今回は前回すっ飛ばした姉妹面談(?)です。1話に纏めれば良かっただろって?馬鹿ですから←
ではどうぞ。
「はぁ…ただいまぁー…」
「よう、お帰りレミィ」
「あら、霊夜が出迎えてくれるとは珍しいわね…今日は散々だったわ…」
このままだとレミィの愚痴に延々と付き合わされそうだったので、レミィの腕をむんずと掴み、文字通り引き摺って行く。後ろで「え、ちょ、どうしたのよ!?」と聞こえるが無視。折角フランが話す気になったのだ、早めに連れて行かなければ。…それに、『指切りげんまん』は「嘘ついたら針千本飲ます」とか言ってるが、『指切り』の名の通り《指を切る事で忘れない様にする》と聞いた事もあるし。ああいや、勿論指は無事だ。安心してくれ。
「レミィに是非とも会わせたい者が居てな。あまり待たせるのもまずいだろう」
「…分かったわ。貴方が信じるのなら大丈夫でしょ」
一瞬にして、レミィの雰囲気がいつもののほほんとした物から、カリスマ性のある、思わず緊張する様なそれに変わった。まあ相手はフランと言っていないし、その対応は間違っていない。第一印象は大事だ。
「…ソイツはどこに居るの?」
「ヴワル魔法図書館にて、羽根を…いや首を伸ばして待っている。立会人として俺も居てほしい、との要望だ」
「なるほどね。…さて、私に会おうだなんて面白そうな輩「お姉様ー!」の゛おっ!?」
レミィが扉を開けた途端、フランがレミィに突っ込んでくる。抱きつくではない、突っ込むだ。
「うぉっ!?…フラン、俺だったら間違いなく肋骨が吹っ飛んでたぞ」
「あぅ、ごめんなさい…」
「俺への謝罪はいい、それよりレミィと話すんだろ?」
「うんっ!」
そのレミィだが、何が何だか分かっていない様子でただただ驚いている。顔を青ざめさせ(恐らく緊張)、次にきょとんとした顔で俺とフランを交互に見る(これは単に、理解が追い付いていないだけだと思われる)。そして、その口から―――
「ええええええええええええええええええええええ!?」
大音量の驚声が発せられた。
~少年説明中~
「…って訳だ」
「…なるほど。それでこうなった、と…」
さて、かなり駆け足に事情を説明した訳だが、俺の過去は一切、綺麗に話していない。第一、そこまで話したい事ではないし。
「…さて、次はフランの番だ」
「うん……お姉様、私ね――」
パチェもこあも、少し離れた所から見守っている。こあは兎も角、やはりパチェも「私は別にいいわよ」とは言っても心配なのだろう。…さぁ、後は平和に――
「―1回だけ、お姉様を思いっきり殴りたいの」
―行かねえのかよおぉい!え!?誰とも話せないから寂しいみたいなアレは何だったんだ!?
と言いたくなるのを、顔を引きつらせただけで我慢出来たのは奇跡だ。その後に1度深呼吸して、「それはどうしてだ?」と聞く。話し合いの場を設けておいて何だが、フランが話す内容は全く聞いていないのだ。
「だって…褒めてほしかったのに怖がられて、地下室に閉じ込められて、誰とも話せないで、一人で遊ぶだけ…私、そんなの嫌だった!皆と一緒に居たかった!」
「っ………」
「…だけど、それも1回だけで無かった事にする。自分で言うのも何だけど…結構譲歩してる方だよ?」
「……3回」
「え?」
「3回殴りなさい。私の愚かさを無くすのならば、1回だけじゃ足りないわ」
「お姉様……じゃあ、行くよ」
……あ、これ色々ヤバい気がする。少なくとも、普通にお茶の間に流せる代物じゃない。いやだってさ、妖力と魔力だけで図書館の結界がピシピシいってるんだぞ?いくら吸血鬼が頑丈って言ってもそれは人間の基準だ。吸血鬼vs吸血鬼なら、あまり意味は無いだろう。つまり何が言いたいかと言うと――
「……いーちっ!」
フランがレミィの腹を拳で殴る。それだけでレミィは図書館の壁を巻き込んで吹っ飛び―丁度扉だったのは不幸中の幸いかもしれない―、紅魔館の壁に罅を入れただけで済んだ―のは建物の話。当の本人はもう腹が無い。いやホントマジで。血は流れてるけど内蔵の一部が消し飛んでる、そんな状態。…まあ、すぐに再生するのは吸血鬼の特権だろう。死なない人間とか居たらもう笑うしかない。
「にーいっ!」
再生した直後のレミィ―の顔面に、容赦なく拳を叩き込むフラン。なんというグロテスクな光景だろうか。掃除するのは咲夜や妖精メイドなのだが。
「そしてぇ…さんっ!」
更に肋を左フック。これがレミィでなく人間だったらオーバーキルなんて話じゃ済まないが、もうその辺は考えるだけ無駄だ。ほっとこう。
「うぅ…フラン貴女、いつの間にそんな強く…」
「お姉様、これで恨みっこ無しでしょ?」
「…フラン、それやる前に言う台詞じゃなかったか?」
「な、何があったんですか!?なんか物凄い爆音がしたんですが…」
「よう、美鈴。見ての通り、姉妹会議さ」
「良かった…仲直り出来たんですね」
「咲夜か。ああ、出来たみたいだぞ」
抱き合い、無邪気に笑う(悪魔が無邪気に、と言うのも変な話だ)2人を、月の光が優しく照らしていた。
グロテスクなんだかほっこりなんだか。最近こんな風によく分からないの多いなぁ…まあ俺の自己満足ですし?原作崩壊…は気にしますが。
ではまた次回。