俺は、農業がしたかっただけなのに……!   作:葉川柚介

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飛竜戦艦、復活(ただし、エルくんに首輪をつけられて)

 オラシオ・コジャーソは、極めて優秀な人間である。

 飛空船、飛竜戦艦を作り上げた技師としての腕前はもちろん、ほぼ身一つでコネクションもない状態から自身の能力を認めさせ、責任ある地位に上り詰め、国家の軍略に多大な影響を及ぼすに至ることを、これまでに2度行った。

 己の欲望に極めて忠実。欲望達成のために手段を選ばず、人目を気にせず傍若無人ではあるが、世界を変え、時代を塗り替えた傑物であることは紛れもない事実である。

 

「とは言われましてもねぇ~、飛竜戦艦はもうどうしようもないんですけど」

 

 それでも、できないことはあった。

 たとえば、マギウスジェットスラスタが大破した飛竜戦艦を修理すること、である。

 方法自体はなくもないが、いつでもどこでもできるわけでは決してない。現在の雇い主であるパーヴェルツィーク王国に対してその辺りしっかりと説明はしたのだが、まともに通じているかどうか。

 話は理解しているだろうが、はいそうですかと受け入れられる状況ではないようだ。

 もっとも、オラシオからすれば知ったことではない。

 飛空船にせよ飛竜戦艦にせよ、あくまでオラシオの目的のための通過点。その先にこそ用があり、ここに拘泥する必要はない。無理難題ばかりを押し付けてくる雇い主なら切り捨てることも選択肢のうちだ。

 とはいえ、オラシオの能力を正しく評価してそれにふさわしい地位に据える度量を持った相手が貴重というのもまた事実。面倒は多いが、それなりの信用もできる、中々どうして判断の難しい局面であった。

 

「コジャーソ卿! まもなく殿下がいらっしゃいますので、お迎えのご準備をお願いします」

「殿下が? また激励の類ですかぁ? お言葉は一応ありがたいですが、それで仕事が早まるわけじゃないんですけどねぇ」

 

 この、王女からの期待とも督促とも取れるお目見えもどうしたものか。

 オラシオとしては全く必要のない時間の無駄ではあるが、権力者との縁があること、それを周囲に知らしめることはそれなりに効果がある。その辺りの匙加減に悩むヒマなどないというのに。

 

「……いや、どうやら今回はそうではないらしい。詳しくは殿下から直接聞いてくれ」

「へぇ?」

 

 しかも、わけのわからない話が来る予感がするのだから、なおのこと。

 

 

◇◆◇

 

 

 しばし待ったオラシオの前に現れたのは、フリーデグント王女とさらに3人。いずれも見覚えのない顔だった。

 人の顔などあまり気にする性質ではないが、飛竜戦艦に関係のある技師や要人の類ではないことくらいはわかる。だが、だとしたら一体何者で何をしに来たのか。

 その答えは、すぐに出た。

 

「コジャーソ卿、飛竜戦艦の運用権限をエチェバルリア卿の国と分け合い、そのための修復も共同で当たることとなった。ついてはここからの修復作業はこの者たちと力を合わせて臨んでもらいたい」

「……はぁ!?」

 

 いくつかの予想を、全て裏切る形にて。

 

「いや、お待ちいただけませんかねぇ殿下。飛竜戦艦ですよ? その修復に他国の人間を……? いやさ、そもそも何ができるというんですかねぇ?」

「……以前、クシェペルカの魔槍を放って見せた高速船。アレを、飛竜戦艦の失われたマギウスジェットスラスタの代わりとする」

「!?」

 

 そこか、と唸る。

 パーヴェルツィーク王国最大の強みたる飛竜戦艦。現在その最大の弱みとなっている、マギウスジェットスラスタの喪失。それを埋められる、と言われれば拒否することはそうそうできない。

 高速船については、オラシオも少しだけ見た。一緒にいた「鳥」に気を取られてあまり記憶に残ってはいなかったが、飛空船でありながら竜闘騎の追跡を振り切った出力は十分に飛竜戦艦のマギウスジェットスラスタの代替たりうるだろう。

 なるほど、逃げられない。どうやら、向こうには相当の交渉上手がいる。どれだけ主導権を握られてこの結論に至ったのか、想像するだに恐ろしい。

 

 だが、そう悲観したものではない。ここは現場であり、すなわちオラシオの領域だ。

 飛竜戦艦設計者にして総責任者の権限をフルに利用して、派遣される他国の技師に適当な難癖をつけてマギウスジェットスラスタを取り上げてしまえばいいだろう。

 なにせオラシオ・コジャーソは自他ともに認める程度には傍若無人。話した相手をうんざりさせることにかけては人後に落ちない自負がある。

 

 

 オラシオ・コジャーソはそう思っていた。

 極めて不名誉ながら正しい自己認識である。

 

 ただ、足りない。

 我を貫き通すという点において、オラシオすら超える変態がいるという可能性を、想像できていなかった。

 

 

◇◆◇

 

 

「こちらがエチェバルリア卿……あー、エルネスティとアデルトルート。そしてアグリ・ボトルだ」

「よろしくお願いします。国元では騎士団長と幻晶騎士の設計・建造をちょっとしていましたし、飛空船も少し関わっていましたのでお役に立てればと思います」

「エルくんのお嫁さんのアデルトルートです! よろしく!」

「どうも、農民です」

「……んん?」

 

 飛竜戦艦のそばに用意された、技師の人たちのスペースに連れて来られた俺たち。

 紹介された責任者のオラシオさんは身なりがちょっとだらっとした、浮世離れしているというか技師としての腕以外は放り投げているような雰囲気の人だった。

 デキる人だと思う。能力以外の全てを無駄と断じてしまっているような気がするけど。

 

「飛竜戦艦と竜闘騎はサイズと運用こそ異なりますが本質的には似たものですよね? 任せてください。既に何機かバラして構造は把握してありますから」

「エルネスティ、目的を忘れ始めていないか?」

「ご安心ください、飛竜戦艦の修復は我が国とパーヴェルツィーク双方にとって現在の至上命題。もちろん忘れていませんよ。ですが、そのためにはしっかりと構造とシステムと性能を把握しなければいけませんから! それだけですから!」

「……ということだ、コジャーソ卿。エルネスティは見ての通りだが、お前ならば必ずや御すこともできるはず……!」

「いえ、『ということ』ではなくですね?」

 

 あ、王女殿下がぶん投げた。

 エルくんの相手なんてやってらんねーぜ感がうっすら漂ってませんか。

 「化け物には化け物ぶつけんだよ」みたいな目をしてる気がするんですけど。でも、その化け物は他の化け物にぶつけたら変な合体してもっとヒドいことになると思いますよ。

 

「それでは、ひとまず飛竜戦艦の構造を見学させてもらってもよろしいでしょうか! バラしたりはしませんので! 中に潜りこんで調べるだけです! 先っちょだけでいいですから!」

「え、えぇまあそのくらいなら……。とはいえ、修復作業は現在も進んでますからねえ。その邪魔だけはしないでくださいよぉ?」

「はいもちろん! では、僕はちょっと中から調べてくるので先輩は外の確認をお願いします」

「わかった。損傷個所を見ておくよ」

 

 お願いします! の声とともに、アディちゃんの腕から解き放たれたエルくんは魔法ですっ飛び、飛竜戦艦の装甲の隙間に潜り込む。虫みたいでちょっと気持ち悪い、とか思ってないよ?

 

「……殿下、アレが本当に役に立つんですか?」

「役には、立つだろう。立ちは、するだろうな……」

 

 王女殿下がげっそりしている。さもありなん、二人がどの程度正しく認識しているかはわからないが、エルくんがフリーハンドで解き放たれてしまった以上、飛竜戦艦のハード、ソフト両面で構造を把握することは確定事項だ。

 ぶっちゃけた話、下手するとエルくん式の飛竜戦艦が作られかねない。もちろん、その飛竜戦艦は人型への変形機能くらいつくことになるだろうけど。

 ともあれ、こうなったからには飛竜戦艦の修復は確実なものとなるだろう。その果てにどうなるかは不明なんだけどね。情勢と、そしてエルくんの匙加減次第。いよいよもってこの浮遊大陸の未来が不安で仕方ない。

 

 だからこそ、俺は俺でやることやっておこうか。エルくんが内部構造を把握してくれるから、外から見た方が分かりやすい損傷状況の確認と、それに基づく修復プランの大枠でも考えておくかなー。

 というわけで、メモ片手に飛竜戦艦の周りをひとまずぐるっと見てこよう。

 

 

 ……なんか、あんまりこの場にとどまっちゃいけないような気がするんだよね、なぜか。

 オルヴェシウス砦で普通に仕事をしているとき、何か面白いことを思いついたエルくんが格納庫の方からすっ飛んでくるときのような変態の波動を感じるんだよ。

 

「……それはそれとして王女殿下、あちらの農民という人はなぜいるのです?」

「エルネスティがどうしても必要な人材、として名を挙げた。きっと相応の技量を持っているのだろう。……あと、エルネスティよりは常人寄りのハズだ。たぶん」

「そうなんですねぇ。……あの人を見ていると、不思議と心がザワつくというか妙な胸騒ぎに襲われるのですが」

 

 その波動の出元は、たぶんオラシオさん。さっきからじーーーーっと俺のことを見ているっぽい。目が合うの怖いから振り向けない……!

 

 

 ともあれ仕事は仕事だ。

 内部構造とシステム回りはエルくんが見てきてくれるから、俺は周囲をぐるりと回って外観や寸法、損傷状況を把握しておく。

 事前に設計図の写しは簡単に見させてもらっていたので大体は頭に入っているが、あくまで開発時の情報。

 損傷によって穴が開いたり部品が曲がったり外れてなくなっていたりといった情報はこの目で見て行かないとならない。

 近くにいたパーヴェルツィーク側の技師の人たちにも話を聞かせてもらったりして、情報を集めていく。

 

「すみませーん、あっちのブローエンジンと翼についてちょっと教えて欲しいんですが」

「あぁ、なんだい?」

「主翼の角度についてなんですが……」

「それなら、多少ぐらついてるが今は……」

 

 飛竜戦艦は現状最強クラスの兵器だが、ベースはマギウスジェットスラスタで機動力を強化した飛空船だ。その辺り、俺もエルくんの周りでちょいちょい関わってきたし、ガルダウィングの知見もある。

 パーヴェルツィークの人たちとの情報交換もサクサク進み、やはり左舷側のマギウスジェットスラスタは本当にどうしようもないということがはっきりしてきた。

 これ、もう根元の辺りからばっさり切り落として黄金の鬣号をくっつけるしかないな。解っちゃいたけど、本当に修理のしようが全くない。

 

 ……ということをしている俺の後ろを、なぜかオラシオさんがずっとついてきている。

 振り向かず、横を向いたついでにちらっと目だけで様子をうかがうと、相変わらずつかず離れずの距離で俺を見ている。

 特に口をはさむわけではなく、しかしずっと近くにいる。

 おかしい。どうしてそんなに俺のことを気にするんだ……?

 

 

 オラシオ・コジャーソ。

 それは忘れられない名前の一つだ。

 もう数年前になる、クシェペルカ王国の救援。侵略してきたジャロウデク王国がクシェペルカに対して圧倒的優位に立てた理由の一つである飛空船。その開発者の名前として、ノーラさんたち藍鷹騎士団の調査した資料に記載されていたことを覚えている。

 当時俺が知りえたのは名前くらいで、技術力のほどは飛空船の解析結果なんかから推測するしかなかった。だから人となりについては今日初めて知ったようなものなんだけど、どうやらエルくん並みに一筋縄ではいかない人らしい。

 

 

「そこのあなた。えーとぉ、アグリさんでしたっけぇ?」

「アッハイ」

 

 そんな人から声をかけられたこの瞬間。

 かつてライヒアラ騎操士学園で学生やってたころ、図書室で初めてエルくんに声かけられたときのことが脳裏を過ったのはなぜなんだろう。

 

「なかなかいい目の付け所をしてますねぇ。飛空船のことをわかっている。騎操士という話でしたが設計もできるんですか?」

「ええ、多少は。エルく……団長ほどではないですがいくつか幻晶騎士を設計したこともありますよ」

「……幻晶騎士ぉ? それにしては飛空船のことに詳しいですね? てっきり飛空船技師かと思ったのですが」

「いやあ、実は普通と違う幻晶騎士を作ることが多くて。ライオンみたいなのと、車輪で走るのと、鳥みたいな空を飛ぶのを作ったんですよ」

 

「……………………鳥ィ?」

 

 その声を聞いて、ゾっとした。

 振り向けば、大きく大きく見開かれたオラシオさんの目がばちりとかち合った。

 なにあれ怖い。しかも、両手をワキワキさせながらじわじわ寄ってきてるんですけど!?

 

「それは、もしかして、マギウスジェットスラスタで空を飛ぶ、鳥のことですかぁぁぁぁ?」

「え、ええそうですが……?」

 

 何この反応!? お仲間ですねあははーくらいになるかなと思ってたんだけどめっちゃ興奮してる!?

 

「へえぇぇぇぇえ、そうだったんですねえ。あなたが、あなたが、あの……鳥を作ったと、言うんですねえええええええええキエエエエエエエエ!!!!」

「ギャー! とびかかってきたー!?」

 

 もやしみたいに細い体が、バッタのように跳ねてきた。なにこれ怖い。俺、そんなキレ散らかされるようなこと言ったっけ!?

 ……まあ、オラシオさんは普通に技術屋一筋の人らしくて大したことない動きだったから避けて終わりだったんだけど。これでも俺、農民としてついでに騎操士として普段から体張ってますんで。

 

「忘れもしませんよ、初めてあの鳥を見た日のことを! 私の作った飛空船よりも高く! 速く! 飛ぶなどと!」

「えぇ……そんな理由……?」

 

 顔面から地面に突き刺さり、泥も落とさないままこっちを睨んでくる目の血走ってることよ。

 そうか……この人はこういうタイプなのね。

 自分の技術命、飛空船命の職人肌。自分こそが一番であるという強烈な自負があり、それを傷つけられれば許さない。

 俺が上だ、俺が一番だ。そういう矜持が人の形をした生き物。

 たぶん、エルくんと同じタイプの人なのだろう。

 

 ……俺からすれば面倒極まりない八つ当たりでしかないけどさ!

 

「わかりますか、あの鳥を見たときの私の怒り……! まあ、積載量とか航続距離とかどう考えても私の作った飛空船の方が上ですが! 上ですが!!」

「あー、はい。そうですね? それに飛竜戦艦なんてのもありますし! すごいですよオラシオさん! いよっ、空の第一人者!」

「…………ふむ、道理というものがわかっているようですね? これで勝ち誇ったようなこと言うのならここで雌雄を決しなければいけないところでしたが」

 

 そしてヨイショがちょっと効いた! セーフ!

 オラシオさんは直前まで全く気にしていなかった顔やら服やらの泥をパタパタと落とし、満足そうな表情を浮かべ始めた。ものすごく切り替え速いなこの人。

 

 その後、オラシオさんを宥めすかしながら飛竜戦艦の情報を聞いたりなんかもしてみた。

 かつて、ジャロウデク王国でも建造した飛竜戦艦(ヴィーヴィル)。その技術蓄積と戦訓を元に開発されたこの飛竜戦艦(リンドヴルム)は飛空船と竜闘騎との連携を前提として建造されている。

 艦体の構造はますます効率化され、積載量の増加、独立可能な艦との連結機能も備えた多機能さと、それを複雑すぎない運用を可能にするシステム面。それらを実現してのける辺り、なんだかんだでこの人もエルくんに負けないくらいの技術力を持っているようだ。

 

「……だからこそ、修理するなら私の手で直したかったんですがねえ。政治が関わると面倒でいけません。やれやれ、こんなところで立ち止まっている暇はないというのに、上手くいかないものです」

 

 そのうえ、忠誠心というものがまるでなく、自分自身の目的というものが別にあるらしい。

 かつてこの人がジャロウデク王国に飛空船をもたらしたことは、エルくん印の幻晶騎士技術が盗み取られたこと以上に大西域戦争を引き起こす原動力になったと思う。

 クシェペルカ侵攻に同行していたらしいというのは、当時藍鷹騎士団のくれた資料で読んだ記憶がある。飛竜戦艦が出てきたことも考えるに、それは事実なのだと思う。

 それでありながら、クシェペルカでジャロウデクが敗北したあと忽然と姿を消し、身柄を確保することができなかった。

 今こうしてパーヴェルツィークの技術者として収まっているところを合わせて考えると、敗戦濃厚と見るやなんの未練もなく逃げ、持ち前の技術と実績をパーヴェルツィークに売り込んで今の地位に納まったのだろう。

 

 つまり、「もしパーヴェルツィークに居づらくなれば、ためらうことなく飛び出して別の所でまた飛竜戦艦を作る」可能性を示している。

 ……仲良くなりたくはないけど、かといって全く伝手がない状態で放り出すのも心底怖い。

 魔王と遭遇した時も思ったけど、この大陸は本当にヤバい人ばかりいるなあ。

 

 ……まあ、その筆頭はうちのエルくんなんだけどね!

 直接的間接的に、オラシオさんにも小王にも勝ってるし!

 敵じゃなくてマジでよかったと思います。

 

 

「あの鳥は許せないと思っていたんですが、こうして一時的にでも協力関係になったのならいい機会です。あなたの鳥についても教えていただきますよぉ……いろいろと、ねえ?」

「お、お手柔らかにお願いしますね……?」

 

 ついでにもう一つ。

 オラシオさんは、ガルダウィングが自分の飛空船を超えるものと見なして強く執着していたのだという。

 それはもう、いつか必ず叩き落してやるとばかりに。かつて最初の飛竜戦艦と戦った時に風の法撃で吹き飛ばされたことがあったけど、あれはまさしく対ガルダウィング専用に作り、装備したものだったのだと。

 それだけの怒りと敵愾心を、自分の上を行くとみなしたものに抱いたという事実。

 

 ……少しだけ、考える。

 もし、将来。なにかがまかり間違って。

 俺がまた新しい幻晶騎士を作ったとして。

 

 それを見たエルくんが、「負けた」と思ってしまったら。

 

 

 どんなことが起きるのかを見せられたような気がして、少しだけ恐ろしかった。

 

 

 

 

「……むっ! なんだか先輩が誰かにたぶらかされている気配が!?」

「突然出てきてどうしたのエルくん……ていうか油で真っ黒だよ!?」

 

 同じころ、飛竜戦艦のちょうど反対側でエルくんとアディちゃんがそんな会話をしていたと後で聞きました。

 そんなニュータイプじみたエルくんを俺が超えるなんて無理だろうから、気にしなくていいとも思うんだけどね!

 

 

 

 

 その後、飛竜戦艦の中身を堪能して機械油でべっとべとの真っ黒になっていたエルくんは、まず風呂で体を洗わねばということでアディちゃんに連れ去られて行った。

 こうなるともうお開きにするしかないということで、各自今日得た情報を持ち帰って検討することになった。

 現場仕事の突貫作業で、飛竜戦艦のマギウスジェットスラスタを乗せ換えるという大仕事、急ぎとはいえ解析と設計の一つもしないとできるものじゃない。

 本来ならその辺りも相応の時間がかかることになるが、エルくんならまあ大丈夫だろう。

 

 

◇◆◇

 

 

「ということでオラシオさん!  図面引いてきました!」

「……昨日の今日でですかぁ?」

 

 ほらね。エルくんが一晩でやってくれました。俺も手伝いましたけども。

 ちなみに今日は黄金の鬣号とそこに搭載されている幻晶騎士ももりもりと連れてきている。エルくん的には既に作業を進める気でいるからだ。まあ、急ぐに越したことないからできることは強行するくらいの勢いで進めた方がいいのだけど。

 

「……おかしいですねぇ? マギウスジェットスラスタを乗せ換えるだけの作業のハズなのに、なぜこの図面では飛竜戦艦にあの飛空船がくっついているんですかぁ?」

「王女殿下も仰っていましたが、最終的な目的は飛竜戦艦の運用そのものの分割です。そのためには、黄金の鬣号の航行能力を喪失させるわけにはいきません」

「…………」

 

 オラシオさんは心底イヤそうな顔をして黙り、設計図に目を落とす。

 これやべーな政治の匂いがする、という顔。気持ちはとてもよくわかります。ちなみにその話を持ち出したのはエルくんですからどうしようもないと思います!

 だが、そこで沈黙を選べる辺りオラシオさんもやはり只者ではない。技術者としての能力以外に、政治を理解する、利用する術も身に付けているようだ。……エルくんが二人いるみたいで怖いなあ!

 

「それはまあ、よしとしましょう。ですが開発経緯の全く異なる2隻の船を、それぞれ独立させたまま動かすとなると操縦系はどうするんです? 言っておきますが、こちら側にはこの場で制御術式を構築できるような人材はいませんよぉ?」

「そこはもう、僕自身が。実は少々得意ですから!」

 

 ワタシハスクリプトチョットデキル、みたいなことを言いながらもエルくんはあっという間に了承を取り付けて飛竜戦艦へと飛び乗った。装甲に穴が空いている辺りに降り立ち、中から銀線神経を引きずりだして掴めば、それすなわちエルくんがシステムを掌握したという証。

 既に昨日のうちにある程度システムに潜って内容を把握していたのもあって、俺としては飛竜戦艦の命運終わったな感しかなく。

 

「それでは、まずは大破したマギウスジェットスラスタを外しましょう。ということで、アディ! 先輩!」

「はーい」

「場所は教えてねー」

 

 アディちゃんが乗ったカルディトーレがバカでかい剣を担ぎ、ついでに俺の乗ったカルディヘッドがこれまたデカい腕を見せつけたせいだろうか。

 

「……待て待て待ってくださいよなにをするつもりですか!? その、あからさまに工具ではない物を何に使うつもりですかぁ!?」

「マギウスジェットスラスタ周りの強化魔法を解除して、切り落とします。こうなるともう邪魔ですから」

「はああああああ!?」

 

 オラシオさんの絶叫は、飛竜戦艦の断末魔にも似て。

 竜の王との戦いでも傷こそ負ったものの腐食の霧以外では致命傷には至らなかった装甲の一部、左側推進器の根元が剣の一閃に抵抗の余地なく断ち切られ、そのまま地面に落ちて再起不能なレベルで砕けた。

 

「な、な……っ!」

「さて、すっきりしましたね。それでは先の作業を進めましょうか」

「私はカルディトーレ片付けてくるねー」

「エルくんはマギウスエンジンの方をよろしく。俺はこの辺片付けがてら使える資材より分けて接続部分を用意しておくから」

 

 この一件を境に、オラシオさんからエルくんの行動に口を出そうという気配がなくなった。

 呆れた、諦めた、黙っている、というわけではない。進捗は確認するし、質問されれば答えてもくれる。だが自分で何かしよう、手を出そうという風ではなくお手並み拝見とばかりに観察している。

 エルくんがいつも通りやらかした結果心が折れた……のかと最初は思ったがそういうわけでもなさそうだ。

 冷静に、真剣に、見定めている。そんな目をしているように見える。

 

 そんなオラシオさんからの有形無形のサポートがあった、ということだろうか。

 パーヴェルツィーク側からの協力を受けられ、意見交換の際の熱いやり取りやエルくんの無駄な熱量にドン引きされるなどはあったものの、特に大きな問題なく作業は進む。

 結果、ほどなくして黄金の鬣号接続の作業は大詰めを迎えた。

 オラシオさんの意見も採用して、連結機構は強化魔法を使う前の構造的強度も十分に持たせた形に。

 あとはエルくんの側で魔法術式(スクリプト)を組めばおおむね完了となる。ハードとソフト両面ともに実装後の調整は必要だが、完成は間近になってきた。

 

 

 その余裕を見て取ったからだろうか。

 オラシオさんが話を持ち掛けてきたのは。

 

「……なるほど、あなたの目的は空の『果て』、純エーテルの満ちる真空であると」

 

 エーテルとは何か。

 それを研究していた一族の出身であるオラシオさんは、研究成果の一つとして得られた浮揚力場(レビテートフィールド)をもって飛空船を開発。それを世界に売り込み、得られた地位と権力、技術を以てさらに高い空の彼方を目指しているのだと。

 

 エルくんはそこで、俺に一瞬目配せをする。

 エーテルと魔法のあるこの世界はかつての常識が通じない部分もあるが、あくまで「そういう物質、現象がある」というだけで物理法則が異なっているわけではない。

 オラシオさんが見たいと望むその行先にあるものは、大体予想がつく。

 

「真空、真なる空。……いい。良いですねぇ、その言葉の響き。とても気に入りましたよぉ! そう、まさに私の望みはそれ! この空の果て、エーテルの深きを越えた先! そこにある景色を! 私はこの目に焼き付けたいいィィィ!!!」

 

 ……たぶん、この世界には幻晶騎士というロボットがあることを初めて知ったエルくんはこんな感じだったんだろうなあ。そう思わせるのに十分な狂気が、オラシオさんにはあった。

 こういう人に付き合うとろくなことにならないんだよねえ!

 

「……ふぅ。失礼、興奮しました。ですが、まだ足りません。飛空船をどれだけ高性能にしても『果て』には届かない。他にもまだ手を講じる必要があります。……エルネスティ。そしてアグリ。あなたたちとなら、それを得られる。『果て』を目指しましょう! 私と、共に!!」

 

 アディちゃんにブロックされながら、それでも燃える瞳で手を差し出した。

 オラシオさんはこう見えて天才だ。エルくんの知識と技術が合わされば、宇宙空間への到達も不可能ではないかもしれない。それはそれでの一つの行き先では、あり。

 

 

「お断りします」

「ついでに俺も」

 

 

 エルくんはニッコリ笑顔で、断った。

 そして、俺もまた。

 

 

◇◆◇

 

 

「ハァ? 幻晶騎士ぉ? 農業ぉ? そんな小さいものにこだわっているんですかぁ? それよりも果てに至ることの方がはるかに価値が高いでしょうにいぃぃぃ!」

「……へぇ」

「…………そうですか」

 

「あっ」

 

 言葉を交わすということは、互いの距離が近づくことを保証するものではない。

 オラシオさんの望むところは「果て」、すなわち宇宙への到達。そのためならば全てを切り捨てて顧みない。ただそのためだけの機構を作り上げる。

 そこには人型ロボットも、母なる大地にて農業をするという崇高な使命も無駄と断じられるわけで。

 

「はぁ。仕方ないですねえ、見込み違いです。とりあえず、飛竜戦艦の修復だけはしっかりやってくださいよぉ?」

「ええ、それは一切の手抜きなく」

 

「エルくんの笑顔が怖い」

 

 アディちゃんは徹頭徹尾エルくんを抱え込んだまま、しかしさっきからドン引き気味だ。

 さもありなん、オラシオさんはさっきからエルくんとついでに俺の地雷を秒間16連打している。アディちゃんとしては、そんなオラシオさんがこの場を生きて帰れるか心配になってるのだろう。

 ……でも、どうして俺にも同じような目を向けてるんだろうね?

 いやだなあ、俺はキレてないよ。俺をキレさせたら大したもんだ。

 まあ、今日までパーヴェルツィークの人たちにお世話になってるお礼代わりに料理持ってきてて喜んでもらえてたけど、最近さすがに節約が必要になってきたんで明日からはパーヴェルツィークの人たちへの差し入れ料理は持ってこないことにたった今なったけど。

 

「じゃあ、そういうコトで。やれやれ、2人揃って見込み違いとは面倒ですねえ」

 

 一方、話題の中心であるオラシオさんは既に俺たちへの興味を失ったらしい。拍子抜けとばかりの顔でぺったらぺったら足音を鳴らして去って行く。

 あとに残されたのはエルくんとアディちゃんと俺。言葉はなく、それぞれの作業に戻り。

 

「……エルくんも先輩も、アレでいいの?」

「ええ、何一つ問題はありません。……幻晶騎士を舐めたことはいずれ必ず後悔してもらいますが」

「人は畑から離れては生きていけないってことを明日から思い知ってもらおうかなって」

「あの人、絶対敵に回しちゃいけない人を怒らせたことに気付いてないんだろうなー」

 

 俺とエルくんの心は珍しく一つとなった。

 おそらく、この世界の人類は俺たちの生きている間くらいには宇宙に到達することになるだろう。

 そのときオラシオさんが狂喜乱舞しているか悔しさで憤死するかは、まだわからないけれど。

 

 

◇◆◇

 

 

 後の時代における面倒の種は確実に蒔かれたものの、飛竜戦艦の修復は順調に進んだ。

 廃材利用も込みで黄金の鬣号との接続機構が完成し、エルくんの側で制御術式もほぼ完成。残りは実際に連結させてテストしながらの調整という段階だ。

 

 その旨は既にパーヴェルツィークにも通達されているから、詳細の説明と実地での調整を飛竜戦艦側の艦橋でやることになっている。

 

「エチェバルリア卿、修復の状況は?」

「万全でございます。とはいえ少々変わった部分もありますので、ご説明させていただければと」

「うむ。では、グスタフ」

「はっ、飛竜戦艦起動準備!」

 

 フリーデグント王女殿下の言葉を受けて、艦橋の人たち、そしておそらく飛竜戦艦内各所で慌ただしくも淀みなく動き出す。なかなかの練度を感じる、素晴らしい乗組員たちだ。

 このまま、生まれ変わった飛竜戦艦への慣れは必要ながらすぐにも飛び立ち、再び空に翼を翻す。

 

 ……と、思っていたのだろうが。

 

 

 艦橋が驚愕と不安のざわめきに満ちた。

 

「駄目です! 魔力転換炉(エーテルリアクタ)出力上がらず! その他各機能も応答なし! 飛竜戦艦、浮上できません!」

「な、なにぃ!?」

 

 今回の改修はあくまで失われた機能を補うためのもの。起動手順、操作方法などは変わらないようにすると決められていて、しかし動かないのならば、それは。

 

「どういうことだ! 直すどころか壊れているではないか!!」

「ところで、貴国との取り決めは『飛竜戦艦の操縦権の分割』でしたね?」

「話を聞けぇ!!」

 

 こちらの仕事に間違いがあったと考えるのはわからないでもない話。

 だが、エルくんに限ってそんなことはあり得ない。

 

 もっと厄介なことが起きるということを、念頭に置いておくべきだった。

 

 

 グスタフさんの怒りをさらりと流し、笑顔のエルくんは船長席に座して「あー、またなんかやらかしたんだなこいつ……」みたいな目をエルくんに向けていたフリーデグント王女の前へと進み出る。

 恭しく跪き、懐から取り出したのは一振りの短剣。

 素材は銀。彫刻の施された、実用には向かない儀礼用のもの。

 特に理由もなく刀身から柄にかけて竜が絡みついているデザインに俺としてはとても見覚えがあるのだが、まあエルくんの趣味なら仕方ないよね! ああいうの作ってくれと言われたパーヴェルツィークの鍛冶師さんは災難だったろう。1日かからず作る辺りさすがのドワーフだったけども。

 

「こちら、我が国の幻晶騎士には標準装備されております機能、紋章式認証機構(パターンアイデンティフィケータ)の鍵でございます。これをそちらの溝に差し込むことで初めて魔導演算機が動きます」

「……なるほど、鍵か」

 

 得心がいった、という王女殿下の表情に、グスタフさんはひとまず叫ぶのをやめた。

 鍵で動くようにした、それなら問題もなかろう、と。

 

「ええ。これと同じものが黄金の鬣号にもありまして、両方の鍵が差し込まれている状態でなければあらゆる機能が動きません」

「……ッ! 『飛竜戦艦の操縦権の分割』。そういう意味か……!」

 

 閉じた口があんぐり開き、しかし声も出ないままになるまで、そう時間はかからなかったけど。

 一蓮托生の運命共同体。これが一致団結の二人三脚になるか、互いの喉元に刃を突きつけ合ったせめぎ合いになるかは、乗り込む人間たちの心次第と言われて、安心できるほどの信頼関係があるか、否か。

 銀剣に侍る竜の目が問いかける難題に、艦橋に揃ったパーヴェルツィークの人たちの表情が曇る。

 

「これでしっかり半分こですね!」

 

 その中心で、ただ一人。

 エルくんだけはいい頓智を決めましたとでも言いたげに笑っていたのだけども。

 

 

◇◆◇

 

 

 青い空には白い雲。

 高空を埋め尽くす雲海は穏やかで、そこにぽつりと一つの黒い点が姿を見せても小さなこととばかりにあるがまま。

 

「ぬおおおおおおお!? エチェバルリア卿! 少しは抑えんか!?」

「王女殿下、しっかりお掴まりくださいいいいいいい!?」

 

 ただし、黒い点こと飛竜戦艦にしてみると、機体性能の限界近い加速と急上昇からの水平飛行への移行をしたので中の人たちはしっちゃかめっちゃかなのですが。

 ふわっと内臓が持ち上がるような気持ちの悪い浮遊感は、上昇加速の慣性が消えたことによる一瞬の無重力。

 飛竜戦艦の中にいると忘れそうになるがここは空の上なのだと、地に足のつかない人跡未踏の領域なのだと否が応にも思い知らせる現象の一つを味わい、飛竜戦艦の艦内いたるところで身も世もない悲鳴が上がる。

 

「フフフンフフフンフフフンフン♪」

「まわせー」

 

 なお、その下手人たるエルくんはツーカイに海賊っぽい鼻歌など歌いながら操舵輪をぶん回しているのだが。

 思わず合いの手入れちゃったよもー。

 エルくんの操縦は、見た目は操舵輪を回しているだけだが体を固定するために打ち込んだワイヤーからの直接制御もしていると思われる。

 たった一人の操縦で、飛竜戦艦が急上昇と急降下、加速に減速、ついでにバレルロールや宙返りもしてのけたし。

 刻一刻と床が傾き天地がひっくり返り、固定していなかった荷物があったのかどんがらがっしゃんとあちこちから聞こえてくる艦橋の中はしっちゃかめっちゃか阿鼻叫喚の様相を呈していた。

 

「……ふぅ。満足しました。操縦感覚も大体わかりましたし、お返ししますね」

「きっ、貴様……!」

 

 なお、こうまで飛竜戦艦のことを掌握したということは、エルくんは以後どこからでも直接制御術式に潜り込んで同じ操縦をできるという意味でもあるのだが、多分パーヴェルツィークの人たちは気付いていないだろう。知らないって幸せだよね。

 

「エムリス船長ッ! 今の操縦はなんだ! 修理が終わって早々に飛竜戦艦を壊すつもりか!?」

『質問の意味がわからんな。エルネスティならば性能を把握したうえで出来る範囲の無茶しかしない。緊急事態となったとき、可能なことは全てするのは当然だろう。そのための確認に過ぎんぞ』

「……貴国にとって、あの操縦は十分耐えうる想定の範囲内だった、と?」

『んぁー…………想定内、とは言えんな。エルネスティの行動が想像の範疇に収まった試しはない。が、どうということはあるまい。俺とて騎操士の端くれであるしな。……というか、そちらにいるアグリを見て見ろ。どうせピンピンしているだろう』

 

 伝声管を通してエムリス殿下とやりとりしていたグスタフさんが、「え、マジかよお前」みたいな目で俺を見てくる。

 やめてっ! そんな顔しないで! 俺はただの農民ですから! ただ、ちょっとエルくんのやり方に巻き込まれ慣れてるだけで!

 

 ちなみに、話題の中心であるエルくんは声をかけられないのをいいことに、なんか遊んでる。

 さすがに音は出さないけど口笛吹いてるような顔で右へ、左へ操舵輪をぐるんぐるん回しながらつま先でとんとんとリズムを取っている。見ているだけで世界が崩壊しそうなヤバさを感じるからやめて!

 

 

「ともあれ、これにて飛竜戦艦は完全復活です。……では、参りましょうか。あの光の柱の元へ」

 

 機動が落ち着いた飛竜戦艦の近くへパーヴェルツィークの飛空船と竜闘騎が寄ってくるのを確認し、エルくんがいよいよ本題に入った。

 飛竜戦艦は、エルくんが玩具にするために復活したわけでは決してない。ない。はずだ。

 本来の目的は、浮遊大陸上の人類戦力を結集してあの光の柱について調査・対応すること。

 鬼が出るか蛇が出るか、魔王が出るか師団級魔獣が出るか。

 

 穏やかに終わる事だけはないだろう。

 この青い空も、しばらく見納めになるかもしれない。

 そう思うのも仕方ないくらいの胸騒ぎは、既に渦巻いていた。

 

 

◇◆◇

 

 

「あーもー! なんで俺がハルピュイアの村への伝令係なのかなー!」

「私との使命はイヤだというのか!?」

「そういうんじゃなくて! ……まあ、飛竜戦艦はしばらくエルのおもちゃになるだろうから、そっちに連れていかれた先輩よりはマシか」

「そうなのか? センパイ、というあの地の趾はエルネスティに負けず劣らずだと思うが」

「それはある。でも先輩も大変なんだぞ? なにせエルに気に入られてるからなあ……。あと、本隊との合流ももうすぐだ。ヘルヴィさんに見つかったら、どうなるか……」

「……エルネスティとともに小さい飛竜や船を下したあの男を上回る者までいるのか、お前たちの巣には!?」

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