異世界転生物語~運命の世界に招かれし魔法使い 作:GAWAIN9694
黒いバリアジャケットを纏った1人の青年が空を飛んでいる。そして青年に通信が入る。
『司君、お疲れ様。今回は随分と早かったね?』
「ああ。今回の依頼は割と楽だったからな。」
青年の名前は『天宮 司』フリーの魔導師として働いている。空間に投影されている映像の女性は『高町なのは』。時空管理局に所属し、若いながらも『エース・オブ・エース』の異名を持つ魔導師だ。
『…どこか怪我とかしてない?』
「大丈夫だって。それとも何だ?なのはは俺の事が信用できないのか?なら俺は少々悲しいぞ?」
『そ、そんなことないよ!?ただ・・・また
「…そうだな。なに、今回も本当に何もないから安心しろ。」
『・・ごめんね。なんか暗くなっちゃった。もう、私は司君の彼女さんなんだから心配かけるようなことはしないでよ?』
「解ってるって。」
司となのはは(少々特殊かつ複雑な事情はあるが)所謂恋人同士である。だからこそ任務が終わった直後にも関わらずこのような会話が出来るのだが。
それはちょっとした油断であった。普段の司ならば違和感を持ち、警戒したであろう現象。しかし司は、目の前の空間に不自然に濃密な魔力が集まっていることに気が付かなかった。なのはとの会話で少し気を抜いていたから。
…が下に、我が命運は汝の…
「ん?なのは、今何か言ったか?」
『ふぇ?何も言ってないよ?』
「…気のせいか?」
司は気のせいと判断し、そのまま進む。だが、今度ははっきりと聞こえた。
…より来たれ、天秤の守り手よ―――!!
「!?なんだ!?」
『!?司君!今その場所に強力な転移系の魔法が確認されたの!急いで離れて!!』
「なに!?」
その場所を離れようとする司。しかし、それはあまりにも遅すぎた。
「ダメだ…引き込まれる!」
『…さ君!t…さくn…!!』
大量の魔力の奔流によって通信すら障害が発生する。それは、ほんの30秒もしないうちに収まった。魔力の奔流が収まった後、その場所には誰も居なかった。
「司くぅぅぅぅん!!!」
管理局内の通信機の前で、一人の女性の悲鳴が響いた。
暗い部屋、そこにいるのは一人の少女。少女の名前は『遠坂 凛』
「
繰り返すほどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
少女は唱える。自らの僕を呼ぶための詠唱を。
「―――――
「――――――告げる」
「――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!!」
魔法陣が輝き、そして・・・
「・・・何も起きない?え!?ちょっと待ってよ!どういうこと!?」
(手応えはあったわ。間違いなく召喚は成功してるはず。なら何でいないの・・・?)
何も起こらない。本来ならば魔法陣の上にサーヴァントが現れるはずなのだが影も形もない。
「…はっ!?まさか!!」
凛は原因に思い当り、それを確認すべくリビングに急ぐ。そして時計を確認し、理由を悟る。
「あっちゃぁ…やっちゃった。時計の針を一時間ずらしていたのを忘れてたなんて…」
召喚の儀を行うために、凛は最高の努力をし、最高のコンディションで臨んだ。だが、自身の魔力が最高に満ちる時間を、あろうことか、時計の針をずらしていたために間違えて行ったのだ。
ピンポーン!
「誰よ!?こんな時間に!」
時刻はすでに夜中。普通に考えれば友人が訪ねてくることも、荷物が届くことも無いような時間だ。
ピンポーン!
だがチャイムはなる。悪戯なら二回目は無い筈と思い直し、玄関に向かいドアを開ける。
「はいはいどちらさ「お前か?」…は?」
ドアを開けた先にいたのは一人の男。年齢は凛よりも2,3は上だろう男だ。
「・・・えっと・・・?」
言葉を被された上に、現れたのは見知らぬ男。しかも時間が時間。警戒するのは当然だろう。男にもそれが伝わったのか、口を開く。
「もう一度聞く。お前が俺を
「…まさか…貴方が私のサーヴァント!?」
これが魔術師『遠坂 凛』と異世界の魔法使い『天宮 司』の出会いだった。
短い…何とかしたいです…更新は不定期ですが失踪なんてことにはならない(なりたくない)ので気長にお待ちしてください。誤字脱字、感想お願いします。