英雄伝説 時幻の軌跡   作:にこにこみ

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91話 帰還

3月9日——

 

突如として帝国を混乱に陥れた内戦は、納得のいかない形になりながらも終わりを告げ、帝都は解放された。

 

あの後、レトが気絶している間に色々あった中……煌魔城は蜃気楼のように消え、元のバルフレイム宮に戻った。

 

1つの問題は解決したが、それでは終わらなかった。 レトが市民を避難させていた事もあり、殆どの市民があの変異したバルフレイム宮を目撃、結果一種こデモのような説明の要求が求められた。

 

内戦による今後の不安。 突如として起きた魔煌兵の襲撃と煌魔城の出現。 色々溜まっていた不満が爆発したようなものだった。

 

そして帝国軍は……帝国は今、内戦の発端となったクロスベルに侵攻、全く血を流さずに占領した。

 

「——帝国のため、お互いに頑張って行きましょう」

 

「ありがとうございます! より一層、励まさせていただきます!」

 

そして現在。 レトは皇族として、内戦収束から今日まで帝都の復興のためその身を追われていた。

 

やる事と言えば各地区に訪問して激励の言葉を送り、感謝の言葉を贈られ、様々な式典に参加……今までサボっていたような皇族としての責務を果たしていた。

 

「はぁ……やってられねー」

 

「ナァー」

 

やや疲れ気味になりながらレトは導力リムジンの中で頬杖をつきながら、表には絶対に見せられない顔をしながら嘆息する。

 

兄様(あにさま)。 そのような事を言ってはいけません。 兄様はもう、この帝国を代表するアルノール家の一員なのです」

 

「それって僕は今まで家族の一員じゃなかった、て事?」

 

「そ、そう言う訳では…………もう! 兄様の意地悪!」

 

同乗していたアルフィンが励ましながら注意するが、意地悪を言うレトにプンスカと怒ってしまった。

 

ごめんよと、苦笑してアルフィンの頭を撫でながら謝罪し、レトは少しあの時の行動を後悔しながら思い返す。

 

あの事件から後日、帝都に帰還したユーゲンスIII世はレト……もといレミスルトを皇族であると宣言した。 この言葉に誰も……宰相閣下ですら抗議の申し立てをせず。 結果、レトは皇族である事が証明された上、世間から《緋の騎士》と呼ばれるようになった。

 

「リィン、大丈夫かなぁ……」

 

ガラス越しに空を見上げながら、今はレト以上に大変な目に遭っている仲間の名を呟く。

 

リィンは今、レトに次いで内戦を終結させた英雄として讃えられ……()()()にとっては程のいい駒として、クロスベルにいる。

 

レトと並び《灰色の騎士》と英雄視されている。 だが、その実態はレト同様、ただの偶像である。 それに加え、クロウについても……

 

「………………」

 

あの事件の後、VII組……延いてはトールズ士官学院は帝都の復興よりクロウの葬儀を優先して進め。 事件から1週間程で、ヒンメル霊園にて葬儀が執り行われた。

 

(そういえば……)

 

そこでレトは葬儀中の内容を思い返す。 レトは棺に眠るクロウに花を手向けようとした時、妙な不信感を感じた。 あの時は他に花を手向ける人もいたため、その原因を確かめる事は出来なかったが……

 

(そう、何かが……何だったけなぁ。 確かめられればいいんだけど、墓を掘り返す真似はしたくないし……)

 

「リィンさんはきっと大丈夫です。 大丈夫じゃなきゃ……エリゼが泣いてしまいます」

 

「……! そ、そうだね。 あのシスコンが妹を泣かせるような真似はしないでしょう」

 

「ナァー、ナァー(特別意訳:思っ切りブーメラン)」

 

ルーシェが何か言いたそうな目でレトを見つめるが、レトはアルフィンに視線を向けていたため気付く事はなかった。

 

その後、リムジンは元の緋いバルフレイム宮に入って行き。 2人は翡翠庭園に向かった。 そこには皇妃プリシラが1人、ティータイムの最中だった。

 

「お母様。 ただいま戻りました」

 

「まあ、お帰りなさい、アルフィン。 レミスルト殿下も、お疲れ様です」

 

「いえ、当然の事をしただけです」

 

2人はメイドに椅子を引かせてもらい、同席する。 レトはこうしてお茶をする機会は増えたが、まだ家族揃ってお茶会はしていない。

 

「お母様、セドリックの様子は?」

 

「まだ体調を崩しおられます。 恐らく、今年のトールズ士官学院への入学は来年へと見送る事になるでしょう」

 

「まあ、そうなるでしょう。 生身で《紅蓮の魔王》の中に放り込まれて、身体的にも精神的にも参っている。 本人は残念がるでしょうが……」

 

「ええ。 殿下と、シュバルツァー殿との後輩として学院生活を送れない事に、心底悔いていた様子でした」

 

「……その気持ち、わたくしも分かるような気がします。 女学院に在籍しているため一緒になれないのは当然ですが、兄様と一緒になれないのはとても……」

 

「ナァー」

 

セドリックの気持ちが共感できるアルフィンは胸に手を乗せるように押さえながら言う。 と、その時……

 

「——やっているようじゃのう」

 

「え……」

 

「この声は……」

 

頭上から幼い声が降りかかってきた。 レトは見上げると、段差の上には地に着きそうな長い金髪に時折口元から見える皮膚を突き破りそうな鋭い犬歯、緋い瞳を持つ幼い見てくれの少女……

 

「よお」

 

「え……?」

 

「あなたは……」

 

「ローゼリアの婆様!?」

 

どこからともなく、音もなく現れた正体不明の少女。 当然、衛兵やメイドは騒めき出す。

 

衛兵がローゼリアを捕縛しようと動こうとする前に、レトが手で制し。 メイド含め全員を翡翠庭園から下がらせて人払いをした。

 

「兄様。 このお方は一体?」

 

「ただのロリババ……もとい、魔女の郷の長だよ。 小説《紅い月のロゼ》で出る吸血鬼本人で、250年前の《獅子戦役》ではドライケルス皇子やリアンヌ・サンドロットと協力した“優しき魔女”本人……と言えば、分かりやすいかな」

 

「まあ」

 

「そ、そうなのですか!?」

 

「どうやってバルフレイム宮に入ったかは聞きませんが、どうしてここに来たのかは教えてくださいますよね?」

 

同席したローゼリアに紅茶を出しながらレトは彼女の自己紹介をし、アルフィンとプリシラはかなり驚いた。 そしてローゼリアは一口飲んでからレトの質問に答えた。

 

「煌魔城の一件からもうかなり経っておるからな。 帝都の様子を見がてら寄っただけじゃ」

 

「それで、何か分かったのですか?」

 

「何にもじゃ。 あれだけの事が起こった後にも関わらず、何も……それが逆に不気味でしょうがない」

 

「フシャー!」

 

「ぬおう!?」

 

ルーシェがローゼリアに剣呑な顔で威嚇する。 飛びかかろうとした所をレトが抱き寄せる。 ルーシェはかなりローゼリアを嫌っており、レトの腕の中でシュシュっと届かない猫パンチを繰り出す。

 

「相変わらず嫌われてますね」

 

「全く……どうしてこうなったのやら」

 

「よしよし」

 

「フーーッ!」

 

レトはルーシェをアルフィンに預け、アルフィンがルーシェを宥めながら話を切り替える。

 

「それで婆様は今後、どのように動くおつもりで?」

 

「これ以上後手に回るのも悪くなって来た。 そろそろ年寄りと言い訳に傍観をし続ける訳にもいかんじゃろう。 再び運命が動き出すのはまだ先、妾は妾なりに動いてみよう。 それでレトよ。 あの灰の起動者はどうじゃ?」

 

ようやく重い腰を上げたローゼリアは、少し目を細めて視線を向けてくる。

 

「どう、とは?」

 

「お主も仲間から、妾もセリーヌから聞いた。 その上で共和国を牽制するためのクロスベル入り……かなり参ってしまっても仕方あるまい」

 

「………………」

 

「それはお主にも言える事じゃぞ?」

 

「リィンよりはマシな方ですよ。 衝撃的な事実には慣れてますし、どちらかと言えばクーさんの方が……」

 

「……さようか」

 

そのレトの質問に対する返答に、ローゼリアは一応納得したようだ。

 

と、そこで考え込んでいたアルフィンがローゼリアの方を向き直った。

 

「……ローゼリアさん。 1つ聞いてもいいでしょうか?」

 

「ふむ? いいじゃろう」

 

「リィンさんは帝国の要請を受けました。 それが何を意味するのか、リィンさんは分かっています」

 

「じゃろうな」

 

「その上で、かの宰相——いえ、ローゼリア様はリィンさんに何を……何を求めているのでしょうか?」

 

理由があったとはいえ、アルフィンは何もせずに傍観していたローゼリアに納得は出来てないようだった。 そして、しばらく間を置いた後……ローゼリアはゆっくりと口を開く。

 

「《獅子心皇帝》ドライケルス——」

 

その名に、レトは静かに息を飲む。 その反応にローゼリアは“ふむ”と1人納得しながら頷く。

 

「今より250年前。 獅子心皇帝と謳われた奴がどんな人物だったのか……妾は一応知っている。 その英雄と騎神が何をもたらすのか、この目で見てみたい——といったところじゃな」

 

「……リィンはドライケルスではありませんよ」

 

「じゃが灰の騎神の起動者じゃ。 奴を帝国の管理下にある以上、奴は英雄ではなくなる。 もちろん、お主もな」

 

「……ちょっと、分かるような気がします」

 

「……強大な力を持つ者は自由であるべき——とういう事ですか?」

 

「当たらずしも遠からず、そう思って貰って構わんよ」

 

紅茶を飲みながら曖昧に肯定するローゼリア。 だが、確かにその通りかもしれない。 今のリィンとレトは虚構の英雄だ。 実態は何の力もない、ただの人。

 

「でも、確か言える事は……僕とリィンは英雄ではないという事ですね」

 

「結果だけ言えばな」

 

「………………」

 

「そう気落ちするでない。英雄になぞならなくてもやれる事はある。 お主が英雄である必要は何にもないんじゃよ」

 

「……ええ、そうですね」

 

自分で言っておきながらフォローすると、ローゼリアはおもむろに席を立った。

 

「もう行ってしまわれるのですか?」

 

「ウム、それではの。 それと、行きがけの駄賃に少し貰っていくぞ」

 

「え……?」

 

すると、ローゼリアはススイとレトの背後に回り込み、両肩に小さな手を乗せる。

 

「ちょ、ちょっと……!」

 

「ロ、ローゼリアさん!?」

 

小柄からはあり得ない力で抑えられ動けず、ローゼリアは口を開き犬歯をレトの首筋に寄せ……その皮膚に突き立てた。

 

「ッ!」

 

「わわっ!!」

 

「まあ」

 

鋭い痛みにレトは顔をしかめ、アルフィンとプリシラは驚愕で思わず口元に手を当てる。 空気が固まる中、首筋から口を離し身を起こしたローゼリアは少し高揚した顔で口元を拭った。

 

「ふぅ。 相変わらず芳醇な血と魔力じゃな。 容量を間違えればこちらが酔ってしまいそうじゃ」

 

「じゃあの」と、指揮棒のような杖を取り出すと一振り、足元に円形の緋い陣が現れ……ローゼリアはその姿を消した。

 

後に残された家族3人と1匹の間には微妙な空気が流れていた。

 

「……えー……コホン——じゃ」

 

「ナァ〜〜…………」

 

「兄様っ!!」

 

咳払いをしてからルーシェの首根っこ掴んで去って行くレトに、普段は聞けないアルフィンの怒号が響いた。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

「よっと」

 

レトは列車から軽く飛びながら駅のホームへと着地する。 あれから逃げるように宮殿を出たレトは人目を忍んで……もとい、人目に止まらぬ速さでヘイムダル中央駅に向かい、鉄道で約2ヶ月ぶりのトリスタに足を踏み入れた。

 

「内戦終結から来れなかったけど、皆元気にしているかなぁ」

 

「——レト!?」

 

すると、聞き覚えのある驚愕の声が聞こえた来た。 対向のホームに続く階段からリィンが降りて来ていた。

 

「リィン! もしかしてさっきの列車で?」

 

「ああ。 そう言うレトは……」

 

「皇族としてサボっていた仕事をね。 リィン以上にここに戻ってくるのに時間がかかっちゃった」

 

「そうか。 だがお互い、無事に戻ってこれて良かった」

 

「ナァオン」

 

「はは。 もちろんルーシェもな」

 

足元に寄って来たルーシェの頭を撫でるリィン。 よく駅内を見回すと、ヴァリマールも一緒にいた。 そこでリィンは少し辺りを見回す。

 

「テスタ=ロッサはどうしたんだ?」

 

「次の貨物列車で来るよ。 一般の車両に乗せるわけにも行かないから」

 

お互いに無事と再会を喜びながら駅から出て……2人は再びトリスタの街に足を踏み入れた。

 

「帰ってきたね」

 

「……ああ」

 

感傷に浸るように街並みを見回す。 リィンとレトは1カ月、3カ月ぶりのトリスタ。 そんなに離れた期間ではないが、どうしてか久し振りと感じてしまう。

 

「……ひと月ぶり、か……雪は降らなかったみたいだけど……」

 

「……あの時より、寒い気がするね……」

 

「ナァ……」

 

リィンは肌寒さに身を震わせ、レトはルーシェを抱きしめて寒さを実感してしまう。 帰って来たはずなのに、どうしてか肌寒く感じてしまう。 と、その時、2人の眼前に1枚の花弁が降って来た。

 

「え——」

 

上を見上げると、街並みに沿って植えられているライノの花が僅かに咲き始めていた。

 

「……ライノの花……」

 

「……僕たちには肌寒く感じるけど、この木々にはちゃんと感じているんだ。 春の訪れを……」

 

2人には寒々しいが、ライノの花は確かに春の訪れを……今のこの世界で暖かさを感じている。

 

「——お帰りなさい、リィン」

 

「レト」

 

その時、優しく2人を呼ぶ声が聞こえて来た。 顔を上げると、学院の方からVII組の全員と、トワたちが2人を出迎えてくれた。

 

「…………ぁ…………」

 

「皆…………」

 

「お帰り、リィン、レト」

 

「はは……何をぼうっとしているんだ?」

 

「フッ、咲きかけの蕾を見て柄でもなく浸っていたか?」

 

「……皆」

 

「物珍しげに見てただけ」

 

「ふふ、ちょうど昨日くらいに蕾をつけ始めたんです」

 

「1週間くらいでぼちぼち咲き始めるって」

 

「あはは、気が早いのもいるみたいだけどー」

 

「そっか……」

 

ライノの花に加えて、アリサたちが出迎えてくれたおかげで2人に笑顔が戻る。

 

「——ただいま、皆」

 

「何はともあれ無事に、帰って来ました」

 

「うん、よくぞ帰ってきた」

 

「本当に、お疲れ様だったな」

 

「——いや。 それほど大変じゃ無かったよ」

 

「僕の方は死ぬほど大変だったけどねー」

 

「えへへ、お疲れ様。 2人とも」

 

トワは労うように2人を迎い入れる。

 

「それと、お帰りなさい」

 

「皆、わざわざ出迎えてくれたんですか? 少し気を使ってしまいましたね」

 

「この時期、2年は授業もほぼ無くなっているからね」

 

「ヴァリマールとテスタ=ロッサの件もあるし、せっかくだと思ってさ」

 

「一年は授業中だけど、特別に自習扱いにしたわ。 どこぞの大尉さんが、2人の到着時間をご丁寧に連絡してきたしね」

 

「……そうですか」

 

「………………」

 

レトは改札を出る前、チラリと落ち込むように立ち尽くしていたクレア大尉の姿を見ていた。 どうやらリィンと、宰相閣下について色々とあったようだ。

 

「セリーヌも迎えにきてくれたんだな」

 

「つ、ついでよ、ついで。 あんな顔して出発するからちょっと気になったというか……って今のはナシ!」

 

そこでセリーヌは喋りすぎたと、少し声を上げて誤魔化す。

 

「ふふっ……」

 

「はは……皆ありがとう」

 

「どうする? 今日はもう寮で休む?」

 

「それなら荷物を運ばせてもらうぞ」

 

アリサとガイウスの優しさに、リィンはその優しさを有難く受け取りながら首を振る。

 

「いや……授業中なら俺も出るよ。 1カ月の遅れを何とか取り戻したいしな」

 

「僕は正直休みたい気分だけど……自習はちょくちょくしてたとは言え3カ月……出ない訳にはいかないね」

 

「むむ、今日はこのままお疲れさま会に雪崩れ込もうと思ったのに」

 

「サラ、ナイスアイデア」

 

「レッツ、パーティだね!」

 

「ええい、真面目にやりたまえ!」

 

「あはは……それは夜ということで」

 

「フフ……ならば学院に戻るとしようか」

 

踵を返し、レトたちは毎日のように通り続けてきた通学路を通り、学院へと向かう。 その途中、ラウラはレトに話しかける。

 

「レト。 あれから身の回りに変わりはないか?」

 

「あんな事を宣言しておいて、変わらない訳ないじゃない。 回りは色々と変わって来ているけど……家族との関係は全く変わらないよ」

 

「そうか……それなら良かった。 そなたの性格なら心配は無用だと思っていたが、どうしても気になってしまって……」

 

「ありがとう、ラウラ。 心配してくれて」

 

「ふふっ、良かったですね、ラウラさん」

 

隣で話を聞いていたエマも笑みを浮かべ……次の瞬間、陽光で眼鏡を光らせながらレトを見つめる。

 

「——それはそうと、レトさん?」

 

「うん?」

 

()()()()()()()……どうされたんですか?」

 

「…………あ…………」

 

咄嗟に手で左側の首筋を抑える。 そこにはローゼリアにやられた吸血の跡があった。

 

「お婆ちゃんと会っていたんですね?」

 

「え、えーっと……」

 

「またかなり霊力が減っているし。 これはかなりの量を吸われたわね」

 

気付かれたからと言って誤魔化す必要もないのだが、エマから発せられるは圧によってどうしても言葉が出なかった。

 

エマは「分かりました」と1人納得して、学院の方に歩いて行ってしまった。 レトはそれをただ見ていた。

 

(……ローゼリアの婆様。 長生きしているけど、とにかく強く生きて……)

 

「ナァオン」

 

「——レト」

 

「何? ラウ…………ラ?」

 

呼ばれて振り返ると……そこには鬼も裸足で逃げ出すような形相を浮かべているラウラが腕を組んで仁王立ちしていた。 心なしかポニーテールが逆立っているように見える。

 

「………………」

 

「いや、そんな気迫を出しながら無言で近寄らないで! 僕は被害者であって、何も悪いこと——」

 

——グラコロォォ!!(意味不明)

 

レトの悲痛な叫びがトリスタの空に響いた。 何があったのかは……誰も知りたがらなかった。


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