グラップラー・ベル~オラリオで地上最強を目指すのは間違っているだろうかッッ!?~ 作:じゃすてぃすり~ぐ
神。
千年前、天界より降り立った不変不滅の
だが、不変不滅と言っても、病気もするし怪我もするのである。そして、死ぬような事が起きたり、定められた掟を破った場合は天界へ強制送還され二度と下界には戻ることは出来ないのだ。
掟とは一体何か?と問われれば話が長くなるので割愛させていただく。
神は神の恩恵を与えた人間を『眷属』として加え、『ファミリア』という組織を作るのである。
かく言う、ヘスティアもまた神なのであるが降臨したのは最近。つまり新参者である。
一度は友人の下に身を寄せていたものの来る日も来る日も怠惰に過ごしていた為、友人の堪忍袋の緒を切らしてしまい追い出されてしまったのだ。
先ほど言ったように神とは言えど病気や怪我もする。・・・つまりは腹も減る訳で、食いつなぐ為にバイトをする日々を過ごしていたのであった。
ファミリアを募ろうとするも、収穫は0。
そんな時、現れたのがベルであった。圧倒的な強さでチンピラ2人を撃退したベルを見てヘスティアは思った。
―彼を自分の眷属にしたい。と
(―あ、でも・・・)
ふと、ここでヘスティアにある一つの不安がよぎった。
先ほどベルにのされたチンピラもまた冒険者であった。ただの一般人では神の恩恵を持っている冒険者を倒すのはよほどその冒険者自身のレベルが低くない限りは不可能である。
だが、それをベルは倒してのけたのだ。しかも二人もである。
つまり、ベルは誰かの眷属となっている可能性が高いのだ。
ヘスティアはベルに恐る恐る聞いてみた。
「ねぇ、ベル君」
「何です?」
「ベル君は何処かのファミリアに入っているの?」
「いいえ。入ってないです」
返ってきたのは予想外の言葉であった。
「僕って見た目、頼りないですからね。大抵門前払い喰らってますよ」
言われてみれば確かに、ベルの体格はお世辞と言っていいほど強そうには見えない。華奢な体格であった。
タハハ。と苦笑いしながらベルは答える。
それを聞きヘスティアに電流が走った。
(―い、イケるッッ!!ベル君をスカウト出来るぞッッ!!!)
そうと決まれば善は急げ。ヘスティアはベルにスカウトを切り出した。
「それじゃあさ、ボクの眷属になってみないかい?ベル君」
「えッ!?いいンですか!?」
ベルは目を輝かせ喰い気味にヘスティアを見た。ちなみに、ベルにはヘスティアが『神』であると言う事はカミングアウト済みである。
「ああ。でも、眷属が一人もいない状態なんだけどね。それでもいいかい?」
「はいッッ!僕は一向に構いませんッッ!!」
即答であった。
「よし、それじゃあ行こうぜベル君。これからファミリア入団の儀式をやるぞ!」
「はいッ!」
ベルはヘスティアに連れられ歩き出した。
「じゃあ始めるよ、上着を脱いでここに座ってくれ」
ヘスティアの知人である老人が経営している古書店の二階にベルとヘスティアは居た。これからベルに神の恩恵を与える為である。
分かりました。と答え、ベルは上着を脱いだ。
「~~~~~~~~~~~~~~ッッッッ!!!?」
(―な、何だコレェッッ!!?)
露となったベルの上半身を見てヘスティアは驚愕する。
引き締まった肉体であった。長い時をかけ鍛え上げられた鋼のような肉体である。
それだけならまだいい、その肉体には傷跡が刻まれていた。
それも一つや二つではない、無数に刻まれていたのである。
たまらぬ肉体であった。
(い、一体・・・どんな事をすればこうなるんだ・・・?)
そんなベルの体を見てヘスティアはただ、ただ驚愕するばかりであった。
「?どうしました、神様?」
「あ?いや、ちょっとビックリしただけさ。それじゃあ始めるよ」
ふと、ベルの声で我に返りヘスティアは神の恩恵を与えるべく彼の背後に回る。
(―うわァ・・・、触ってみるともっとスゴいや・・・)
彼の背に触れ、恩恵を刻みながらヘスティアは感想を述べた。
鋼のような肉体だ。硬さもまた鋼並みである。
「なァ、ベル君」
「なんです?」
「この肉体の事なんだけど、どうやったらここまでなるんだい?」
恩恵を刻みながらヘスティアはベルにそう問いかける。
「子供の頃からずっと鍛えてたんですよ、強くなる為にね」
「強くなる・・・か、強くなって何になりたいんだい?」
「そりゃあ『地上最強の
問いかけるヘスティアに、ベルははっきりとそう答えた。
「地上最強ねェ、男の子っぽくてイイじゃないか。ボクはそう言うの好きだぜ」
「そ、そうですか?」
ヘスティアの言葉にベルははにかんだ様子で言う。
(―へェ、結構可愛い所もあるんだなァ)
胸中でそう呟きながらヘスティアは顔をほころばせる。ふと、そこで恩恵が刻み終わったので見てみる事にした。
(―・・・オイオイオイ、これどういう事だよ)
背中に刻まれた恩恵から浮かび上がるステータスを見てヘスティアは絶句した。
普通、駆け出しの冒険者が恩恵を刻まれた直後のLVは『LV1』である。
勿論、ベルのLVもまた『1』であった。・・・あったのだが、そのステータスが異常すぎたのである。
ベル・クラネル
LV1
力:S999
耐久:S999
器用:S999
敏捷:S999
魔力:S999
格闘士:S
《魔法》
【】
《スキル》
【
・常時発動
・あらゆる格闘技、武術を学ぶ事で、それを使うことが出来る。
・但し『気』等を使う武術等は使用者の魔力に依存する。
【
・使用者が危機的状況に陥った時に発動出来る。
・脳内からエンドルフィンを分泌させる事によりステータスが上昇する。
【八極聖拳気功術】
・八極聖拳の気功
・気をコントロールする事で攻撃、防御、治癒に使う事が出来る。
・威力は使用者の魔力に依存。
たまらぬステータスであった。
そんなたまらぬステータスにただ、ヘスティアは驚くしかなかった。
(―アビリティ全てカンスト・・・。それに見たことの無い3つのスキル・・・ッッ、ボク、トンでもないヤツを眷属にしちゃったぞ・・・)
「どうしました?」
「ん?ああ、何でもない。これがキミのステータスだよ」
そう言ってヘスティアはベルのステータスを写した用紙をベルに見せた。
勿論、文字は神にしか読めない『
「へェー、こんな風になってるんですねェ」
「本当なら恩恵を刻んだ直後はアビリティは殆ど0、スキルとかもまっさらな状態で表示されるんだけどね」
「う~ん、だとするなら僕のこのステータスはアレが原因かなァ」
ベルの言葉に、ヘスティアは首をかしげた。
「『アレ』ってなんだい?ベル君」
「アー、実はですねェ」
―ピルルルルル、ピルルルルルルルル。
質問に答えようとした次の瞬間、音が鳴り始めた。ベルはズボンのポケットから携帯電話を取り出すと通話ボタンを押し、応答する。
「もしもし、ベルです。・・・トクガワさん、どうしたんですか?アッ、そういや今日でしたっけ?」
どうやら話の内容からしてベルと電話で話しているのはトクガワと言う名の男性であるらしい。
「ア~、そうでしたね。スイマセン、ちょっと色々あって忘れてましたよ。分かりました、今からソッチに向かいます。ハイ。・・・あ、それとトクガワさんに会わせたい人がいるのでその人も連れてきてもいいですか?ハイ、分かりました。それじゃあ」
ピッと電源ボタンを押し通話を終了すると、ベルはヘスティアに向かって口を開いた。
「神様、イキナリですみませんけど一緒に来てもらってもいいですか?」
「え?別に構わないけど・・・、何処に行くんだい?」
イキナリの事に戸惑いを隠せないヘスティアに、ベルは上着を着ながら言った。
「強いて言うなら・・・『御伽の国』、ですかね」
そう言うと古書店から出て行く。
「あ、待ってよベル君~」
ベルの後を追うようにヘスティアもまた、古書店から出て行ったのであった。
続 く ッ ッ ! ! ! !
次回、ベルと話していた電話の主が登場ッッ。
そして、あの男も登場しますッッ!
乞うご期待ッッ!