今回はタイトル通り、オリ主君が夢を見て軍の入隊試験を受ける話です。
戦闘シーンは苦手なのでうまく書けているかはわかりません。
では、どうぞ
夢を見ている。そう理解できたのは目を開いて直ぐだった。寝る前に一瞬確認した部屋ではなかったから。
これってあれか?お馴染みのあれか?でもこんなとこ来た記憶はないんだがなぁ。
夢は記憶の整理だって聞いたことあるからなぁ。
辺りを見回す。どこまでも続く白い部屋。俺以外は人影はない。
『━━━━か』
「ん?」
声が聞こえてきた。微かだが誰かの声が。
もう一度辺りを見回す。しかし、やはり誰もいない。
どこかに潜めるような空間もありはしない。遮るものは何もない。どこにいるんだ?
『━━━━━な━、━━━に━━かけ━━る』
「?」
言葉が途切れ途切れでうまく聞き取れない。ただどこにも居ないみたいだ、と言うのはわかった。
頭に響く声に気味悪さを感じつつもしっかりと声を聴こうと耳を澄ませる。
『━━━━んだ。━━、━れは━━━だ━━。━━━━さま━━━━れかわ━━━━━。』
聞こえない。だが内容は部分的にだが何故か理解できる。俺は死んで、あの世界に転生させられたらしい。これが月夜見の言う特別なものなのか。
さらに内容を聴くためにより耳を澄ませる。
『━━として、操る━━、と━━━━能力、を━━ける』
徐々に聞こえるようになってきた。どうやら二つの能力を授けられたみたいだ。それが何かは一つしかわかっていないが。操る、とは文字通りの意味だろう。
ただ、もう一つが良く聞き取れなかった。が、何かの能力なのは確定的なのだが、今一理解できない。
『━━の━憶━━━れるが一度━れば━部だけ━━━』
何となく予想がつくようになってきたし理解できるようになってきた。記憶は消えるが眠りにつけば一部、思い出すらしい。これで合点がいった。何故忘れていて、今この場で夢に見ているのかを。
『━あ、━覚めよ。━━━。貴━まを━待つ━━で』
意識が遠退いていく。夢の終わりを告げている。待て、まだ肝心なところを聞けていない。俺の、な…ま………え。
ガバッと起き上がる。辺りを見回す。先程の空間は全て消失していた。代わりと言ってはなんだが寝る寸前に視界に入れた部屋は広がっている。
聞き出せなかった。俺の名前。別に執着があるわけではないが、やはり記憶は全て思い出せるのであれば思い出したい。
「モヤモヤする」
操る能力とは何か?もう一つの能力とは何か?さっきの奴は何者なのか?何故俺はここに転生させられたのか?考えれば考えるほど深みに落ちていく。答えが出ぬまま家のチャイムが鳴る。誰かが来た。来ると言えば八意か月夜見だが、立場上月夜見はあまり人目につきたくないだろうからおそらく八意だろう。そう言えばと、昨日月夜見が八意に軍の庁舎に案内させると言っていたからそれだろう。ベッドから降り、寝起き特有の目眩を感じつつも玄関を開けた。
「おはよう、良く眠れたかしら?」
「おはよう、お陰さまでぐっすりだよ」
「そう、それはよかったわ。今日は軍に案内するのと、多分、入隊試験か何かがあるから動きやすい服装でね」
動きやすい服と言われてもな、俺はこれしか持っとらんのよ。まあ、これ自体が動きやすくていい服なんだが。これでいいだろう。Tシャツ七分袖パーカーにジーンズという結構ラフな格好だ。意外とこれが動きやすいんだわ。まあもっと動きやすいのはジャージなんだは生憎と持っていない。今はな。
八意に着いて歩くこと数分、月夜見の所よりかは小さいがそれでもこの都市じゃあ大きいと言っていいだろう建物に着いた。
「ここよ、話は通してあるから、後は勝手にやってちょうだい」
「え、何て言えばいいんだよ」
「私の名前を出したら通じるはずよ。」
「んな、アバウトな」
まあ命令は案内だけだからな。この対応は仕方ないし、まだ今一信用されてないってことだろう。一応補佐を頼まれてるからこれから嫌って言うほど絡むだろうけど。一先ずそれは置いておこう。今は目の前のことに集中しろ。八意は踵返してまた何処かに行っていた。
「さてと、行くか」
中に入ろうとしたらブザーが鳴った。したら文字が目の前に浮かび上がった。えっと、何々?関係者以外は立ち入り禁止です、?これってあれか音声認識なあれか?
「八意から話がいってると思うんだが」
【少々お待ちください━━━━━━━失礼しました。ナナシ様ですね。どうぞお入りください】
扉がひとりでに開いていく。ホントに近未来ねここ。
物珍しげにキョロキョロとしながら歩いていると呼び止められた。聞くところによるとどうやらここの隊長さんらしい。庁舎内に見知らぬ男、つまり俺が歩いていたから八意に聞いていた奴だと思って声をかけたそうだ。
「着いてこい、入隊試験だ」
それだけ言うと俺の横を通りすぎて一つの部屋に入る。俺もついてその部屋に入ったが、中には軍に入っているであろう全員が揃っていた。ほほー、こんなに多いのか。パッと見三百はいるけど。でももっといると思ってた。
「隊長、そいつが今回の入隊希望者ですか」
「ああ、そうだ。しかも八意様と月夜見様の推薦だそうだ」
周りがざわめく。あの二人は都市のトップ2と言っても差し支えない地位にいるんだろう。そりゃあざわつくに決まってるか。見知らぬ男がトップの二人に推薦されてるんだからな。集団の中から三人ほど出てくる。
屈強でいかにも強そうなやつらだ。入隊試験っtwそう言うこと?いや、動きやすい服の時点である程度はわかってたけどさ。
「この三人と戦ってもらう。試験は戦闘の立ち回り、能力をみる。いいな」
「了解、うまく立ち回って勝てばいいんだろ?」
パーカーの袖を捲る。俺の言い回しに少しイラついている様子の三人。はは、戦闘は始まる前から始まってるって良く言うけど、ホントだな。激情を煽れば攻撃が単調になるし読みやすくなる。軍人ってのは常に冷静じゃなきゃダメなんじゃなかったか?
「全員位置についたか?ルールは何でもあり、制限時間はなしでは、試験開始!」
開始の合図と共に一人が光線銃を、二人は走ってきた。おいおい、二人はまだいいけどもう一人はいいのかよ!何でもありとは言えさすがに危ないだろ!と思っていたのも束の間、背筋がゾワッとしたので半身になる。瞬間、俺の頬を焼く感覚がした。触ってみると少し焦げたのだろうか?煤がついて触った指は真っ黒になっていた。そんなことは気にせずに尚も突進を止めない二人。あれま、ちょっとカチンと来たね、これ。ちょっくら本気でやってみるか!
まずはそうだな、奥のやつからやろう。突進してくる二人は跳んで躱して後頭部を思いっきり蹴って銃を持っている奴に向けて跳ぶ。蹴った奴らは顔面から盛大に転んでいた。銃を持っているやつは何故かかなり慌てている。勇んで出てきたからてっきり実戦慣れしてると思ってたんだが対人戦は初めてなのかな?何で出てきたんだよこいつ。ま、そんなことだったら簡単なことだな。銃を弾いて落とす。
すでに銃持ちの目の前に来ている。慌ててはいるがしっかりと銃口を俺に向けている。頑張ってるねー、意味ないけど。引き金を引こうと指が動いた瞬間、銃を蹴り弾く。そして素早く銃持ちの首を取り締め上げる。それだけで気絶した。
さてと、あと二人
最初に突っ込んできた二人も実戦経験はあっても対人戦は初めてなのだろうさっきと同じように突っ込んできている。馬鹿の一つ覚えかよ。まあ相手があの狼とかなら問題ないだろうけどさ。人間とか知的生命体相手だと通用しないんだよね。
突進してくる、と言ってももちろん速さにムラがある。だから速い方から対処しようと思う。足が速く、先に殴りかかってきた奴の腕を取り投げる。もう一人の方はしゃがんで足を払う。走っている途中で重心が安定していなかったから簡単に転んだ。そのまま後頭部を掴んで床に叩きつける。意識は飛んだようだ。
投げた方は少しは考えたのか直ぐには来ずに俺の様子を伺っている。
口角を吊り上げる。床を思いっきり蹴る。それだけで俺は男の目の前に出ていた。突然のことで反応ができていない男の鳩尾に掌底を叩き込む。白目を剥いて気絶した。
「終わったぞ」
呆然としていた隊長が勝ち名乗りを上げた。
如何でしたか?最後らへんはちょっと走り気味になってしまいましたが見事、オリ主君は三人同時に相手取って勝つことができました。
結果が気になるところですが今回はここまで。次回も見てくださいね!