ポケットモンスターspecial 氷の少女   作:眠猫の玉手箱

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*注意:レモンサイドではないです*

前話でバトル回だと言ったなあれは嘘だ。
次はバトル回なのでなんでもするから許してください。(なんでもするとは言っていない。)

残酷な描写があるので苦手な方は注意してください。


乱入話:其の一

俺の名は下僕だ。間違え、ゲンマという一人の()()()()()()であり、目の前の女の部下として、日々下僕、もとい部下として教育を受けている。

 

「で、用件はなに?」

 

目の前の女上司が白米を口に頬張りながら、笑顔でこちらの方を向いてくる。

 

よっぽど退屈だったのだろう、目の前の壁に取り付けられた人工知能搭載コンピューター開発コード『RF』のスクリーン。

 

そこには数多くのロケット団がただ一匹のガラガラの骨を無理やり奪い取ろろうとする動画が流れている。

 

ポケモンの身体というのはあまりおおっぴらに語られることは少ないが、かなり高値で取引されるものが多く、場合によっては__例えばヤドンのしっぽ(栄養価抜群の食材になる)やカラカラの骨(砕いて骨粉にしたものが漢方薬の材料の一つとなる)等__ではだいたい抵抗されてもめんどうなので()()()()()手に入れることが多い。

でも、それはあくまでも効率化のためであってその()()を楽しんでいるわけではない。少なくとも俺は違う。

 

だが、目の前の上司は基本的にこのロケット団のボスである『サカキ様』のカリスマに引かれた者と、社会の弾き者の集まりであるロケット団の中でも恐らく一二を争う『サイコパス』だ。目の前の女上司__名を『イサギ』というのだが__はポケモンや人が苦しんでるのをみるのが大好きという、病的かつ傍迷惑な性格である。

 

「早く言いなさいよ。ネンドール はかいこうせん」

 

とりあえず挨拶代わりに飛んできたネンドールの破壊光線を避ける。

 

「相変わらず過激な人ですね。これサカキ様からの命令だそうです。」

 

横目で、今までに何度もはかいこうせんが命中して焦げ目がついた壁を見ながら、このロケット団のボスである『サカキ様』から先程送られてきたらしい資料を手渡す。

 

「.....?デオキシス関連のかしら?」

いぶかしげにパサッと机に資料を広げ

 

 「 ふんふん。デオキシスのことをよく、少なくとも中隊長よりも知識を有する謎の少女」

 

 デオキシスのことを中隊長ほどよく知る謎の少女?それはマズくないか?デオキシス。その新種のポケモンについて知るもの自体本当に両手に数えられるほど少ない。ロケット団中隊長以上の地位に居て、ようやく知っているか知っていないかくらいだ。

  まぁそれは俺の考えることではない。考えろと命令された場合は別だが。

 

 「へえ.....ん?......はっ?逃した?何やってるんですかサカキ様..ふむ。....ぅむで、その場にいた暴走族は..まぁ6人目撃者がいればネンドール はかいこうせん.....なるほどね。」

 

  その後もなかなか興味惹かれる独り言が漏れてきたが、ここで下手に反応すると粛清のはかいこうせんの数が増えるのでなるべく聞かないようにする。過ぎたる好奇心はニャースをも殺す。気になることのオンパレードだが気にしてはいけない。

それが、ここで学んだ処世術の一つだ。

 

 「でこれがその少女の写真ね。 ん?」

 

 どうやら写真のコピーが同封されていたようで、みた女上司が何故かこめかみを抑えながら呻く。どうやら見覚えがあるようだか思い出せないようだ。

 

「.....だめだ。思い出せない」

 

そして、結局思い出せなかったようで写真を机の上に放り投げる

 

「下僕。この少女見覚えある?」

 

かと思いきや、思い直したように写真をこちらに向ける。

写真に写るのは___7または8歳位の黒髪のロングの女の子。将来割りと美人とまではいかなくても整った顔になりそうな顔立ちである。その後ろに隠れるようにしてツインテールの女の子がいるのだが、不鮮明で判別できない。

周囲にいるのはヤドンとロコンそれに__

 

「白いロコン?いろちがいか。めずいな」

 

恐らくマーケットに出品すれば7桁くらいは余裕で越えるだろう。

 

「残念。それはアローラという地方でみられるアローラの姿のロコンね。今じゃマーケットに出しても、そこまでの値段は着かない。昔金持ち相手に荒稼ぎしちやったからね。今じゃ初心者必読のマニュアル本の最初に書いてあるくらいだよ。」

 

「それは不勉強でした。ご教授いただき有難うございます」

(珍しく)詳しく説明してくれた女上司にすぐさまお礼をいってから、もう一度黒髪ロングの娘を見るが、

 

「.....で?アローラロコンはどーでもいいとして、女の子に見覚えはあるのかしら?」

 

「.....いや多分ないと思います。ちなみにこの子名前は何て言うんですか?」

 

「レモン」

 

レモンか。聞き覚えないと.....思う。

 

「鶏肉の唐揚げ食べたくなってきた。」

「本日の夕食に希望だしておきます。」

 

どうやら目の前の女上司は果物の方の檸檬を想像したようだ。心のなかのメモ帳にリクエストをメモしておく。後で食膳係に言っておこう。

 

「しょうがない。そこの()()()()()()()()()()()()()開発した性格の悪いトレーナータワーのマザーコンピューター「r」と比べて比較にならないくらい性能が桁違いっ。に優れている人工知能搭載のコンピューター『RF』で、検索しなさい。私はその間飯食べてるから」

 

「了解しました」

 

目の前の女上司のテンション高く、自慢げなのをみて正直うざいと思いながらも電源ボタンを一度、間を置いてから三回押す。

 

先ほどまで必死に抵抗していたガラガラ。そいつが遂に力尽きたのか血をダクダクと流しながら突っ伏している。その傍らには必死に小さなカラカラがしがみついている。彼女の子供だろうか? そしてその後ろから正確に首もとを狙ったナイフが。

 

......こちらRF。ユーザー名『geboku』でのログインを確認しました。要件はなんでしょうか。教えて下さい下僕様と創造主様!

 

「いいところで割り込むんじゃないわよ。このポンコツ。ネンドールはかいこうせん。」

 

ガラガラに刺さろうとしたその瞬間に壁にかけられた大量のスクリーン。その全てが()()()()()()可愛らしく、テンション高く、そしてロケット団の制服を着た女の子によって占拠される。

 

そして、動画が中断されたことをご不満に感じられた我らが女上司様によって、散々先ほどまで持ち上げていたのにも関わらず手のひら返しでポンコツ扱いされた挙げ句、はかいこうせんが飛んで来る。これ当たったらスクリーンも破壊されて動画見れなくなるのでは?と思ったが、スクリーンに当たる寸前に『RF』が展開したマジックハンドのようなものに防がれて霧散する。

 

「創造者様わたしは、()()()()()()()()()()()か弱いAIなので、はかいこうせん等の強力な技はそこの下僕に打ってください!それと用件気になるんではやく教えて下さい!」

 

「この写真の少女を調べてほしいんだ。とりあえず前の黒髪のロングの娘。名前はレモン。」

身を守るすべを持たない。なにをいっているのでせうか?このAIさんは?少なくともあなた以外にはかいこうせんを(マジックハンド)で受け止めるやつは知らねえと思ったがそんなことを気にしてては話が進まないので、とりあえずツッコミを入れずに用件を早口で言う。

 

「レモンですね?今ので相当数絞り込めましたよ!確定にするために一つお聞きしたいのですが、周囲のヤドン原種ロコンアローラ姿ロコンは彼女の手持ちでしょうか?」

 

ちょっと待ってて.....どうやらそのようね。後、先程の動画」

 

資料をめくっていた女上司が慌て返した言葉にAIの少女はニコリと笑う。

 

「なるほど。絞り込めました。恐らくこのレモンと呼ばれている少女で間違えないと思います。経歴をお話しした方がいいですか?」

 

「もちろん」

 

次の瞬間スクリーンに数々の資料が写し出される。それらによると

 

・住所 ナナシマ4の島

・同居人 カンナ(RFによる危険度S)

・1年と半年前にレモン名義で戸籍取得。(一応カンナが仮親)

・2年前にナナシマ4の島のイサギ様の遊戯の被験者。

 

「あぁ2年前のあのヤドンの娘か」

 

どおりで見覚えがあった訳である。たしか、その時はイサギ様の部下のスリーパーによって操られて、つれていたヤドンを滅多刺しにしたのだったか。イサギ様が()()()()()最後までは見てないが、恐らく出血量から考えてあのヤドンは死んだだろう。ということは今回写真に写っているヤドンはあのときとは別の個体かな?まぁどうでもいいが。

 

と、目線を女上司の方に向けるとまるで誰かに冷凍ビームを食らったかのように硬直している。

 

「ちょっと待ちなさい。カンナってあのカントー四天王のカンナ?!」

 

「そのようですね。」

 

これは珍しい。驚いているイサギ様だ。

カントー四天王事件。3年前から4年前に『四天王』を名乗る4人組によってカントーのポケモンジムがある全ての町が壊滅寸前までいった事件のことだ。まぁその事件はマチス様、ナツメ様、キョウ様そして、サカキ様(+図鑑所有者なるガキどもも微力ながら)活躍によって解決したのだが.....

 

「その残党がいたからってそんなに驚く必要があるんですか?」

「...いえ。ちょっと驚いただけよ。」

 

先程の反応は明らかにちょっとという概念を越えていたが.....まぁ気にしないでおこう。

 

.....いま気にしてもしょうがないわねそんなことよりRF。2年より前のデータはないのかしら?」

 

「.....ごめんなさい。今現在提示できる資料ありません」

 

「...冗談でしょう?なにか一つくらいは」

 

「皆無です。」

 

イサギさまがチッと舌打ちする。

 

皆無か。人がその痕跡を完全に___少なくとも先ほどまでのテンションの高さが嘘のように今目の前で申し訳なさそうにしているAI少女が探ることができないくらい消すのは難しい。というか個人ではほぼ不可能ではないだろうか?何らかの組織がバックについているのか?

 

「とりあえずRF、チャクラ様のポンコツコンピュータークラッキングするのと平行で、その少女のことを、特に2年より前のことについて調べておいて。」

 

とりあえずレモンのことをRFに引き続き調べるように命令したイサギ様はシロガネの水を一杯飲み干してからこちらを見据えて、

 

「ところで下僕。アローラロコンって可愛いわよね?」

「はい?えぇそうですね」

 

突然そんなことを言ってきた。質問の意図が分からず、一瞬戸惑った返答を返してしまうが、

 

「できれば今すぐに()()()()()使()()()()()欲しいですね」

 

直ぐに意図に気づいて、望んでいるであろう答えを返す。採点は彼女の顔をみる限り、満点。

 

「そうね。まぁ残念なことに今忙しいから協力できないわね。まぁ個人で調達してちょうだい。」

 

「ええ、言われなくても。ところで何か今日他にやらなければならないタスク残っていましたか?」

 

「そうね。親にあまりが出ちゃったからNo.12以降のポケモンを処分しておいて。親である以上()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ええ、取り扱いには気を付けますよ。それではこれで失礼します。」

 

「ええ気を付けてね。有能な部下を失うのは惜しいから」

 

笑顔で見送られながら部屋を退出する。恐らくイサギ様は成功しろとは思ってはいるだろうが、失敗しても知らぬ存ぜずの態度をとるであろう。事実俺だってなぜ、あの女上司様が上層部中の上層部。いちばん上のサカキ様によって確保命令が出てるのにも関わらずなぜ、こっそりと、()()()()()()()()()()()()()のか分からないのだ。恐らく俺の犯行がばれたとしてもしたっぱAの暴走として処理されるだろう。

まぁそれでも俺はやる。この組織を裏切っている背徳感。これが女よりも酒よりも、ろくに勝てやしないポケモンバトルそれにもちろんポケモンの虐待シーンなんかよりも何よりもサイコーに楽しいんだ。

 




一応イサギの立場はハリー、リョウ、ケン(要するにロケット団中隊長)未満、そこら辺のしたっぱより結構上みたいな感じです。(超絶アバウト)

次の話はレモンサイドに戻ります。
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