春野翔也
風見学園付属3年
9月18日生まれ
生い立ち
初音島の外で生まれ育った。6歳になった誕生日に火事で両親を亡くす。
その後、事故現場で彼を救出した芳乃さくらが彼の身元を引き取り、初音島にやって来た。
身体能力も高く、杉並から非公式新聞部の勧誘を何回も受けているが丁寧にお断りしているが
性格が温厚で誰に対しても優しく頼まれ事や相談を受ける事も多い。
それが災いしてか、断っているも杉並や板橋が起こす騒動に巻き込まれる事もしばしば。
学校内では、主に下級生からの人気が非常に高く。告白をされた事もあるが今のところ全部断っている。
12月16日
「あ!おはよう翔也君」
「おはようございますさくらさん」
俺の目の前には、長い金髪をなびかせている少女が居た。
彼女は、芳乃さくらさんだ。見た目は俺よりも遥かに年下のかわいい少女だけど、彼女は俺の保護者という身分だ。見た目とは裏腹に博士号をいくつも取得していて、俺が通っている風見学園のトップでもある。
「ん? どうしたの?」
「何もないですよ。それじゃ義之を起こして来ますね」
さくらさんは
「いつもごめんね~、翔也君が来てから僕もだいふ仕事が減ったから楽だよ~」
微笑みながら言う。
「でも、学園の仕事があるじゃないですか」
「ん~それは仕方ないよ。それじゃ僕は先に学園に行くね~。朝ごはんは作っておいたから、後戸締まりはしっかりね」
「分かりました」
「行って来ま~す」
「行ってらっしゃい」
さくらさんは元気良く出ていった。一見すると子供が元気に学校に向かう光景になるだろう。あの人は本当に何歳なんだろ?
「さてと…」
いつもの光景を見送り、俺は改めて義之の部屋に向かいながら
「今日はどう起こそうか……」
そんなことを考えていた。
その後、起こす方法を決めた俺は義之の部屋に居た
「義之、朝だぞ起きろ」
とりあえずは、普通に起こしてみる。しかし
「……あともうちょい、学校だりぃじゃん」
いつものようにおきるわけが無い。そこで俺は切り札を出した。
「今起きるのと、音姫さんにベッド下の物の存在を言われるのはどっちが良い?」
「今すぐに起きます!」
義之はベッドから飛び起きて返事をした。
「よろしい。じゃあ先に降りているぞ~、さくらさんが朝食を作ってくれたから早めに来いよ」
「さくらさんは?」
「既に仕事で出ていったぞ」
「そっか」
「なら早くしろ。じゃないとお前にはお客様が居るだろ」
「お客様?」
身に覚えが無いのか、呆然としたように義之が言う。
「外を見ろ」
俺に言われて、義之は窓から外を見る。そこには二人の少女が居た。片方はこちらを見ると笑顔で手を振りながら
「……」
「ゆ……由夢?」
「あんまり待たせるとマズイじゃないか?」
俺がそう言うと義之は、ハッとして
「悪い翔也!朝飯は食えそうにない!」
「そうか……仕方ないか……ならこれでも持ってけ」
俺はあらかじめ用意していた、おにぎりを入れた包みを投げた。
「サンキュー翔也」
「いいからさっさと行け。由夢が待ってるぞ」
「ああ。行ってくる」
「行ってらっしゃい」
義之は、鞄に包みを入れて出ていった。俺は先程と同じように義之たちを見送った後、朝食を食べ
「俺もそろそろ行くか……」
食器を洗って、戸締まりをして家を出た。
家を出て数分後……
俺は意外な人物に遭遇した。
「あれ? 沢井さん?」
「あ、春野おはよう」
彼女の名前は沢井麻耶。俺達と同じで風見学園付属の3年生だがクラスが違い義之達と同じクラスでクラス委員長もしている。性格は真面目という一言に付きそのせいで気苦労も絶えないだろう。
「おはようございます」
「なんで敬語なのよ?」
確かに、いつもなら軽く済ませるが今の沢井を見るとちゃんとしないと注意を食らってしまいそうな雰囲気だったからとは言えず。俺は冗談っぽく続ける。
「へ? いつも通りでは?」
「はぁ……まぁいいわ」
「それよりも沢井さん? 疲れてませんか?」
沢井はどこか精神的に疲れを感じさせる表情をしている。理由はおそらくクラスのことだろう。
「あんたわかってて言ってるでしょ?」
沢井は目を細め睨み付けるように言った。
「ばれました?」
「はぁ~」
「でも仕方ないんじゃないですか? 沢井さんのクラスはメンバーがメンバーですし」
俺の見解をよそに沢井ははっきりと言った。
「仕方なくないわよ! なんであいつらのせいで私まで評価が落ちないといけないの!」
「あ~……(まぁ義之達だから止めるのが無理だからな~)」
「聞いてんの? 春野」
「聞いてます聞いてます」
「はぁ~。別に良いけど……」
沢井は諦めたかのようにため息をついた。
「まぁあと少しなんですから頑張ってくださいよ」
「はいはい」
「んじゃ俺は行きますね」
そう言い俺は先に走って行った。そして校門付近でまたも予想外な人物に遭遇した。
「おはよう春野君」
笑顔を浮かべながら近づいて来る人物。
「杉並か……」
「なんだ、つれない反応だな」
話かけて来たのは、この風見学園の3バカの一人杉並だ。彼は成績優秀・運動神経抜群なのだが、性格がかなりヤバく、学校でのイベントがある度に何かとんでもない事をやらかし、生徒会に要注意人物に指定されている奴だ。
「それはどうも。で? 用件は何だ?」
「何、簡単な事だ。我らが同志、桜井はどこにいる?」
「義之? 俺より先に学園に向かった筈だけど」
「ふむ。そうかならいい」
義之に用があるなら問題ないだろう。俺に用があるのは避けたいところだし俺自身あまり面倒ごとは起こしたくない。
「義之になんか用があったのか」
「いや、別に急を要するものではないからな。それよりも春野?」
「ん?」
「もうすぐ我が風見学園では何がある?」
「クリパだろ? それがいったい……」
クリパという単語を聞き、杉並の目がギラリと光りる。
「そう! クリパがある! そこでだ、単刀直入に言おう。春野、我が非公式新聞部の計画に一枚噛まないか?」
「断る」
「そういうなよ春野。お前も最近どこか物足りないだろ。そのむやむや感を一気にはらそうではないか!」
杉並がまるで演説者のように俺に問いかける。
「だからって俺を巻き込むな」
「ふむ。仕方ないか」
(あれ)
杉並は以外にもあっさり引いた。いつもなら後二回ぐらいは勧誘するのに
「しかし忘れるな春野! 我々はいつでもお前の非公式新聞部の同志になるのを待っているからな! それでは!」
そう言い杉並は校舎の中へ駆けて行った。
「どうしたんだろ?」
そんな疑問を浮かべていると、後ろから
「お~い!」
と誰かが走り寄って来た。
「あれは……」
あの走り方には見覚えが……
「はい捕まえたよ、翔也君」
「まゆき……速すぎるよ……」
「次は先輩方ですか……」
「ん? それどういう意味?」
「ははは……」
今、俺を捕まえた勝ち気な女子生徒は高坂まゆき先輩だ。本校の生徒であり、音姫さんとは親友の仲で、二人で生徒会の中核をなしている。そんなお方が何故俺に声をかけるかと言うと…
「深い意味はないですよ」
「そっか」
「で、先輩は何の用ですか?」
「ん? そんなの君なら分かるでしょ?」
「それもそうですね。先に言っときますけど、俺は関係ないっすよ」
十中八九杉並関連のことだろう。先輩は杉並を目の敵にしているし。
「本当に?」
「嘘をつく理由がありますか?」
「それ自体がブラフかもしれないからね、疑い余地は大有り」
笑いながらなかなかひどいことを言う。
「はぁ~」
「本当に関わってないの?」
少し真面目な顔で高坂先輩が聞いてくる
「関わってないですよ」
「本当かな~?」
高坂先輩は俺に顔を近づけて来る。徐々に近づいて来てついに目の前まで近づいている。お互いの呼吸や吐息が分かる程近い距離だが、顔をそむけたらさらにからかわれるので
「本当ですよ……」
俺は顔をそむけずに目を見据えて答えた。
「まゆき、翔也君は嘘ついてないって」
「ふ~ん。音姫がそこまで言うなら信じてみますか。でも嘘だったら……」
「だったら?」
「ぬっころすからね!」
高坂先輩はマジな顔でそう言った。この人ならやりかねないな…
「分かりました」
「うん。素直でよろしい。じゃあね」
そういって先輩は校舎に駆けて行った。音姫さんが苦笑を浮かべながら
「朝からごめんね翔也君」
「いえいえ」
「じゃあ、私も行くね? やんちゃしたらダメだよ?」
そう言うと、音姫さんも校舎に駆けて行った。
「はぁ~。朝から疲れるな~、まぁ行きますか」
俺は先の三人とは違って、のんびりと校舎に入って行った。