グラップラー・ベル~オラリオで地上最強を目指すのは間違っているだろうかッッ!?~   作:じゃすてぃすり~ぐ

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今回は、バキシリーズから2人(一人は前回名前のみ出ています)、餓狼伝からは1人(これは名前のみ)が登場しますッッ!!!

それでは、どうぞッッ!

*9月25日前書きと後書き、本文を修正しました。


Round2~地下闘技場~

 オラリオドーム

 地上6階、地下二階建てのメインストリートにある巨大ドームである。

 日が沈み暗くなった時間帯、ベルとヘスティアはここに来ていた。

 

「ここでペナントでも買うのかい?」

「まァ、直に分かりますよ」

 

 オラリオドームを見上げながら言うヘスティアに微笑を浮かべたままベルは答える。そこへ、

 

「おお、ベル!」

 

 声がした。振り向くとそこには2人のスーツ姿の男を引き連れた老人が居た。『極東』の民族衣装である和服に身を包んだ背の低いスキンヘッドの老人である。

 

「あ、トクガワさんこんばんわ」

「待ちかねたぞ、ベルーッ!」

 

 トクガワさんと呼ばれた老人は嬉しそうに言うと、ベルに向かって飛びついてきた。

 それをベルは難なく受け止める。

 

「ああっ!御老公ッ!」

「だまらっしゃいッッ!お前達はさっさと案内すればよいのです!」

 

 トクガワを見て、スーツの男達が止めようとするも一喝されていた。

 

「ベ、ベ、ベル君・・・。そのご老人ってまさか・・・」

 

 その光景を見ていたヘスティアは恐る恐るベルに聞いてみた。

 

「はい、トクガワ・光成さん。僕がお世話になってる人です」

(まさかの大物だよゥッッ!!!!ベル君、何て人と知り合いなんだッッ!!!?)

 

 ―トクガワ・光成

 かつて『極東』を支配していたとされる『トクガワ家』の末裔である。

 極東が『維新』と呼ばれるクーデターによりトクガワ家の支配から解放された今でもその財力は世界トップクラスであり、極東一の大物と呼ばれている。

 その威光たるやオラリオに存在している数多の神々も畏まり恐縮するほどである。

 

「所でさっきから気になってたが、その子は誰なんじゃ?もしかしてベルの彼女かの?」

「~~~~~~~~~~~~~ッッ!!!?(か、彼女ッッ!!!?)」

「いえ、今日から僕が所属する事になるファミリアの主神、ヘスティア様です」

 

 光成の質問に、ベルは平然とした様子で答えた。その傍ら、ヘスティアが彼女発言に顔を真っ赤にして悶えていた。

 

「ほォ~、って事は恩恵も貰っとるのじゃな」

「はい。冒険者登録はまだなので明日登録してきます」

「そうか。・・・ようやく夢への第一歩が踏み出せたのォ~」

「ええ・・・、そうですね。思えば長かったですよ」

 

 ベルはそう光成に言うと、懐かしむように空を見上げた。その顔は何処かたまらぬ哀愁が張り付いていた。

 

「―御老公、そろそろ」

「おお、そうじゃッたそうじゃった。では、皆行こうかの」

 

 そういう事になった。

 

 オラリオドーム内部、光成と取り巻きの男達の案内の下、エレベーターの前に立った。

 

「これを使って地下6階まで真っ直ぐじゃ」

「ち、地下6階!?」

(―地下って確か2階までのはずだったよな・・・?)

 

 衝撃の発言に困惑を隠せないヘスティアであった。

 そしてベル達はエレベーターに乗って地下6階まで降りる。

 

「う、うわっ・・・広ッ!?」

 

 エレベーターから降りたヘスティアの目に映ったのは広い光景であった。

 赤い絨毯が敷いてある道をベル達は歩く。

 

「トクガワ時代より300年。代々より続いてきた戦いの聖地・・・その最新の―」

 

 その先頭を歩きながら光成は突き当たりの扉のドアノブに手をかける。

 

「―姿じゃ」

 

 そして扉を開けた。その先には・・・、

 

「と、闘技場!!?」

 

 闘技場である。

 中央には四方に『白虎』、『青龍』、『玄武』、『朱雀』と書かれたリングがあり、その周りを客席が取り囲んでいた。

 その客席にはかなりの人数の人が座っていた。

 

「お、オラリオドームの地下にこんなのがあったなんて・・・」

 

 ヘスティアはただただ驚くしかなかった。

 ふと、そこへ声が聞こえた。

 

「あ!ミッちゃんにチャンピオンやないか、おっそいで~」

「ん?・・・こ、この声は・・・ッッ!」

 

 聞きなれた声にヘスティアは声のしたほうを振り向く。

 朱色の髪をポニーテールにした狐目の女であった。体つきは女らしいものの、何処か足りないものがある。

 胸である。絶壁と言っていいほどそのバストは平坦であった。

 

「ロキッッ!!どうしてキミがここに居るんだッッ!!?」

「ってドチビもおんのかいッッ!!?その言葉そっくりそのまままとめて返すでッッ!!!」

 

 ヘスティアは女、ロキを見るなり怒声をぶつける。

 ロキもまたヘスティアを見るなり怒声をぶつけた。

 

 ロキ

 オラリオに存在する大手のファミリア『ロキ・ファミリア』の主神である。

 性格は明るくひょうきんで、自身の眷属への愛情は深い。

 なお、ヘスティアとは犬猿の仲で、こうして出会う度に喧嘩をするのである。

 

「そりゃあ、決まってるだろ?ボクはベル君の主神なんだから」

「な、なんやてェーーーーーーーッッ!!チャンピオン、嘘だって言ってーな!?」

 

 ヘスティアの発言にロキは細い目をクワっと見開きベルに縋るように言った。

 

「あ~、すいませんロキ様。ヘスティア様の言ってる事本当です。僕、ヘスティア様の眷属になったんです」

「ノオオオオオオオオオオオオオッッ!ウチのファミリア入れる予定やったのにー!何でよりによってドチビのファミリアに入ってまうん!?この乳か!?この乳でチャンピオン誘惑したんかー!?」

「にゃーーーーーーーーーーー!!!」

 

 無慈悲なベルの言葉に、ムンクの叫びのようなリアクションを取るロキ。

 そして、そのままヘスティアに食って掛かった。

 

「なァ~にやってんでィ、ロキよゥ」

 

 ふと、太い声が聞こえた。その声に釣られベル達はその方向を見やる。

 そこに居たのは体の大きいスキンヘッドの隻眼の男であった。

 年齢は50代ほど、身長は170後半。極一般的なヒューマンの男の背丈である。

 だが、太い男である。腕も、足も、肩も、腹も、全てが太い。

 肉と、その纏っている雰囲気がそうさせているのだ。

 

「うわ~ん、独歩ちゃ~~~~~~~ん!チャンピオンをドチビに取られたんや~」

「オオッ、独歩」

「オロチ館長も来てたんですか」

「おゥ、コイツの付き添いでな」

 

 ベルの言葉にオロチ館長と呼ばれた男は泣きついて来たロキをあやしながら快活に笑いながら答えた。

 

 オロチ・独歩

 かつて『武神』『 虎殺し(タイガースレイヤー)』『人喰いオロチ』と呼ばれロキファミリアのエースだった男である。

 一代で実戦空手『神心会』を設立した雄であり世界中に100万人に近い門下生を誇る世界的な空手道場の館長である。

 今はエースの座を二人の子供に譲り、ファミリアを半ば引退している立場にある。

 

「あ、あの『武神』オロチ・独歩・・・本物が、目の前に・・・」

 

 ヘスティアはと言うと生の独歩を見て放心状態になっていたが、すぐに我に返りベルに問いかけた。

 

「そういえばベル君。チャンピオンってロキがキミの事を言ってたけど、それってどういう意味なんだい?」

「そりゃあ決まってるじゃろ。ベルはここのチャンピオンなんじゃ。・・・っと、そろそろセミファイナルが始まるぞ」

 

 ベルの代わりに光成が答える。それと同時に、ドン!と太鼓の音が鳴った。そしてアナウンスが流れ始めた。

 

『青龍の方角ッッ!格闘スタイルプロレスリング!【ガネーシャ・ファミリア】所属ッ!レオパルドンッッ!!!』

 

 青龍と書かれたリングサイドから現れたのは顔を黒い十字で描かれたマスクを被った戦車のような男であった。

 

『白虎の方角ッッ!格闘スタイル大相撲!【ツクヨミ・ファミリア】所属ッ!狼月山ッッ!!!』

 

 対する白虎と書かれたリングサイドから現れたのは、太い相撲取りである。

 

「げ、ゲェーッ!この二人、ファミリア所属の冒険者にしてプロレスのメインイベンターに、大相撲の現役横綱じゃないかッッ!」

 

 その二人を見たヘスティアは余りの驚きに声を上げた。

 

「けどあの二人はベルの前座やで。ベルの試合はこの後なんや」

「ファ!?」

 

 ロキの衝撃の一言に思わず変な声を上げてしまう。

 それもそうだ、今さっき眷属にした兎のような少年があんな屈強な男達の頂点に君臨しているのである。

 

(―ボクは夢でも見てるのか・・・)

 

 思わずそう思ってしまう。・・・無理もない。

 

―ドォン!

 

「お、試合開始じゃ」

 

 光成が言った。ヘスティアは我に返りリングの方を見やった。

 

「グオゴゴゴゴゴゴゴ!!!」

 

 先に動いたのはレオパルドンであった。目の前の狼月山を轢き殺さん勢いで向かってくる。

 

「ドォォォスコォォォォォォォイッッ!!!」

 

 対する狼月山はブチかましの体勢でレオパルドンを迎え撃つ。

 

―ドゴォンッッ!!!

 

 重い音が闘技場内に響いた。

 ダンプカーが衝突したような音である。

 レオパルドンのラリアットが狼月山の顔面を捉えていた。

 このままレオパルドンが追撃するか?と思ったその時である。

 

「ッッ!!?」

 

 レオパルドンが突如、苦しみ始め動きを止めた。

 その隙を突いて、狼月山の張り手がレオパルドンを捉えた。

 

「ドォリャアーッ!」

「ギャアーッッ!」

 

 そしてそのまま、レオパルドンを地面に叩き付けた。

 その音はごしゃッ!ともずごッ!と聞こえた。

 それはレオパルドンの頭部を全体重をかけて押し潰す音であった。

 

 ―ゴパッ!

 

 そしてそのままレオパルドンはマスク越しに血を吐くと動かなくなった。

 

 ―ドォン!ドォン!

 

「勝負ありィ!」

『ワァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!!』

 

 勝負ありの宣言と共に、会場が一斉に湧いた。

 

「いやァ、強い強い」

「え?え!?今ので終わり!?」

 

 試合の一部始終を見ていた光成はそう相手を賞賛した。

 一方のヘスティアは何が起こったのか分からないようだった。

 

「立会いの際にレオパルドンがキン○マを打たれたな」

「ええ、それで動きが止まった隙を狙われたんですね」

 

 何が起こったか分からないヘスティアに独歩とベルはそう解説をした。

 

「き、キン○マ!?そういうの狙うのって反則じゃ・・・」

「残念、反則じゃないんやな~」

 

 ロキの言葉にヘスティアはエッ!?と驚きの声を上げる。

 

「武器以外は何でもありなんよ。つまり、噛み付こうが、目ン玉突こうが何をやっても許されるってもんなんや」

「そ、そんな所でベル君は頂点に君臨してるのか・・・」

 

(―ルール無用のこの闘技場で、恩恵を受けてる冒険者と戦う。・・・道理で初期のアビリティとかがカンストしてる訳だよ・・・)

 

 この地下闘技場のルールを聞き、ヘスティアはそう思った。

 

「それじゃあ、僕はそろそろ控え室に向かいます」

「おお、今日も素敵な試合を頼むぞ~♪」

 

 ベルはそう光成と会話を交わし、控え室に向かおうとした。

 

「オウ、ちょっと待ちなベル」

「はい?何ですか?」

 

 独歩に呼び止められる。

 

「今日の対戦相手はイズミ・宗一郎だそうじゃねぇか」

「はい」

「イズミは強いぜェ」

「はい、僕もそう思います」

 

 笑みを浮かべながら独歩とベルは会話をする。

 

「それじゃあ、僕はこれで」

「ああ、チョット待ちな」

「?」

 

 踵を返し控え室に再び向かおうとするもまたも、独歩に止められた。

 ベルが振り向いた刹那―

 

「かああああッッ!!!」

 

 先ほどまで柔和な笑みを浮かべていた独歩の顔が鬼の形相となった。

 咆哮を上げ、太い腕でベルの顔面目掛けて正拳突きを繰り出した。

 真っ直ぐな正拳突きである。

 ベルは慌てずに後ろに下がった。顔面と拳がギリギリまで近づく。

 

「Chu」

 

 そしてそのままキスをした。そして、パッと独歩から離れる。

 

「ハハッ、すっげェパンチ。激励ありがとうございます!」

 

 笑いながら独歩にそう言うと、ベルは控え室へと向かっていったのであった。

 

「はっはっはっはっは。こりゃあ試合が楽しみだねィ」

「せやなぁ」

 

 そんなベルの背中を見ながら独歩は太い声で笑った。

 ロキもそう言って笑ったのであった。

 

 

 続 く ッ ッ ! ! !




今回登場した他作品キャラ。

・トクガワ・三成こと、バキシリーズより徳川三成=サン。
 前回、名前のみの登場でしたが今回の話で本格的に登場。やっぱ地下闘技場といえば彼が欠かせませんよね。

・オロチ・独歩こと、バキシリーズより愚地独歩=サン。
 主人公範馬刃牙の次に作者が一番好きなキャラクターです。本作の描写を見るとおり眼帯装備ですが、本作で彼の右目をヤったのは勇次郎ではありません。
 じゃあ誰がやったの?と聞かれると・・・、今話すとネタバレになるので言えませんッッ。
 ロキ・ファミリアでは古参で、レベルは6ッ。ウダイオスでもゴライアスでも持って来いやァ・・・。
 それと、本作では克己の他にももう一人養子となってるキャラが居ますヒントはロキ・ファミリアの『剣姫』さんです。

・イズミ・宗一郎こと、餓狼伝より泉宗一郎=サン。
 餓狼伝から、泉先生が参戦ッッ(今回は名前だけだけど)
 後々のストーリーでベル君にあの『奥義』を伝授させる為に登場させました。餓狼伝ファンならきっと分かるはず・・・。

 次回は、ベル君VSイズミ先生ッッ!
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