フランとルーミアが刃を交えている頃、レミリアは紅霧の森へ向けて空を飛んでいた。レミリアは「一人でいい」と言ったのだが、それを聞き入れなかった博麗霊夢がレミリアのすぐ後ろを飛んでいる。
「日傘がないと死んじゃう奴が、モンスターと戦えるのかしら?」
「紅霧の森は我がスカーレットの聖地。日の光を遮り、吸血鬼も自由に活動できるんだよ」
なんて厄介な森だろうかと霊夢は笑う。しかしそれならばレミリアの心配をする必要はなさそうだ。
しばらく飛んでいると森全体が赤く染まった場所が見えてくる。あれが紅霧の森かと霊夢が周囲を観察していると突如レミリアは急降下して森の中に突っ込んだ。何かを見つけたのだろうか。霊夢が後を追うと、その刹那、耳障りな雄叫びが森中に響き渡る。
「レミリアっ!」
レミリアは耳を塞ぎ、身動き取れない。その隙をモンスターは見逃さなかった。電撃を纏いながら突進するモンスター。その攻撃はモンスターとレミリアの間に割って入った霊夢がガードする。
レミリアがランス使いで助かった。咄嗟にレミリアの背中からランス用の盾を奪い、強力な一撃を受け止めることに成功する。
「―――フルフル―――の亜種、かしら?」
紅霧の森に相応しい紅色の体をしたモンスターだ。レミリアは「運がないわね」とため息をつく。
「森の中なら日傘もいらないからって、考えなしに突っ込むもんじゃないわね。―――よりにもよって紅霧の中で最も視認しにくい奴が潜んでいるとは」
レミリアはランスを構えてフルフルを睨みつけた。霊夢は盾をレミリアに返し、少し離れて状況を観察する。
「このレミリア様に勝てると思わないことねっ!」
刹那。レミリアが突進攻撃で一気に勝負をかける。
「レミリア、迂闊よ!」
咄嗟に霊夢が防御用のお札を展開し、レミリアの動きを阻んだ。結界に阻まれて急停止するレミリア。「邪魔をするな」と叫ぶが次の瞬間、フルフルが全身から電気を放ったのを見て、冷や汗ひとつ「助かったよ」と苦笑いした。
「レミリア、ここは私に任せて頂戴」
霊夢はレミリアの前に立ち「フルフル退治は慣れてるから」と言葉を付け足した。口元を緩め、レミリアは「しょうもない嘘をつくな」と返事する。だが、その言葉は信用できるものだと彼女は判断した―――するしかなかった。今は一刻を争う。こんなところで余計な時間を食っている訳には行かない。
「フランを助けたら、加勢しに戻る」
レミリアは再び空を飛び、今度は上空からフランを探すことにする。残った霊夢はレミリアの言葉を反芻し「何が嘘なものか」とニヤニヤ笑う。片手剣を構え、フルフルの様子を伺っている。
「フルフルベビーはいい金になるのよ。それに、こいつの素材もね」
幾度となく『氷の女王』に追い返されても冬山に登り続け、倒した数は百を超える。博麗神社のギルドマスターにして伝説のフルフルハンターである彼女にとっては、亜種といえどあまりにも手馴れた相手。
「さて、ひと稼ぎしましょうかね」
(あとがきは12/09に追加したものです)
どうも、私です。
とりあえずフラン編完結までの構想は完成したのだが、一向に書く暇がないのですぜ。とりあえずまとまった時間ができるまでは更新停滞かな・・・?
さて、今回の登場人物まとめはモブキャラとして登場したオトモ小悪魔のククリさん。最初の構想ではオトモではなくハンターとして登場させる予定だったんだけど、話が複雑になるので変更していたりする。ちなみにハンター設定だった頃はアリシナというライバルハンターがいて、フランの相棒の座を争っている設定だったりもしたが、レミリアの影が薄くなりすぎるのでボツにした。
●ククリ
二つ名:『吸血鬼の妹の小間使い』
武器:片手剣
所属:紅魔館ハンターギルド・オトモ小悪魔
詳細情報:幼い頃のフランと瓜二つの容姿を持つ小悪魔。フランと契約しオトモ小悪魔として紅魔館ギルドに所属している。性格は臆病でかなりの小心者だが、趣味のドレス作りに必要な素材を手に入れるためならどんな危険なクエストにもついてくる。