オシャレや可愛い格好に疎いので・・・アカン(@ω@;)
「ふむ・・・やはりお前の作る朝食はうまいな。」
「といっても焼いたり、切って並べたりしただけですよ?」
「そんなことは関係ない。私にとってはお前が私のために作ってくれたことに意味があるんだ。」
焼いただけのトーストを食べながらリオに微笑む女性。それに遠慮しながら答えるリオだが料理をほめられてうれしいのか少しだけ頬が赤い。
「そ、そう・・・ありがとう。カトレア。」
リオがそう呼んだ相手。それが今こうして正面で料理を口にしているケンタウロスの名前だ。上半身はリオと同じ人間だが下半身は人ではない。馬だ。それもそれなりに大きい。
ガタイの良い大人の男を乗せて走れそうなその体長は腕の細い彼女と比べて少しバランスが悪いかもしれない。いや、ある一点・・・女性の象徴である一部分もあの腕の細さから考えるととんでもない大きさになっているわけだが、何だあれは、スイカ・・・いや、あんなのお化けスイカだ。(話がずれました。)
さらにエルフのように横に伸びた耳も特徴といえば特徴。
そんな彼女が今度は腰上まで伸びた金髪のポニーテールを揺らしながらこちらに少し身を乗り出したかと思うと今度は・・・
「それで、今日こそはプロポーズに応じてくれるな?リオ。」
などと笑顔で言っている。
「だから言ってるでしょカトレア。今人間とケンタウロス族で結婚なんて・・・」
「それは知っている。しかしそれは私たち以外の問題だろう?現にこうして一緒に暮らしていても問題ないわけだ。」
「そう思ってるのはカトレアだけだよ?僕たちがこうして一緒に暮らしているのだって周りは奴隷契約だと思ってるんだから。」
突然のプロポーズにも決して慌てることなく、まるで我儘な子供を諭すように話すリオ。
まぁ、こういったやり取りはほぼ毎日行われているわけなので慣れてしまうのも当然なわけだが・・・
「ふん、全く困ったものだな。こうして愛し合っているのにもかかわらず奴隷契約なんて使わなければ愛する人と一緒に暮らすこともできないなんて。」
リオとカトレアは同じ家で生活している。まぁ同棲なわけだが。
同棲自体は悪いことではない。それが人間同士。ケンタウロス同士なら。
現在、人間とケンタウロス族では大きな問題を抱えていた。
それは、人間とケンタウロス族との仲が険悪になっていること。なぜそんなことが起きているのかといえば話は長くなる。
そもそもケンタウロス族と人間というのは昔から仲が悪かったわけではない。むしろお互いを信頼し合った良い友好関係を築いていた。
食や住を共にする者も多かったし、どちらかがほかの部族から侵攻を受ければもう一方が援護に入る。それほどまでに両族とも仲が良かった。
その関係を崩したきっかけを作ったのは・・・人間のほうだった。
きっかけは一つの事件。始まりは一度の災害だった。
大きな地震が起きた。それは人間の国を大きく揺らし、津波が起こり山が崩れた。そこで一つの集落が完全に孤立してしまったのだ。
連絡手段、交通手段はなく、電気もない。食料は底をつき、口にできるのは汚れた井戸水だけ。そんな危機的状況は人の理性を失わせるには十分すぎた。
彼らはその時集落で生活を共にしていたケンタウロス族を殺し、その肉を食べて飢えをしのいだのだ。
数週間後、なんとか救出された彼らは取材でこう語った。
「何も食べるものがなかったんだ!目の前に馬肉があれば食いつくにきまってるだろう!」
なんともゲスな言い訳だ。ケンタウロス族たちは思った。こんなことを言うのが本当にあの人間か・・・と。
しかし彼らが本当に驚き、人間たちに対するイメージを変えたのはこの後の出来事だった。
人間たちはあろうことか、同胞を殺した犯罪者たちを裁くことをしなかったのだ。
これにはケンタウロス族も怒り狂った。「なぜ処罰を下さない!」「私たちの同胞を殺したにとどまらず、食用の肉と罵ったのだぞ!」「やつらに殺された私たちの同胞のためにもやつらに罪を償わせろ!」と。
しかし、人間たちはそれに対し、判断を覆すことはなかった。それどころか。「彼らは災害により孤立し、極限状態にあった。残り数日も生きることができない状態で彼らは生きるための行動をした。ケンタウロス達は彼らが生きるための尊い犠牲になったのだ。」と言い放った。
これにより、ケンタウロスたちの人間に対する考えが裏返った。野蛮で、自分のためなら仲間すらも犠牲にする汚い部族。
それまで一緒に生活していたケンタウロス族も逃げるように自分たちの故郷に帰り、ケンタウロス達は人間たちとの交流を断ち切った。
それ以来人間とケンタウロス達の関係は最悪なものとなり現在に至る。今では悪さをする子供に「いたずらする悪い子は人間たちに食べられちゃうぞ。」などという親も少なくない・・・・
「そもそも僕がこのケンタウロス達が治める国にいるだけでも奇跡だよ。」
「ふふ、私と一緒にいれてうれしいだろう?」
リオの言うようにここはケンタウロス族が治める土地。周りには草原しかないが、家の前の道を40分ほど歩いたところにケンタウロス族しかすまない街がある。家で食べる食料を買いに行く市場もここだ。
「カトレアの行動力には毎回驚かされてばっかりだよ。」
先ほども説明したとおり、現在ケンタウロス族の人間たちに対する印象は最悪。下手をすれば戦争も始まりかねないようは状態。
そんな状態の国にあろうことかケンタウロス族と同棲する人間がいたとなっては大問題なわけだ。
「そう褒めるな。照れてしまう。」
「褒めてないよ。まぁ、どこぞの知らないケンタウロス族の家に連れていかれて労働三昧。なんて可能性から救ってくれたのは感謝してるけど・・・」
そう言って首にはめられた首輪をなでる。
この首輪は奴隷の証。これこそがリオという人間が、ケンタウロス族の国にいられる最大の理由だ。
人間たちに大きな憎しみを持つケンタウロス族が人間たちへの復讐のために始めた行為、それが「人間たちの奴隷」の容認だ。
もとは裏組織で秘密裏で行われていた人間拉致、そして人身売買。ケンタウロス族以外にもこの世界にはさまざまな異種族が存在している。
その中には種族の中に女性しかおらず、人間や他種族のオスを生殖に使う種族も存在する。
人間というのはその手の種族に人気が高いのだ。異種族に比べれば圧倒的に個人の力が弱い人間は反乱の危険も少ない、仮に反乱があってもその程度では大したことはない。頭はいいし、手先もいいが、所詮その程度、一人や二人程度大した脅威にはならないため「飼う」にはちょうどいいのだ。
仲が悪くなる前はこの行為を取り締まっていたケンタウロス族の長達だが、例の事件発生から一変。国事態で「人間の拉致」や「人間の奴隷制度」を容認し、人間専用の奴隷市なんてものまで作ってしまったのだ。
つまりリオはそういうこと、人間の国でケンタウロス族に捕まり、奴隷としてこの国にやってきたのだ。
「ふ・・・お前のような可愛いものを他人に取られてたまるか。」
彼女、カトレアとは奴隷市で出会った。リオの競りが始まってしばらくして彼女が市場全体に響くような声でその時提示された落札価格の軽く5倍の値段をたたき出してリオを競り落とした。
「毎回言うけど、僕は男だよ。」
「知ってるさ。それには感謝しているよ。おかげで子孫が残せるんだからな。」
「そんな気は毛頭ないけどね。」
競り落とされて当時のカトレアの家・・・(本当に大きな、大豪邸だった。)に連れて行かれ、もろもろの手続きが終わってリオを連れてきた奴隷商が帰った後、二人きりになったとき。
『お前に惚れた!私と結婚してくれ!』
それが彼女から初めて言われた言葉だった。
そこから彼女の行動力はすさまじく、「こんな町ではリオを見る目が危険すぎる。」と現在の家を建て引っ越し。
リオの服や座るための椅子。ベットなどを特注で注文(この注文をした商人たちはカトレアの古くからの親友だとか・・・まぁ、そうでもなければ今頃こんな悠長に食事なんて出来ていないだろうが)
『これからはずっと一緒だぞ!』
と現在に至るわけである。
「駄目だって言ってるでしょ。そんなことしたら隠しきれないよ・・・今の生活だって奴隷契約で隠し通すのぎりぎりなんだから・・・」
目を伏せて話し出すリオ。声が小さくなっていく。顔こそ見えないがその表情を想像するのは簡単だった。
だから、カトレアはやさしく微笑んで口を開く。
「そんなものは無視すればいい。私はケンタウロス族である前に女だ。自分の愛する男と結ばれるためなら一族だって捨てる覚悟もある」
「・・・ほんとに男らしいよね、カトレアって。」
「む、私はれっきとした女だ!」
「知ってるよ。」
「それなら――――」
「でも駄目。カトレアはみんなと、ケンタウロスのみんなといなくちゃ。僕なんかを理由に人生を棒に振ったら駄目。」
「そうやって自分を下卑するんじゃない!私は本気だ!」
「なお悪いよ。」
「ならお前は私が嫌いか!?」
「・・・・・・・そんなことないよ。でもそれとこれは別。」
カトレアの剣幕に言葉が詰まってしまう。
即答で「嫌い」と言われなかったところでカトレア自身少し安堵してしまうが、途切れの悪い言葉に不安も残る。何百回と繰り返した会話だが、彼の口から了承の言葉はいまだに出てこなかった。
「それなら――――!!」
「もう食べ終わったから先に洗濯してくるね。カトレアも食べ終わったら流しに入れてくれるだけでいいから。」
いそいそと食器を片づけリビングから出て行ってしまうリオ。
カトレアはそれを止めることができず。ただ残念そうに溜息を吐くだけだった。
ここまでお読み下さりありがとうございます^^
話が全然進んでない・・・まだ朝ご飯じゃないか・・・
今回はとりあえず現在の二人のいる環境報告。のつもりで書きました。国と国の問題というのはこういったことでおこるものでしょうか。作者の技量に疑問を感じた方。申し訳ありませんその通りでございます。
下書きなしで書いているため読みづらかったり、おかしなところがあるかもしれません。作者も読み返したりしていますが、もしよろしければそういった点を見かけたら感想に書き込んでいただけると幸いです。早急に改善するします。
それすらも作者の技量次第なわけですが。
こんな内容の作品ですが早くもお気に入りにして下さった方や、感想を書き込んで下さる方がいらっしゃって・・・本当に感無量です;w;
今回は作品の売りである人外娘との辛みが少なかったですが。次回からもっと「らしさ」を出していただけたらと思います。
それでは今回はこの辺で失礼いたします
読んで下さり本当にありがとうございました。