ポケットモンスターspecial 氷の少女   作:眠猫の玉手箱

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第13話 逃げる鳥後を濁す 後話

「ヤァァーン」

ヤドンが間延びした声でニドキングに、威嚇をするがニドキングはようやく諦めたかとむしろ呆れた顔で

 

 地面を揺らす、地ならしだ。たしか追加効果がある技で、効果は100%の確率で相手の素早さを下げられる。だけどヤドンは元々のろまだから正直意味はあんまりない。

 

一発くらいなら避けられないし受けてもいいかと思ったのだが、ヤドンは横にひとっ飛びする。

 

刹那、先程までヤドンがいた地点の地面が割れる。地割れ、地面タイプの一撃必殺技だ。ヤドンがどんなに防御がすごくても食らった時点で気絶状態に否応なくされてしまう。一応一撃必殺技である以上レベルさえ上なら無効化できるのだが、どう考えてもヤドンのレベルがニドキングより上であるはずがない。

 

ニドキングが再度地面を揺らす

また地割れを使う気なのか、それとも地ならしのみで倒す気なのか

 

と、思っていたが、ヤドンの上空に違和感を覚え

 

「ヤドン上!」

「ヤァン」

 

とりあえず指示した瞬間に上から落ちてきたのはどこからか現れた岩。それが雪崩のようにヤドンに落下してくる。

 

ヤドンは相変わらず表情の読めない顔で、最大限避けた上でまもるをし、難を避ける。

 

「アコまもる」

無論こちらも油断をするわけにはいかない。アコのまもるが、展開された瞬間ニドキングのヘドロばくだんが、へばりつく。どくタイプの技なので当たり前だがものすごく毒々しい色をしている。

 

まぁにしてもニドキング、本当に技の数が多い。技範囲が広くても4つまでしか技が覚えられないという制限があった前の世界のゲームと比べトレーナーと、ポケモンの頑張り次第ではいくらでも技を覚えられるこの世界では、前の世界で『技のデパート』という異名を取るほど多彩な技を使えるニドキングはまじでヤバい。

 

「ヤァン」

と言いながらまもるを解除して、ニドキングに水のはどうを放つ。ダメージはあまり入らないと思うが混乱してくれれば勝機が見えてくる。

しかしそう思ったのもつかの間ニドキングは、ニヤリと笑い腕を振るい、水のはどうが跡形もなく消滅、した。

 

「えっ!?」

隣のマヨが驚いた声を出す。いくら攻撃が上がっているとはいえそんなことまでできるのか。驚愕でほんの少しだけ頭の中が真っ白になる。そしてそれはヤドンも同様に驚いていて、

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

気がついたときにはもはや回避も防御もまもるすら間に合わないところまでニドキングの雷パンチがヤドンの寸前まで迫っていた。

「ヤドン!?」

「ヤァ、グッ」

そしてヤドンに雷を纏った凶拳が突き刺さる。一度だけでなく二発三発と次々に凶拳が突き刺さる。しっかりと掴まれているのでヤドン単体での脱出は不可能。苦し紛れに水鉄砲を放つが、まったくもってダメージを受けている様子はない。

 

「もうやめて!ニドキング!」

 

自分だけ安全圏内にいてその様子を見ているしか出来ない私がそれでもやめてくれと懇願するが当たり前のように聞き入られることはなく、七発目が入ったところで戦闘不可能だと判断されたのかヤドンをポイッとちょうど私達から見てサカキがジャックさんと、ジョンさんそれにデオキシスも加えた三すくみの状態で睨み合っている方にタバコの吸殻でも捨てるような気軽さで投げ捨てる。

 

ヤドォンー!

 

絶叫するが返事はニドキングの高笑いだけだった。私の絶叫が聞こえたのかサカキが一瞬こちらを振り返りニヤリと笑う。

 

遠くに見えたのは満身創痍のヤドン。麻痺してるのか体中でビリッ、ビリッと電気が跳ね、あの麻痺特有の不快で耳障りな音が聴こえる気がする。

 

怒りで今すぐ木刀片手にニドキングにぶち殴ろうとするのを、僅かながらの理性をかき集めて堪える。ちなみにこの時、マヨも落ち着いて!と言っていたらしいが全くもって意識に上っていなかった。記憶にも残ってない。

 

落ち着けレモン()。お前はヤドンのことを信頼してたから、やったんだろう。悔やむんならあとでやれ!手に握った木刀を下げる。

 

ニドキングがさて次はお前だと顔を浮かべている。

 

 

 

()()()()()()()

 

 

その瞬間ヤドンが青い透き通るような光に包まれる。

「キレイな光だね」

マヨの口から思わずといったように声が漏れる。確かに私も最初に見た時はなんとキレイで神秘的な光かと思った。まるでこの世のものでは無いかのように。

「でも正直二度と見たくなかったな。」

 

「ヤァアアーーン」

そういってヤドンが()()()()()()()()力いっぱい立ち上がり、その勢いでサカキが置き去りにしたテレポート抑制機を押しつぶして壊す。

 

音で振り返ったニドキングが露骨に驚き焦った顔をし、三度地を揺らすがヤドンに守るで防せがれる。

 

「レモンお姉ちゃんどうしてヤドンが回復したの?さっきの光が関係してるの?」

 

マヨがこちらを向き尋ねてくる。

 

「そう。さっきの技は使()()()()()()()()H()P()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()私はじこ回復って呼んでるんだけどね」

 

性能だけを聞いたらチートだし、実際のところもチートだ。

おそらく2年ほど前のロケット団にされたあの行為で負った傷が次の日回復してたのはこの技を使ったからなのだろう。

 

「チッ」

「よそ見してていいの?リンダ光合成、バリバリ光の壁」

サカキが舌打ちをしてこちらを向いた隙にジャックさんがリンダと呼ばれたモンジャラを回復させ、バリバリと呼ばれたバリヤードがひかる壁を作り上げ、ジョンさんが半ばデオキシスにいじめられている。

あの辺りだけひざしが強い。日本晴れでも使ったのだろうか?

サカキもそれなりに手間取り、手が離せないでいるようだ。ジャックさんの火力やべぇもんな。一年前のこととはいえ晴れ天候にされたら最後ソーラービームでヤドンを含めた手持ち一撃とか訳わかんねぇな。

 

 

「ヤドンもうちょっとお願い()()()()()

 もしこの時この場にサカキがいて、テレポート抑制装置を握りしめていたならこんなに上手く行かなかった。

これは偶然にも、サカキがテレポート抑制装置を投げ捨てていったからうまくいっただけ。私の実力ではない。

もしうまくいかなかったら勢い余って死んでいたかも知れない。そういう意味ならこのときは不幸中の幸いだったのだろう。きっと、おそらく、多分。そう思うことにしておこう。

 

 

眼の前に現れたヤドンを撫で、オレンのみを渡す。

「ヤドンありがとう」

「ヤァ」

 

ヤドンは短いなきごえを漏らし、すぐさま食べはじめる。

 

「カロ、まもる」

無論ヤドンが帰って来たからとはいえ、防御(まもる)を忘れることはない。

 

まもるが展開されなおした直後、ニドキングが、狂ったようにギラギラと血走った目で狂拳を振るいこちらを何度も叩く。叩く。叩く。

 

「無駄だよニドキング。あなたにはこのまもるを壊せない。そうでしょ?アコ、まもる」

目が完全にイッちゃってるニドキングがあまりにも怖かったので、そう声をかけるが聞きいれる様子はない。まもる壊れないよね?と冷や汗を流しながらも言葉を続ける。

 

「そして、サカキ。最初に対峙した時ニドキングだけしか出さなかったのにも関わらず、フェイント等の技を使う気配はない。まもるを貫通できるポケモンがいなかったんだよね?」

 

だからこれで私は逃げれる

 

そう言いきり、一応回復したヤドンにテレポートを指示した。

 




サカキ(のニドキング )弱すぎね?っておもった方すみません。展開上ここで捕まるわけにはいかなかったのです。サカキ様のファンの皆様すみません。


次の更新はリアルの方が忙しくなるのでとてつもなく遅れています(現在進行形)。
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