東方染色記   作:折れない黒鉛筆

13 / 24
どうも、唐揚げには塩コショウをかけるうp主の折れない黒鉛筆です。ていうかレモン嫌いなんでかけたことないです。
さて、第十二話です。今回はタイトル通りフランとの決戦です。若干長くなったような気もしますがまあ許してくださいね。
それでは、第十二話をどうぞ。

別に投稿は午後三時頃って言ってたから別に数分くらい遅れても…いいわけ無いですねすいませんフェスTのクリーニング優先しました。

前回のあらすじ
異変の元凶はレミリア・スカーレットという吸血鬼だった
魔理沙の 体当たりを受けた
フランとの決戦に突入した

更新履歴(?)
2017/11/19 若干日本語部分がおかしいところがあったので修正
2017/12/23 台本形式を修正+文などを修正&追加
2018/03/16 一部表現を修正


第十二話 紅霧異変第4話:フランとの戦い

「早めに決着をつけるぞ!はあっ!」

とうとうフランとの戦いが始まった。まずは魔理沙が掛け声と共に弾幕を散らして攻撃を仕掛ける。その間少し考える時間が出来そうなので少し俺は今後どうすべきか考えることにした。脳死で生き残れるほどこの状況は甘くないと思ったからな。

さて…防御は自分がやると言ったものの、今俺の霊力はかなり少ない。どうするべきか…取り敢えずやばそうな攻撃は雲を展開させて守るとするか…そう考えたところで、ふとレミリアに声をかけられる。

「康介…だったかしら?フランは【ありとあらゆるものを破壊する程度の能力】を持っているわ。何でも右手にその物体の弱点を持ってこれるらしくてね…そのまま握り潰されれば、あとは…分かるわよね?」

「……おう。」

何だそのチート能力。聞いて身震いする。やろうと思えば俺達なんかいつでも殺せる能力を持ってるのかよ…鳥肌立ったわ。多分レミリアの言い方から俺の展開する雲とか弾幕とか普通の人間とか文字通り何でも破壊出来るんだろうな……尚更厄介だぞこれ。場合によっちゃ守りたくて雲を展開しても守る前にぶっ壊されちゃうな。

ここで俺にある一つの疑問が浮かぶ。何故今すぐその能力を使って俺たちを殺さないのだろうか。やろうと思えばいつでも出来るなら、すぐ俺たちを殺してもっと暴れまわることも出来る筈だ。ということはもしかしたら────

「康介!弾幕来てるわよ!」

霊夢のその声で我に返る。取り敢えず弾幕を躱し、フランを再び視界に入れる。

流石に考える時間はそんなに与えてくれないか。ただ何も考えられてないよりはマシだ。取り敢えず霊夢たちに念押しするためにもう一回声をかける。

「さっきも言った通り攻撃は霊夢たちに任せる!けど俺はフランを元に戻したいんだ!だから絶対に殺すなよ!」

霊夢と魔理沙が言われなくても、という顔でこちらを見る。信頼できるなあ……

そんな話をしている間にも、フランは高密度な弾幕を放ち続けている。取り敢えずこれらを躱さない限りはどうにもならんだろうな。

(取り敢えず躱しながらどうやってフランを元に戻すか考えないとな…)

そう考えながら、俺は戦闘へと意識を向けた。

 

 

 

 

 

 

─────

 

 

 

 

 

 

「うへえ…密度たっけえなあ…」

そう愚痴をこぼしながらも弾幕を避ける。狂気に飲まれているだけあって、フランの放ってくる弾幕は今まで避けたことのないくらい密度が濃い。もしかしたらレミリアよりも弾幕が濃いかもしれない。何で今まで俺が躱せているのか不思議なくらいだ。

一方フランは魔理沙や霊夢が放った弾幕をヒョイヒョイと躱している。全然余裕そうだ。それにまだ一度も能力を使って破壊しているような所が全くない。それ即ちまだ本気ではないということだ。するとフランが弾幕が一瞬少なくなったその瞬間に何かを手に持った。ぱっと見炎の剣みたいな感じだが…

「来るわよ!」

その声を聞き俺はほぼ反射的に俺が今出せる最大の雲の障壁を皆の前に貼る。速攻で作ったから障壁の反対側が見えない不良品だけど仕方ない。まあすぐ壊されるだろうけど無いよりは幾らかマシだ。次の瞬間雲で作られた障壁にとてつもない衝撃が走る。その衝撃に耐えきれず、雲の障壁は一瞬にして消えてしまった。これがレミリアの言ってた【ありとあらゆるものを破壊する程度の能力】か…消えるのめっちゃ早いな。本当にまずいかもしれない。一応障壁が消えたことで目の前が見えるようになったが、そこにはフランはいなかった。

「マズハアナタ♪」

まるで悪魔のような声が後ろから聞こえ、反射的に振り返る。次の瞬間、俺の腹のあたりに何かが当たった感触が一瞬だけあった。そして腹に激痛が走る。そして振り返った目の前にはフランが。

「ぐわああああああ!」

あまりの痛さに声を上げる。そして腹を見ると、そこには炎の剣が突き刺さっていた。そしてフランが右手で思いっきり俺の鳩尾を殴り、俺はあっけなく吹っ飛ぶ。

「康介!大丈夫!?」

霊夢のそんな声が飛んでくるが、正直全く大丈夫じゃない。一応吹っ飛ばされたお陰で腹に突き刺さっていた炎の剣は抜けたけど、そこから出てくる血の量がやばい。多分出血多量で死ぬかもしれないってくらいやばい。取り敢えず止血するために気絶しない程度で雲を生成し、思い切って腹に空いた穴に詰め込む。尋常じゃないくらい痛かったが、何とか血の出る量はかなり収まった。だが正直なところ立ち上がれない。腹に空いた穴の痛さや、鳩尾に食らったパンチのダメージもあって、意識を保つことで精一杯だ。

「俺のことは気にすんな!取り敢えずフランを頼む……ぐっ…」

声を張り上げるだけでもこんなに痛むのに、立ち上がって戦線に立つなんてそんなの自殺行為だ。幸い俺はかなり吹っ飛ばされ、フランや霊夢たちのいる所からは少し離れているので襲われるなんて心配はないだろう。

「アーア。モウ壊レチャッタ…」

気のせいかフランがさらにヤバくなってる気がする。霊夢たちの方を見ると、霊夢や魔理沙、そしてレミリアも限界が近いようだ。

俺にもう少し力があれば霊夢たちをあそこまで追い詰めずにフランを元に戻せていた筈だ。そう考えると力(主に霊力)が少ないことに対する劣等感と悔しさが込み上げてきた。

(マジすまん…後は任せたぞ…)

 

 

 

 

 

 

─────

 

 

 

 

 

 

「くっ…」

フランが康介を半殺し?にしてから5分ほど時間が経った。フランの出してくる攻撃はどれも激しく、こちらは避けるだけで精一杯だ。さっきまでは康介が居てくれたから防御面は彼に任せていたけれど、いざ無くなると回避にしか集中できないわね……そんな訳で、こちらはどんどんジリ貧になっていくばかり。どうにかしないと…!

「霊夢…どうするぜ…?」

「……勝負をもう決めてしまった方が良いのかしら…?」

「……仕方ないわ。それで行きましょう。」

三人でそう話している間にも、フランの攻撃の手は止まない。炎の剣(レミリア曰く「レーヴァテイン」と言うらしい)を縦に振って私達狙いでその剣を振り下ろし館の屋根を破壊したり、密度の濃い弾幕を放ってその隙に肉弾戦を仕掛けようとしてきたり、正直本当にまずい。問題はいつ一斉攻撃を仕掛けるか……

「誰か吸血鬼の苦手な攻撃を打てる人はいないかしら?流水とか日光とか……」

「…悪いが私たちはその分野は専門外だぜ。」

「仕方ないわね……もう力で一気に決めるわよ!霊符「夢想封印」!」

「おう!恋符「マスタースパーク」っ!」

「行くわよフラン!紅符「スカーレットマイスタ」!」

3人の攻撃が放たれ、一斉にフランに向かって飛んでいく。そしてフランの元に着弾。着弾点を中心に大爆発が起こった。流石にここまですればフランは気絶くらいはしてくれるはず……

しばらくして目の前に出ていた煙が晴れる。私は煙が晴れたあとの光景を見て愕然とした。なぜならフランは無傷、しかも四体に分身していたからだ。

「アハハ♪残念ダッタネ。」

そう言ってフランが笑う。そして攻撃を再開。もちろん残りの分身三体も攻撃を仕掛けてくる。私たちは為すすべもなくその弾幕に被弾。傷だらけになってしまった。

(そんな…もう駄目だと言うの…?もう少し早く本気を出しておけば…!)

幸いにもレミリアはまだ立っている……もう彼女に賭けるしかないのかしら…

 

 

 

 

 

 

─────

 

 

 

 

 

 

ヤバい。霊夢と魔理沙が被弾した。多分ついさっきの攻撃で色々使い果たしたからか…?しかも傷だらけ……もう勝ち筋がほぼ無いぞこれ。

しかもこの状況…予知夢と大体同じ状況だ。少し違う点はあるが。ということはもしこのまま行けば……!

そこまで考えたところで俺は立ち上がろうとする。だがやはり俺の体はほぼ動かない。さっきのダメージが予想以上に響いているようだ。止めなきゃ行けないのに止められないのか……

「アハハ♪次ハアナタガ遊ンデクレルノ?」

「これ以上はさせてたまるもんですか!フラン!」

予知夢で見た通りの台詞をフランとレミリアが言い、レミリアがフランに向かって突っ込む。

「エイッ。」 

そして呆気なく吹っ飛ばされて壁に激突するレミリア。多分まだ気絶とかはしてないと思うが…そんなことよりこのままだと……!

「アーア。飽キチャッタナア。」

(待ってくれ……もう……)

「次ハ…アナタタチヲ壊シテアゲル!」

(目の前で人が死ぬのは見たくないんだよ!)

フランがそう言って手を振り上げた瞬間、何とか気合的なやつで俺は立ち上がれた。取り敢えずたとえ俺が死んでも良い……4体のフランのヘイトをこっちに向けなきゃ…!

そう考えた俺はすぐさまその辺にあった何かを全く見ずに掴み、フランに向かって思いっきり投げる。多分この状況からして天井の瓦礫の破片だと思う。正直投げたやつなんてどうでもいい。フランの注意をこっちにひければワンチャンス生まれるはずだ…!

俺の投げた何かがフランに向かって放物線を描き、飛んでいく。そして霊夢と魔理沙を襲おうとしていた一人のフランにヒット。ヒットしたその瞬間、俺にとって聞き覚えしかない音、いや効果音が鳴った。まるで何か水を入れたものが破裂するかのような、そんな音。俺は驚き、フランの方をしっかりと見る。

フランには、何か青いインクのようなものが少しついていた。そして彼女の足元には青いインクが大体円状っぽく広がっていた。

(ファッ!?もしやこれって…クイックボム!?)

何故こんな所にクイボがあるのか。本来ならそれはゲーム上のサブウェポンであって現実には一切存在しないはずだ。それとももしや────

「ナンノツモリ…?」

フランが二人を襲うのを止め、こちらを見る。その狂気に飲まれた真紅の目で睨みつけられ、思わずゾッとしてしまう。だがこんなもので怯んでいる場合ではない。

「マアイイヤ。サキニアナタカラ壊シテアゲル!」

クイボ?をぶつけたフランのその一声で、4人のフランが一斉に襲い掛かってくる。取り敢えずヘイトは稼げた。が……

どうしようもない状態だ。正直ここからどうするか全く考えてなかった。ただついさっき立てたバカみたいな俺の仮説が正しければ…!

俺はカバンから乱雑に白紙のスペルカードを取り出す。そして周囲の状況を確認し、今までの記憶から今フランを止めるのに一番有効な方法を思い浮かべる。この状況を打開できるようなもの……!

(あった……!)

見つけた。あいつを大人しくできるかもしれないスペシャルウェポンが。俺はすぐさまそのスペルカードに残り少ない霊力をかき集め、そのスペルカードが出来ることをひたすら願う。

フランがどんどんこちらに近づいてくる。あと数秒で攻撃されるというときに、ようやく俺の思い描いたスペルカードが誕生した。ってあれ?乱雑に取り出したからか二枚一気に作ってたわ。しかもなんかスペルカードの名前違うし。その二枚に書かれたスペルカードの名前に目を通す。そして二枚唱えないとあのスペシャルは発動できないと知る。じゃあ二枚唱えるまでだ!

「間に合え…!「スペシャルフルチャージ」!」

まず一枚目。唱えた瞬間俺の力が思いっきり無くなったがまだ倒れないということは霊力ではないのかもしれない。だがそんなことはどうでもいい。詠唱に成功していることに賭け、二枚目を唱える。

「頼む……!スペシャル「アメフラシ」!」

唱えた瞬間に何か機械のようなものを出現させる。何とか出来た。あとはこれを破壊される前に投げる!

康介「おらあぁぁぁぁ!」

俺はその機械を両手で持ち、思いっきり地面に叩きつけた。するとその機械は壊れ、その機械から煙が発生し誰かの威厳のある笑い声とともに上昇。その煙はフランの上で広がり、ポツポツとインクの雨を降らし始めた。

「何コレ…!」

フランが出していた三人の分身は消え、フラン本人も動きを止める。レミリアがついさっき話してたけど吸血鬼の弱点は「流水」らしいのでそれっぽい雨を降らせばどうにかなるかもという算段だ。

フランがアメフラシを破壊しようとする。破壊させてはいけないと、ワンチャンスに賭け俺はフランを説得する。

「おいフラン!破壊の限りを尽くす活動はやってて楽しいか?」

「エ……」

「だから、人間を破壊しかけたりするのは楽しいかって聞いてんだよ!」

傷口がめっちゃ痛い。そりゃあんな動きして今現在大声で話してるもんな。だがフランを元に戻せる唯一のチャンスかもしれないと思っていた俺には最早どうでも良かった。

「……楽シくナイよ!」

康介「なら、その狂気を自分で抑えてみろ!もし自分で抑えられなかったら、俺達がいくらでも協力する!だから……!」

もう言葉が続かない。あまりの痛みに俺は再び倒れてしまう。もう限界だ。アメフラシはいつの間にか止んでいて、俺の言葉がフランに届いたかどうかによって俺達の運命は決まる。

「……ありがとう…お兄さん…」

その言葉を最後に、俺の意識はプツリと切れた。

 

 

 

 

 




次回予告
気絶した康介がようやく目覚めた。康介の無茶に霊夢と魔理沙は大激怒。自分ながら面倒くさいことになっちゃったなと後悔しつつも、終盤で起こった不可解な現象(主にクイボ、アメフラシ)をしっかりと考察する。そして紫さんから自分の能力についての全てを教えられるのであった…
次回「第十三話 異変の後で」

いかがでしたでしょうか。
ようやくスプラ要素が出せました。書いててめっちゃわくわくしてたのは内緒です。
一応今回で紅霧異変は終わりますが後日談的な感じであとしばらく続けます。宴とかしたいからね。
それでは、うp主の折れない黒鉛筆でした。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。