本当に申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!(土下座)
早朝、彼は眠りから目覚める寸前のまどろみの中にいた。
「ん・・・・んぅ・・・・?」
そんな意識もおぼろげの中思うのは今日の予定。
朝起きてからの自分のやるべきことだ。
もう朝か・・・
毎日を繰り返していく中ですでに習慣になりつつある朝の準備。
あ~・・・まず着替えて・・・カトレアが散歩から買える前に朝ごはんの準備しなきゃ
それも自分だけのものではない。自分と・・・「もう一人」自分の大切な存在とともにすごすための準備だ。ひとつたりとも手を抜くようなことはしたくない。
だからこそ、こんなまどろみの中でも彼は性格に自分の行動を考えられる。
カト・・・レア? いやいや、違う。何を言っているんだ。ご飯作ったらラーニャを起こしにいかなくちゃ。僕が行かなきゃ起きられない甘えん坊を起こしに・・・
しかし今回彼はどうにも頭の中に浮かぶイメージに違和感を覚えていた。
いや、そもそも朝ごはん作る前に狩に行かなくちゃご飯がないじゃないか・・・
サフィールにお肉とって来てもらって、僕は山菜。野菜嫌いの彼女のためにもしっかり栄養の有る植物を選ばないと・・・
その違和感は徐々に彼自身の頭の中を塗りつぶしていくように広がっていく。
植物・・・そうだ、植物のような彼女のために、リリアの大好きな井戸水を汲みにいかなくちゃ。早めに出かけないとリリアと話をする時間が少なくなって・・・・・???
「一緒にすごした時間」「今までの思い出」「一番大切な人」
それらはただ一人との思い出であるはず。
だった・・・
カトレア・・・?
ラーニャ・・・?
サフィール・・?
リリア・・・・?
あれ・・・?僕・・・は、何をしようとしてたんだっけ?
自分にとって一番大切なはずの存在が、たった一人思い続けたその存在が。
自分の記憶が曖昧になっていく。
あれ・・・?僕は・・・誰のことを考えていたんだっけ?
その問いに答えられる存在は。ここにいない
「・・・・あれ?」
目が覚めると見覚えのない天井だった。
ボーっとする頭を抑えながら上半身をベッドから起こす。もともとリオは朝が弱い。
だが、今日はなんだかいつも以上に頭が働かなかった。
{なんだか、すごく変な夢を見ていたような気がするんだけど・・・思い出せないや。」
考えられない頭でそんなことを悩んでも無駄だと判断したりリオは頭を振ると、大きく伸びをした。
「あら、起きたのね。どこの世界でもアンタが早起きなのは変わらないみたいで少し安心したわ。」
「え・・・?」
不意に自分にかけられたであろう言葉に一瞬思考が止まるリオ。少しして声がかけられたほうに顔を向けると、
「おはよう。なれないベッドだっただろうけどよく眠れたかしら?」
「・・・・・・」
ピシッとしたYシャツに袖を通しながらこちらを振り返る・・・自分の記憶よりもいくらか成長した幼馴染が優しい表情でこちらを見ていた。
「・・・・あー、そうだった・・・忘れてた。」
「いい具合に混乱していたようね。ま、それもしょうがないけれど、それよりも先にいわなくちゃいけないことがあるんじゃないの?」
頭を抑えながらため息をつく女の子のような幼馴染に同情しながらも、その女性。サヤはゆっくりとリオに近づくとベッドに腰かけながらその顔を覗き込んだ。
「ん、そうだね。おはようサヤ。昨日はおかげさまでぐっすりだったよ。」
「・・・そう。それならよかったわ。」
自分なりのアピールを完全に無視されたことに若干のショックを浮けながらサヤはベッドから腰を上げてドアへと向かう。
「それじゃ。着替えはそこにおいてあるから。今日からしっかり働いてもらうわよ。主婦として・・・ね?」
「まって、今すごく気になった。『主夫』だよね?『主婦』じゃないよね」
「・・・どっちも同じじゃない」
「そこで折れちゃうと僕の男としての尊厳と、今まで否定してきたすべてが無駄になるじゃないか。」
「細かいのは肌のキメだけにしておきなさい。」
「うまいこと言ったつもりなのか知らないけどそのドヤ顔やめて」
「あら、おはようございます。リオ様、サヤ様。」
「おはよう。リリア。」
夫婦漫才のような朝の挨拶を終えると、リオとサヤは寝室からリビングへと移動。
そこにはフローリングから大きな花が生えており、その中心からは美しい女性が上半身だけ覗かせている。
「アルラウネって意外と早起きなのね。ちょっと以外だわ。」
「私以外のアルラウネにあったことがないので一概にそうとは言えませんが、私は何より朝日を浴びるのが好きですので、その時間には起きているようにしていますわ。」
「ふ~ん、まぁ健康的で関心関心。毎朝しっかりと起きられるのはいいことだと思うわよ。」
朝食の準備のためキッチンに向かうサヤは、リビングに広がるこの異様な光景に特に驚くことはなく、コーヒーを入れる準備をしている。
「えぇ、私たちアルラウネにとって太陽の光と水分は生きるのに必要な重大要素ですから。」
「確かに・・・」
「いまさらだけど、リリアにあげる水ってどうすればいいんだろうね。フローリングにたらすわけにはいかないし・・・」
水を水道からコップへと注ぎながらふと疑問の声を上げるリオ。
以前なら下が地面だったので気にせず水をあげることができたのだがここは室内。そんなことをすれば床が大惨事になるのは目に見えている。
「その点はご心配なく。私が直接この口から取り入れればいいのですから。」
「え?そんなことできるの?」
「えぇ、このアルラウネとしての私は、この花自体はもちろん。この人の体も私なのですから、どこからでも水分を得ることができます。ただ、地中の根よりもしっかりと味わえないのが残念ではありますが。」
「そうなんだ。でも、それなら安心だね。はい、リリア。」
自分の知らなかったことに感心しながらも、微笑みながら水の入ったコップを手渡そうとするリオだが・・・
「・・・・?どうしたのリリア?」
当のリリアがそのコップを受け取ろうとしない。というより、不服そうにこちらをにらんでくる。
なにかあったのかとコップとリリアを見比べながら首をかしげるリオ。
二人を見ながら同じように首をかしげるサヤ。
そんな二人に対し、リリアは笑顔を前回にしながらリオに口を開いた。
「どうしたもなにも、違いますわリオ様。『いつものように』あなた様が私に飲ませてくださいませ。」
「はぇ!??」
「・・・・はぁ・・」
その言葉にリオは顔を赤く染め、サヤは心配して損した・・と、自分の作ったコーヒーを飲みながら朝食の準備に戻っていく。
「ちょ、なに言い出すのさ!!」
「なに・・といわれましても、今までどおり、リオ様から私に水をいただけませんか?というお願いなのですけれど・・」
「ぐ・・・で、でも今までは花の根元に水をあげてたわけだし、自分でのめるなら僕がやる必要は・・・」
「あら。アルラウネにとって根で飲むのもこの口で飲むのも変わりはありません。私にとって「リオ様からいただいた水」というのが大切なのです。」
「そ、そうはいっても・・・」
今まではその様子から、単純に植物としてのリリアに水を与えることができた。
なんといっても水を地面にこぼしていくだけなのだ。そこに何の意識を持てというのか。
しかし今回は違う。女性としての姿を持つリリアの口に水を飲ませるのだ。リオとしても人に水を飲ませるということをしたことがない以上どうしても足踏みしてしまうというか・・・何よりなんか恥ずかしい。
リオは自分の考えうるすべての知識を総動員してこの誘いを断る術を思いついた。
そこに誤算があるとするならば・・・
「ほらコップを使って人に水飲ませるなんてしたことないし、それでこぼしたら大変でしょう?だからほら、今回は自分で・・・」
「あ、小さめのジョウロならあるわよ?それ使えば?」
「サヤぁぁぁ!?」
ここにリオの味方はいない。
「はぁ・・・・」
場所変わってこちらはリビングへと向かう廊下。肩を落としたカトレアが蹄の音を鳴らしながら歩いていた。
普段ならば朝一番に日課の散歩へと出かけているはずのカトレアだが、そこには理由があった。というか彼女が落ち込んでいる理由こそそれが原因でもある。
それは昨日の夜にまでさかのぼる
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『というわけで、お風呂沸かしておくからラーニャさんはそこで体を温めてください。間違ってもリオを使わないように』
『うぅ・・・ひどいです・・・横暴です。』
『ほかに、何か準備しておくようなことはある?なにぶん他種族の方には疎いから。必要なものがあったらいっておいてもらいたいんだけど。』
『それでは、この家の鍵を貸していただけませんか?』
『鍵・・・?なんで』
『なに、私は毎朝散歩をするのが日課になっていまして。早朝から出ますので防犯上鍵をお借りして戸締りさせていただいたほうがいいかと思いまして。』
『なるほど・・・でも申し訳ないけど、散歩はやめてもらえないかしら?』
『な、なぜです!?』
『ここは一応私が一人暮らししていることになっているの。そこで他種族の人が出入りしているのがばれるといろいろ面倒なのよ。今のこの国はそこまで他種族交流があるわけじゃないの。』
『・・・ぬ、ぐぅ・・・・』
『だから散歩も禁止。』
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そうしてカトレアは日課をやめざるを得なくなった。彼女自身散歩をしなければ生きられないというわけでもないのだが、今までずっとしてきた習慣が急に禁止されたのだ。
ストレス。とまでは行かないまでも少なからず納得いかない部分があるわけで・・・
「しかし、ラーニャ殿も我慢されているのだ・・・私一人勝手をするわけには・・・」
一人でぶつぶつとつぶやきながらリビングの扉を開くとそこに広がっていたのは
「んっ・・ふぁ・・り、リオ様・・もう少し・・んくっ・・ゆっくり・・ぃ・・」
「ご、ごめん。でもコレ加減がわからなくて・・」
ジョウロを使ってリリアに水をあたえる自分の想い人の姿だった。
「な、なにをやっているのだ?」
「あ、カトレア。おはよう。」
「んぁ!リオ様、よそ見されるとぉ・・お水が零れてしまいますわ・・・」
「あっ、ごめんねリリア。」
「な、なぜこんなことになっている・・?」
あまりに衝撃的な現実に頭が働かないカトレア。そんな彼女の都内にはいつの間に来たのか、この家の家主であるサヤがどこか遠い目でたっていた。
「あぁ、説明してあげるわよ・・・」
「さ、サヤ殿・・・?」
「・・・・・・・」
「まったく、ジョウロを渡したのは確かに私だけどこんなことになるなんて予想もつかなかったわ・・・はぁ」
カトレアに今朝起こった出来事の説明を終えたサヤは眉間を抑えながら大きなため息をついた。
確かにコップでは飲ませづらいと逃げようとしていたリオをジョウロという妥協伝で逃げ道をふさいだのはサヤだ。
しかし、しかしである。こんな空間が出来上がるとは誰が予想できたであろうか。
「んっ・・・んっ・・・ぷぁ・・・んむぅ・・・」
「どう?おいしい?リリア」
「は・・・いぃ、とても・・・とってもおいしぃですわ・・・リオ様ぁ」
リリアはほほを赤く染めながらどこか艶っぽい声でリオを見上げているし。
リオはリオでどこかまんざらでもない・・・
どうにも納得できない・・・というより・・・
「・・・イライラする。」
口に出してはっきり理解した。自分はイライラしている。二人だけの世界に入ってしまっている幼馴染。その相手であるアルラウネに嫉妬しているのだ。
わかっているつもりではあったが・・・
「なかなか・・・クるわね・・・・」
この胸を締め付けるような痛みは、今のサヤにとって理解したくない事実であった。
「納得できーん!!!」
そんな雰囲気をぶち壊したのは、サヤから説明を聞いて顔を伏せたままだったカトレアであった。
「ど、どうしたのカトレア?」
「えぇい!リリア殿!卑怯ではないか!ラーニャ殿も我慢しているのにあなた一人だけリオとそのようなことを・・・!!」
「あら、そのようなことを言われても、コレは家主であるサヤ様も許可してくださったことですし、私が文句を言われる筋合いはありませんわ。」
「確かにそうかもしれませんが、ここにはあなただけではなく私を含めリオとともに過ごしていた者が他にもいるのです!そんな中で自分ひとりでリオを独占するなど言語道断ではありませんか!!」
「それすらも早い者勝ち、というわけです。私はしっかりとサヤ様にもリオ様にも許可をいただいたわけですから。」
「しかし――――」
徐々にヒートアップしていく二人にアタフタしているだけのリオ。
コレでは埒が明かないと、サヤが腰を上げたのと、
「あ~~朝からうるせえなぁ・・・・」
新たな問題児がリビングに入ってくるのと、
「それなら、私たちにもリオとの時間をそれぞれ作るべきです!!!」
カトレアが新たな爆弾を落とすのはほぼ同時だった。
「「・・・は?」」
ここに唯一いる人間二人の呆気にとられる声がかぶった。
「うぅ~、寒いです・・・お風呂・・・お風呂に行こうにも体温が低くて思うように体が・・・あれ?コレってもしかしてお風呂沸かしてもらった意味なくないですか~?」
本当に申し訳ありませんでした。
ただただ、筆を執る気力がわきませんでした・・・
以前のような更新速度はもう無理だと思います。
完全に言い訳な上にこんな勝手なことを言ってしまい本当に申し訳がありません。
読者様には本当に、お待たせしてしまって申し訳ありませんでした。
次回更新のめどは立っておりませんが、書き続けていくつもりではいます。
まことに勝手ながら、気長に待っていただけると幸いです・・・