ケンタ娘って体長大きいし身の回りのこととか大変そうですよね^^
それはリオが昼食の片づけで食器を洗っている時のことだった。
「――――――あっ!!」
「カトレア?どうかしたの?」
何かが折れる音がしたと思ったらリビングのソファにいたカトレアが声をあげたのだ。
何事かとカトレアのいるほうへ振り返ると・・・
「・・・折れてしまった・・・」
まるでモップのように長い柄がついたブラシがちょうど真ん中あたりで折れてしまっていた。
「あ~、結構長く使ってたしね・・・」
「お気に入りだったというのに・・・」
折れてしまったブラシを眺めて溜息をつくカトレア。
ケンタウロス族にとって毛並みは大事な身だしなみ。しかし体が大きな彼らは普通のブラシでは体全体をブラッシングすることができない。
そこで便利なのがこの柄の長いブラシだ。これなら自分一人でも簡単に後ろまでブラッシングできる。カトレアも良く使っている道具だ。
それがど真ん中から折れてしまった。
「まだ今日のブラッシングを終えていないというのに・・・」
目に見えて肩を落とし落ち込むカトレア。カトレアは育ちがいいのが関係しているのか自分の身だしなみに最大限の注意を払う。
ブラッシングは時間があればこまめにしているし、体を洗うボディソープもわざわざ都市部から取り寄せて使っている。
そんな彼女のブラッシング道具が使えなくなってしまったのだ。落ち込むのも無理はない。
「変わりはないの?」
「いや、これは私が昔から愛用していたものなんだ。ブラシはこれ一本しか持っていない。」
と言いながらまた大きな溜息を吐くカトレア。
「特注品かなにか?」
「まぁ、そんなものだよ。注文するとなると・・・二日か三日かかってしまうかなぁ・・・はぁ」
{あ、これはガチへこみだ・・・}
どんよりとした空気を纏うカトレアを見てリオも苦笑いを浮かべた。
まぁ、思い入れのあるブラシのようだし、普段からブラッシングを欠かさないカトレアが届くまでとはいえ二、三日お預けを食らうことを考えると当然なわけだが・・・
それを不憫に感じたリオは、苦笑いを浮かべながら口を開いた。
「それなら、僕がブラッシングしてあげるよ。」
「本当かっ!!?」
今までの落ち込みはどうした。と思うほどに俊敏な動きでリオの目の前まで来ると、輝く瞳を彼に向けてくる。
「もちろん。」
笑顔で答えるリオ。
本心を言ってしまえば、リオは今までカトレアがブラッシングする姿を見て、そのたびに『やってみたい』衝動に駆られていた。
もちろん。そこで声をかければいいものだが、なにぶん素直になりにくい正確なわけで・・・
こういったチャンスを生かすことくらいしかできなかったわけである。
「そ、それでは頼む!」
そんなこともついしれず。リオが自分からやってくれると聞いてテンションが上がったのか、いそいそとリオがブラッシングしやすいようにクッションに腰をおろすカトレア。
そんな彼女に『可愛いな』なんて思いながらリオはブラシを手に彼女の横に移動した。
「初めてだから、痛かったりしたら言ってね。」
「あぁ。大丈夫だ。だから早く頼む!」
本当にさっきまでの落ち込みが演技だったのではないかと疑いたくなるほどの上機嫌に苦笑いを浮かべながらリオはブラシをカトレアの体に当てた。
「んっ・・・」
変な声が漏れたがそんなの無視を決め込んでゆっくりとブラシを流していく。
体の上部から尻尾に向けてゆっくりとやさしく、体の上をなぞるように丁寧にブラシをかけて行った。
「あぁ~、気持ちいいぞリオ。」
「それは良かった。僕もなんだか楽しいよ。」
目を細めて微笑むカトレアにリオも自然と頬が緩んでくる。
カトレアの体はリオにとってみればとても大きく、ブラシをするのも大変だが、それを苦と感じることはない。むしろずっと続けていたい。とも思うほどにリオ自信この行為を楽しんでした。
「かゆいところはありませんか?」
「ふふっ、大丈夫だよ。」
やさしい時間が流れている。カトレアも、リオの手が自分の体をなぞって行くたびに言いようのない幸福感を感じていた。
普段自分でやるときには感じられることのない暖かさにどうしても口角が上がるのを抑えきれない。
と・・・
「うひゃあ!!」
「うわっと!ど、どうしたのカトレア!?」
突然カトレアが体を震わせ体をずらした。驚いたリオがカトレアのほうに顔を向ければそこには、
林檎のように顔を赤く染めて恥ずかしそうにこちらを睨むカトレアがいた。
「えっと・・・・どうしたの?」
「り、リオ?『そこ』は・・・」
「ん?」
そう言って自分の手元を見れば、体上部からブラッシングを始め、最終的にたどりつく後半部分。
尻尾の付け根から後ろ足にかけてだった。
「だって、ここもやったほうがいいでしょ?」
「そ、それはそうなんだがな・・そこはその・・・私が自分でやる。」
「自分でって・・・ここ一番手の届かないところでしょ。」
顔を赤くして混乱しているのか、言い訳にすらならない言葉でなんとかやめさせようとするカトレア。
リオにはその理由がわからないが、彼女の反応がかわいらしいのと、ちょっとした意地悪でブラッシングを続けようとしている。
「い、いや、そこはブラッシングしなくて構わないから。」
「何言ってるの。カトレアいつもここを重点的にブラッシングしてたでしょ。」
「なんでそんなことを知っているんだ君は!!」
「・・・・そんなに嫌?」
「いやな・・・嫌、といか・・・まぁそこは敏感というか・・・少し特別な場所なわけで・・・な?」
そこだけ聞いてやっとリオも理解することができた。同時に自分の鈍感さを呪った。
つまり、今リオがブラシをかけようとしていた場所。尻尾に隠れて見えてはいないわけだが、そこは人間でいうお尻部分。同時にほとんどの動物に存在する老廃物などの排出器官があったり、行ってしまえば生殖器官のある場所。
・・・・つまり今リオは人間同士で言うところ。四つん這いになった女性のお尻を鷲づかみしている状況とそう変りない状況になっているのである。
「・・・えと、あの・・・・ごめんなさい。」
現状を理解し、ゆっくりと手を挙げながらカトレアの体から離れていくリオ。彼の顔もカトレアと負けず劣らず真赤だ。
「いや・・・大丈夫。大丈夫だとも・・・いずれ来る夫婦の営みに比べればこの程度・・・」
「うん、それはおかしい。でもほんと、ゴメンナサイ。」
変な空気のまま・・・お互いに顔のあわせずらい状況を残して、ブラッシングタイムは終了。
その後。カトレアにブラッシングを頼まれるたびに今度は意識しすぎてうまくできなくなってしまうリオだった。結局のところお尻部分は手をつけていない。
緊張感MAXのまま注文した特注ブラシが届くまでの数日を乗り越えた。
「おぉ、今回のブラシもなかなか良い出来だな♪」
数日後、家に届いたばかりのブラシでさっそくブラッシングを始めるカトレア。その表情を見る限り、納得のいく出来のブラシなのだろう。
「良かったね。」
嬉しそうな彼女を見てリオも自然と笑顔がこぼれる。
そんなリオを見てカトレアはブラシの手を止め、何かを考えるように右手をあごに当てる。
「・・・?どうしたの?」
「いや、何かが足りないと思ってな。」
「何か不満があるの?」
「いや、そういうわけではないんだが・・・」
そこまで言ってリオは彼女の頬が少し赤くなっていることに気付いた。こちらをチラチラとみてくるあたり、何かしてほしいことがあるのだろうが。
さすがにここまで不自然さを出されて気付かないリオではない。ゆっくりとカトレアに近づくと、数日前に折れてしまったブラシを手に・・・
「それなら、僕がブラッシングしてあげるよ。」
「あっ・・・・ふふ、それならお願いしようかな。」
「はいはい。任せてよ。」
そう言うとカトレアの横に立ち、ゆっくりとブラシを掛けていくリオ。
やさしく、暖かく接してくれる彼により愛しさを感じながら、カトレアはその温もりに体の力を抜いた。
「リオ、後ろのほうも『念入りに』頼むよ?」
「今完全にブラシ届いたから余裕見せてるよね。」
ケンタウロス娘のブラッシングってよくあるシチュエーションですよね^^
私もカトレアさんの大きな体を隅々までブラッシングしてあげたい(*´Д`)ハァハァ
というわけで日常の1ページです。どうしても他に比べて単調な感じになってしまったり、言い回しがめんどくさいと感じてしまいますが・・・
申し訳ありません作者の限界でございます・・・
次からカトレアさんのお話はラストスパート掛けようかな?なんて考えております。次なるモン娘たちも控えていることですし・・・名残惜しいですが・・・
それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました。
感想や、一言、お待ちしております(^w^の)