グラップラー・ベル~オラリオで地上最強を目指すのは間違っているだろうかッッ!?~ 作:じゃすてぃすり~ぐ
ここ最近、他の小説にかかりっきりで若干こっちの更新を忘れておりました・・・(汗)
しかも、リアルで忙しく小説書く時間ががががが・・・。
今回は若干少なめですので、何卒ご了承を・・・。
「そう言えば、克己さん」
やおら、ベルが克己に問いかけた。
「何だい?」
「シルさんが怪物祭のイベントで何処を見に行きたかったのか、アーニャさんとかから聞いてませんか?」
「そう言えば、アテナファミリア所属のアイドルチームが行うライブを楽しみにしていたって聞いたな」
「へぇ、彼女そういうの好きなんだね。会場は何処なんだい?」
最後の問いかけはヘスティアだ。ええ、と克己は頷いた。
「オラリオドームのところでやっています。そこで行うメインイベントの前座でライブを行うみたいですね」
「成る程ね、兎に角そこに行ってみようか、ベル君」
「そうですね、行きましょう」
そういうことでオラリオドームに行く事になった。
―一方その頃・・・。
オラリオドームの地下、捕えられたモンスターを管理している大部屋へと続く通路を3人の男が歩いていた。
一人はセキバヤシ・準。その傍らを歩く二人の男が居た。
どちらも、全身に無駄がなくナチュラルな筋肉に覆われているがっしりとした男である。
「カジワラにナガタよぅ、お前さん達は怪物祭で巡業やんのは始めてかい?」
「初めてッスね」
「俺もカジワラと同じッス」
準の言葉に、二人の男・・・カジワラとナガタはそう答えた。
カジワラ・年男とナガタ・弘。ガネーシャ・ファミリア所属であり、二人ともレスラーとしても冒険者としても油の乗り始めた時期である。
そんな中、主神であるガネーシャから、「今度の怪物祭で、リングに上がってみないか?」と誘いを受けたのだ。勿論、二つ返事で返したのだが、今になって緊張しているようだ。表情が強張っていた。
そんな二人に、準はガハハと笑いながら言う。
「怪物祭はビッグイベントだが、リングはいつもの巡業と同じだ。お前達はいつもどおりにしてりゃいい」
暫く歩くと、モンスターを管理している大部屋の扉にたどり着いた。中にいるであろう構成員と、打ち合わせをしようと、扉を明けたその時だ。
「ンだァ・・・こりゃあ?」
目の前の光景に、準は驚愕した。同じファミリアの構成員が、何処もかしこも糸の切れた人形のように、へたり込んでいたからだ。
カジワラとナガタは、何がなんだか分からないようで顔を見合わせている。
「おい!どうしたッッ!?何があった!?」
へたり込んでいる構成員の肩を掴み、揺さぶる準。だが、構成員は無言。
「安心なさい、ちょっと魅了で骨抜きにしただけよ」
その時、その構成員の後ろから声がした。声音からして女の声だ。
準は視線を声のした方に向ける。
そこにはローブを纏った人物がいた。フードを被っており、顔は分からない。
だが、その人物から漂う、圧倒的な気配からその人物が只者でない事が分かっていた。
「なんだァ、テメェ・・・?」
準の問いに答えるように、その人物は被っていたフードを外す。
露になるその素顔を観て、3人は息を呑んだ。何故ならば、オラリオに住まう冒険者ならば知らない者はいない『神』であったからだ。そう、
「ッッ!・・・神、フレイヤ!」
フレイヤ・ファミリアの主神、フレイヤだったからだ。何故、彼女がここに!?そう思う、3人の心情を悟ってか、フレイヤが口を開く。
「何故、私がここにいるのか?って思っているわね。答えは簡単よ、ここのモンスターが欲しいの」
「・・・神様よう、自分が何言ってんのかワカってんのかい?」
「ええ、勿論よ」
妖しげな笑みを浮かべたまま、フレイヤは準に答えた。
見た異性を骨抜きにしてしまうような魔性の笑みだ。
「怪物祭をブチ壊しにしてまで、何をしようってんですか?」
「そうね、ある男の子の『魂』の輝きを見たい。それだけかしら?それに・・・」
「っざけんじゃねェッッ!!!そんな事の為に、ガネーシャ様の顔に泥塗ろうってのか!?神様だろうと、やって良い事と悪い事があンだろッッ!!!」
「よせ、カジワラッ!」
フレイヤの勝手な物言いに、キレたカジワラがナガタの制止も聞かず食って掛かる。だが、フレイヤは動じずに、
「おすわり」
「カ、カジワラァッッ!!!」
そう言って、カジワラの額を人差し指でコツンと叩いた。すると、鬼気迫る表情だったカジワラが一気に気の抜けた表情となり、糸が切れたような人形のように座り込んでしまった。
そんなカジワラを一瞥し、フレイヤは少し拗ねたような表情で言った。
「全く、人の話は最後まで聞きなさいって教わらなかったかしら?
それに、祭りをオシャカにしないし、ガネーシャの顔に泥を塗るつもりもないわ。そうならないように協力者もいるんだし・・・」
「協力者?」
準が問いかける。その時、
「俺のことだよ」
背後から声が聞こえ振り返る。そこには、顎の長い金髪の男がいた。トール・ファミリアの主神、トールである。
「どういうつもりですかい?」
「そのまんまの意味さ、俺もフレイヤの言うボウヤが気になってな。俺もそれに一枚かませてもらったって訳さ」
準の問いに、トールは笑みを浮かべたまま答えた。警戒をしている準たちを観ながらトールは安心しろよ。と言って続ける。
「ガネーシャの奴にも話は通してある。祭りに支障が無く客に迷惑がかからなきゃOKだそうだ。・・・終始いい顔はしなかったがね」
「ね?だから言ったでしょう?」
ウフフ。とイタズラっぽい笑みを浮かべてフレイヤは準に言った。
「とは言っても、そいつがこのオラリオドームに来るって確証はあるんですか?」
「勿論あるぜ、ウチの眷属がソイツを見かけた。なんでも、忘れ物を届けにこちらに来るそうだ」
準の問いにトールはそう答えると、社長。と声をかける男が。トール・ファミリアの眷属のプロレスラーである。
「おう、どうした?」
「例の男・・・ベル・クラネルが、オラリオドームに来ました」
「そうかい、丁寧におもてなししてやんな」
トールがそう男に指示すると、男は一礼し立ち去った。
その会話を聞き、準は合点がいったような顔をしてトールに言った。
「成る程なぁ・・・道理で、フレイヤ様の悪巧みに手を貸す訳だ」
「ああ、そう言う事だ。俺もじかに見てみてェのさ、ベル・クラネルの魂の輝きってヤツをよ」
トールはそう答え、準の方を向くと深い笑みを浮かべながら続けた。
「何かあった時は責任は俺が取る。だからよ、手を貸してもらうぜ」
その笑みはたまらぬ笑みであった。
続 く ッ ッ ! ! !
いかがだったでしょうか?
今回は、餓狼伝から二人登場。カジワラこと梶原年男とナガタこと長田弘の紹介をしていきたいと思います。
カジワラ・年男(梶原年男)
登場作品『餓狼伝』
原典では東洋プロレス(板垣版ではFAW)のレスラーで主人公である『丹波文七』を過去に破っている。
小説版では、丹波と互角の勝負を繰り広げるほどの強さなのだが、板垣版だとあっさり丹波に敗北するわ、グレート巽と手四つで完敗し股間を蹴られるわとヤムチャレベルの扱いである。板垣先生、梶原に何か恨みでもあるのだろうか・・・(疑問)
ちなみに本作での彼の扱いは、板垣版の予定(ひでぇ)
ナガタ・弘(長田弘)
登場作品『餓狼伝』
こちらも、梶原と同じく東洋プロレス(板垣版ではFAW)所属のプロレスラー。
小説版での彼の活躍は自分は未読であるが、板垣版での空手トーナメント編では、主人公と言っても差し支えないほどの活躍を見せる。
勿論、本作でも大活躍させる予定。
次回は、大観衆の中でベル、フレイヤとトールの陰謀に巻き込まれる・・・予定となります!
他の小説の更新もあり、次回の更新も亀更新になると思われますが、何卒ご容赦を・・・。
それでは~。