グラップラー・ベル~オラリオで地上最強を目指すのは間違っているだろうかッッ!?~ 作:じゃすてぃすり~ぐ
遂に、あの拳姫が登場しますッッ!
・・・え?字が『剣』じゃなくて『拳』になってる?
その理由は彼女があるバキシリーズキャラの娘となっているからです。
ではどうぞッッ。
ベル・クラネルが冒険者となって、4週間程の時が経った。
ダンジョンに潜り戦いを続ける中で、ベルは4階層まで潜ることを許されるようになったのであった。
そして―
ベル・クラネル
LV1
力:S2100
耐久:S1850
器用:S1520
敏捷:S1980
魔力:S1920
格闘士:S
《魔法》
【】
《スキル》
【
・常時発動
・あらゆる格闘技、武術を学ぶ事で、それを使うことが出来る。
・但し『気』等を使う武術等は使用者の魔力に依存する。
【
・危機的状況に陥ることにより発動。
・脳内からエンドルフィンを分泌させる事によりステータスが上昇する。
【八極聖拳気功術】
・八極聖拳の気功
・気をコントロールする事で攻撃、防御、治癒に使う事が出来る。
・威力は使用者の魔力に依存。
ステータスが限界突破していた。
たまらぬステータスであった。
「カンストしてる時点でビックリしたけど、真逆限界突破するなんてなぁ・・・」
―やっぱ凄いやベル君は。
そんなベルのステータスを見て、ヘスティアはそう呟いた。
「どうしたんですか?」
「いや、なんでもないよ」
ヘスティアの下にはベルがうつ伏せで寝ていた。
上着は脱いでおり鍛えられた上半身が露になっている。
ステータスの更新をやっていたのである。
ダンジョンへ潜り、モンスターと戦い、ホームへ帰って来た後ステータスの更新をする。
コレが、ベルの日課となっていた。
今日もまた、ダンジョン探索を終えヘスティアの待つホームに帰って来たのである。
ステータスの更新を終え、ベルの背中から降りる。
「で、どうでした?ステータスは」
「うん、順調に上がってるよ」
そう言って、ベルにステータス表を渡した。
「そうですか。・・・ふむ、今日はコレ位上がったのか」
ステータス表を見ながらベルは脱いでいた上着を着る。
そしてキッチンへと向かった。
エプロンを付け、調理場へ立つ。
晩飯を作るのである。
ステータスの更新の後に晩飯を作るのもまたベルの日課なのであった。
(―今日は何にするかなァ。昨日は洋物だったから、和食にするかァ)
ベルは頭の中で献立を決め、早速取り掛かるのであった。
―少年料理中・・・。
「いただきます」
「いただきまーす」
テーブルに置かれた和食・・・御飯、味噌汁、焼き魚と言った料理を前にベルとヘスティアは両手を合わせて会釈した。
「ん~、やっぱベル君の料理は美味しいなァ」
「いやァ、そんな事」
焼き魚を食しながら感想を述べるヘスティアにベルは照れくさそうにそう返した。
武者修行の旅、そしてオラリオにやってきてからスカウトを受けるまでずっと一人暮らしをしてきた手前、自炊を良くやっていたのである。
自分の作った料理が他の人、しかも女性に褒められると言うのは嬉しいものだ。
「特にこの味噌汁とか絶品だよ。毎日飲みたいくらいさ」
「そ、それほどですか」
「うん、これから毎日ボクの為に味噌汁作ってくれよ」
「ホワッ!?」
ヘスティアの言葉にベルは思い切り目を見開いた。
そのベルの反応を見て、ヘスティアはハッとする。
(―そういや極東じゃあプロポーズに『味噌汁を毎日飲みたい』って言うことがあるんだっけ?)
―極東では『自分の為に毎日味噌汁を作ってくれ』と言うプロポーズがある。
とある極東出身の神友T氏が言っていた言葉である。
それを思い出し、ヘスティアは顔を真っ赤にした。
一緒に暮らしていくうちに、ベルに惹かれてる為、いつかは相思相愛の仲になりたいとは思ってたものの、いざ(不可抗力とはいえ)プロポーズをするとなると緊張する。
「あ~・・・えーっとだな、ベル君。ボクが言いたかったのはだね・・・」
「そんなに美味しかったんですか、僕の味噌汁?それなら明日も味噌汁作りますけど」
「アッウン・・・」
しかし、ベル自身には味噌汁発言の真意は伝わってなかったようである。
若干がっかりしながらヘスティアは頷くのであった。
その後、風呂に入り眠りについたのであった。
―翌日。
「来ちゃったよ・・・第5階層」
ダンジョン第5階層、その入り口である階段の手前でベルは呟いた。
本来、ベルは第4階層までしか許されていない。それなのに何故ここに居るのか?
答えは簡単だ。ステータスが上がったことで第4階層までのモンスターではあまりにも弱すぎて相手にならないからだ。
―弱い相手では満足出来ない。
モンスターと戦って倒す度にベルの中に巣くう『狼』がそう叫ぶのだ。
特に今日は一段とその『狼』が吼えている。
その声に根負けし、1階層だけならと現在に至るのだ。
「さて、どれほどの強さなのかな?ここの階層のモンスターは」
これエイナさんにバレたら雷落とされるなぁ。と考えつつ、されどまだ見ぬ強敵との戦いを夢見ながらベルは探索を開始するのであった。
「おかしいな、なんかやけにここのモンスターの数が少ない・・・」
探索を始めて暫くしてベルはそう呟いた。
ここ5階層では、モンスターが圧倒的に今まで探索してきた階層よりも少ないのだ。
―一体何が起こってる?
そう訝しんでいると・・・、
―ぞわり。
全身の毛が逆立つ感覚がした。
ベルは目を見開き目の前の漆黒をただ見つめていた。
漆黒の中には二つの赤い光があった。
やがて、漆黒からそれが現れる。
それは巨漢であった。
筋骨隆々とした大男である。
牛の頭をした大男だ。
無論それは人間ではない。モンスターである。
「―何でこんな所にミノタウロスが・・・?」
ベルがボソリと呟いた。
ミノタウロス
本来なら5階層に出るはずの無いモンスターである。
つまり、駆け出しのレベル1では太刀打ちできないモンスターだ。
(ひょっとして、ここのモンスターが少ないのもコイツに怯えてって事か・・・)
胸中で呟く。
コイツが居るのなら5階層で余りモンスターが出没しないことも頷ける。
そのときである。
「ヴヴォオオオオオオオオオオオオ!!!」
ミノタウロスが吼えた。
並みの冒険者なら震え上がり失禁してしまうほどの咆哮である。
だが、彼が対峙している冒険者はベル・クラネルであった。
ベルは口元にたまらぬ笑みを浮かべながらミノタウロスを見ていた。
餓狼の笑みであった。
何故、ここにミノタウロスが居るのか?そんな事はどうだっていい、重要じゃない。
よくぞ来てくれた!
よくぞ来てくれた!
弱いモンスター相手では満足出来ない自分の下へよくぞ来てくれた。
そう思い笑みを浮かべていた。
ゆっくりとベルは身構えた。
「来いよ」
そう言って笑みを浮かべたまま左手の人差し指をクイックイッと自分の方に向け挑発する。
その言葉にカチンと来たのか、ミノタウロスは唸り声を上げながら石でできた棍棒のようなもの、『ネイチャーウェポン』を振り上げベルに襲い掛かる。
「ひゅっ!」
「ッ!?」
頭目掛けて棍棒を振り下ろす瞬間を見計らい、ベルはミノタウロスの手首を狙い蹴り上げる。
―ごかっ!
鈍い音がした。
骨が外れる音であった。
「ヴァアアアアアアアア!!?」
ミノタウロスが手を押さえ蹲り叫び声をあげていた。
ネイチャーウェポンは遠くに飛んでいっている。
ベルの蹴り上げが、手首に当たり脱臼したのである。
暫くして、ミノタウロスが立ち上がった。脱臼した手首を掴み、それを思いっきり押し込んだ。
―ガチン!
と骨が繋がる音が聞こえた。
「アレ痛いンだよなァ」
そんなミノタウロスを見て、ベルは苦笑しながら言った。
ミノタウロスは手を開いたりしながら確認すると、構えた。
ベルと素手で殴りあうつもりである。
「上等だよ」
そんなミノタウロスを見てベルは笑った。
そしてにらみ合う。
「ヴォオオオオオオオオオオオオッッ!!!」
「雄ォオオオオオオオオオオオオッッ!!!」
互いに吼えた。
そして互いにぶつけ合う。
拳。
拳。
足。
肘。
拳。
足。
肘。
拳。
足。
互角のぶつかり合いであった。
「キャオラァッ!」
ベルの右足が跳ね上がった。
弧を描き、ミノタウロスのこめかみにのびていく。
だが、それを見計らったかの用にミノタウロスのローが、ベルの軸足を叩いた。
バランスを崩す。
ミノタウロスが追撃をしようと向かってきたその時である。
「甘いんだよ牛公ッ!」
「ヴォアッ!?」
左の回し蹴りがミノタウロスの顔面を叩いた。
横っ面を蹴り飛ばされ、ミノタウロスが地面を転がる。
追撃をかけようとベルが動く。
「ヴォオオッッ!!!」
舐めるなとばかりに、ミノタウロスが起き上がると同時に右のストレートを放つ。
「がっ!?」
それはベルの顔面に直撃した。
ミノタウロスの一撃、それはレベル1の冒険者にとっては『死』を意味する。
無論、それは拳でも同じである。
勿論、ベルも例外ではなく拳によって頭部はザクロのように弾け・・・ッッ、否ッ!
「ヴォアアアアアアアアアアッッ!!!」
叫び声が上がった。
ミノタウロスが右手を押さえながら悲痛な叫び声を上げていた。
ミノタウロスの右手は折れていた。
折れた骨が皮膚を突き破っている。
「骨折ぐらいで大騒ぎしちゃってまァ・・・」
声が聞こえた。ベルであった。
ベルは、ゆっくりと起き上がる。
殴られたことにより、頬は赤く腫れ口からは血を流しているが頭部は吹っ飛んではいなかった。
「ひゅっ!」
鋭い呼気とともに、回し蹴りを放つ。
直撃した。
ミノタウロスは吹っ飛ばされかけるも、踏みとどまる。
だが、ベルは攻撃の手を休めない。
「うおおおおおおおおおおおっ!!!」
拳。
拳。
拳。
拳。
拳。
拳。
拳。
拳。
拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳拳。
烈火の如きラッシュがミノタウロスの腹筋に突き刺さる。
ベルはトドメとばかりに右手を大きく振りかぶった。
右手が光り輝く。
ベルのスキル、『八極聖拳気功術』を応用した技の一つ。その名も、
「バーン・・・ナックルッッ!!!」
それを、思いっきりミノタウロスの胸目掛けて振るった。
―ゴシャッ!
直撃。
拳はミノタウロスの胸に深々と突き刺さった。
―ゴブッ!?
口から血を吐き出すと共にミノタウロスは地面に倒れ、動かなくなった。
決着である。
「ふぅ・・・」
息をつき、ナイフを取り出すとミノタウロスから魔石を取ろうとしてふと手を止める。
殺気を感じ取ったからだ。
その方を見やるとミノタウロスがもう一体暗がりから姿を見せた。
「もう一体いるなんてなぁ・・・」
そう呟き、再び身構え動き出そうとしたその時だった。
―ドズッ!
ミノタウロスの胸から何かが生えてきた。人間の手である。
手の細さからして女性のようだ。
それが引き抜かれ、ミノタウロスが倒れると同時にその人物の姿が露となった。
「―大丈夫ですか?」
腰まで届く金髪に金色の瞳の美少女である。
ベルはその少女を知っていた。
とは言っても話に聞いた程度であり、実際に見たことは無い。
「アイズ・O・ヴァレンシュタイン・・・」
名前を呟く。
アイズ・O・ヴァレンシュタイン
大手ファミリア『ロキ・ファミリア』のエース冒険者であり、『武神』オロチ・独歩の娘である。ただし、血のつながりは無く養子だ。
父より直伝された神心会空手を使い、モンスターを屠るその姿から『拳姫』の二つ名で呼ばれている。
(―オロチ館長の娘さんだからもうちょっとゴツい女の子かなと思ってたけど・・・華奢だなァ)
若干失礼なことを考えながらも、ベルはアイズを観察する。
(だけど・・・―強いなこの人。伊達に『拳姫』と呼ばれてはいな・・・)
「あの、大丈夫ですか?」
「ッッ!?」
気がついたら視界いっぱいにアイズの顔が映り、驚く。
「あ、ごめんなさい。怪我、してたみたいだから」
「ああ、大丈夫です。コレは別のミノタウロスにやられたもので。でも、もう倒しましたから」
ベルの反応を見て謝罪するアイズ。
嗚呼そういう事なのか。と苦笑交じりにベルはそう言って倒したミノタウロスを指で指した。
「え?これをキミが倒したの?」
「ええ、魔石はまだ取ってませんけどね」
驚いた様子のアイズにベルはそう答えた。
「おーい!アイズ、こっちはあらかた片付けたぞ。そっちはどうなった?」
声が聞こえた。ベルとアイズは振り向く。
そこに居たのは若い男だ。
身長は180の後半ぐらいだろうか?
体の各部分が鍛え込まれ、太い。
「あ、克己兄さん。こっちも終わったよ、一匹は彼が倒したけど」
アイズが男の名を呼び、状況を説明した。この男もまたベルは知っていた。
オロチ・克己
アイズと同じくロキ・ファミリアのエース冒険者でありオロチ・独歩の息子である。
その余りにも卓越した空手の腕から『近代空手を終わらせた者』と呼ばれており、次期ロキ・ファミリア団長候補に選ばれているとの噂もある。
「彼がかい?・・・その兎のような白い髪に赤い目。君、ひょっとして親父が言ってたベル・クラネル君かい?」
「はい、そうですが」
克己はマジマジと見ながらベルにそう問いかける。
「会えて光栄だよ。・・・それと、この件はすまなかった。ちょっとヘマをやらかしてミノタウロスを逃がしてしまってね。本当に申し訳ない」
「いえ、気にしないで下さい」
そう言って頭を下げる克己にベルは苦笑いしながらそう答えた。
「お詫びと言っちゃアなんだけど、今度奢らせて欲しいんだ。どうかな?」
「いや、流石にそこまでしていただくわけには・・・」
ベルは流石にそこまではいいと断ったものの、それでは俺の気がすまないと克己の押しに根負けし、結局奢ってもらうことになったのであった。
―その帰り道・・・。
「あ・・・、エイナさんにミノタウロスと戦ったこと話したら怒られるかもなぁ」
若干嫌な予感を感じていたのであった。
続 く ッ ッ ! ! !
正直、今回はやっちゃった感が否めない(汗)
それと、皆さんにお詫びをしなければなりません。
前回にて何人かバキキャラを登場させるといいましたが、諸事情により結局克己だけの登場となりました。本当に申し訳ありません。
次回は、バキキャラ等をジャンジャン出していきたいなと思っております。
次回もお楽しみにッッ!