人外娘との生活   作:ハヤテ_s.t

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クリスマスですね・・・・


滅べばいいのに・・・・


特別編:小さなパーティ

「~~~~♪」

 

キッチンから聞こえる陽気なメロディ。聞こえてくるのは誰もが一度は聞いたことのあるようなとある時期限定的に有名な一曲だ。

 

歌っているのは薄水色の髪を料理の邪魔にならないようにポニーテール風に縛った男の娘。この家に住むリオだ。

 

 

彼はいつも以上にご機嫌な様子で手際よく調理を進めていく。それも普段ではお目にかかれないような豪華な食材を惜しげもなく使っている。

 

「リオ、料理のほうはどうだ?」

 

そんな彼の後ろ。リビングのほうからカトレアが顔をのぞかせてリオに問いかける。それを聞いたリオは首だけくるりとカトレアへと向け、笑顔を浮かべながら頷いた。

 

「うん。もうすぐできるよ。」

 

「そうか、それならよかった。きっとそろそろ来るだろうからな。」

 

「もうそんな時間?」

 

驚いた様子のリオ。ふとキッチンの壁に掛けられた時計に目を移してみると、すでに時間は19時になろうかという時間。

 

リオが台所で調理を開始してからすでに二時間が経過しようというところだ。

 

「お?どうやら来たようだぞ?」

 

まるで見計らったようになるチャイムを聞いて、カトレアはその歩を玄関へと向けた。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

 

慌てた様子でエプロンを脱ぐと、すぐにカトレアの後を追って玄関へと走るリオ。

何といっても今日は特別な日。我が家に客人なんて初めての出来事だ。自分もしっかりお出迎えしたい。という気持ちがリオにはあった。

 

「いらっしゃい。よく来てくれたな。」

 

そんな気も知らず、一足先に玄関へとたどり着いたカトレアは、訪れてきてくれた客人を招き入れるため、その扉を開けた。

 

「こんばんわ~。カトレアちゃん。」

 

「カトレアおねえちゃん。こんばんわ!!」

 

見なれた二人の笑顔お見て、リオは心が温かくなったのを感じた。

 

 

 

 

 

 

「凄いわね。人間用の椅子ってこんな形をしているのね。」

 

「すご~い!!おうち ひろ~い!!」

 

リオたちの家に訪れたのはカトレアたちがよく利用する市場のある町に住むリリーナとマリーだ。この二人はリオとカトレアとも関係も深く。付き合いもそれなり。何より人間であるリオに対しても優しく接してくれる。数少ない理解者。

 

まぁ、最近はあの町に住むケンタウロス達はそこまでリオを嫌ってはいないわけなのだが・・・

 

「それにしてもマリー。ガインズ様は本当によろしかったのでしょうか・・・」

 

「ん~・・おとーさんはおかーさんといっしょだから だいじょうぶだよ!」

 

「まぁ、この子が来たいって言いだしたんだし。ガインズさんもリオ君を信頼してるってことよ。」

 

「そ、それはまぁ、非常にうれしいことなのですが。」

 

リビングにて、いつもは二人しかかけることのないテーブルに現在4人で座り、何気ない会話に花を咲かせる。

 

だが、そんなとき。

 

「「「ん・・?」」」

 

「お、おなかすいちゃったよ~。」

 

マリーのおなかの虫が泣きだした。確かにもうすでに19時を回っているわけだし、何よりこの場所に来るにあたってケンタウロスとはいえ子供に片道40分はさすがに疲れたのだろう。

 

「あぁ、気付かなくてごめんなさいマリー。すぐにご飯にしましょう。」

 

「そうだな。私も手伝うぞ。」

 

苦笑いを浮かべたリオはそのままカトレアとともにキッチンへと姿を消した。

 

 

 

 

 

「わ~~~~っ!!」

 

先ほどまで空腹でテーブルに突っ伏していたマリーが、そのテーブルの上に並べられた御馳走を目の当たりにしてその目を輝かせていた。

 

「凄いわね。これ全部リオ君が作ったのかしら?」

 

「は、はい。少し張り切り過ぎてしまいました・・・。」

 

「まぁ、この家に人を呼ぶなんて初めてだったからな。」

 

「ね!はやくたべよう!?」

 

「ふふ。そうしましょうか。マリーも限界のようです。」

 

「そのようだな。」

 

先ほどまでとのテンションの違いに笑いをこらえながら、年長組は急いでテーブルに着いた。

 

「リリーナ様、どうぞ。」

 

「うふふ、リオ君にそんな敬語使われると何だがこそばゆいわね。」

 

あくまでもてなす側として、リオはリリーナのグラスにワインを注いだ。次にカトレア。マリーと自分はお酒を飲まないのでオレンジジュース。

 

4人の手に飲みものが行きわたり、やがて誰からというわけでもなく、全員が一斉に口を開き、グラスをかかげる。

 

「「「「メリークリスマス!!」」」」

 

小さなパーティの始まりだった。

 

 

 

 

「ん~~♪おいしい!!」

 

「そう言っていただけると作ったかいがあります。ってマリー。口にソースがついたままですよ。」

 

「おにいちゃん とってー」

 

「ふふふ、動かないでくださいね。」

 

 

 

 

 

「ほんとに美味しいわね~。リオ君、私よりも料理上手じゃないかしら・・・」

 

「あぁ、リオの料理は世界一だ。こんなのを毎日食べられる私は世界一の幸せ者だな。」

 

「いきなりぶち込んでくるわね~。一人身には辛い話だわぁ・・・」

 

「そう思ってくれるのはうれしいけど。僕はカトレアの料理も食べてみたいな。」

 

「う・・・ま、まぁ、そのうちにな・・・」

 

「カトレアちゃん・・・・」

 

 

 

 

「大体な~最近リオは冷たいんだ。ハグもしてくれないしキスもしてくれない。だからと言ってこちらから手を出せば怒られる・・・私は一体どうしたらいいんだ!!」

 

「いっそ押し倒しちゃえばいいんじゃないかしら?」

 

「それだ!!」

 

「子供の前でなんてこと言うんですか貴女は!!」

 

「なに~おにいちゃん。みみ おさえたら なにも きこえないよ~」

 

 

 

 

 

 

「おにいちゃん!! いっしょにおふろ はいろ!」

 

「っ!!??」

 

「い、一緒にですか?そ、それならカトレア様か、リリーナ様に・・・」

 

「あら?別にいいじゃないまだ小さいんだし。今のうちだけよ?」

 

「駄目だ!絶対に許さんぞリオ!私でさえまだ一緒に入れていないというのに!!」

 

「おにいちゃん・・・いっしょダメなの・・・?」

 

「うぐっ・・・・・こ、今回だけですよ・・・」

 

「やったーー!!」

 

「リオォォォォォォォォ!!」

 

「はいはい。カトレアちゃんはこっちでおとなしくしてましょうね~。」

 

 

 

 

 

「ん、ん~~・・・」

 

「マリー?もう眠くなっちゃいましたか?」

 

「・・・・・ぅん。」

 

「まぁ、こんな時間だもの。そろそろお開きにしましょうか。」

 

「そうですね。それでは、お二人の布団を・・・って、マリー?」

 

「おにーちゃんと・・・ねる。」

 

「っ!!??」

 

「わかりました。それでは、一緒に寝ましょうか。」(慣れた)

 

「~~~~~~~~っ!!!!!!」

 

「はいはい、そんなに騒いだらマリーちゃんびっくりしちゃうでしょ~。あ、私はカトレアちゃんの部屋で寝るから、布団はいいわ。」

 

「わかりました。それでは、リリーナ様、カトレア様。おやすみなさい。」

 

「はい、お休み~。」

 

「リオぉ・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ・・・リオが・・私のリオが・・・」

 

暗く静かな部屋で、カトレアが自分のベットに横になりながら枕に顔を押し付けるようにして声を漏らしていた。

 

マリーがリオと寝ると言い出してから早1時間。私と一緒にいるリリーナも今は床に敷かれた布団でぐっすり寝入ってしまっている。なんやかんやで彼女もここまでの道のりでそれなりに疲れていたらしい。

 

にもかかわらず。カトレアはただ一人、悔しそうに声をもらしながら枕を強く抱きしめ寝れないでいる。

 

原因は言わずもがな、今日一日マリーの世話をしていたため一切かまってもらえなかったリオのことだ。

 

「うぅ・・・・・・・?」

 

ふと、自室の扉が開いた。音がする。何かと、顔を上げると、そこにはマリーと寝ているはずのリオがパジャマ姿で顔をのぞかせていた。

 

「り・・リオ?」

 

「あ、やっぱり起きてたね・・・。リリーナさんは・・・ふふ、よく寝てる。」

 

床に横になったリリーナの体をよけながら、その顔に楽しそうな笑みを浮かべながらカトレアへと近づくリオ。

 

やがて、カトレアが横になるベットの上にあがると、静かにベットの上に座り込んだ。

 

「ど、どうしたんだ?」

 

「ん。今日一日マリーに付きっきりだったからね。カトレアが不貞腐れてるんじゃないかと思って。」

 

そう言いながらゆっくりとカトレアの髪に手櫛を入れるリオ。やさしいその手つきに今まで心の中に渦巻いていた黒い感情が一気に洗い流されていた。

 

「そのマリーは大丈夫なのか?」

 

「うん。今はもうぐっすりだよ。まぁ、またすぐ戻るんだけど。」

 

「なら、なんでわざわざここに来たんだ?」

 

カトレアの疑問に、リオは悪戯っぽく、しかしそれでいて、その頬を赤く染めながら笑った。

 

「カトレア。今日はクリスマスだよ?」

 

「それが何か関係しているのか?」

 

「普段いい子にしているカトレアちゃんに、リオサンタからプレゼントをあげようと思って。」

 

「プレゼン――――んっ・・!!」

 

疑問に首をかしげるカトレアの隙を突いて。リオはカトレアにそっとキスを落とした。

 

それは時間にして二秒程度。そっと唇を離すと、まだ固まったままでいるカトレアをおいて、リオはサッと布団から降りるとそのまま扉へと軽い足取りでたどりつき。

 

「これなら、今日は良い夢見れそうでしょ?お休み。カトレア。」

 

月明かりに照らされたリオは、悪戯っぽくウインクをすると、そのまま部屋を出て行ってしまった。

 

「・・・・・・」

 

やっと戻ってきたのであろうか。カトレアはゆっくりと自分の唇に指を這わせる。自然と上がっていく口角を隠すように再び枕に顔をうずめると。

 

 

「ふ、ふふふふふふふふふふふ。」

 

はたから見れば怪しさ全開で、声を押し殺しながら幸せそうに笑っていた。

 

 

{あらら、リオ君も意外と大胆なのね~}

 

 

 

翌日、リリーナにからかわれ、顔を真っ赤にしながらマリーの耳をふさぐリオの姿があった。




せっかくのクリスマス、ということで特別編としてカトレアさん復活です。

今回のお話は今までの文章と少し変えて、短編的、と言いますか、地の文を少なめにしたものにチャレンジしてみました。

読みにくくなってしまっていたらゴメンナサイ。台詞の文章のみなので。その様子は皆様の頭の中で柄にして下さればうれしいです。

ちなみに私はニヤニヤと怪しい笑みを浮かべながら文章を掻いておりました・・・・


さて、今回はカトレアさんですが、ここから特別編として今まで登場した人外娘全員書いていこうと思います。
投稿は少し遅くなるかと思いますが、クリスマス編、ということで。
では、ここまで読んで下さり本当にありがとうございました。
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