今回は霊夜サイドです。
あれから1週間経ったが、特に変わった所は無し。…というか、理由と動機…いや同じだ、理由と人物が分かってるんだからぶん殴ってやれば早いんじゃね?
というのまでは思いついたが、そんな事したら特別指導だと止められた。慧音先生はそんな事言っていなかったが、『特別』な『指導』なのだからめんどくさいことこの上ないだろう。それなら嫌だ。
「となると、尻尾出すまで待つしかねーかぁ…」
「どうにかして、話が出来ると良いんですけどね…」
「じゃあ、霊夜くんが聞いてみるのはどうですか? ほら、話聞く限り好印象みたいですし」
「えぇー!? 向こうが良くても俺がやだ……あんなん、話してるだけで頭痛くなるよ」
「でも、そうも言ってられないのが現状だよ。諦めるんだね、犬っころ」
「だーかーら、犬っころってのやめろって……。まあでも実際そうだよなー」
「犬っころが?」
「ちげーよその前。背中押した手前、俺も動かないといけないしさ」
幻想郷に来るのなら、そういったものは全て晴らしてから来てもらいたい。その一心で、深い考えも無しにあんな事を言ってしまった……のは、もうしゃーない。言葉は戻せないのだ。
それより問題なのは、やはりあの女だろう。未だに名前を覚えてないあの女。アレをどうにかしなければ、早苗の気は晴れ……なくてもまあ連れてく事は可能だけどどうせならって……ああもう女性の人間関係ってめんどくさいな! いやめんどくさくしてんの変に介入した俺か!
「いえ、でも霊夜さんに気を使う訳には…」
「こんだけ掻き回しといてハイおしまいは俺が嫌だしやるよ」
「おっ言い切ったねぇ、なら私の怨念も持ってきな?」
「あ、いやそれは渡す前に俺が死にそうなんで辞めときます。はい」
「敬語とはまた珍しい、それだけ嫌だって事か。──頑張んな、早苗」
「──はいっ!」
「霊夜くんも頑張ってくださいね」
「……うん」
かくして、『早苗のいざこざ解決作戦(名前は今決めた)』が決行される事になったのである。
……何言ってんだ俺?
***
夏の陽射しを遮るものが無い屋上は、ずっと居ると暑さでどうにかなりそうだ。まあ夏だからと言えばそうなんだが、今日は待ち合わせがある故帰る訳にもいかない。何なら呼んだのは俺だし。
「よ、風萩。今日はどうしたんだ?」
「来たか。麻見、お前
「ん? ああ、妖怪とか霊の類か。うん、出来るぞ」
「そこでお願いがあるんだけど……────」
***
「あ、あの……鷺宮、さん」
「んー? どったの東風谷。あそーだ、弁当買ってきてよ。今日忘れちゃってさぁ」
全く悪びれる様子も無く、さも当然のように私が金を払うようにされている事、またそんな状況にしてしまった自分にはもううんざりだ。
もう言おう、と息を吸い込む。手汗でじっとり濡れた手が気持ち悪い。でも、言うんだ。言わなくちゃ。
「……私は、貴女の奴隷じゃありません。お弁当は、自分で買ってください!」
「……あ?」
***
「──って思ったんだ」
考えを説明し終わり、弁当をパクつく。美鈴は中華しか作らない(作れない訳ではないのに)ので、ずっと食べてると飽きそうなんだが果たして。閑話休題。
麻見も暫くもぐもぐしていたが、リスのように膨らんだ頬が元に戻ってきた辺りで「なるほどなぁ」と呟いた。
「……でも、お前の方が見えるんじゃないのか?」
「や、その辺は分かんねえよ。大体、
「あー……それもそうかぁ。
「普通に居た。『冥界』があって、『三途の川』もあって、どっちも地続き……と空続きで行ける」
「空続きって何、浮遊大陸って事? それもうラ○ュタじゃん」
「ラピ○タってなんだよ」
話を聞くに、○ピュタとは天空に浮かぶ城らしい。蒼く光る石が浮遊している秘密なんだとか。パチェにそんな事言ったら「作るわ」と言い出しそうだから内緒にしておこう。
「浮遊城かぁ……今は無いけど、いつか現れそうなのが怖いんだよなぁ……」
「ははは、そん時は教えてくれよ。俺も1回見てみたいんだよ、重力を無視して浮かんでるモノ」
「あー、じゃあ
「うっわマジで、そんなに沢山浮かんでんの?」
「マジマジ、何なら人も飛べる」
「はぁーすげぇ、俺も飛んでみてーなぁ」
「麻見なら多分飛べるようになるぞ、きっと」
「マジ!? 楽しみだな」
他愛無いけど、現実離れしまくった頭のおかしな会話をして楽しめる人間は、外の世界ではこいつか早苗ぐらいだろうな……と考えつつ、いつか別れなければいけない事を思い出して、少しだけ胸が痛んだ。
もうそれらしいタイトルすら浮かばないくらい頭回ってませんが、出来るだけ早めに投稿したいと思っております……いや次いつだ…?