グラップラー・ベル~オラリオで地上最強を目指すのは間違っているだろうかッッ!?~   作:じゃすてぃすり~ぐ

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皆さん、長らくお待たせしました。
リアルとかが忙しくて、気がつけば8ヶ月近くも更新しておらず・・・申し訳ございません(土下座)
結構なブランクがあるので文章が多少おかしいところもあるかもしれませんがご了承下さい。
それではどうぞ。


Round14~集う狼達~

―オラリオドーム地下6階

 

(確か、オラリオドームって地下二階までのはずなんだけど・・・)

 

 エイナ・チュールはそこの廊下を歩きながらそう思った。

 一体、何処へ向かうのだろうか?そう思いふと、目の前を歩いている少年ベル・クラネルに問いかける。

 

「ねぇ、ベル君。一体何処へ向かってるの?」

「まァ、すぐにワカりますよ」

 

―そんな事言われても不安でしょうがないんだけど・・・。

 

 ベルにそう言われ、胸中でツッコミを入れる。

 

「ここがそうだよ、アドバイザー君」

 

 どの程度か歩いただろうか、突き当たりにある扉の前に来たときヘスティアがそう言った。

 そして、扉を開け放つ。

 

「えっ!?ここは・・・」

 

 エイナの視線の先にあったのは闘技場であった。

 白虎、朱雀、玄武、青龍と書かれたリングが中央にある闘技場である。

 一体ここはどこのなのだろうか?そんなエイナの疑問を察するかのようにヘスティアが口を開いた。

 

「ここが、ベル君の強さの秘密だぜ!ここでボクと出会う前からベル君はずっと戦ってたのさ!」

「それって、一体・・・」

 

―ドォン!ドォン!

 

 エイナの問いを遮るように、太鼓の音が鳴り響く。

 それと同時にアナウンスが流れた。

 

『これより、第一試合を行います!青龍の方角ッッ!なんと、あの人喰いオロチの娘が地下闘技場に参戦だァー!『拳姫』ッッ!アイズ・ヴァレンシュタインッッ!!!』

「えっ!?」

 

 アナウンスの言葉に、エイナは目を剥き驚く。

 あのアイズ・ヴァレンシュタインが!?ここに来ているのか!?

 そう思い、リングの方を見やる。

 そこには、白い道着を身に纏ったアイズ本人がいた。

 

「うおおおおッ!拳姫だッッ!」

「すげぇ!ご本人じゃん!」

「アイズたんッッ!俺だァッ!結婚してくれッッ!!!」

 

 途端に歓声が上がる。

 

「ヴァレン某も地下闘技場に来てたなんてねぇ・・・」

 

 そんな声に、多少圧倒されながらもヘスティアはベルにそう言う。

 

「ええ、僕も驚いてます。でも・・・同時に楽しみなんですよ」

 

 そう、ヘスティアに返しベルは笑みを浮かべながら続けた。

 たまらぬ笑みであった。

 

「『人喰いオロチの娘』、『拳姫』と呼ばれるその実力・・・どういったものか見てみたいですからね」

「べ、ベル君・・・?」

 

 そのたまらぬ笑みに、エイナは困惑していた。

 いつもは頼りなさそうなベルが今は餓えた狼のような笑みを浮かべている。

 エイナが見たことない表情であった。

 そこへ、黒服の男が此方に近づいてくるのに気づいた。

 一体なんだろう・・・。そう思っていると。

 

「チャンピオン、ここにおられましたか」

「チャ、チャンピオン!!?」

 

 黒服の男がベルにそう呼ぶのを見て更に驚く。

 

「ああ、準備ですか?分かりました。それじゃあ神様、エイナさん行ってきます」

「うん!頑張れよベル君」

 

 そんなエイナを他所に、ベルはヘスティアにそう言うと黒服の男と一緒に何処かへと向かって行った。

 

「あ、あの神ヘスティア」

「何だい?」

 

 そんなベルを見送りながらエイナはヘスティアに声をかける。

 

「チャンピオンって・・・どういう意味ですか?」

「そりゃあ、そのままの意味さ。ベル君はここのチャンピオンなんだぜ」

 

 ヘスティアの言葉に、エイナは暫くフリーズすると・・・、

 

「えええええええええええええええええッッ!!!?」

 

 地下闘技場に響くほどの絶叫を上げたのであった。

 

―場所は変わり、控え室。

 

「これで良しッと」

 

 ベルはいつもの試合用の服に着替え、ウォーミングアップをしていた。

 そこへ、ドアが開く。

 

「よォ」

「ベートさん、何でここに?」

 

 そこに現れたのはベートであった。

 

「俺も、地下闘技場にエントリーしたんだよ。生憎、今回の相手がお前じゃないってのが残念だがな」

 

 そんなベルの疑問にそうベートは答えた。

 まさか、アイズに続いてベートまでエントリーするとは・・・。

 ベルは驚きを隠せないでいると同時に、嬉しさがこみ上げてきた。

 地下闘技場でベートさんと闘えるのだ。アイズさんだけではなく!

 

―闘りたいッッ!今すぐここで、ベートさんと闘いたいッッ!

 

 そんな衝動がベルを襲う。

 餓えた狼のような衝動であった。

 

「落ち着けよ、ベル」

 

 その時、ベートの声が聞こえた。

 諭すような声であった。

 

「俺だって今すぐお前と闘いてぇんだ。だけども、いんだろ?先客がよ」

 

 そう言って、親指で後ろを指差し体を退かす。

 そこに居たのは、トランクス一丁にハチマキをまいた男であった。

 

「ジョーさん!」

「おいおい、ベルよう。浮気はいけねぇぜ浮気は」

 

 面白くなさそうにジョーはベルに詰め寄り、続ける。

 

「今回の相手は俺だろ?それなのに、この狼ヤロウと闘り合おうとすんだからよ」

「アハハハハ・・・、すいません」

「今回の闘い、満足させてくんなきゃ許さねェぜ!」

 

 ベルは苦笑いしながら謝罪する。

 そんなベルにジョーは、肩を軽くはたきながらそう言った。

 そこへ、

 

「ベートさん、ここに居たんだ」

「おう、アイズか。もう終わったのか?」

 

 試合が終わったのか、軽く汗を滲ませたアイズがやって来た。

 

「うん、私の勝ち。次はベートさんの番だよ」

「分かった、それじゃあちゃちゃっと終わらせるかね」

 

 そう言って、ベートはアイズとハイタッチを交わすと部屋を出て行った。

 ベートを見送った後、ベルはアイズに声をかける。

 

「初試合お疲れ様でした、アイズさん」

「ん」

 

 こくり、と頷くアイズ。

 ふと、ベルは気になった事をアイズに問いかけた。

 

「何で、アイズさんも地下闘技場に?」

 

 その問いに、アイズは暫く考えた後答える。

 

「強くなりたかったから。キミと同じ場所で闘えば何か分かるかもしれないから・・・だからエントリーしたの」

 

 それは一体どういう事なのか?それを聞こうと思い、ベルは口をつぐんだ。

 何故ならばアイズの目を見たからだ。

 その目をベルは知っていた。

 自分も同じ目をしていたからだ。

 何者かに愛しい人を奪われた目だったからだ。

 復讐に燃える目であったからだ。

 

「だーかーらー、俺を差し置いて話してんじゃねーっての!!!」

 

 不意にジョーが怒鳴り声を上げてベルとアイズの話に割ってはいる。

 どうやら、蚊帳の外になっているのが気に食わなかったらしい。

 

「・・・誰?」

「し、知らないのかよ!?この『ハリケーンアッパーのジョー』を!?」

 

 アイズの一言に、肩をこけさせながら問いかける。

 

「知らない」

「う・・・まぁ、まぁね。知らねぇ奴もそりゃいるわな。極一部に・・・」

 

 容赦なくバッサリと切り捨てられジトーッと恨めしい目つきでアイズに言うのであった。

 

―一方その頃・・・。

 

「次は、ベートの試合じゃったかの?」

 

 特等席にて、トクガワ・光成は側近にそう問いかける。

 

「は、相手は『理人』です」

「そうか、ふふふ・・・『超人』を相手にどう闘うかの?ベートは」

 

 光成は不適な笑みを浮かべながらリングを見るのであった。

 

続 く ッ ッ ! ! !




次回、ベートVS理人!
出来るだけ早く更新したいと思いますッッ!

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