東方狩猟日記   作:犬兎

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地底からの脱出

 

 チルノがアイスソードを回収したその頃、地上はリオレイア討伐の真っ最中だった。つがいであるリオレウスが死んだことを知ってか、お燐と文に容赦ない攻撃を加えてくる。もともと飛龍と戦う準備などしていなかった二人にとって、この状況はあまりにも危険な状況だ。

 

「やっぱり炎は効きにくいのさ」

 

「私の弓も効果が薄いようです。護身用のハンターボウでは、さすがにリオレイア退治は無理がありますか」

 

 せめて妖怪の能力が通用すればまだましなのだが、飛龍などの力のあるモンスターには妖術は効果が薄く、まるでダメージを与えることは出来ない。当然、リオレイアほどの実力となれば妖術でのダメージは皆無。物理的に攻撃して倒す以外に方法はないのだ。

 

「こうなりゃ、一か八か。―――捨て身覚悟で叩き切る!」

 

 不意にお燐がリオレイアと距離を詰める。尻尾での攻撃を真横に飛んで回避すると、刹那、その尻尾を切り落とした。お燐は切り落とした尻尾を足で踏みつけ、倒れているリオレイアを挑発する。

 

「さあ、今度はお前をこんがり肉にしてやるのさ」

 

 

 

 

 そんな戦いが地上で行われていることも知らず、チルノはお空と共に地上を目指していた。地底の妖怪たちもお空がいれば近寄ってこないらしく、あっという間に地上へと到着した。しかし、地底の出入り口はリオレウスによって塞がれてしまっている。「ほかに出口はないのか」と訊ねるチルノにお空は首をかしげた。

 

「私が知ってるのはここだけ。他にもあるのかもわかんない」

 

 どうやらここで文が助けてくれるのを待つしかなさそうだ。チルノは「しょうがないか」とその場に座りこんだ。しかしお空は何かを思いついたのかリオレウスの頭をぺたぺたと触り始める。そして天井の岩を指で擦っていたかと思うと、突如、羽織っていたマントの中から巨大なボウガンを取り出したのだ。

 

「な、何をする気ですか!?」

 

「氷精のお姉さんは下がってて。―――拡散弾と鉄鋼榴弾で無理矢理吹き飛ばすから」

 

 そして躊躇なくリオレウスの頭に鉄鋼榴弾を打ち込んだ。お空のボウガンは巨大なヘヴィボウガンだ。発射の威力もすさまじいが、鉄鋼榴弾の爆発もチルノの想像を遥かに上回っていた。天井が崩れてこないか心配になるのだがそんな心配をよそに、お空は続いて拡散弾を放つ。周囲が爆発し、大きく周囲が揺れ崩れ始める。

 

「だ、大丈夫なんだよね!?」

 

「大丈夫。死んだらお燐が死体コレクションに入れてくれるよ」

 

 「お姉さん肌きれいだもの」と予想の斜め上を行く答えが返ってくる。どうか落盤で生き埋めになりませんように、とチルノには祈ることしか出来なかった。

 

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