ここから少しペースをあげられたらなぁと思います・・・(・ω・´;)
「♪~~」
鼻歌を口ずさみながらリュックへ井戸水の入った水筒とタオル。それとお昼用に作ったお弁当を詰め込む。
それを掛け声とともに背負うと、その小さな体にはなかなかの重さがかかった。しかしそれにも慣れた様子でその少年は家の扉を開け放った。
「リオ。」
「ん?」
これから森に入ろうとするリオに背後から声がかかる。その聞きなれた声にリオが振り返るとその顔を少しだけしかめながら見なれた幼馴染がこちらへと歩いてきていた。
「あぁ、サヤ。おはよう。」
「おはよう。じゃないわよ。アンタまた森に行くの?森は危ないから入らないようにって、前に言ったわよね。」
腰に手を当てながらこちらをにらんでくるサヤにリオは苦笑いを浮かべることしかできなかった。
彼女はリオが毎日森の中に入っていくことを知っているし、何を・・・いや、誰とあっているのかも知っている。
この村で唯一リオがリリアのことを話した人物である。
それでもやはり言葉から察せられるように、反対はされてしまっているのだが。それで諦めるリオではない。リオにとってリリアとの時間は大事なものなのだから。
「大丈夫だよ。今までだって大丈夫だったんだから。」
「その理屈はまったくもって信用ならないからね・・・・・。まったく、行くなら護衛用に銃でも持っていけば、ってそっか・・・アンタはそういう才能皆無だったわね・・・。」
「言わないでよ。悲しくなってくる。」
「はぁ・・・まぁどんなに言ってもアンタが聞かないってことはわかってるんだけどさ。」
「仰る通りで。」
「自慢げに無い胸を張るんじゃないわよ。まぁ、日が沈む前には戻ってきなさいよね。」
「わかってるよ母さん。」
「私は娘より息子のがほしかったわ。」
「僕は男だ」
毎回行われる通過儀礼のようなもの。リオが村を出るときには決まってサヤが引き留めに来る。それも足止め程度にしかならないが、
そもそもサヤ自身無理にリオを引きとめようとしたことはない。心配していることは事実だろうが、それ以前にリオがどうゆう人物なのか理解しているので、言って聞かないのを知っているからだ。
こうして今日もいつもどおりに村を出発する。少し不安そうにこちらを眺めるサヤに、できる限りその不安を取り除けるようにと思いを込めて笑顔で手を振りながら、リオはいつもの道を歩き出した。
「ん~~、まだ・・・まだですかね~・・・」
ところ変わってこちらは森の奥深くに鎮座する大花。の中にいるアルラウネである。いつぞやのように、目をつむってうねりながら難しい顔をしている。
これも前と同じように彼女は今日もその蔦を伸ばしているのだ。目を通して先を確認しながら彼女は必死に目的の場所を目指して蔦を伸ばしていく。
それでも終わりが見えてこないのは方向を間違えたのか、それとも単純にまだまだ距離が足りないのか。
「方角は間違ってないと思うのですが・・・なかなか見えきませんね~・・・あっ」
集中していたはずの彼女の口から嬉しそうな声が見える。彼女の蔦が愛しの彼を発見していたのだ。
「リオ様。今日もこちらに足を運んでくださっているんですね。」
そう言いながら両手で頬を包むその顔はだらしないくらいに緩み切っている。
とことん幸せそうな表情の彼女がいずれここに到着するリオを見越して自身の身繕いを整えようと、蔦からの視覚を切ろうとゆう矢先。
「っ!!」
リリアの耳が何かの足跡をとらえた。場所としてはリオからは程遠い。むしろ距離的にはリリア自身に近い場所。
急いでその近くの蔦から視覚で探してみると・・・
「・・・・これは、困りましたねぇ・・・」
そういって彼女は、ゆっくりとその体を起こし、目を開いた。
「今日はリリア起きてるかな。」
村を出発してから30分と少し、早歩きで来た今日はいつもより少しだけ早くリリアに会うことができそうだった。
「ん?」
と、そこでリオがいつもと違う空気に違和感を覚えた。いや、空気が違うというよりかはなにか匂ってきている。
それは気をつけなければスル―してしまいそうなほどにわずかな匂い。今まで嗅いだ事のないその匂いはどこか甘いような、そんな匂いが漂っていた。
「ん・・・・あっ・・・」
どこからくる匂いなのか、いったいなんの匂いなのか、それを確かめようとした瞬間。あたりにあった匂いが姿を消した。
もともと何かの残り香のようだったそれは一瞬でリオの鼻ではもう確認できなくなってしまっていた。
「・・・何だったんだろ・・」
少しだけ残念な気がしたが、いまさらどうしようもない。と思いリオはそのまま足を進めた。
やがて、見なれたスペースがその目に映った。予想通りというべきか目的の女性はその大きな花からその身を出して腰掛けている。
しかし、
「リリア・・・・?」
その表情は、今まで見たこともないような・・・・リオからしてみれば、いつもの彼女からは想像もできないような不気味な笑みを浮かべて、リオではない方向をみて笑っている。
気になってそちらへと目を向けてみても、そこには特に変わったものはない。彼女の住む大きな花よりも幾分か小さい花がいくつかあるだけである。
しかし、その1つだけ。周りがすべて花開いているというのに、ひときわ大きな花だけが蕾のようにその身を丸めていることだけ・・・
不思議に思ってもう一度リリアのほうに顔を戻しても、先ほどと同じように不気味に笑っているだけ。
耐えられなくなったリオは意を決してその口を開いた。
「リリア?」
「っ!? あぁ、リオ様。おはようございます。いらしていたのならお声を掛けて下されば宜しかったのに。」
一瞬だけ驚いた表情になったリリアは、こちらを確認した途端。いつものやさしげな表情に戻ってこちらに微笑み返してくる。
「い、いや。声はかけたんだけど、リリア何か集中してたみたいで・・・あの花がどうかしたの?」
「あ、見られてしまったのですね・・・お恥ずかしいです。実は《あの子》昨日の夜まで調子が悪かったのですが、今朝になって調子が戻ってきたみたいで。」
「あぁなるほど。それで笑ってたんだね。」
「はい・・・ってそこまで見られていたのですか?うぅ・・・そ、そのような事はお忘れになってください。」
「ふふ、わかったよ。リリアがそう言うなら。」
本当は忘れたくても忘れられない。あんなリリアの表情を見てしまって、もしかしたら今夜夢にも出てきてしまいそうなほど衝撃的だった。
しかし、それを実際口に出すのは失礼極まりない。
そう思ってリオは、いつもどおりに振る舞った。彼女のいつもの笑顔を見ることで幾分かは安心してはいるものの、
心の奥底で出来上がってしまった不安は、少しだけ長引きそうだと感じながら。
前書きでも申し上げましたが・・・更新が遅くなってしまって申し訳ありません。m(_ _;)m
4人目の人外娘さんということでアルラウネのリリアを書き始めましたが。書き始めて3話目・・・書くネタが思い浮かばなくなった・・・
というよりも、アルラウネって画像とか、絵とかでは大変好きな人外娘さんなのですが、実際に文章に起こしてみると、彼女の人がいらしさを活かした部分が書きづらくてしょうがない!!
というより、したいことが浮かばなくなりました・・・
ケンタのブラッシングしかり、ラミアの脱皮しかり、ドラゴンの尻尾スリスリしかり・・・
今までの人外娘さんではそれらの人外成分を活かした話(作者の願望)が多かったのですが・・・
これは難しい・・・早くもリリアちゃん編。心が折れそうです。
ともあれ、これからもがんばっていこうと思いますので、読んで下さればうれしいです。
それでは、ここまで読んで下さり本当にありがとうございます(^w^