紅魔館に拾われた少年はゆっくり暮らしたい   作:ユキノス

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初めての人は初めまして、そうでない人はこんにちは、ユキノスです。
前から書きたかった東方小説。実はこれ、カセキホリダーの小説書いてる途中に閃いてこちらに変わりました。
…さておき、俺は原作をやった事が無いので、スペカは調べたり調べたり調べたりして書きます。
Q.つまり?
A.ナメクジになります。

ではどうぞ!


紅い悪魔の郷
プロローグ:紅霧異変


「はぁぁぁぁ……ったく、レミィも無茶言うなぁ……」

「そんな事言わないの霊夜(りょうや)。貴方の案でしょう?」

「でもよぉ咲夜ぁ……」

「……まぁ、分からなくもないけどね」

 

 ここの主は狂喜しそうな真っ赤に染まった空の下、紅い館の中で、俺は今とっっっても憂鬱だった。話は数ヶ月前に遡り――――

 

 

 

「――折角だもの、大きな異変を起こさなきゃでしょ? ついでに、私達の存在を知らしめるのよ!」

「それについては賛成ね。でもレミィ、異変って言っても何をするの?」

「あらパチェったら、決まってるじゃない。普及の為よ」

 

 つまり、スペルカードルールなる制度が出来たので、紅魔館には最初の、解決前提の異変を起こしてほしいとの事らしい。因みに内容はこちらの自由。つまり…

 

「八百長異変、って事か?」

「ええ、普及の為だからね。……で、夜な夜な人間を吸血鬼に――」

「「……ちょっと待った(待って)」」

 

 パチェと被ってしまったので、手振りで「お先にどうぞ」と伝える。「ありがとう」と呟いてにこりと微笑するパチェには、普段の気だるげな印象など微塵も感じられない、正真正銘慈愛の笑みが浮かんでいる。……使い魔であるこあには、あまり向けられる事が無いらしいけど。

 

「レミィ、それを実行したとして…そのルールって殺人禁止でしょ? そもそもそれと似たような事起こして酷くやられたわよねぇ…?」

「あ、それは私も思いました」

 

 パチェと美鈴の発言に、うんうん、とレミィ(と、その時紅魔館に居なかった俺と咲夜)を除く全員が頷き、これは無理だと伝える――が。流石はレミィ、ただでは起きなかった。

 

「えぇー、良いと思ったのに……じゃあ霊夜、何か良い案出しなさい」

「はぁ!? なんで俺が……」

 

 紅魔館で暮らしてもう10季、レミィの無茶ぶりにも馴れてしまったので特に慌てる事は無い。面倒臭いけど。要するに条件は、

 ①紅魔館の仕業と一目で分かる

 ②人里に無害である

 の2つだけ。だがだからと言って、即座には浮かばない。

 

「んーむ……何か良い案、ねぇ……」

 

 ちらり、と紅魔館の前、つまり霧の湖が脳裏に浮かぶ。いつも霧がかっていて、端から端は見通せないので、霧は……悪くないんだけど、レミィは目立ちたがり屋だからなぁ……

 

「……あ」

「浮かんだ?」

「うん、まぁ……でも、ちょっと地味だと思う…」

「とりあえず言ってみなさい」

 

 その一声で、この場に居る全員が俺に向き直った。緊張するんで普通にしてて頼むから。

 

「えー……まず霧の湖、あるよな?」

「ええ、あるわね」

「……あそこって、いつも霧がかかってるよな?」

「ええ、かかってる。でも、それがどうしたって言うのよ」

「だから、それと似たような事を幻想郷全体に…」

「地味ね、却下」

「食い気味ですかそうですか」

「あら、私は良いと思ったけど」

「えぇー…」

 

 不満そうに頬を膨らまし、ジト目で見られていても全く気にせず──と言うか馴れただけみたいだが──、パチェは俺の意見に付け足して、「霧を紅くすれば良いじゃない。霧は日光も遮られるし、真紅(スカーレット)の名も通るわよ」と言った。なるほどその案は無かった。

 

「それ、良いじゃない……最高よパチェ! ついでに霊夜も!」

 

 俺はついでかよ。と思った矢先、隣でドスッという鈍い音がした。うん、レミィとしては抱きついただけみたいだ。……いや、パチェ死にそうなんだけど。

 

「んむ゛っ、けほっけほっこほっ……」

「こあ、薬頼む!」

「はいっ、分かりましたー!」

 

 レミィは友が喘息持ちだと知ってて、思いきり抱きついているのだろうか。だとしたら相当な嗜虐趣味の――

 

「何か失礼な事考えてない? 霊夜」

「アハハマッサカ-ソンナコトカンガエテナイデスヨ-だからそのナイフ納めてください咲夜さんお願いします……」

「全く……」

 

 た、助かった……。とりあえずほっと一息。……うん、今日もお茶が美味い。

 

「……こほん。さぁ、準備が終わったら――紅霧異変の始まりよ!」

「あ、今始めんの?」

「善は急げ、ってね」

 

 ***

 

「──まさか本当にやるとは…」

「思わなかったわね。あら、あれが博麗の巫女?」

「え、どれどれ…あー、チルノの奴無謀にも挑んでる──っとお!?」

「へっへーん、どけどけー!」

「あっ、にゃろ!」

 

 箒に乗った金髪で白黒の魔法使い(かは分からないが)を追い掛ける為に飛び、咲夜を見るとやれやれと言いたげな呆れ顔で手を振ってきた。それに笑顔で返し、白黒を追う。この方向は――ヴワル魔法図書館。

 

(まずい…っ!)

 

 こあは戦闘には向かないし、パチェはこの霧を発生させる為に忙しい。ならば、尚の事急がなくては。




霊夢と戦うと思った?残念!魔理沙でした!
因みに霊夜がタメ語で話しているのは、仕えている訳ではないからです。服装やら能力は考えてありますが、まだ秘密。

ではまた次回。


キャラクターメモ

新月(にいづき) 霊夜(りょうや)

種族:人間
年齢(紅霧異変時):15歳
能力:不明
説明:肉親に捨てられ、慧音に拾われたが飛び出し、その後紅魔館に食糧として拾われたという幼少期を送った、この小説の主人公。
たまに女性と間違えられる程に女顔。
魔力を持っていて、パチュリーに魔法を、美鈴に武術と体術を教わっている。実は人見知り。


十六夜(いざよい) 咲夜(さくや)

種族:人間
年齢(紅霧異変時):不明(10~20歳?)
能力:時間を操る程度の能力
説明:毎度お馴染み、紅魔館のメイド長。完璧なのかと思いきや、リリーホワイトを瓶詰めしようとしたりレミリアに変な味の紅茶を飲ませたりと、割と天然入っている。
彼女が来るまでのメイドは美鈴だった(その間門番は居なかった)が、短い期間で膨大な量の仕事を覚えていったので、メイド長を引き継いだ。また、妖精メイドに《班》の制度を作ったのは彼女で、それが妖精メイドの動きを格段に良くした。
霊夜より少し後に紅魔館に来たが、馴染むのは仕事上咲夜の方が先だった。霊夜が小悪魔に可愛がられている様に、咲夜は美鈴に可愛がられている――が、霊夜と違って最近は少し嫌がっている。
ナイフ投げは元々得意だった。誰かに恨みでも持っていたんだろうか?
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