東方狩猟日記   作:犬兎

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究極鬼畜・フランドール編
紅魔館ギルド


 少し未来の幻想郷にはモンスターと呼ばれる生物が幻想入りしていた。

 これはモンスターの住処となった幻想郷で、たくましく生きている少女たちの物語・・・。

 

『東方狩猟日記:究極鬼畜・フランドール編』

 

 

 紅魔館。かつて吸血鬼の住む館として恐れられたその館はモンスターの幻想入りの影響を受け、いまや人間の住処のひとつとなっていた。あれだけ恐れられていた吸血鬼も、人間にとってはモンスターほどのものではなかったということだ。モンスターの幻想入りから十年が経過した今となっては、もはやかつての怪しげな雰囲気はまるで無く、むしろレミリアが退屈しのぎで始めたハンターギルドの影響により多くの人々が集まるようになっていた。

 

 紅魔館ハンターギルドのクエスト依頼掲示板の前は初心者ハンターたちのたまり場だ。霧の影響により大型のモンスターなどめったに現れない紅魔館ギルドはハンターになりたての新人たちが大勢所属している。そのせいか練習相手の小物狩りのクエストはギルドで最も需要のある依頼となっている。

 しかし、そう小物ばかり依頼が来るわけも無く、ハンターたちは目当てのクエストをこの場で奪い合うことになる。血気盛んな若手ハンターにとって、最初の戦場はまさにこの掲示板前なのだ。

 

 

 しかし、そんなハンターたちも彼女の前では道を開ける。

 それが、この紅魔館ギルドで長生きするための秘訣であった。

 

 

 今日も彼女は朝一番の賑わいを見せる掲示板前に一番遅くやってきた。最初は新人ハンターたちも彼女そっちのけで掲示板のクエストを品定めしているのだが、彼女が一番後ろにいたハンターの肩をぽんぽんと叩き、美しい笑顔で「おはよう」なんて言うと、ハンターたちはすぐさま彼女が掲示板前まで通れるよう道を開ける。これが朝の紅魔館定番の風景だ。

 彼女の名はフランドール・スカーレット。紅魔館ギルドのギルドマスター、レミリア・スカーレットの妹であり、幻想郷でもトップクラスのハンターである。

 掲示板に張り出されるクエスト依頼状は彼女より先に触ってはいけない。これは紅魔館の中でも暗黙のルールとなっていた。今日もフランは朝一番に張り出されたばかりの依頼状を眺め、面白そうな依頼を探していた。

 

「湖のブルファンゴ退治、名産品のカスミソウの採取、今夜のおかずのサシミウオを釣って来い・・・どれも楽しくなさそうだなぁ」

 

 「今日は随分不作じゃない」と受付で本を読んでいるパチュリーに話しかけた。パチュリーは「仕方ないわよ」と答える。

 

「誰かさんがランポス狩りしちゃったせいで、すっかりモンスターが寄り付かなくなったんだから」

 

「ぶー。私が悪いって言うの?」

 

 フランは頬を膨らませつつ受付の机の前にしゃがみこんだ。右手で頬杖ついて左手でパチュリーの髪を撫でながら、猫なで声で「依頼ちょーだい」と言ってみる。しかしパチュリーは完全無視。この紅魔館ギルドでフランに対してここまでの態度が取れるのは彼女くらいのものだった。

 しかし、掲示板の周りにいる新人ハンターたちは気が気ではない。なぜなら、パチュリーが構ってくれないと周りに八つ当たりしだすからだ。

 

「じゃあいいもん。今日は訓練がてら新人くんの育成でもしようかしら」

 

 フランは腰に携えた鞭を手に取り、周りのハンターたちを品定めする。怯える新人ハンターたち。それを見たパチュリーは「しょうがない子ね」と一枚の依頼状を取り出した。

 

「幻の特産品、紅霧キノコの採取?」

 

 パチュリーは頷き、地図を取り出した。

 

「紅魔館から西に数キロ行ったところに、森があるのは知っているでしょう?」

 

「紅霧の森でしょう? スカーレットの一族が知らないわけが無いわ」

 

 紅霧の森。スカーレット家の力の源でもある紅霧が立ち込める、いわばスカーレットの聖地ともいえる森だ。紅魔館周辺地域の中でも、唯一大型のモンスターが生息する危険地帯であり、紅霧の影響を受け、凶暴化した上位・G級の飛龍も多く生息しているという。

 

「そこの最深部にだけ生えているっていう幻のキノコよ。それを探してらっしゃい」

 

 明らかに楽しそうな依頼じゃないか。フランは目を輝かせて頷いた。それと同時に「何でこんないいの隠してたのさ」とパチュリーに訊ねる。

 

「あの博麗霊夢の依頼だからよ。―――自分のギルドに任せればいいのに、明らかに胡散臭いじゃない」

 

 しかし、そんなことフランはお構いなしだ。「ついでにG級のモンスターでも退治してこよう」と意気揚々と愛剣のレーヴァテインを携え、屋敷を出て行く。その姿を見送って、パチュリーは「はい」と手を叩く。

 

「悪魔は去ったから、好きなクエストを持って行きなさい」

 

 

 こうして、今日も紅魔館ギルドの一日が始まるのだった。

 

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