧雨孝輔…魔理沙の兄貴だ

龍にぃの幼なじみでなにかとお世話になる

この人は本当に料理が上手い

流石、龍にぃに料理を教えただけはある

「昨日は家のダメニキがご迷惑を…」

「いやいや、それより幽玄くんは大丈夫かな?家の妹の全力の鉄拳とマスパを食らったらしいじゃないか」

「全身が痛いらしいです…まっ当然の報いですよ」

「あはは…相変わらず、幽玄くんには厳しいな、霊夢ちゃんは」

…この人なら…

「孝輔さん、折り入ってお願いが…」

「なんだい?」

「龍にぃのことなんですけど…いつまで経っても色恋沙汰がないというか…お母さんが死ぬ前は結構、あったのに…」

「それは俺にも何か刺さるものがあるね…でもそっかリューのやつ…たしかに心配だね…一度、話してみるよ」

「ありがとうございます」

やっぱり、龍にぃといい孝輔さんといい、この年代の人達は頼りになる

「で?霊夢ちゃんは何処にいくの?」

「紅魔館がまた異変を起こしていないかの監視と…あ、その前にお空に会いに行きます」

「そっか…紅魔異変といい…最近物騒な事が多いから気をつけてね」

「はい、ありがとうございます」

これで一安心かな

 

地霊殿

いつも通り、重いドアを開ける

ここのステンドグラスは綺麗だ

たしか聖母マリアさんという人を象ってるらしい…

赤の発色が好きだ

「にゃ?お姉さん、こんにちは」

彼女は火焔猫燐

あだ名はお燐

火焔猫なんて仰々しい名前のわりに

人間にはわりとフレンドリーなタイプの妖怪で

私ともなんやかんや仲がいい

「お燐…その…お空いる?」

「居ますよーお姉さんがくるのすごく楽しみ待ってます」

「そう…」

少し…安心した

私はあの子の中で…まだ…

「案内しますよ、前みたいに逃がしませんからね」

お燐は私の手をつかんできた

前、地霊殿に来たときは逃げちゃって…

急に自分に自信が無くなって怖くなって…

でも今日は逃げるつもりはない…あの子からも…自分からも

お空の部屋まできた

「お空?いる?…霊夢だよ」

「霊夢?…霊夢!!」

お空はドアを勢いよく開けて飛び出してくる

飛び出たお空は私に抱きついてきた

てか冷静に解説したけど…

え?え?…なにこれ…

「お、お空?」

「大丈夫!?異変解決で…無茶したって聞いたから…」

紅魔異変の事かな…確かに無茶といえば無茶をしたかもしれない、吸血鬼を相手にしたんだから

けど、お空はやっぱり大袈裟だなぁ

「大丈夫だよ」

「よかった…ずっと心配だったんだぁ…本当によかった…」

お空の目から大粒のダイヤモンドのような涙が水滴落ちる、異変解決後はいつもこんな感じ…やっぱり大袈裟だけど…再認識するお空はとても優しい…

「ありがとう」

自分の胸に踞っているお空の頭を撫でてあげる

…そうだ

さっきから言ってるこの子はお空

本当にお空って名前ではなくてお燐と同じあだ名だね

本名は霊烏路空という仰々しい名前だけど、可愛い奴だよ

因みに空とかいてうつほと呼ぶわ

読みにくいし長いからみんなお空って呼んでる

皆、お空の事を馬鹿馬鹿って言ってるけど無邪気なだけだと思うの

私のかけがえのない妖怪≪ひと≫

「今から紅魔館行くんだけど…来る?」

「行く!行きたい!お燐ー」

お空がお燐に甘えたように目線を送る

「解った、あたいがなんとかしておくよ…行ってらっしゃいな」

「わーい!ありがとうお燐!霊夢いこー!」

「うん…お燐、ごめん、ありがとう」

お燐はケタケタと笑いながら小声で答えた

「良いですよ、気にしないでください、さとり様の事だから絶対に着いてきますよ、久しぶりのデートなんですし、あたいだってたとえさとり様でもお二人の邪魔になることだけはして欲しくないですよ」

お燐は掴み所の無いところはあるが

いつも協力的で何かとお世話になる

たまに飢えた野獣のような目線を感じことがあるが気にしない

気にしてたら私のSAN値がもたない

「本当にお世話になりっぱなしね、お燐には…いつもありがとう」

「霊夢!はやく!」

お空の顔はさっきの泣き顔から笑顔へ早変わりしていた

明かりに涙の渡し道が光っていた

「…解った」

あぁ見ると可愛いではなくて美人だな…お空は…

私はお空に歩みより地霊殿を後にした

「はぅー!お姉さんやっぱりいいー!萌える!萌え禿げる!いや寧ろお姉さんを見てられるなら禿げてもいい!…"本当にお世話になりっぱなしね…お燐には…いつもありがとう"…だって!!…ウヒッウフフフ…」

…何もなかった

私は何も聞いていない

 

紅魔館…ここはこの前、異変を起こしたばかりのとこ

経過観察と銘打っていつもお茶とお菓子を貰っている

「ん?」

「あ、」

うそ、嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!!

なんで!?なんでこんなところにダメニキがいるのよ!!

こんな所、見られたら…

あのダメニキ、お空にも手を出すかも…!それは不味い!

「お空!ちょっと隠れるよ」

「えぇーちょっと!」

私はお空を連れて近くの茂みに隠れる

幸いにもダメニキはこちらには気付いていない、上手くやり過ごすのよ…

ってあああああ!!勢いあまってお空の手を掴んじゃった!

「あ、あの…えっと、ごめん…説明はあとでするから…」

顔が…顔が熱い~

「えへへ…なんか、かくれんぼみたいで楽しいねー」

お空の顔を見た

お空も動揺している様子はなかった

私はこんなにドキドキしてるのに…

てか二年も付き合ってて

ろくに手も握った事がないなんて

どうなんだろ…

「…行ったみたいだよ、あの人、頬が真っ赤っかだったよ」

「ナンパに失敗したかな…あいつはね…私の兄貴…幽玄なんだけど…とんだナンパ男でね…故ありの女専用の」

「ナンパ…ってなんなの?」

「うふふ…お空にはまだ早いよ」

私は立ち上がった

お空も遅れて立ち上がる

「じゃ、入ろっか」

「うん!」

私は門番に近づく

「…おや?霊夢さんじゃないですか…

先ほど、霊夢さんのお兄様がお見えになりました…あのお方なんとかなりませんかね、咲夜さんに会いたいと言って聞かないんですよ…で会わせたら…案の定というか…フラれて帰っていくんです…可哀想ったらありゃしませんよ」

「放っておけば諦めるわよ」

門番、紅美鈴

中華系の拳法の達人

常時、丁寧語で名字の通り、紅の長髪が美しい

年がら年中、門番しているけど

たまに寝てる事がある

種族上、引きこもりがちな紅魔館の連中の中でもかなり社交的な妖怪

異変後はちょくちょく人里でも見かける

最近の人里ではアリスとお空と並んで謎の美女としてちょっとした有名人

「そうとは言いますけど…あれは諦めない目ですよ…気迫も凄いですし…」

そりゃそうだ、あのダメニキがそうそうに諦めるわけはない

が、あのダメニキにとっての一番の薬は時だしそれしか治す方法はない

妹の私が断言する

「ともかく、入られせてもらうわね、あぁこっちはお空、私の…あーこ、」

「こ?」

「恋人………みたいな?」

「おぉー!やりますねぇ!デートですか?どうぞどうぞ入ってくださいな」

美鈴は空気も読めて好い人なんだけど…親身になってくれすぎて…なんというか…

「辛い…」

「好い人だね」

「…そうなんだけどね」

お空にそれを言われると反対できそうにもない…

私とお空は赤い大きな門を潜った

 

門だけではなく屋敷自体も紅く

「…紅いな…」

お空が目を擦った

「目が痛いよね…もう少し行ったらもう少し、落ち着いた部屋に着くから…もう少しの我慢だよ」

私が微笑んでお空を見た

「うにゅー」

「赤苦手かな?」

「ううん、霊夢の色だし…好きだよ」

こんなお空必殺、不意な一言には私は弱いのだ

簡単に顔が真っ赤になってしまう

多分、今も顔は真っ赤だと思う

「どうしたの?顔、真っ赤だよ?」

ほら

「…光の反射…だよ…」

「そう?」

そう言うことにしてくれ、頼む

そしてレミリアの部屋についた

 

※龍夢目線

霊夢達が居なくなってしばらくたった

訪問者が見えた

「よ、リュー元気か?」

「スケじゃねぇか!」

彼は霧雨孝輔、俺の腐れ縁だ

かれこれ、17からの知り合いだ

「どうした?茶でも出そう」

「あ。いや…今日は頼まれて来たんだ」

頼まれた?

「誰に?」

「お前の愛しの霊夢ちゃんだ」

「霊夢が?また、何を?」

スケは俺の向かいに座った

こいつはいつも黒いフードを着ている

フードをパッとのける、それはこいつの癖だ

「お前の恋愛についてだ、リュー」

「俺の?…お前には言わなかったか?俺は今の家族がいれば幸せだし、それ以上の物はいらん」

「…はぁ…なんでわかんないかなー、その無欲さがかえって心配かけてんだよ…いや、あいつらからしたら少し不気味なのかもな」

不気味…その言葉がずっしりとのし掛かる

鉛のように重くヘドロのようにまとわりつくいやな重みだ

「そんなこと…」

「ないって言い切れるか?…そんなことなかったら、家族がお前のことを理解していたら、霊夢ちゃんは俺なんかに相談するか!?」

「うるさい!」

俺は重さに耐えられずに立ち上がる

「…すまん…言い過ぎた」

「いや…こちらこそ、すまん…大丈夫だ、スケは霊夢の事になると頭に血が上りやすいからな…」

「…当たり前だ…魔理沙にできた…親友だから…な」

違う、それは俺もこいつも理解してる

俺もこいつも自分の妹に同じ道を歩んで欲しくないだけなんだ

「…なぁ、…アリスちゃんとはどうだ?」

「毎日、毎日ノロケばかり聞いてるよ」

スケが肩をすくめながら言った

「霊夢ちゃんは?お空ちゃんにあいに行くと言ってたぞ」

「…そうか…」

嬉しかった

霊夢の小さな一歩がとても大きく感じた

そして少し、焦りを覚えた

俺の時はやっぱり…

 

※霊夢目線

「あら?霊夢じゃない」

紅魔館の主。レミリアスカーレットが私達を迎えた

「レミィ…何もしてない?」

「えぇ…あんなに完膚なきまで叩き潰されちゃ…陰謀も立てれなくなるわ…悪役の代名詞<吸血鬼>のアイデンティティークライシスよ」

このレミリアスカーレット(愛称はレミィ)は吸血鬼

幻想郷にきてそこまで時は経っていない、幻想郷にきて早々、紅い霧を発生させ、日光を遮断するという異変を起こした

その時は色々あって(お空と少し喧嘩した、魔理沙もアリスと喧嘩したらしい)二人で完膚なきまで叩き潰した…

…今思うと大人げないな私…

「うにゅ?その人は?」

お空が私の後ろから顔を出した

「ん?見ない顔ね」

「私、霊烏路空!お空って呼んでね」

「そう…私はレミリアスカーレット…そうね…私も気軽にレミィと呼んでくれればいいわ」

「よろしくね、レミィちゃん!」

「ちゃん付けはやめなさい…一応、私は500年は生きてるのよ?」

「おぉー同い年くらいだねー多分」

「同い年?多分?霊夢どいこと?」

あー説明してなかったかも

「お空は地獄烏…あ、いや、今は八咫烏っていう種族で人間じゃないわ」

「人間じゃない…ふふ…霊夢…あんたも不憫ね」

レミィの言うことは一理ある、私とお空には寿命という大きな壁がある

私は生きてあと80年…その間もそれ以降も…もう、気が遠くなる期間…お空は生き続ける

「レミィ…良いこと教えてあげる」

自然と口角が上がる、昔を思い出していた

兄貴たちにお空の事を話したことがあった

そのときも今も全く同じ事を言っている

「私は未来にも昔にも生きてはいないわ、今に生きているのよ」

私が生涯をかけてお空を愛しきってもお空からしたら瞬きする間に終わってしまう…ならこの一分…いや一秒間でもいい…その間だけでも彼女を愛せたのなら…次の一秒が幾分かましな世界に見えるような…そんな気がする

「…なら…大丈夫ね」

レミィが微笑んだ

「…うふふ」

それにつられるように私も微笑む

「えー?なんのこと?私には解らないよー?」

「あんたは…もう少しあとでもいいわよ…まぁせっかく来たんだしゆっくりしていきなさい…霊夢」

「ん?」

レミィがウインクした

「叶うといいわね、いろいろと」

「!!」

「博麗の巫女が恋する乙女なら庶民も取っつき易いわよ」

「は、はぁ…」

「しっかりしなさい…まぁなんかあればここに来ればいいわ…相談に位は乗るし…あ、ただノロケだけは勘弁ね」

レミィが微笑むと部屋を出ていった

なんなのよ…そんなに私、分かりやすいかな…?

「霊夢どうしたの?顔真っ赤だよ?」

「大丈夫…大丈夫」

「そうか…良い人たちだねーなんか親近感わくなー」

「お空はさ…やっぱり。妖怪とかの方が…その…」

「親近感はわくよ…ただ大切な人にはなりえないよ…霊夢がいるもん」

え?は?それって…もしかして…

「なーんてね~私、紅茶って初めて!美味しいのかな」

「う、うん…きっとね」

あー…これは紅茶の味…解んないかもなぁ




これを書くにあたって結構、苦労しました
なんせ他作品に比べてキャラの薄い龍夢と幽玄でしたからね…まぁこれから濃くなるのでしょうけど…

久々の連載物ですが気長に投稿をお待ちいただけると幸いです
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