東方染色記 作:折れない黒鉛筆
さて、第十三話です。書ききってふと見たら6000文字行ってました。(過去形)色々詰め込んだからしゃーなし。でも文才は絶賛c-逆カンストしてます。どうしたらうまく文章が書けるようになるのやら…
ではでは、前置きもここらへんにしておいて第十三話をどうぞ。
前回のあらすじ
フランと戦闘開始
康介のお腹に風穴が空いた
康介くんの必死の説得+αのお陰でフランを元に戻せた…はず
修正履歴
2017/12/23 台本形式を修正+ストーリーがズレない程度に文などを修正&追加
………なんだここは。
俺の前に広がる景色は確か……中学一年の頃だっけか。懐かしいなあ。といってもこの景色には嫌な思い出しかないが。
今にも雨が降り出しそうなほど黒い雲。その下で楽しそうに話している学生服を身にまとい、カバンを持った人影が二つ。片方は中一の頃の俺。もう片方は…俺のクラスメイト兼俺の数少ない親友
「………でさー、そしたら色違い出てきちゃってさ…」
「え?普通に良かったじゃんそれ。」
「普通に出るならまだいいんだけどさ…そんときの俺のパーティガチガチにしてたからマジ焦ってさ……」
「あー、なるほどなあ。んで、そいつは結局捕まえられたん?」
そんな他愛も無い事を話しながら二人は交差点で一時停止する。そして信号を待つ間にも話は進んでいく。
「もちろん捕まえたよ。ダメ元でハイパーボール投げたらいけた。」
「マジかよ!今度見せろよな!」
「おう。またいつか見せてやるよ。」
そんなことを話していると、信号が青になり、その二人は歩き出す。その時だった。
信号無視して突っ込んできた車があったのだ。それにいち早く気づいたのは親友の方。
「危ない!」ドンッ
「……え……?」
過去の俺は親友に押され、何とか信号を渡りきって後ろを振り向く。次の瞬間だった。親友が車に轢かれたのは。
─────
「……どこだここ。」
つい素のリアクションが出る。まず目に入ったのは見知らぬ天井。体制や布団を掛けられてる状態から俺は寝てたんだなとようやく理解。取り敢えず右手で頬をつねり、夢じゃないことを確認。
「はあ……まーた胸糞悪い夢じゃねえかよ……」
そう言いながら体を起こす。えーと確か……そうだ、思い出した。紅霧異変であの二人が死ぬかもしれん的な予知夢を見て紅魔館に来て、咲夜さんと戦ったあとレミリアと出会ったんだっけ。そしたらフランが乱入してきて……あっ。
「そうだ…!腹の風穴……!」
思い出している過程でようやく大事なことに気付く。周りに誰もいないことを確認し、サッと上の服を捲って確認。
「……うん、しっかり包帯されてるわ。まだ治ってねえんだろうな。」
包帯の上から一応触ってみる。しかし、予想に反して返ってきたのは何かに当たる感触だった。つまり、あの風穴もう治ったのか…?てっきり治らずに出血多量で死んだと思ってたのに……
取り敢えずここは紅魔館……だよな?そこに窓あるけど多分最初に見たときに窓がないって見間違えたんだと思う。そして紅霧異変は……外を見ると、既に太陽が空高く登っているのが見えた。ということは解決と見て良さそうだな。
後何か忘れていること無かったっけ……あっ。
俺は何かを思い出し近くのテーブルに置かれていたワンショルダーバックに手を伸ばす。その中から、ある二枚のスペルカードを取り出した。
「「スペシャルフルチャージ」に……スペシャル「アメフラシ」。」
何故かフラン戦で突然作られた一見謎だらけのスペルカード二枚。しかし俺には一つ心当たりがあった。
(このスペシャル「アメフラシ」ってスペルカードの図柄…どう見てもスプラトゥーン2のアメフラシの機械にそっくりなんだよなあ……)
俺が思い浮かべたのはだいぶ前に外の世界でガッツリやり込んでいたスプラトゥーン2というゲームに出てくるとあるスペシャルウェポンだ。このスペルカードを使ったときのことをもう少し詳しく思い出す。
(えーっと……うん。スプラトゥーン2のアメフラシまんまだな。)
どう考えても一致してしまうのだ。それにあの時瓦礫の破片と思ってフランに投げつけたモノ。あれどう見てもクイックボム(略してクイボ)だもんなあ……ヒット音といい塗りあとといいそれ以外に説明のしようがない。
「まじでややこしいぞこれ……俺の体どうしちまったんだよ……」
そんな事を言いはあ、と深いため息をつく。すると突然、目の前に現れたメイドが一人。こんなことするのは俺の短い幻想郷生活で今のところ一人しかいない。
「はあ……いつになったら康介様は起き……!?」
「あ、咲夜さん。おはようございます。」
「あ…おはようございます。康介様。」
「そうだ、咲夜さん、俺何日くらい寝てましたか?」
「……大体3日くらいですね。目覚めたことを博麗の巫女達に伝えてきますので少々お待ちを。」
そう咲夜さんが言うと、すぐさま俺の目の前から消えた。どういう原理なんだろうか……結局本人からネタバラシはされてないからわかんないんだよなあ……今度聞いてみるか。
そんなことより何となくだが嫌な予感がする。具体的には霊夢たちが走ってここの扉思いっきり強く開けて俺の生存確認した後めっちゃ怒られる感じのやつ。何故なら俺には心当たりしかないからだ。相当無茶したし。実際このスペカ無かったら今頃俺は生きてはいないと思う。
程なくして、ドタドタと廊下を走る音が聞こえてくる。廊下は走るなって突っ込みたいけど多分そんなこと言ったら夢想封印とか打たれるなこれ。はあ……騒がしくなるぞこれ。
覚悟(主に叱られる方面)を決め、手に持っていた二枚のスペルカードをしまったところで俺の予想通りドアが思いっきり開く。そこには霊夢と魔理沙、あと紅魔館の奴らもいた。ちなみにパチュリーって奴はいなかったけどどうしたんだろうか。
「起きたのね!」
「口々に起きたのねって言うな。バラバラに言うからうっさい。」
取り敢えず率直な感想を述べる。まず部屋に入ってきたのは霊夢と魔理沙。続いて他の奴らも入ってきた。
「何であんなに無茶なんかしたのよ!!こっちはもし死んだらって気が気じゃなかったのよ!!それなのにあんたは私たちの気持ち考えずに無茶して……!」
「そうだぜ!!あの時フランを説得できてなかったらどうするつもりだったんだぜ!!」
はい。案の定めっちゃ怒られました。そりゃそうだよな。だって幻想郷に来てまだ日も浅いのにあんな行動したら普通は怒るよな。これはもう正直に謝るしかないか。まあこんなに叱られなくても謝る気ではいたけどな。
「正直あの時は霊夢たちを死なせないことで頭がいっぱいだったからああするしかなかったんだ。それに魔理沙の言うとおり説得できなかったときの事も何一つ考えちゃいなかった……すまん。」
最後に頭を下げた。正直フランの気を引いてからのことは考えてなかった。それに俺にもう少し力があればあんな展開にならずに済んだはずなのに……
「もういいわ。康介。顔を上げなさい。」
霊夢に言われて顔を上げる。
「今回は許すわ。但し!次こんな真似をしたら容赦しないからね!」
「私も許すぜ。だがもう無理だけはするなよ。」
「二人共…ありがとう。」
「……少し良いかしら?」
霊夢たちと話が終わり、その数秒後にレミリアが話しかけてくる。
「ん?どした?」
「……悪いけどお前と二人で話がしたいの。少し席を外してくれるかしら?」
レミリアのその言葉を聞き、皆が部屋から出ていった。
─────
「……んで、霊夢らに席外させてまで俺に言いたいことでもあるのか?」
一応重要な話系と予測し、少し気を引き締める。
「ええ。まずは…フランを止めてくれてありがとう。そして、ごめんなさい。関係のない外来人に迷惑をかけて……」
「フランの事か。別に謝らなくていいぞ。俺は気にしてないし。」
「でも…そのせいで貴方、死にかけたじゃない。貴方も死にたいとは思っていないのでしょう?」
レミリアが冷たく言い放つ。当たり前だ。死にたいとは思ってない…とは言い難い。何故なら俺にも一時期死にたいと思っていた時期があったからだ。だが今は違う。少なくとも今は生きたいと思ってはいる。それに今回は俺が首を突っ込まなきゃもっと酷い結末になっていたかもしれない。
「ああ。まあ一時期死にたいと思った時期はあったけどな。今はそう思っちゃいない。まあこの異変に首を突っ込む段階で死にに行くようなもんだったから死ぬことに対する覚悟は出来てたよ。まあ今回は偶然生き残った訳だけど。」
そこまで言ったところで部屋のドアがいきなり開く。そこには……
「フランじゃん。もう大丈夫なのか?」
「ごめんなさい。康介。私のせいで…」
そう言ってフランは頭を下げた。俺はそんなフランの顔を起こしながら話す。
「頭を下げないで。結果的に誰も死ななかったんだからそれで良いじゃん。俺ももう気にしてないよ。」
「でも…!」
「フランの言いたいことも良く分かる。だから、これからはあんな事にならない様にその力を上手く使えるように努力すれば良いじゃないか。俺も協力するから、な?」
俺はそう言いフランの手をしっかり握る。正直全く良いことは言えていないがそれでもフランには伝わったらしく、
「うん…!ありがとう…康介!」
と言ってしっかり手を握り返してくれた。しんみりしてたって何も始まらない。だったら早く立ち直って前に進んだ方がきっと何倍も楽しいだろう。俺はそう思っている。
「……そろそろ入ってもいいかしら?」
ドアの外から霊夢の声が聞こえ、それにレミリアがいいわよ、と返す。そして霊夢たちがゾロゾロと入ってきた。気づけばパチュリーさんもいるじゃん。いつから来たよ。……にしても…
「紫さん…?何盗み聞きしてるんですか…?」
「あら、バレちゃったかしら?」
やっぱり。どうも気配的なのが少し多かったから紫さんかな〜と思っていたけど…案の定そうだったわ。
「あら、スキマ妖怪じゃない。こんな所に何の用?退治されにでも来たのかしら?」
霊夢が若干冗談を交えながら話す。それに対し紫さんは、
「今回は…康介くん。貴方に用があるのよ。……と言っても薄々何の用事か分かるんじゃないかしら?」
「…恐らくだが俺のもう一つの能力について、だな?」
「ご名答。」
まあその能力の見当も大方ついてるんだけどな。恐らく俺の予想だと…フラン戦でピンチになって能力覚醒した、っていうよくある主人公補正みたいなのがかかってるような展開のやつか?
「そうね、貴方の考えている通りフランと戦っているときにそのもう一つの能力が出てきた感じね。」
紫さんの言葉を聞き、納得する。そうでければあんな芸当の説明がつかない。というか心を読まれることにもう驚かなくなってる自分が怖い。
「貴方のもう一つの能力。それは……」
紫さんが再びタメを作る。待つのも面倒なので、今回は自分から予測を言ってみることにした。
「まあ、さしずめ【インクを操る程度の能力】みたいな感じだろ?俺の予測だけど。」
俺がそう言うと紫さんはあからさまにムッとした。やっぱタメを邪魔しないほうが良かったのかもしれない。やらかしたかなあこれ。
「……合ってるわよ。」
ムッとしながらも紫さんがそう言ってくれた。内心ビクビクしていたが、俺は取り敢えず答えを聞けたことに対しホッと胸をなでおろす。
「紫、その能力ってどんなのなんだ?」
「魔理沙、その回答なら私に聞くより……康介の方が詳しく答えられるんじゃないかしら?」
紫さんがそう言い、全員の視線が俺に向く。
「これは…俺が答えないといけないやつか?」
「当たり前じゃない。早く答えなさいよ。」
霊夢に急かされる。そんなに俺の能力が知りたいのだろうか。大した能力じゃないと思うが…ただ、一つ問題がある。それは俺が大まかにしか能力を把握してない点だ。まあフラン戦でいきなり覚醒した訳だから仕方ないと言えば仕方ないのかもしれないけど。まあいいや、説明するだけしてみよう。
「えっと、まず俺自身は能力をあまり把握してないから説明はあくまで俺の予測も含むかもしれないってことだけは言っておく。俺の能力を一言で言うならば……そうだな、【とあるゲームの力が使える】って感じか?」
「その【とあるゲーム】って何?」
「…スプラトゥーンだな。このゲームは4vs4で操作キャラのイカと人になれるインクリングっていう奴を操作して、インクを打って相手を倒しつつ様々な場所を塗り合い、最終的に塗った面積を競うっていうゲームだ。予測だけど俺の能力はそのスプラトゥーンに出てくるインクを塗るためのブキが使える。あとブキについているサブウェポンや条件付きだがスペシャルウェポンもそれら単品で使うことができる。……こんな感じか?」
話しだすとマジで長くなるのでガチマッチとかサーモンランとかそういう系統のやつは省いた。別に省いちゃってもいいよね?
「……一つ質問いいかしら?」
俺が大まかに話し終わると、パチュリーさんが質問を問いかけた。
「ん?なんだ?」
「貴方の説明と魔理沙から聞いた貴方の一つ目の能力を足して考えても一つ腑に落ちないことがあるわ。それはどうして寝ると貴方の重傷がすぐ治るのか、ということよ。」
その質問に対し俺はぐうの音も出ない。子供の頃から自然治癒が早い、なんて話は聞いてこなかったからだ。俺がその質問に対する回答を全力で考えていると、ふと霊夢が
「そういえば寝るで思い出したけどあんた、ここで寝てる時も何か寝言…というかうんうん言ってたけど大丈夫なの?」
と言ってきた。もちろん俺は何の問題もないが、その霊夢の発言で一つ俺の中に仮説ができた。
「パチュリーさん、一応仮説はあるにはあるんですけど…聞きます?」
「ええ、是非聞かせて頂戴。あとパチュリーで良いわよ。敬語も必要ないわ。」
「了解した。一応俺の仮説としては、その…急速回復?は【インクを操る程度の能力】のオマケ的能力だと思う。スプラトゥーンは操作キャラが受けたダメージを回復させるにはイカ状態で自分色のインクの中に潜らないといけないんだ。多分それの応用で、俺は純粋な人間だからイカになれない。だから寝ることでその急速回復が実現してるんじゃないかっていう考えだ。」
「成程。何となくだけど良く分かったわ。ありがとね。」
パチュリーにそうお礼を言われ、俺は軽く会釈を返した。
「他に質問は……無いみたいだな。さて、これからどうするか……」
「あら、あんたが目覚めたからすべきことがあるじゃない。」
「そういえばそうか。異変解決の後は大体アレが待ってるからなあ〜。」
「ん?すべきこと?何だそれ?」
俺が首を傾げながら霊夢に聞くと、霊夢はこう答えた。
「異変解決の後は大体宴会って相場が決まってるのよ。あと康介の歓迎会もついでにやっちゃいましょうか。」
「……そんな相場いつから決まってたんだ?」
次回予告
異変解決の後は大体宴会が行われると言う事で、康介もその宴会に参加することにした。そして博麗神社にて宴会(康介の歓迎会含む)がスタート。最初は初対面の人(人間、鬼、妖精etc…)に挨拶をして回る康介だったが、そんな康介にいつもと違う雰囲気の霊夢たちが絡み……
次回「第十四話 酒は人を変える(色んな意味で)」(仮)
いかがでしたでしょうか。正直に言うと予約投稿忘れかけてました。でも間に合ってはいるから問題なし。
さて次回は、もちろん宴会です。書くの楽しみだなあ……
あ、一応言っておくと、あの伝統の幻想ブン屋は第十五話辺りで出ると思います。多分。
それではまた一週間後ぐらいにお会いしましょう。うp主の折れない黒鉛筆でした。
p.s.スプラトゥーン2でのハイドラ実装まだですか(´・ω・`)