とある日の奇跡~ONE DAY MIRACLE~ 作:呪われし咎人
と、思っているのですが、感想はオブラートに包んでいただけると嬉しいです
2017年3月6日
屋上に一人の少年が立っていた。
俺の名は○○、人生に諦めがついたどこにでもいる中学生(15歳)だ。
今俺は生まれ変わろうと思う。今世ではいい事なんてなかったみんな彼女ができて一人だけできないこんなに泣ける話はあるだろうか。修学旅行が終わる頃には一皮むけて男になった連中と俺を含む卒業できなかった連中の空気の差はまるで台風でも起きるんじゃないか?
と思えるほどの温度差だった。
お父さん、お母さん、セサミ(猫)、先立つ俺をお許しください。
落下する時は思ったより遅く感じた。目をつぶるとまるでスロー再生の様に走馬燈がよぎるが何秒経ったか分からないがそろそろ到達しても良いはずなのだが・・・先ほどから風を切る感触ではなく何故か足に違和感がある。○○がゆっくりと目を開けてみると足首を大きな手に掴まれていた。
「うわああああ!?あんた誰だ!?放してくれ!」
紺色の着物を着ている大男がベランダで腰をかけていた。
○○が暴れるとデコピンをされた。○○は額を押さえながらもう一度男の方をよく見ると男の腰には鎌が一本ささっていた。
「まさか、あんた死神??」
顔の位置まで持ち上げられると大男の口は開いた。
「様をつけろバカティン」
○○はまたデコピンをされる。
「ゴホンッ、ここからは私が言うこと聞きなさい、尺の都合上一切質問は受け付けません」
「ちょっと、待てよ!」
「自殺すると生まれ変わるまで地獄で数百年間の拷問を受ける。しかも、地獄に落ちると転生までに時間がかかるし人間になれる可能性低いんだ」
「おいいい!無視かよ!ってか地獄落ちんのかよ!?」
「あと、審査基準も今は十王様直々ではなくて地域のお地蔵さま上がりがやっているから匙の度合いも結構厳しくなっているらしい。最近は何かとお地蔵さんを粗末に扱う馬鹿が増えているからかね」
「じゅうおう??えっ?」
「それから君がしようとしている神様の手違いや自殺で死んだ人間をいちいち神様が気まぐれで異世界にチートスペックを添えて送ってくれると思いますか?答えはNoだ」
「!?」
「ぶっちゃけ疲れるし面倒臭いから手違いでも転生なんてさせない普通にそこまでの経歴で審議を行うよ。ちょうど人間社会の抜き打ちテストみたいな感じ、自殺して今生きている世界に飽き飽きしているとか、今生きている自分の世界を変えようとしないで都合のいい時だけ助けを請うそんな馬鹿共にあの方々は飽き飽きしているんだ」
「今では何人かの働かないでいい神様まで死神の手伝いに駆り出されているんだ。その手の方々はお前みたいのを大寒地獄?コキュートス?まあ、知らんとは思うが永久に地獄から魂を出せない様に改ざんしているっていう噂もあるぐらい」
「地獄も改装工事が間に合ってないでパンパンだってのに面倒なことしないでほしいぜ」
「あ、ついでに私この後、獄卒の手伝いしに地獄に行ってくるんですよ」
「最後に地獄に落ちたくないと思うんだったその方法を教えてあげよう、耳の穴かっぽじってよく聞きなさい、あの布団に手を掴んで落ちるまでに自分で対処してみろ。無事生きることができたらこの出来事をネットに公開して自殺者を減らせ、それがお前にできる徳を積むことだ。最後にオマケ、D組の××はお前に気があるみたいだ」
懐中時計を閉じた。
「ええっ!××が!?」
「もう時間だ、次は死んだ時に迎えに来る。」
死神は霧の様に消えて落下が始まる○○は慌てて布団を掴んだ。
その数日後、僕はあの、出来事の全てをネットに公開した、だけど、あんな夢物語のような話、誰も信じてくれないだろう...ついでに、言うと、あの後俺は××に玉砕覚悟でアタックした。えっ?結果?フフフフ、それは.......
成功しました‼これも、全て死神様のお陰だと思う、もうあんなことは、二度起きないだろう、だが、僕はあの出来事のことは一生忘れない、そう胸に刻み今を大切に生きる。一秒たりとも戻れない過去に後悔しないように、今この時を精一杯、生きていこうと思う。
「ありがとう、死神様」
その言葉は誰に届くこともなく、宙に浮かんだシャボン玉のように弾けて消えていった。
でも、「どういたしまして」そんな声が、聞こえた気がした。
スゥーっと、爽やかな風が吹き抜ける。ふと、上をみあげると、そこには、あの死神を思わせる様な、紺色の夜空に、鎌の形に並んだ綺麗な星が青白く輝いていた