ギィィィィィィ....
扉は少し錆び付いていて開けにくかった
「ふぅ...何とか開けられたぜ」
それにしても埃っぽい、霊夢が如何に掃除をサボっているのがすぐに分かる有り様だ
「さて、何かお宝はあるかなぁ~?」
蔵の中には壺やら巻物やら古文書など、いかにも年期の入った物が沢山置いてあった
最初は酒を探していたがこの様子では恐らく酒など無いだろう、以前にやった宴会の時に全て飲んでしまったんだと思う
しかし、それ以前に私は周りの巻物や古文書に目をひかれた
中には堂々と「博麗奥義集」などと書かれた本もあった
「お、面白そうな本見っけ」
早速私はその博麗の奥義が書かれているであろう本を手に取った
「ん~?...成る程」
成る程とは言っているが内容は半分も理解出来ていない
相当古いのか文字は達筆すぎて読めない
魔道書の解読は日頃やっているが流石にこれはやりたくない 恐らく解読しても私に扱える技など載っていない無いだろう
「...ほ、他のも見てみるのぜ」
気を取り直して私は他の書物を見てみる
しかし、他の本もどれもこれも達筆で全く読めない、しかもほとんど初代博麗の巫女辺りが書いたものらしく言い回しも古典的で読んでいても面白くない
「どれもこれも同じのばっかだなぁ」
不満を口にする
私は最初の期待を裏切られ苛々していた
酒も無く興味のある書物があっても全て達筆で読めない
「少し奥の本も見てみるか...」
そう言って私は手前に置いてある無駄に高価そうな壺をどかして奥の書物を手に取る
「お!これは...」
その本は結構新しく字も多少達筆だが読める
「やっとまともな本が出てきたぜ...よし、早速読むか」
~少女読書中~
「...こ、これは」プルプル
その本は先々代が書いたものらしく内容はとんでもないものだった
「ま、まさかこれって...」プルプル
私の肩が小刻みに震える
「これって...」プルプル
「ポエム集じゃねーか!!」
その本には先々代が生前に書いたと思われるポエムが坦々と続いていた
「確か先々代の巫女って歴代の博麗の巫女の中でも最凶って言われてたんだよな..その巫女がポエムって...プププ」
「あははははは!」
「な、なんだこれwww 蝶々が綺麗 とか 花が可愛い とかwww」プルプル
「...」プルプル
チラッ
「あははははは!」
予想外すぎた、まさか先々代の巫女がポエム集を書いていたなんて
「あははははは!...はぁ」
一通り笑った私はその本をもとある場所にそっと戻した
「...」
「なんか...ごめん」
冷静になると少し申し訳ない気持ちが出てきた
「...次で最後にするか」
何だかこれ以上蔵の中を漁っても何も進展は無さそうなので次に見つけた本を最後にしようと私は棚の奥に手を伸ばした
「うーん、もうちょい奥かな?」
手前の本を退けながら取り敢えず奥の本を目指して手を伸ばす
すると
カタッ
「ん?何だこの感触?箱か?」
棚の一番奥に手を伸ばすとそれは本ではなく箱の様なものに手が触れた
「取り敢えず引っ張り出すか」
今度は両手を使い、慎重にその箱?を引き出す
「...箱...だな」
それは長細い木箱だった
妙に新しくご丁寧に蓋には「開けるべからず」と書いてあった
「開けるなって書いてあったら開けたくなっちゃうよなぁ...えい!」
私は迷うこと無くその木箱の蓋を開けた
今思えばそこで大人しく箱を棚に戻しておけば良かったのだが、その時の私は一切迷うこと無く蓋を開けた
「ん?...これは...」
てっきり河童の腕や鬼の腕などの呪物かと思ったのだが箱に入っていたのは...
「...巻物?」
その巻物は蔵に置いてある他の巻物とは違い手入れをされているようで綺麗だった
誰かが管理をしているのだろうか?
「巻物か...まぁいいや、これを読んで蔵の探索は終わりにするぜ」
巻物の表には「博麗血筋をここに記る」と書かれていた。要するに家系図だ
「家系図か...そう言えば霊夢の親の事全く知らないな」
考えてみれば私は霊夢の母親も父親も全くしらない
母親は先代の巫女だと思うが父親の事は全く知らない
霊夢本人の口からは勿論 紫からも父親の事は一切聞いたことがなかった
「気になるな...」
霊夢には悪いとは思ったが、私は興味の方が大きく早速その巻物を破かない様にゆっくり開けた
「...」
最初の方には初代博麗の巫女の事が記されており、博麗家の大元の人物のようだ
「......ん?」
しかし気になる事があった、
初代博麗の巫女の子供として次の巫女の名前が記されている が、その父親が書かれるはずの所が何故か空欄になっているのだ
まるで父親は存在していないことになっているかのようだ
「なんで父親の名前が書かれてないんだ?」
気になるも私は巻物をゆっくり開いていく
「...」
巻物には次々と今までの博麗の巫女の名前が書かれている
が、全ての巫女に父親の名は書かれていなかった
私は少し恐怖を覚えた 当然だ本来家系図には父親、母親、子供 と書かれるはずなのだ
しかし、その巻物には「女性の名前しか書かれていない」そんなのはあり得るのか?
(まさか本当に父親はいないのか?)
とも思ったがそんな事はありえない と先程の考えは絶対にないと思った
しかし巻物には父親の存在など全く書いておらずまるで母親だけで子供を生んだ様に書き記されていた
しかも今までの博麗の巫女全員がそうであるかのように
「どういうことだ?」
巻物を開けば開くほど謎は深まる
そしてとうとう私の知っている名前が書かれている所に来た
「霊夢...」
当然の事ながら霊夢も博麗の巫女である以上ここに名前が書かれている
「霊夢の名前があると言うことはこれで書かれているのは最後か...」
そう言い私は巻物を一旦元に戻そうと一度巻物の芯の部分を引っ張る、すると少し緩んでいた巻物が開く
するとそこには今までの博麗の巫女とは違う事が書かれているのに気がついた
霊夢の名前の上に小さく「姉」と書かれており、霊夢の隣にはその妹と思わしき名前が書かれていた。霊夢に姉妹がいたことにも驚いたがすぐにその驚きは打ち消され、私は驚愕の事実に我が目を疑った。
それは驚く以前に頭が真っ白になる程の内容だった
「...なんで霊夢の妹の名前が魔理沙なんだ」