英雄伝説 時幻の軌跡   作:にこにこみ

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あけましておめでとうございます!

遅れながらも新年初めての投稿。 今後ともによろしくお願いします。


83話 決着

ブリオニア島では《Sの血族》7人と、レト達3人が実験の名目で戦いを繰り広げていた。

 

「洸円牙……せいやあっ!!」

 

ラウラを中心に渦が巻き、7人全員を引き寄せ……強烈な回転斬りでまとめて薙ぎ払った。

 

「おおー! 強烈〜!」

 

「いいわ、姉さん……欲しくなっちゃう」

 

「っ……」

 

ニラウラに嫌な視線を向けられたラウラは身震いをおこし、悪寒を覚える。

 

それから逃げるように3人は洞窟に入り、追撃してきたラウラ達をレトとエマが攻撃する。

 

「……このっ」

 

「む?」

 

「よっ……お?」

 

「砕破剣!」

 

「えいっ!」

 

ヨンラウラ、ニラウラ、サンラウラ、が反撃に出たが……天井に大剣が突き刺さってしまった。 狭い洞窟では大剣は満足には振るえない。 その隙にレトとエマが攻撃を仕掛ける。

 

「邪魔です!」

 

ラウラ達をかき分けるようにナナラウラが前に出る。 彼女は他と違い片手剣。 洞窟に阻まれる事なく剣が振るえる。

 

レトとナナラウラが駆けながら剣を振るい、斬り結んで行く。 技量は当然レトの方が上だが、ヴァルキュリアの力の恩恵のおかげで筋力では負けている。 しかし、レトは技で上手く力を受け流し、彼女を疲労させて行く。

 

洞窟は狭いため他のラウラ達も襲ってこず、一対一で相手する事が出来た。 だが……

 

「むぅうー!! めんどくさいなーー!!」

 

「え……」

 

「ちょっ!?」

 

痺れを切らしたロクラウラが力任せに大剣を振り回して突風が起こし、ナナラウラごとレト達は洞窟から吹き飛ばされ、島の反対側に投げ飛ばされる。

 

「なんて力技……!」

 

「私まで巻き込まれているんですが……」

 

「あ……」

 

一緒に吹き飛ばされたナナラウラが岩肌から飛び出したとんがりに服を引っ掛けて宙ぶらりんになっていた。

 

後から洞窟から出てきたラウラ達に発見されると、ロクラウラが人目も隠さず大笑い、他は笑いをこらえていた。

 

「……はっ!」

 

「ふぅ……全く……」

 

「ごめんごめん」

 

ヨンラウラによって助け出される中、レト達はどう対抗するべきか頭を悩ませる。

 

「エマ、なんか使えそうな魔術とかないの?」

 

「そ、そんな都合のいいのは流石に……」

 

「見たところそこまで連携が取れている訳でもない。 戦術リンクで攻めるのがよかろう」

 

「でも単純に力負けしてるからなぁ。 押されると確実に負ける、ちょっと危ないけど……」

 

左手に持つケルンバイターを握る力を込め……宝玉が光を発してレトに力を与え。 髪の色が橙色から淡い金髪に変色する。

 

「ぼくがなんとか押さえ込むから、その間に各個撃破をお願い!」

 

「あ!」

 

「おい、レト!」

 

止める間もなくレトは駆け出し。 今度は3人の分け身を使い、ラウラ達と剣を交える。

 

分け身はそう何度も使える戦技ではない。 一体作るだけでもかなりの技術と神経を使う……もうこれ以上、増やすことも出来ないだろう。

 

『朧月陣……!』

 

『洸翼陣!』

 

お互いに身体能力を高め、時折ラウラとエマが援護に入り込もうとするが……ラウラ達の身体能力が予想を上回り、決め手に欠けていた。

 

「はあっ!」

 

「よっ!」

 

「……ふっ!」

 

分け身を狙った地裂斬の延長にレトがおり、さらに本体を狙った地裂斬がレトに三方向から迫ってきた。 衝撃自体は避ける事が出来たが……

 

「ていっ!」

 

「ふんっ!」

 

「ぐっ……かはっ!」

 

一気に間合いを詰めてきたロクラウラとニラウラの不意打ちによる蹴りからの鳩尾に膝蹴りを喰らってしまった。 肺から空気を吐き出し、

 

「ぐっ!」

 

「あっ!!」

 

それが一瞬の隙を与えてしまい。 他の分け身に一太刀浴びせられ消滅……ラウラとエマに狙いをつける。

 

「ま、待て……!」

 

「君の相手はワタシ。 めんどいけど」

 

追いかけようとするレトをサンラウラが立ち塞がり、彼女達はラウラとエマを引き剥がし、執拗にラウラを狙う。

 

「やっほー!」

 

「ぐっ……」

 

「ふん」

 

「うあっ!」

 

全方位からの滅多打ちに抵抗するも次第に崩れて行き、傷ついて行く。

 

「そこを退け!」

 

「お断り!」

 

「ラウラさん!」

 

「行かせない」

 

救援に使おうとする2人をサンラウラとハチラウラが妨害。 レトも長期戦の疲労が重なり、無闇に分け身も出来ず突破は難しかった。

 

「はあっ!」

 

「ぐうっ!!」

 

その間に、下から潜り込むようにナナラウラが接近、跳躍と同時に切り上げ。 それによって大剣が打ち上げられ、懐がガラ空きになる。

 

「これで……」

 

「おしまい!!」

 

「がっ……!」

 

そこへニラウラとロクラウラの2人の大剣が交差するように振り下ろされ……ラウラの胸にばつ印が刻まれ、そのまま倒れてしまう。

 

「ぁ……くぅ……」

 

「ラウラっ!!」

 

刃傷により血が溢れ出し、ラウラはうずくまり呻き声を上げながら痛みに耐える。

 

「やったー! 召し捕ったり〜!!」

 

「ふふ、このままお持ち帰りしましょう」

 

「……それ、いいかも」

 

「させません!」

 

援護に向かおうとするエマの前にハチラウラが立ち塞がり、エマが足を止めてしまうと背後からナナラウラが斬りかかる。

 

「無駄ですよ」

 

「きゃあ!」

 

「エマ!! っ……ラウラ! 起きて、ラウラ!!」

 

「……ぐっ、うっ……」

 

「まだ起き上がろうとしますか」

 

「辛くないのー? アタシだったらとっくにギブ〜」

 

「……んな……こんな……」

 

「あん?」

 

レトは残りのラウラを一手に引き受けながら呼びかける。 そして、地面を押し上げるように立ち上がろうろうとするラウラを、ニラウラとサンラウラは見下ろす。

 

「……こんな、所で……やられる訳には……!」

 

「そう」

 

「がはっ!!」

 

「ラウラ!!」

 

まだ諦めないラウラに、ニラウラの蹴りが腹部を蹴り上げる。 鳩尾を蹴られ肺から空気を吐き出し、痛み悶え苦しむラウラ。

 

「沈みなさい」

 

「ラウラーーー!!」

 

倒れるラウラの目の前で大剣を振り上げ、レトの静止の叫びが聞こえる中……大剣はラウラに向かって振り下ろされた時……

 

「—————」

 

「なっ!」

 

ラウラから放たれるように爆発が起こり、それにより近くのラウラ達は吹き飛ばされる。

 

「っ!?」

 

「うわわっと……!」

 

「おや……もしかして、覚醒しちゃった?」

 

『そのようだ』

 

どうやらサンラウラと球体はこの現象に覚えがあるようだ。

 

球体はゆっくりと立ち上がろうとするラウラを凝視する。恐らくはデータを測定しているのだろう。

 

『ヴァルキュリア人がその力に覚醒するためには素質に加え、自身の属性に対応する純度の高い七耀石の保持と、死に直面する必要がある。 ふむ……どうやら彼女達と同じく、大剣に蒼耀石(サフィール)が加えられているようだ』

 

「……な、なんて魔力。 彼女達とは比べ物になりません」

 

「さすがはオリジナル、と言った所ですか」

 

溢れ出るラウラの力に驚愕する中、彼女はゆらりと立ち上がった。 閉じていた目をゆっくりと開き、焦点の合わない眼でラウラ達を見つめる。

 

次の瞬間……ラウラの青髪が銀に染め上げられ、同時に地を蹴って爆発的な速度を出し、ラウラ達との距離を一気に詰める。

 

「おっ——わっ!?」

 

「うひゃああーー!」

 

「きゃっ!」

 

大剣を一振り。 ただそれだけで強烈な風圧が起こり、ラウラ達は踏ん張りも効かずに吹き飛ばされる。

 

「ラ、ラウラ?」

 

「な、なんて力……」

 

『フフフ……これが限りなく純血に近いヴァルキュリア人の力。 本来の数値なら私のホムンクルスが劣るはずはないのだが……なかなかどうして、面白い』

 

球体が冷静に、淡々と考察する中、一部のラウラ達の戦意が増していく。

 

「ふふ、楽しくなってきたわぁ」

 

「……これがイチ姉さんの力。 震えちゃうよ」

 

「いいわ……いいわよ、ラウラ!!」

 

「やっほーいっ!」

 

「っ……!」

 

「あ! ちょっ!」

 

「あーあ」

 

血気盛んな5人のラウラが飛び出す中、ナナラウラとサンラウラはそんなに乗り気では無かった。

 

「させません!」

 

「通させない!」

 

「邪魔よ!」

 

立ち塞がるようにレトとエマがラウラ達の前に出る。

 

だが、その背後でラウラがゆっくりと大剣を背に納めるように振り上げ……いつの間にか地に大剣が置かれていた。 次の瞬間……

 

「うわっ!?」

 

「きゃああああ!!」

 

「おおおぉーー!?」

 

大地を裂くように巨大な斬撃がラウラの前を走る。 ラウラ達やレト達の横を抜け島を飛び出し、水平線の先まで飛んで行った。

 

地裂斬に斬撃が加わった、まるで《光の剣匠》を彷彿とさせる剣技だ。

 

「うわぁ……エゲツなぁ」

 

「ヴァルキュリアだけじゃなく、潜在能力まで目覚めている……でも、このままじゃラウラの身体が保たない!」

 

「元々、瀕死の状態での覚醒。 長引けばラウラさんの命が……!」

 

「………………」

 

ラウラはゆらりと倒れ……姿がかき消える。 すると、距離を詰めてラウラ達の周囲に現れ……

 

「なっ!」

 

「おおっ?」

 

「……っ……」

 

「きゃっ……!」

 

「わわっ!」

 

「速い!」

 

「くっ……」

 

縦横無尽、目にも留まらぬ速さでラウラが他のラウラ達を斬りつけ、一箇所に集める。

 

「ぜあああああっ!!」

 

裂帛の気合い、というより獣の咆哮のような声を上げいくつもの型で大剣を全力で振るい……

 

「うわっ!」

 

「きゃっ!」

 

強烈な風が吹き、レトとエマは腕で顔を覆って耐える。

 

煙が晴れると……そこには7人のラウラ達が倒れていた。 髪色が元に戻っている事から、ヴァルキュリアの力は消えているだろう。

 

「あ、あの剣技は……レグラムでの実習中にアルゼイド卿が見せた……!」

 

「洸凰剣!! ほぼ無意識のうちに放っている。 けど……」

 

ガンッと、ラウラは大きな音を立てて大剣を地面に下ろした。 大剣を持つ両腕は小刻みに震えており、持ち上げる事が出来なかった。

 

「使い慣れてない事に加えて力任せに技を放ったからかなり腕にきている」

 

「それに、もう決着が……」

 

「実験の合否はともかく——」

 

「ウッ……」

 

レトは一瞬で棒立ちするラウラの背後を取って首筋に手刀を打ち込み、気絶して倒れるラウラを支えた。

 

すると身体から発せられていた導力は消え失せ、銀髪は色を失って元の青髪に戻っていった。

 

「ふぅ……なんとかなったかな」

 

「外傷は酷いですが、命に別状はありません」

 

『——実験は終了だ。 ご苦労だったね』

 

頃合いを見計らって黒い球体が現れる。 レトはあまりいい顔をしないで球体を睨みつける。

 

『約束通り、彼女達は好きにするといい』

 

「そうさせてもらうよ。出来ればこんな事、

2度とごめんだけど」

 

『それは残念だ。 さて、これで私は失礼させてもらう……また会える日を楽しみにしている』

 

球体が回転を始め……消えていった。 彼女達を手放すことに本当に躊躇がなかった。

 

その後、レトとエマは8人のラウラを浜辺まで運び介抱した。

 

「さて、ここからどうしたものか……」

 

「え、まだ何かあるんですか?」

 

「いや、どうやってここから出ようかなぁ……って」

 

「あ……」

 

問題は今後……この島から出るにしても移動手段はテスタ=ロッサしかなく、この人数での移動は難しい。 どうしようかと、しばらく立ち竦んでいた。

 

「あれ? そういえば、結局ラウラさんはどうやってここに……」

 

『どうやら終わったようだな』

 

「え!?」

 

エマが質問を投げかけようとすると……上空に、突如として白い飛行艇が出現した。

 

「い、いつの間に……」

 

「光学迷彩……透明になって姿を消していたようだね」

 

「——うん。 頃合いを見計らって出てきたようだ」

 

「あ、目が覚めたんだ」

 

と、そこでラウラが目を覚ました。 何やらラウラは事情を知るようで、白い飛行艇は徐々に高度を落とし……砂浜に着陸。 船底のハッチが開き、老人神父とシスターが降りて来た。

 

「あれは七耀教会の……」

 

「あなたは……」

 

「——初めまして。 私は七耀教会・星杯騎士団所属。 守護騎士(ドミニオン)第八位……《吼天獅子》バルクホルンという。 以後、お見知りおき願おう」

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

シスターによってラウラ達が白い飛行艇……メルカバに乗せられる中、バルクホルンがレト達に事情を説明していた。

 

「とある情報筋から騎士団はアルゼイド家の血筋からヴァルキュリア人の複製体が作られた事を知った。 我らは彼女達を保護するべく、この地に訪れた」

 

「あの球体から聞いていた通りですね」

 

「そもそも、騎士団はアルゼイド家がヴァルキュリアの血筋を引く家だと知っていたのですか?」

 

「獅子戦役の終わりにな。 当時、騎士団はレグラムを訪れ、当時のアルゼイドの当主と制約を交わした。 自身がヴァルキュリア人の末裔である事を秘匿する、というな。 そして長い月日が経ち、アルゼイド家はその制約すら忘れ去られていた」

 

「確かに。 父上からも、家の蔵書からもそのような話は聞いたことがない」

 

「恐らく、意図的に記録、口伝をしなかったんだと思う。 知らない方が安全だしね」

 

最初の世代はいいかもしれないが、月日が流れて行くうちに悪用する者が出てくる可能性は低くない。 知らないままの方が教会としても監視はしやすかっただろう。

 

「それで、ここにはアインさんの指示で? それとラウラとはどう言った経緯で同行していたのですが?」

 

「うむ、私がここに来たのは確かに総長の命令でな。まあ、彼女と会ったのは偶然だが」

 

「偶然、ですか?」

 

「ラウラが僕達を追いかけようとして……どうやってあなたと同行する事になったのですか?」

 

ラウラとバルクホルンが出会った経緯が読めず、レトが質問すると答えてくれた。

 

「私は其方達の不在を知るや否やルーレで無理に降ろしてもらい、鉄道で追いかけようとしたところ……曲がり角でバルクホルン殿にぶつかってしまってな」

 

「私はその時、内戦の影響を見て各地の教会を見に回っており、それでルーレ教会の帰りにな……慌てていた様子で事情を聞き。 偶然にも目的が一致した、と言ったところか」

 

「そうだったのですか……」

 

それでメルカバに同乗し、ここまで送ってもらった後、レト達の間に降下し間に割って入ったようだ。

 

納得した所で、バルクホルンがラウラ達の前に出る。

 

「さて。 我らがここに来たのは他でもない……オリジナルを含めた、彼女達についてだ」

 

「ラウラさんと、彼女達に?」

 

「………………」

 

星杯騎士団がここに来た理由だろう。 バルクホルンはラウラと、ラウラ達を視界に入れながら本題に入った。

 

「さっきの球体から聞いていると思うけど、教会はヴァルキュリア人を探しているんだ。 目的は無闇に力の保持や使用を控えるように法術による制約、もしくは保護をしている。 無闇に教会を混乱させないための処置だから、心配しないで」

 

「承知している。 私もこれ以上無用な混乱は避けたい、制約に応じよう」

 

「感謝する」

 

バルクホルンはラウラが応じてくれた事に感謝し、改めて説明を始める。

 

「君には制約……つまり法術による暗示を受けてもらう。 暗示の内容は先程言った通り、君自身と君の家がヴァルキュリアの血筋である事を秘匿する事、そして力の乱用を避ける事……相違はないな?」

 

「うん、それで問題はない」

 

「それではラウラ様には制約を。 彼女達は保護……それでよろしいですか?」

 

「承知した」

 

「では、始めるとしよう。 身体の力を抜いてくれ」

 

バルクホルンは聖杯のエンブレムが描かれたメダルを取り出し、目を閉じて身体の力を抜いているラウラに向けた。

 

(聖杯のメダル……?)

 

「——空の女神の名において聖別されし七耀、ここに在り」

 

聖句のようなものを紡ぎ出すと、メダルが仄かに光輝き始める。

 

「空の金耀、識の銀耀——その相克をもって秘蹟へ至る道を彼の者らに指し示したまえ」

 

光がしぼむように消え、次にラウラの身体から同じ光が纏われる。 ラウラは身体を見下ろして驚き……すぐにその現象は収まった。

 

「これで制約は成った。 快く協力してくれ誠に感謝する」

 

「この子達の身柄は七耀教会、星杯騎士団で預かります。 心身に異常がない事を確認し次第、その後の方針は彼女達の意思を尊重します」

 

シスターはそう言う。 よくわからなかったのか、彼女達は首を傾げたり顔を見合わせたりし、バルクホルンが補足説明をする。

 

「勝手に教会を出て行っても、そのまま残ってもいい。 商売がしたいんならその手伝いもする、そなたの元に行きたいのなら連れて行こう……そういう事だ」

 

「……まあ、それがいいかもしれません。 生まれが変わっていたとしても、自分で進むべき道を決めるのは人間として当然ですからね」

 

生きる意味を持たない彼女達には酷な選択かもしれないが、それが人であれる第一歩……先ずはそこから始めるべきだ。

 

と、そこへラウラ達を乗せて行ったシスターがメルカバから出てきた。

 

「出発の準備は整いました。 法国に向かう前に、先ずは皆さんをトリスタにお送りします。 明日はあなた方にとって大切な日なのでしょう?」

 

「は、はい!」

 

「感謝する」

 

「騎神はメルカバの後に続いてくれ。 飛ぶための霊力はこっちで送る、心配はない」

 

「分かりました」

 

トリスタまで送り届けてくれるそうで、バルクホルンに連れられてレト達はメルカバに向かって歩き出す。

 

「そういえば煮て良し、焼いて良し、薬味などにオススメなネギさんは元気ですか?」

 

「《千の護手》はクロスベルにいる。 《蒼の聖典》と協力して事態に対処している」

 

「あの大樹に関しては」

 

「まだ何も。 もしかしたら移動中に得られるかもしれんな」

 

ある人物の呼び名を軽くスルーしながらレト達はメルカバに乗り込んだ。

 

すぐにメルカバは離陸し、その後をテスタ=ロッサが追って飛び立つ。 離陸してすぐに光学迷彩を起動し、周囲に溶け込むように透明になると東に向かって飛翔した。

 

 

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