前略、ワタシ:除名処分になりました。   作: 雹竜

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ひっくりかえして、ぺこりんこーん?! (後編)

大量の砂煙が宙を舞い、激しい揺れも段々おさまりを見せ始め、段々と視界は

クリアになってゆく・・。

 

 

砂地に近かった大地は、先ほどの大きな衝撃によって、地割れを引き起こし、硬い岩盤が上下に凹凸し、地肌が見えるほど、大きく抉れ、ネクロス魔装兵団の長であるアルケインの

刀が、抉れたちょうど中心部に、持ち手は上になり、刀身は地面にむかって突き刺さっている。 しかし、当の酒乱・・いや、アルケインの姿が無い事に、魔装兵団一同が信じられないという表情で、周辺を探し始めている。

 

あの衝撃波をしても、古城は無傷でヒビすら入った形跡すら皆無である。。

 

 

すると、一人の兵士の左足首から、何やら不気味に笑うアルケインが地面から這い出てきたではないか。

 

「ひっ、くふふふっ、・・うふっ」

 

アルケイン 「不死身の身体で無ければ吹き飛んで四肢は千切れてミートボールになっていたに違いありません。」

 

「ふふふ、ひホッ、ひっ...」

 

 

兵士A『 アルケイン様!ご無事で、・・何故か腹を抱えて笑ってらっしゃるぞ!』

 

兵士V『ご自身のチカラが、余程の威力になっていて驚かれているのでは?!』

兵士J『それとも...いつもの酒乱による夢遊病?(ブルブル)』

 

アルケイン 「僕に対する声は全て聞こえている。。しばらく剣を抜かずに居たが、腕は錆び付いてないみたいで、何よりですねぇ。しかし、貴様ら・・なぜにワインを開け始めたのだ!!答えろォォ!ぐひっ!・・ひっ、ぶほっ、あは、ははは・・・ワインワインワインワインワインワインワインワインワインワインワイン...」

 

ネクロス兵:「け、景気づけにと・・。いけませんでしたか?」

 

アルケイン:「け、景気づけですって!? バカモノっっ!! ワタクシのおかれている状況を理解できているとでも!? ぐふっ!ぐおあああっ!・・」

 

突如、アルケインが右手を喉に手を伸ばし、掌を押し当て、苦しみだし乱れ始める。

 

ネクロス兵:「・・アルケイン様っ!?」

 

・・いっぽう、少し離れた位置から皿に水をあけている、怪しげな雰囲気。

ランドン古城やその周辺を見ている人物が2つ。

 

 

???:「アルケインは、ナニをしてるのかしらね、ヌーゴ。」

 

ヌーゴ:「拙者には理解できかねるが、禁酒1日目の初日に発作が出るくらいだ。やはりアル中とみて間違いない。」

 

???:「発作て、どんな風になるの?」

 

ヌーゴ:「最初から最後まで面倒見てないから、分からぬが兵の話によると左手が、ずーっとブルブル震えているらしい。」

 

???:「その先は?」

 

ヌーゴ: 「ふむ、クリスティー殿。・・今笑っているアレだ。だが、笑いたくて笑っているんではないらしい。 当人いわく、あれはヒャックリなんだそうだ。」

 

クリスティー: 「ヒャックリ??あれの、どこがよ?」

 

ヌーゴ:「まあ、ヒャックリとしておくでござるよ(・_・;) 発作で、次第に酒の妄想が激しくなり、意識が混乱しだし、仕舞には、剣を抜きだし、暴れ歩きまわるらしい。」

 

クリスティー: 「アルケインは歩く暴れ馬?あれみたいに焼け野原どころか、穴だらけになるって事かしら。」

 

ヌーゴ:「ランドン古城の周辺残状を見れば、一目瞭然でござろう。」

 

クリスティー:「・・なるほどね。で、止める方法はあるの?」

 

 

ヌーゴ:「ないこともない。」

 

クリスティー:「酒、酒言ってるくらいなんだから飲ませればいいのかしら?」

 

ヌーゴ: 「ただの、酒では無理でござる。」

 

クリスティー: 「たとえば?」

 

ヌーゴ: 「たとえば、幻の酒とアルケインが呼ぶ部類に入る酒か、ワインでござろうな。」

 

クリスティー: 「ワインはその辺にあるのでいいのかしら?」

 

ヌーゴ: 「いや、自分で育てた葡萄畑で収穫をして作ったワインか、古い貴重価値あるワインかと思われるが・・・」

 

クリスティー: 「ふん、発作のくせに、めんどうね。」

 

ヌーゴ:「アルケインの暴走は、不老不死ゆえ、止まる事はないでござろう。」

 

 

クリスティー :「カイゼル様がいるじゃない。」

 

ヌーゴ:「国王様に縋るのは、いちばん最後でござろう?」

 

クリスティー:「ランドン古城に魔法障壁があったのは、意外だったわ。な~んにも無い空っぽの城に、まさかの魔法障壁だもの。それも、かなり強い障壁ね。」

 

ヌーゴ:「さすが、大陸の3大英雄の一人、オフェーリアの国...といったところでござるな。」

クリスティー:「この城に何かあるから、魔法障壁が施されてるのかしら。」

 

ヌーゴ:「さあ?拙者にも、見当つかぬでござる。」

 

クリスティー:「アルケインがネクロスで暴れないで、他の国で暴れてくれるなら、クリスティー、他の方法で進軍しようかしら?」

 

 

ヌーゴ:「拙者は寒いから、家に帰って鍋でもするでござる。ゆえに、・・帰る。」

 

 

いっぽう、テントからランドン古城に移動して、難を逃れていた【カイゾク】一行。。

 

 

久幸:「危なっっ・・テントのままだったら、今頃 灰だな・・」

 

音騎:「アキ君(秋山の呼び名)ありがとう。よく、城が安全だって分かったね?!」

 

秋山:「いえ~、フード付きの服を着た、小さなおじいちゃんがこっちだ!って手招きして教えてくださったんです♪」

 

久幸&音騎:「「小さなおじちゃん!!?」」

 

秋山:「ええ、消しゴムくらいの大きさのおじいちゃんでしたよ~?」

 

 

???:「ふーむ、これはどぉ~やら、魔法障壁が城の地下にあることで、衝撃波から、守られてるといふ感じで~ふな。いつの時代のものかは、まだよくわかりませんけど・・(;^ω^)」

 

 

久幸:「やあ、お疲れ様♪なるほど、ということは、ただの古い古城というわけではなかったのは当たり・・かな?」

 

秋山:「ほこりかぶったワイン瓶も、沢山ころがっていますんで、何かに使えればいいんですけど・・(;'∀')」

 

音騎:「市場で売りさばいてもいいんですけどね・・船に運びますか団長?」

 

久幸:「うーん・・ちょっとその瓶をよく観察してみようか?」

 

 

ぽくぽくぽくぽくぽくぽく・・・・ちーん。

 

 

 

to be continued・・・・・。


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