「サーバルちゃん、今日はどこに遊びにいこっか?」
かばんが隣に座るサーバルキャットのフレンズであるサーバルに問いかけるとサーバルは少し考え、立ち上がり、かばんの手を引き歩き出した。
「今日はさばくちほーに行こうよ!あの二人、元気かなー!」
かばん、サーバル、ラッキービースト(コア)は超大型セルリアンを倒し、パークの危機を救った。その後、二人は毎日色んなちほーで色んなフレンズと遊んで楽しい日々を過ごしていた。
ジャパリバスは壊れてしまったので徒歩でさばくちほーに移動する。
昨日はこはんでビーバーたちと遊び、そのまま家に泊めてもらったのでさばくちほーは隣だ。
こはんの柔らかな草地からさばくちほーの砂地に移動するとラッキービーストは光って警告してきた。
「ココカラさばくちほーダヨ。トテモ暑イカラ熱中症ヤ脱水症状ニ気ヲ付ケテネ。かばん、水筒ヲ用意シテネ」
「分かりました」「はーい!」
かばんは頷くと、鞄からひも付き水筒を二つ取り出し、一つはサーバルの首に掛けてあげ、一つは自分の首にかけた。
この水筒は博士が歩いて移動するのは大変なので、いつでも水分補給できるようにと貰ったものだ。
自分勝手で時に他のフレンズを(本心ではないだろうが)ポンコツ呼ばわりするような方だが、フレンズ思いの良いフレンズなのだ。皆が慕うのも良く分かる。
「ほら行こ!かばんちゃん!」
サーバルが笑顔で振り向く。
かばんはそれに笑顔で応えた。
「うん!」
ジャパリパークは平和だった。
今は。
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さばくちほーを多めに休憩を挟みながら歩き、水筒の水が少なくなってきた頃、二人はじゃぱりまん配布係のラッキービーストから貰った茶色のじゃぱりまんを食べながら、ラッキービーストに促され『おあしす』に向かっていた。
「ずいぶん歩いたけど、ねぇボス、『おあしす』ってまだなの?」
フレンズであるサーバルにはラッキービーストは喋らない。
いつも通り反応がないのでかばんが代弁する。
「あの、ラッキーさん、『おあしす』ってまだなんですか?」
「モウスグダヨ。同ジペースデ真ッ直グ進メバ後5分程デ…ア…」
そこで何かに気付いたように言葉が切れた。
「どうしたんですか?ラッキーさん」
聞くとラッキービーストは予想外の言葉を発した。
「かばん、サーバル、逃ゲテ」
「「え?」」
サーバルは自分の名を呼ばれ、話しかけられた事に驚いているようだ。
「前ヲ見ルンダ」
言われ、ラッキービーストと話す為に下げていた頭を上げると前方に黒い、フレンズのような形をした影が立って、遠くからでも分かる赤く輝く目でこちらを見つめていた。
かばんは何となくその影に既視感を覚えた。そして嫌な予感も。
「なんだ、フレンズじゃない。大丈夫だよ!フレンズは乱暴しないよ!」
「違ウヨ、アレハセルリアンダヨ。ボク達ニハサンドスターロウ濃度ヲ測ル機能ガアルンダ。アノ影はサンドスターロウ濃度ガトテモ高インダ。フレンズナラコンナ数値ハ出ナイヨ」
「どーいうことなの?」
かばんはラッキービーストとサーバルが話している間ずっと影を見ていたが、影はこちらを見ているだけで襲ってくる気配がない。
かばんにはそれが逆に不気味に思えた。
「あの影、襲ってこないですね…。今までだったら発見次第襲ってきたのに」
「取リ敢エズセルリアンニハ関ワラナイ事ガ大事ダヨ。刺激シナイヨウニユックリ遠ザカロウ」
「分かりました。サーバルちゃん、ゆっくり下がって影が見えなくなったらスナネコさんの家まで走ろう」
「うん、分かった」
かばんは瞬き一つせず影を見ながら後ろにゆっくり後ずさった。
そして影が陽炎の奥で揺らめき、視界から消えると、一度だけ行ったスナネコの家まで全力で走った。
黒い影が追ってくることはなかった。
自己満足小説をここまで読んでくださりありがとうございます。
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